ベルギーの密かな愉しみ

しばらくの間 お休みします。

ブルスBeurs 絢爛のアントウェルペン商取引所

商取引所・ 証券取引所

f:id:cenecio:20160131145631j:plain

証券取引所というと、東京やニューヨーク、ロンドンやパリをすぐに思い浮かべると思うが、アントウェルペンは16世紀ヨーロッパの通商と金融の中心だった。私の説明よりもまず下の抜粋部分を読んでいただきたい。 

取引所の歴史(ウィキペディアより)

商取引の中心地にある中央集会所は、古代ギリシャ古代ローマの時代から国家や都市の経済生活にとって不可欠なものであった。そこには著名な商人たちが、特定の時間に規則的に集合した。中世では、定期的に開かれた市が取引のための公の会所となった。
近代的な取引所が最初に設立されたのは、13世紀のイタリアとフランドル商業都市であった。ブルッヘの名門ブルセ家(注:Huis ter Beurze)に多数の商人が毎日集まり、取引を行うようになった。そのためブルセが、取引所を意味するドイツ語のdie Börseやフランス語のla bourseの語源となっている。しかし、このような商人集会所は今日の取引所とは大いに趣を異にしていた。
現在のような取引所が最初に設立されたのは、ブルージュの商権を継承したベルギーのアントウェルペンである。1531年に設立されたアントウェルペン取引所では、商品それ自体よりもその受領書、さらに、為替手形、預金証書、各種の公債などの証書が取り引きされていた。
16世紀には、このような取引所がヨーロッパの多くの商業都市に設立された。たとえば、リチャード・グレシャムは1538年にアントウェルペン取引所を手本に同様な取引所をロンドンに建設するために尽力したが、失敗した。しかし、彼の意志はその子トーマス・グレシャムにひきつがれ、1566年ロンドンに取引所を設立した。この取引所は1571年に王立取引所と改称された。
1549年にはフランスのトゥールーズに取引所が開設された。そのほか、ハンブルクアムステルダム、パリにも開設された。アメリカでは1791年に24人の事業主がニューヨーク証券取引所の前身である協会を設立した。1848年には、アメリカ初の公的な商品取引所としてシカゴ商品取引所が設立された。日本では1878年東京証券取引所の前身である東京株式取引所が開設された。

(太字、注、ともに私がつけたもの)

 

f:id:cenecio:20160202072058j:plain

私の好きな散歩コースにある、Oude Beurs(旧取引所)地区は今はモダンな建物に変わってしまったが、1353年にはすでに商人たちが集まって取引を行っていたという。それは"De Borze"と呼ばれていた。通りでいうとWisselstraat(交換通り)の角だったらしい。1515年にそこからすぐのHofstraatに引っ越した。

当時アントウェルペンには、貿易業者と為替手形を取引する仲介業者が集中し、経済の一大拠点となっていた。人が入りきらず、建物が手狭になったので、 1531年 メール( Meir)通りと Lange Nieuwstraat の間に新しい取引所 Handelsbeursを建設した。建築家はアントウェルペン市内の多くの建築物を手掛けた、当時超人気の Domien de Waghemakere である。

 

Handelsbeurs

ブラバント後期ゴシック様式のこの集会所には四本の細い通りから入る。すなわち

① Israëlietenstraat

②Korte Klarenstraat,

③Borzestraat

④Twaalfmaandenstraat

↓写真はの道。犬は、右手前のブチックがこの日たまたま置いていたもの。テーブルと椅子が出ていることもある。

f:id:cenecio:20160124142424j:plain

f:id:cenecio:20160813105431j:plain

f:id:cenecio:20160813104752j:plain

f:id:cenecio:20160813124001j:plain

この新しい取引所は、1583年火災にあう。直後に再び同じ設計で建て直された。が1858年にも火災に。このときも元の設計図が守られたという。

中央ホールは51×50メートル、柱廊38本、四方形のパティオを屋根付きのギャラリーが囲んでいる。1565年に建てられたロンドンの取引所はアントウェルペンにならい、四方形の広場を取り入れている。

 

海運取引所 Schippersbeurs

 

f:id:cenecio:20160123170626j:plain

ここが海運取引所の入り口で指定文化財である。

 

現在工事中で入れないため下記のサイトで美しい写真を堪能していただきたい。

オランダ人のRaym氏のサイト、惚れ惚れする写真がいっぱいです!キャノンのカメラ・レンズがごひいきなんですね。↓こちら。

http://raym.deds.nl/urbex/cdc_centre_du_commerce.html

 

オランダのニコンクラブのサイト。こちらも素晴らしい。

http://www.nikon-club-nederland.nl/forum/viewtopic.php?t=56579

こんなきれいな写真が見られるなんて本当にしあわせだな。

 

この地域の今後。

Handelsbeurs 商取引所のほうは修復し、かつての輝かしい姿に復元する。市民の出会いの場となり、小規模のイベントが開催できる。

Schippersbeurs 海運取引所はレストランに生まれ変わる。

そのほか Marriottというホテルチェーンの豪華ホテルができる。部屋数は112室、地下には駐車場を完備し、 293台収容でき、もちろん近隣の住民も使えるとのこと。 予算は3500から4000ユーロを見積もっており、2017年末ころ完成予定だという。

参考:Inventaris Onroerend Erfgoed

f:id:cenecio:20170426105326j:plain

f:id:cenecio:20170426105332j:plain

f:id:cenecio:20170426105524p:plain

https://www.radio2.be/sites/default/files/styles/1200x630_nocrop/public/migrate/legacy/twaalfmaandenstraat_1914.jpg?itok=IepQWVJv

WEEK 3: de stad Antwerpen | Radio 2, de grootste familie