王立アテネウム(中高等学校) Het Koninklijk Atheneum Antwerpen
アントウェルペン中央駅の近く、トラムやバス乗り場の真ん前にある。
つまりこんなまちなかの、しかもこんなに日当たりのいいところにあるのが中学・高校だなんて!しかも豪華です。王宮みたい!
しかも巨大だぞ。ぐるりと裏に回ってみたが本当に大きい。 当然中庭も広いんだろうな。
昔の写真で見る。
200年以上の歴史がある。
アントウェルペンに、最初の公立の中等教育学校(日本でいえば中学と高校を合わせたもの)を作ったのは、ナポレオンだ。当時、学校教育というのはカトリック教会の占有だったが、そこに風穴をあけ、公立学校を設立するなど、ナポレオンでなければできなかったことかもしれない。1807年のことである。
その後アントウェルペン市は、スペインが築いた城壁を壊し、その跡地に上の写真に見るような自前の学校を建てた。1884年に完成、1994年には重要文化財として登録される。ところが2003年の大火によって、豪華な大広間や正面の建物、屋根などが焼け落ち、灰となってしまう。火の元は当時改修を終えたばかりの大広間(写真)だったと伝えられている。
壁の絵や装飾も失われ、無惨なすがたに。
写真:上記サイトから
現場にいた人は胸が痛んだことだろう。警察からの電話で、教師たちは駆けつけたが…。写真はいま見てもつらい。
それからゆうに10年、できるだけ元の姿に戻す工事が続けられ、屋根は完ぺきに復元できたという。2014年には新しい広間が完成し、お披露目された。
http://www.atheneumantwerpen.be/geschiedenis/
驚いたことに壁は火災の痕跡をとどめたままだ。わざとむき出しの状態にしておくのだろうか。
絵が一幅かかっている。青が目立つ作品だ。何が描かれているのだろう。
タイトル:München
画家: Luc Tuymans
こちらの記事では絵について解説している。
「疑念」のアレゴリーなんだとか。絵のことは私にはわからないけど、55万ユーロ以上の値が付く作品なんだって。
まあ、皆さんが喜んでいるからいいでしょう。
近所のStadspark
よくウサギを見に来る。アントウェルペンで一番古い公園だそうだ。知らなかったな。夜は零下になるので、池の表面は一部氷が張っている。芝にも霜が降りている。なのに…
ウサギ2匹は元気いっぱい。いつもこのコンビなんだけど、どういう関係でしょうかね?
また口をもぐもぐさせている。今日も出会えてよかった。じゃ、またね。
このモニュメントは
Evarist Allewaert (1835-89)という人。法律家でリベラルな政治家、教育に尽くした功績をたたえ、没後1年でこの像が市民公園に建てられたという。
子供たちと本、そして
AAN / E. ALLEWAERT / SCHEPEN / VAN / ONDERWIJS / 1835 - 1889.
と刻まれている。
午後になって日がさしてきたので橋を渡ってみる。でも凍っているな。滑らないように気をつけよう。
あ、家族連れが鳥に餌をやっている。
カモメか。おじさんが投げたパン屑をパクッと上手に食べる。
うーん、きれいだな!
雨上がりの晴天を楽しむ人。
昼になっても氷がはったままだ。
公園入口 ルーベンス通(Rubenslei)に立つオベリスク。
何だろうと思って調べてみた。コンゴがベルギーに併合されたのを記念して、1911年に立てられたらしい。ベルギー領コンゴは1908年から独立の年、1960年まで存在した。それ以前はレオポル2世の私領だったという。王の圧政が国際社会から非難されて、支配権を放棄したわけだ。9メートルものオベリスクの上にはメルクリウス、英語でマーキュリーというローマ神話の神 、商人や旅人の神が立つ。右手は天を指し、左手には二匹の蛇が巻き付き、端に翼のある杖を持っている。
メルクリウス ウィキペディアから
この杖、カドゥケウスまたはケリュケイオンというが、それについてはいずれまた。
追記:ここから個人メモ
貴重な資料です。