『3びきのくま』The Three Bears(トルストイ再話)『てぶくろ 』 The Mitten

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3びきのくま

作: L・N・トルストイ
絵: バスネツォフ
訳: 小笠原 豊樹
出版社: 福音館書店

発行日: 1962年05月

 

森の中のお家に3匹のくまが暮らしていました。

おとうさんぐまは体が大きくて、名前はミハイル・イワノビッチ、おかあさんぐまは中くらいの体つきで、ナスターシャ・ペトローブナといいます。最後に小さなくまの子がいて、名前はミシュートカです。

全員名前があるところがいいです。

 筋はもうご存知だと思いますが、ここに女の子が「乱入」しますね。

3匹のくま一家は、朝食のおかゆがとても熱くすぐに食べられないので、森の中を散歩することにしました。

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おかあさんは日傘なんかさして、赤いエプロンにバスケット、とおしゃれ!

 

3匹がでかけている間、金髪の女の子がくまたちの家にやってきます。

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女の子はおかゆを食べたり、椅子に座ろうとして小さな椅子を壊したり、

そうこうするうちに眠くなって、こぐまのベッドで寝てしまいます。

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そこに3匹のくまたちが戻って、さあ大変。

 

3びきのくまは、

英語: the Three Bears または Goldilocks and the Three Bearsといいます。

1837年、ロバート・サウジーRobert Southeyが文を書き、広く普及しましたが、さらに古い原作もあるようです。

f:id:cenecio:20160624171147p:plainRobert Southey

Goldilocks、ゴルディロックスは「金髪」という意味で、gold「金」とlock「髪」を組み合わせています。

 

1837年発行の"Goldilocks and the Three Bears"

f:id:cenecio:20160624060940p:plainIllustration by Arthur Rackham

クマや家具など超リアルに描かれます。服は着ていませんね。

 

 みなさんもご自分の「三匹のくま」があるでしょう。

 うちにはこんな「おうち」もありました。(写真が悪くてすみません)

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ページが蛇腹状になっています。可愛い系の絵なので、好みは分かれます。(終わり)

 

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(寝てばかりのアリスちゃん)

 

 追記

さぴこさん、福音館書店もいろいろバージョンがあるようです。

(出版社は我が家の近く^^)

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 そしてほかの出版社からもいろいろ出ているようです。

読み方、受け取り方はそれぞれでいいのですが、トルストイがこの再話を書いたのは、ロシアの農村の子どもたちの生活を正したい、という一心からだったそうです。

行儀が悪くて、自分の好き勝手をする女の子に、いけないことだよ、というメッセージを送っているのです。

女の子はしつけを受けていない自然児のまんまの子どもです。まあ、子供って初めはそうですよね。自分のことを振り返ってみればわかるもん。

 

追記:7月15日

くまっこさん、コメントありがとうございました。

トルストイ1828年- 1910年)が何年に再話を書いて、ロシアで何年に出版されたか(実際、出版されたのか)はわかりませんでした。

あの有名な「イワンのばか」を書いたのが1885年です。推測するに「19世紀終わりころ」ではないかと…。正確な情報がわかったら、こちらこそ教えていただきたいと思います。

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上掲の切り抜きは、ロシア語のウィキペディアから。この挿絵画家 (バスネツォフ)で初めて出版されたのは1935年、ソ連時代です。1937年には漫画にもなっているそうです。お役にたてず、申し訳ありません。

 

 みんな大好きな「てぶくろ」

f:id:cenecio:20160602105038p:plain世界傑作絵本シリーズ 福音館書店

てぶくろ
ウクライナ民話

エウゲーニー・M・ラチョフ絵 /内田莉莎子訳

1965年発行のものです。

 

もちろん私は小さいころ、ウクライナなんてどこにあるかなんて知りませんでしたけど。ただ表紙に「ウクライナ民話」と書かれているし、少し大きくなるとロシア民話とは違うんだなということは認識しました。

 ウクライナはその昔「ヨーロッパのパン籠」と異名をとるほど、豊かな農作地帯で、小麦、ライ麦、大麦、大豆、そば、じゃ. がいもなど多くの作物がとれたものです。

現在ウクライナといえばまずロシアとの確執が頭に浮かび、それからチェルノブイリ原発事故です。

私は昔、首都キエフの空港に24時間、缶詰になっていたことがあります。パリー成田便のアエロフロート機が猛吹雪のため、緊急着陸したからです。

 

「てぶくろ」の挿絵も印象的です。エウゲーニー・M・ラチョフのこの絵でなくてはだめ。と私は思うけれど、多くの人が賛同してくれるのではないかしら。

 

おしゃれぎつねさん。

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民族調の服がなんともいい味出してます。

 

全編に流れる土臭さやディテールの巧みさが魅力なんですね。

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いつの間にかてぶくろに窓ができていたりして…。ネズミは上に乗っかっているし。

子供たちが大喜びするところです。

しかも動物たちはみんな笑顔なのがわかりますね。

 

このラチョフさん、どんな人か調べてみました。1906年シベリア生まれで1997年に亡くなりました。ロシアを代表する絵本作家です。

「マーシャとくま」も福音館書店からでています。

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M・ブラートフ再話 /エウゲーニー・M・ラチョフ絵 /内田莉莎子訳

 

 そしてこちら1978年以降の挿絵の「てぶくろ」。あか抜けましたね。

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 ラチョーフ夫人からのメッセージ


親愛なる日本のみなさん!
 夫・ラチョーフが絵をかいたウクライナ民話シリーズ、気に入っていただけましたか?
この中のお話のひとつ「てぶくろ」が日本でたいへん愛され、今も読みつがれていることをわたしはよく知っています。ラチョーフがかいた最初の「てぶくろ」は、1951年に旧ソ連で単行本として出版され、たちまち読者の心をつかんで、何度も何度も増刷されました。けれども当時の印刷技術はあまりよくなかったため、そのうち原画の一部がいたんで印刷できなくなってしまったのです。それで1978年に新しい民話集『麦の穂』の絵をたのまれたとき、ラチョーフは新しい「てぶくろ」をかきました。それが、今回の「てぶくろ」です。新しい絵はより色彩豊かになり、それまでラチョーフの絵の特徴だった登場人物の黒い輪郭線も消えています。そのうえウクライナの伝統的な装飾模様も、これまで以上によく合っていました。そのため新しい「てぶくろ」もたちまち旧ソ連のたくさんの方々に気に入られ、民話集『麦の穂』は、児童書の挿絵に対して贈られる最高の賞をいくつも受賞したのです。どちらの「てぶくろ」にもそれなりのよさがあり、日本のみなさんにその両方を読んでいただけることは、わたしにとって大きな喜びです。明るい太陽の光に満ちた楽しいウクライナ民話を、いつまでも愛し続けてくださることを望んでいます。
2003年12月24日 リージア・イワーノヴナ・ラチョーヴァ
http://www.ehonnavi.net/ehon/5958/%E3%81%A6%E3%81%B6%E3%81%8F%E3%82%8D/

  

Jan Brettの挿絵

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The Mitten
A Ukrainian Folktale
retold and illustrated by Jan Brett
G. P. Putnam Sons

こちら英語版の挿絵も大変有名で、優れた作品だと思います。

おとぎ話は挿絵がとても大切で、気に入ったものは一生心の中に住み着いて残ります。