ドイツの絵本:『大好き!ヒゲ父さん』Vater und Sohn &『もじゃもじゃペーター』Der Struwwelpeter 

大好き!ヒゲ父さん―いたずらっ子に乾杯!

Vater und Sohn   Erich Ohser alias e.o.plauen (1903–1944).

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著者はプラウエン。本名はErich Ohserという。

主人公はこの二人、お父さんと子供。

笑ったりしんみりしたり、今読んでも古びていないので驚いてしまう。

 

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 文字はなく、話は明瞭。

5~6歳ならほとんどが理解できるだろう。

我が家の子どもたちに人気の本だった。

 

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おもしろいことにドイツ語初級に、

文法読本《父と息子》を読む (Deutsch für Anfänger Mit Bildergeschichten von Vater und Sohn)という教科書まであった。白水社刊。

手元にあるので ちょっと中をお見せすると。

 

第三話

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18pの絵の説明が19pに書いてある。絵を見て作文したらいいですね。

  

著者 プラウエンのことを考えると悲しくなる

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妻 Marigard 1942  Foto: Erich Ohser-e.o.plauen Stiftung

 

巻末の著者紹介によると、プラウエンというのは故郷の町の名前で、それをペンネームにしたそうだ。ナチスの圧政に対して風刺漫画で攻撃したため、弾圧を受ける。

新聞連載のコマ漫画「父と子」が大人気なのを、ナチスは利用しようと試みるが、断られる。すると反政府活動の要注意人物であるとして彼を逮捕する。

プラウエンは拘留された牢獄で、1944年自殺した。

 

連載最後のコマ漫画

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二人は天に消えてしまった。何度見てもやりきれない気持ちになる。

特に下のような写真をみると。

 

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息子 Christian  Foto: Erich Ohser-e.o.plauen Stiftung

『大好き!ヒゲ父さん』終わり

 

 今日のわたしの庭

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次は

世界でもっとも成功した絵本

 

もじゃもじゃペーター (ほるぷクラシック絵本)  – 1985年

ハインリッヒ・ホフマン (著), ささき たづこ (翻訳)

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                     Der Struwwelpeter (Version  1858)

 わあ、なにこれ?きったな~い子!と誰しも思うでしょ。

爪は伸び放題、髪の毛もじゃもじゃ!いやだ、お友達になりたくない。

よい子はみんなそう思う。それでよし。

悪い子のオンパレード、悪い子図鑑なんです。

f:id:cenecio:20160609183909j:plain(扉のページ)

 

著者 ハインリヒ・ホフマン(1809-1894)は、フランクフルトに生まれ、ハイデルベルクとハレで医学を学び、25才の時に故郷で開業、42才で市立精神病院の院長となりました。もともと開業医として、診察時にむずがる子をなだめるために、お話をしたり絵を描いて見せたりするのが得意だったそうです。
1844年のクリスマスの1週間ほど前、3才になる息子に贈る適当な絵本を本屋で見つけることができなかったので、かわりに1冊のノートを買ってきて、自分で絵を描き、詩をそえて絵本を作りました。
それが出版者カール・F・レーニングの目にとまって、「もじゃもじゃペーター」を含む6編の話からなる初版が1845年に出版されるや、1ヶ月のうちに1,500部を売りつくす大評判をおさめたそうです。その後も、改作やおびただしい翻案を生みながら、多くの国の言葉に訳され、600版以上を重ねて、世界で最も成功した絵本となって、ホフマンの名を不朽のものにしました。
                 (「もじゃもじゃペーター」解説より)

 

第8話

じたばたフィリップのおはなし

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 行儀の悪い子の話で、案の定…。

 

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ここまでじゃないけれども、私にも身に覚えがありますね。

 

ほかにも、いたずらっ子や乱暴な子、火遊びをする子、指しゃぶりをやめなくて指を切られてしまう子、ぼんやりさん、嵐の日に外へ出て傘ごと飛ばされる子ー

けっこう過激な話もあります。

私はどうかな、と首をかしげるんですが、子供たちはゲラゲラ笑いながら「おバカさんだねえ」という感じで読みます。

  

国立国会図書館国際子ども図書館

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www.kodomo.go.jp

これをモチーフにした展覧会もありました。

図書館所蔵の資料を中心に、いろいろな国の『もじゃもじゃペーター』やパロディ作品の展示、系譜をひく作品の紹介など、「日本におけるドイツ年」の一環として開催されました。悪い子の例を見せて戒める話は、世界中にあるんですね。

 

ところでこの国際子ども図書館って企画が凄いんです。建物も一見の価値あり。チャンスがありましたらぜひどうぞ。

国際子ども図書館について(以前一度紹介しました)

子ども図書館の前身は、明治39年建設、昭和4年に増築されたネオ・ルネサンス様式の帝国図書館で、東京都の選定歴史的建造物である。場所は上野の博物館地区にある。

安藤忠雄の設計で改築された。もとの建物は原型保存を第一に、耐震工事だけ施し、現代の建築物に不可欠なもの、冷房設備やエレベーターや電気配線などは全部ひっくるめて、裏側に増築したガラス棟のなかに配した。

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安藤氏はBELCA賞ベストリフォーム部門で表彰されている。詳しくはサイトで

建物の歴史|建物の紹介|国際子ども図書館について|国立国会図書館国際子ども図書館

 

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(不思議なウィンドー スウェーデン旅行時 Stockholm 1983)