チョークを食べるときれいな声に?  赤ずきんの奥深き世界へ 子どもの領分-3-

チョークを食べたことありますか? おおかみの話、まだ続いています。「子どもの領分」3回目です。前の記事はこちら↓ 踊るパディントン とオオカミ賛歌 子どもの領分-1- - ベルギーの密かな愉しみ わたしは いままで うっかりしていたけれど…『でんでんむし…

わたしは いままで うっかりしていたけれど…『でんでんむしのかなしみ』新美南吉と美智子さま -2-

前回の続きです。 マミーさんご紹介の本のなかに、新美南吉の『ごんぎつね』『手ぶくろを買いに』などが紹介されていました。懐かしいですね。 今では小学国語教科書で皆に知られている新美(1913- 1943年)の幼年童話です。29歳という若さで結核のため亡く…

踊るパディントン とオオカミ讃歌 子どもの領分-1-

松岡享子さん こんにちは、 がんばれヘンリーくんをやくしてばかりいないで いそいで くまのパディントンをやくしてください。 おもしろくておもしろくてやめられません。 はやくあと7さつとも やくしてください。 松岡享子さん はやくはやく やくしてくだ…

カズオ・イシグロ『日の名残り』信頼できない語りに身を任せて&イシグロin白熱教室・慶應大学

ノーベル文学賞2017 つい最近また『日の名残り』(1989年)を読んでしみじみ凄い作家だなと思っていたので、ノーベル文学賞の発表を聞いたときは「よい人選をしてくれたな」と嬉しかったのですが、でもこんなに早く?と思ったのも本当です。まだお若いイシグ…

世界一美しい本を作る男 -2- アーティストが作りたいと思う本のコンセプトを完璧に実現したい

(前回の続きです) ゲルハルト・シュタイデル この男の存在自体が文明批評 シュタイデル社は1972年からゲッチンゲンのこの通りにある。シュタイデル氏の実家から50mくらいだそうだ。初めの一棟に次々と建物をつなげていったので、中はちょっと迷路になって…

世界一美しい本を作る男 -1-

ゲルハルト・シュタイデル 天才たちに愛される完璧主義の男。(予告編の最初に出てくる言葉) ドイツ・ゲッチンゲンにある小さな出版社シュタイデル。社を率いるのはゲルハルト・シュタイデル、まるでラボの研究者とかお医者さんみたいな白衣の男。一年もの…

手作りの贅沢と最良をすべての人に ーヴァージニア・リー・バートンの『ちいさいおうち』展ー

竹中工務店ってすごいと思う。 先日、東陽町(東京メトロ東西線)からすぐのところにある竹中工務店本店に『ちいさいおうち』展を見にいってきた。 竹中工務店と絵本?どんな関係があるの、と思うでしょう。(竹中工務店のギャラリーのサイトはこちら。Galle…

河童忌 田端の王様・芥川龍之介

河童忌 7月24日は芥川龍之介が自殺して亡くなった日、あれから90年です。softwind さまはちゃんと取り上げて下さいましたhttp://kihaseason2015.hatenablog.com/entry/2017/07/24/000200 私もその日に何か書こうと思っていたのですがそびれてやっと今日にな…

七月の園芸家 マラルメ・詩人の庭 -2-

日が空いて間が抜けてしまいましたが、前回の続きです。 七月の園芸家 『フランドルの四季暦』フランドルの四季暦 :マリ・ゲヴェルス,宮林 寛|河出書房新社 の中でマリ・ゲヴェルス(1883 -1975、写真)は七月という月を高らかに謳いあげるのですが、その中に…

あおい ふね LE BATEAU BLUE(子どもの領分 最終回) 

〈*絵本ブログ「子どもの領分」から移動〉 アメリカの作家 マーガレット・ バーディックの絵本です。 Le bateau bleu Album – de M Burdick (Auteur) Gautier Languereau (1 janvier 1991) 左:フランス語訳 右:原書『カワウソのボビーと青いボート』 これ…

