読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

アメリカの絵本:『うさぎさん てつだって ほしいの』『ちびくろ・さんぼ』

 

うさぎさんてつだってほしいの (1974/11/5)
シャーロット・ゾロトウ (著), モーリス・センダック (イラスト)

f:id:cenecio:20160620170019p:plain

モーリス・センダックといえば、すぐに『かいじゅうたちのいるところ』があがるかもしれません。

1962年発行の『うさぎさん~』では、センダックは絵を担当していますが、文にピッタリのすばらしいできばえです。可愛いうさぎなんか描きません。

センダックのうさぎは、存在感のある、カリスマ性といっていいような不思議な魅力を備えた、かっこいい男の人って感じ。ちょっとドキドキしちゃうような。

壁ドンされたいかな(#^.^#)

 

 モーリス・センダックの話題の本

f:id:cenecio:20160620170558p:plain f:id:cenecio:20160620170619p:plain

 

かっこいいおにいちゃんウサギ

女の子はお母さんの誕生日プレゼントに何をあげたらいいか、うさぎに相談します。

https://s-media-cache-ak0.pinimg.com/564x/26/0e/88/260e8898a88bb05c8fb046e335c232b3.jpg

f:id:cenecio:20160620173914j:plain

うさぎは手伝ってあげます。

まずお母さんはが好き、そこで出てくるのが

・べにすずめ

・しょうぼうじどうしゃ

こうしたボケがこのあとの「お約束」となって、その突拍子もないアイデアを楽しみます。

結局りんごの木からりんごをもぎとります。

https://s-media-cache-ak0.pinimg.com/564x/67/37/3b/67373bbacd2346b2048f1f6fb26047c4.jpg

次はきいろ

・タクシー

・おひさま

カナリア

・バター

 

f:id:cenecio:20160620173927j:plain

お母さんの好きなバナナにします。

その次にみどりいろ。

・エメラルド

・おうむ

・グリンピースとほうれんそう

・いもむし

f:id:cenecio:20160620173942j:plain

やはり果物でせいようなしに決めます。

でもほかにももっとほしい、と女の子は言います。

最後はあお

・みずうみ

・おほしさま

サファイア

・あおいとり

 

https://s-media-cache-ak0.pinimg.com/564x/51/cb/6d/51cb6d70062522b80ef4687dcf75fb49.jpg

f:id:cenecio:20160620174001j:plain

ぶどうに落ち着き、かごに果物を全部入れて、プレゼントのできあがり。

手伝ったうさぎは去っていきます。

f:id:cenecio:20160620174020j:plain

印象派風の絵がいい。

ドキッとするうさぎの姿態もいい。

いつか英語版でゆっくり読んでみたい本。

うさぎの声も想像しながら。

 

モーリス・センダック(Maurice Sendak, 1928 - 2012)

絵については、ランドルフコールデコット(Randolph Caldecott, 1846- 1886)に憧れていたという。

また自分にとっての「神」は三人いる。

メルヴィル、エミリー・ディキンソン、モーツァルトだ。ウィキペディアより)

"My gods are Herman Melville, Emily Dickinson, Mozart. I believe in them with all my heart."

 

(終わり)

 

わたしのちびくろ・さんぼ

 

こんなに波瀾万丈の運命をたどった本はないと思う。

ちょっと色がきついけど、好きだったお話。

f:id:cenecio:20160603164923j:plain

 

もとは軍医であった夫に伴って、インドに滞在していたスコットランド人、ヘレン・バンナーマン(ヘレン・バナマン)が、自分の子供たちのために書いた手作りの絵本だった。舞台はもちろんインドであって、アフリカでもアメリカでもない。 子供の手に収まるサイズの小型絵本だった。

 

著作権がなかったため、話は都合のいいように書き換えられて いく。このことが人種差別だとして問題視されるようになり、一時書店から消えた。

 

日本でも1953年(昭和28年)岩波版からはじまり、70種類以上にのぼる様々な版が出版された。

私はやはり、なんといわれてもこの岩波版に愛着がある。

f:id:cenecio:20160603164945j:plain

さんぼの服をめぐって、おばかなトラたちが争う。しっぽをくわえて、ヤシの木のまわりをグルグル。

その間にさんぼは自分の服を取り戻す。

相変わらずグルグルと猛スピードで回り続けるトラ。

f:id:cenecio:20160603164957j:plain     f:id:cenecio:20160603165004j:plain

 

 とうとう、みんなどろどろに溶けて、バター(インドでは”ぎー”という)になってしまう。

お父さんが壺に入れて持ち帰り、お母さんがホットケーキを焼いてくれる。

さんぼはなんと169枚も食べたのであった。

 

 

f:id:cenecio:20160604063126p:plainアメリカ版の表紙(1918年)

 

 原作そのものの版が発売になる

1999年になってやっと

ちびくろさんぼのおはなし』(灘本昌久訳・径書房刊)が出た。

f:id:cenecio:20160604063500p:plain

ちびくろさんぼのおはなし ハードカバー – 1999/6
ヘレン・バンナーマン (著), Helen Bannerman (原著), なだもと まさひさ (翻訳)

 

まだ読んでいないので、いずれ図書館で読んでみたいとは思う。

だけどあの本の、あのバターのおいしそうだったこと!

そのせいでトラを見るとバターに見えたものだ。