相変わらず街を歩いています。ほとんど個人メモです。
天気はとにかく変わる。グルグル変わる。だから空がおもしろい。
それでスヘルデ川を渡って、また向こう岸に行ってみた。
いつも大人気のフリット屋さん MAX
二階席あり。サイズもS,M,Lと選べる。ソース代を払うと、脇のカウンターへ行って、好きなソースを好きなだけ取ってもよい。
種類もこんなに!
かき氷にシロップかける感じかって?いや、ちっちゃなプラスチックの容器に入れるのだ。おばちゃんが「マヨネーズと他のを混ぜてもいいのよ」と言ってくれた。
フリカデルとフリットなどスナックと、飲み物を取って簡単に昼ご飯をすませる人も多い。
Prinsstraat から入る美しい小路。
Venusstraat 11ー 15 ヴェニュス通り
この建物は「慈善の山」という名前がついて、指定文化財になっている。イギリス所有の倉庫だったものを、画家で建築家のWenceslasCobergherという人が、質屋に改造した。12-15%の利子をとって物品を預かる。1618年 から 1633年の間に15店舗まで増やしたという。 1804年には裏に貧民救済施設が建てられた。
いい感じ!
入ってみたかったけれど、散歩を続けることにした。
ケイザー通りに入る。「皇帝」というだけあって、実に立派な建物が並んでいる。こちらKeizerstraat 9番地 Delbekehuis 。
1516年に 建てられたが、紆余曲折あり、1897年大臣のAugust Delbeke男爵の所有となり、以来デルベーケハウスと呼ばれている。凄いのはこのバロック様式の扉。拡大してみると
二組の セイウチと乗り手の男性が彫られている。
見学した人の記述を読むと、内部も豪華で貴重なものばかりらしいのだが、今は入れない。たぶん特別な公開日に来たんだろうな。
ケイザー通りにはもうひとつ有名な建物がある。
10-12番地にたつHet Rockoxhuis ロッコクス・ハウスだ。
すばらしい豪邸だが今は美術館になっていて、有名な画家の作品を見に、国内外から観光客も多くやってくる。ブリューゲルの諺シリーズの1点もこちらに。(写真:ウィキペディア)
「フランドルの諺」
ブリューゲル(子)の作品。
ロッコクスさん、何者かというとアントウェルペンでは大変な名士である。
Nicolaas Rockox (1560 - 1640): 市長、人文学者、美術品コレクターなど多くの肩書を持つ。1603年にこの家を購入した。
現在閉館中の王立美術館の作品も一部ここに移管されているので、今はかなりお得だ。
こちらがポスター。
同時に特別展も。
16世紀まで花や植物は絵画の添え物、背景の小物、という扱いだったが、その後これをテーマとする作品が好んで描かれるようになり、発展をとげた。
真冬のアントウェルペンで、こんなに色とりどりの花が見られるなんてね。
うちの庭に植えたチューリップと同じタイプのも、絵の中の花瓶にいけられ、咲き誇っていた。ああ、春が待ち遠しいな。
帰り際、中庭に立ち寄った。
冬枯れなのにその美しさといったら!
ペルメーケ図書館 &パナマレンコの作品
アントウェルペン市の中央図書館 ペルメーケに行ってみた。
中華街をつっきっていく。中華街は、中央駅前からのびる細い石畳の道の両脇に広がる地域だ。
こちらは裏側。
奥に見える緑色の建物がペルメーケ図書館。
途中にあった気になる鍼灸院
Bibliotheek Permeke
De Coninckplein 26, 2060 Antwerpen
中央駅から徒歩6-7分といったところかな。この地域は20世紀前半には非常に活気があり栄えた。1926年、Ford-garageを経営するペルメーケ一族が、フォード車のショールームやオフィスなどをこの地に構え、華やかな雰囲気だったそうだ。
しかし1960年代に入り、閉める店舗がめだち売春宿が増えてくると、地域はすさんでいった。転機は2000年に入ってからだ。市はここ(つまりフォードの跡地)に公立の中央図書館を建てることにした。加えてカフェやミニシアターや市の事務所の一部までも並置し、ちょっとした文化拠点を作った。そうしたことで地域もより安全になり、風紀も改善したのである。また移民の人が社会に早く溶け込めるようにと、オランダ語カフェや講座など活動も活発で、多くのメディアに取り上げられている。
ここから入る。左の緑ガラスはカフェで、皆新聞や雑誌などを読んでいた。
一階には巨大な南洋植物が何本か生えている。(もちろん鉢植え)
でも何よりびっくりしたのはBD,CD,DVDの多さだ。いったいどのくらいあるんだろう。B.D,というのはバンド・デシネ(bande dessinée)のことで、ベルギーやフランスの、硬い表紙で大判の漫画のことである。とにかく広いのですべての棚を見るのは諦めて、二階へ上がってみた。こちらは人文書や専門書がずらり。一応文学関係をチェックしたあと、アントウェルペン方言の手引きという本を見つけ、しばし読みふけった。
奇才のアーティスト
図書館をでたあと、足を伸ばしてシント・ヤン広場(Sint-Jansplein)まで パナマレンコの作品を見にいった。
Panamarenkoというアーティスト名はウィキペディアによると
"Pan American Airlines and Company"
大文字のところを組み合わせたものらしい。1940年アントウェルペン生まれのおもしろい人である。飛行物体にこだわりがあるようで、独創的で詩的な作品が多い。
(飛行船アエロモデラーとパナマレンコ氏。ウィキペディアから)
見に行った作品はこちら。
追記2019年12月:パナマレンコ お別れ
ベルギー・アントワープ出身のパナマレンコが亡くなりました。代表作アエロモデラ―(画像)など謎めく飛行隊を作ったエンジニアで発明家で詩人。現代のフランダースの巨匠の冥福を心よりお祈りします。アントワープ現代美術館M HKAやゲント美術館などに作品が所蔵されています。#パナマレンコ pic.twitter.com/vmBmb1R7uj
— オランダ&フランダース (@hollandflanders) 2019年12月18日