すばらしい ひこうき ネズミのお話-2-

〈*絵本ブログ「子どもの領分」から移動〉 すばらしいひこうき(L'AVION MERVEILLEUX) 今日はこれ。前回と同じ Heather S. Buchanan(ヘザー・シンクレア・ブキャナン)の作品です。やはり1985年のもの。 前にも書きましたが、フランスで買ったイギリスの絵…

お針子ニネット ネズミのお話-1- (「南国に対する北国の優越性について」 ポール・アザール)

〈*絵本ブログ「子どもの領分」から移動〉 お針子ニネット(NINETTE COUTURIERE) Heather S. Buchanan(ヘザー・シンクレア・ブキャナン)作、1985年の本。 子どもたちが大好きだった本であり、また我が家はハムスター教、いえ、ハムスター狂時代があった…

ムスティクのぼうけん 

〈*絵本ブログ「子どもの領分」から移動〉 子どもが眠くなるのはどうしてか? それはね、眠りの精の「砂売りおじさん」が 目の中に砂をたらしこむためなんです。 ヨーロッパではそう言い伝えられており、子ども時分はみんなが信じています。 『ムスティクの…

ひと・もの・ときをつなぐ魔法 ルリユール-3-

ルリユールは今日で3回目。 初めていらしたかたは、1と2を読んでからの方がわかりやすいと思います。 紙の発明→グーテンベルグの活版印刷→印刷出版業 とくるわけですが、フランスでは、ルイ14世が印刷と製本を完全な分業にしたため、製本術が独自かつ華麗…

『ルリユールおじさん』-パリの製本職人と少女のお話ールリユール-2-

絵本『ルリユールおじさん』 いせ ひでこ (著) 大型本: 56ページ 出版社: 理論社 (2006/09) 絆 ・LIENS 写真は上が原書。2006年発行、そして2007年にはフランス語版(下)が出た。絵本で日本→仏語訳が1年というスピードは異例と言ってよい。 もっと驚いたの…

工芸製本 めくるめくルリユールの世界-1- 

今日はヨーロッパの製本ルリユールの話です。 実はルリユールについては前にもちょっと触れているので、お暇なときにでも過去記事、読んでくださいませ。なぜ和紙が出てくるのか、フレディ・マーキュリーが和紙とどんな関係があるのか、とっておきのネタです…

おかしな結婚式 (チェコのカッパ-2-) +カッパの周辺・雑記

〈*絵本ブログ「子どもの領分」から移動〉 おかしな結婚式 大型本 – 1986/8ボフミル ジーハ (著), ヤン クドゥラーチェク (イラスト), 井出 弘子 (翻訳) 95ページ出版社: 童心社 (1986/08) 今日もカッパの話なのですが、初めて読む方は前回記事で、チェコの…

おばけとかっぱ チェコのカッパ-1-

カッパ(かっぱ、河童)は 日本人なら誰でも知っている愛すべき妖怪です。 柳田國男の「河童駒引」や折口信夫などの著作も有名ですし、芥川龍之介 も『河童』(昭和2年)という作品を書いており、命日の7月24日は「河童忌」と呼ばれています。(芥川『河童』…

ミッフィーパパが亡くなったと夫が叫んだ朝・ブルーナのデザイン

その大声で知りました。 日本ではうさこちゃん 英語ではミッフィー オランダ語の本名は ナインチェ・プラウス( Nijntje Pluis) ディック・ブルーナ(Dick Bruna) うちの子どもたちにとってはミッフィー、わたしにとってはデザイナー、装丁デザインのブル…

カロリーヌの絵本「ユピ学校へ行く」(カロリーヌ-3-)

〈*絵本ブログ「子どもの領分」から移動〉 カロリーヌの絵本シリーズ 今日はうちの子どもたちが大好きな「学校編」を紹介します。 大人の私たちが見ても笑えるかどうか、あとでぜひ意見を聞かせていただきたい。 表紙の犬はYoupi、 黒板に「ユピ学校へ行く…

エンスラポイド作戦「ヒトラーの絞首人」を暗殺せよ(ナチスの時代-4-)・悲劇の村を訪れて

ヒトラー暗殺の試みが失敗に終わったことは皆さんもご存じだと思う。 ナチス時代で成功した暗殺はたったの一件で、それもナチス・ナンバー3(ヒトラー、ヒムラーにつぐという意味で)の男。その残忍さから親衛隊の部下からは「金髪の野獣」とあだ名され、「…

白熊も食べたがるベルギーワッフル作ってみた!+グレーテルのかまど・ノルウェーのワッフル

白熊さん、ベルギーにおいでなさい。 今朝はこんな記事を見つけてすっかりご機嫌です。 ワッフルは世界中で食されていると思いますが、ヨーロッパの人はすぐにベルギーのワッフルを思い浮かべるようです。しかもリエージュ風とブリュッセル風を。 もちろんオ…

カロリーヌの公現祭「王様のケーキ」+うちのそら豆コレクション公開 (カロリーヌ‐2-)

〈*絵本ブログ「子どもの領分」から移動〉 ソラ豆に当たると王様になれる! 1月6日はカトリックの祝日です。 公現祭(エピファニー)といいまして、ガレット・デ・ロワという「王様のケーキ」(パイのほうが近いかな)を食べます。 切り分けられたケーキの…

アン・モーティマーの世界~クリスマスの絵本~

〈*絵本ブログ「子どもの領分」から移動〉 わたしね、白状すると、可愛いものが大好き! 小さくて可愛くて色がきれいなもの。 みなさんだってこどもの頃、自分の気に入ったものを集めたり切り抜いたりして、宝物として、箱や机の引き出しにしまっておいたの…

お初のおめもじなれば 日本語 -1-

浪士さまのブログはコメント欄もすごい。浪士色満載で「浪士ワールド」といっても過言ではない。 先日、イノシシの話を読んで 猪は落ちてきたら保険が降りる - 備後「あこう浪士」 釣り場の周辺 ある方のコメントに行き当った。出だしを読むや、はて、どこか…

レジリエンスの基礎をつくるもの

前回記事の続きです。初めていらしたかた、前回記事の終わりの方をまずお読みください。精神科医シリュルニク氏が挙げたアルベール少年の話。 みなさま、コメントをありがとうございました。どれも正しいですね。 よんばばさまのコメント 人生のスタート地点…

金子みすゞアメリカデビューと 水着問題・クロアゲハ

〔前回よりニュースの続き -2- 夏の間、ブックマークしてたまりにたまった記事をまとめています〕 こだまでしょうか、いいえ、だれでも。 待ちに待った金子みすゞ詩の英語翻訳と短い生涯を紹介する本が、美しい挿絵入りでアメリカの出版社から出た。 金子み…

オランダからの手紙(戦争-3-) 〈追記アリ〉

大切な一通の手紙(写真左)。 2年前の9月にオランダ、ハーグ(便箋右上にDen Haagと見える)から届いた手紙。その前の月、終戦記念日のころに私がオランダの出版社宛てに送った手紙に対する返事で、イギリスの田園風景の絵葉書も同封されていた。 くださった…

秘密諜報員になりたい & 美人には気をつけて

将来の夢 小学生のころ、将来の夢はsecret agent、つまり秘密諜報員。当時は国際スパイと言っていた。私と同世代なら「ああ、そう呼んでいたな」と同意してくれるだろう。産業スパイに対して「国際」なのか、よく知らないけれども。 国際スパイごっこも流行…

ネロはルーベンスになれた?「フランダースの犬」をめぐって

皆さんの多くがなじんでいる物語「フランダースの犬」を取り上げてみる。私はこの「国民的アニメ」を見ていないため、みなさんと思いを分かち合うことができない。 『ムーミン』は見たのだが、そのあとに来る一連のアニメ作品『アルプスの少女ハイジ』(1974…