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ムーミンから アヒルまで

みなさんはこの週末、Pokémon Goで大盛り上がりなのでは?

うちもちょっとだけ、といっても子供がやっている。(一番下に写真を一枚貼り付けてあります)

私は先日マミーさんからいただいたコメントによって、ムーミンの「スイッチ」が入ってしまい、いま頭の中にはムーミントロールと、そこから派生する諸々のものが広がっている。いや「広がる」なんて生半可なものじゃない、膨れ上がり、増殖し、転がったりしている。それで、ちょっと拾っておこうと思う。

 

ムーミンファンクラブ

(絵はウィキペディアから。たぶん著作権関係が厳しいはずなので消えるかもしれません。)

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(The Moomins, comic book cover by Tove Jansson)

 

ヨーロッパ人も北欧の人でなければ「ムーミン」といってもほぼ誰も知らない。絵を見せても「あら、可愛いカバね。カバのファミリーの話なの?」となる。アメリカとかオーストラリアなどではどうなのだろう。

日本人と結婚している外国出身の人は、日本で初めてムーミンを知り、フィンランドの作家の作品だと知ってまたびっくりした、と話してくれる。

ともかくムーミンのファンの半分はフィンランド人、あとの半分は日本人なのである。マミーさんがコメントに書いているとおりである。

 

f:id:cenecio:20160723151641p:plain1956年

著者トーベ・マリカ・ヤンソン(Tove Marika Jansson、1914 - 2001)

 

私にとってのムーミン岸田今日子である。1969年のTVアニメ『ムーミン』でムーミンの声を担当。ムーミンパパ の声は高木均 (『となりのトトロ』のトトロの声優!)だった時代。

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http://yuuyuukandai.at.webry.info/200612/article_26.html

ムーミン(1969年版)ウィキペディアより
放送時間 日曜19:30 - 20:00(30分)
放送期間 1969年10月5日 - 1970年12月27日(65回)
制作局 フジテレビ、東京ムービー(1 - 26話)、虫プロダクション(27 - 65話)
企画 瑞鷹エンタープライズ、高橋茂人
演出 大隅正秋、村野守美ほか
原作 トーベ・ヤンソン、ラルス・ヤンソン
脚本 山崎忠昭ほか
出演者 岸田今日子高木均・高村章子ほか
オープニング 「ムーミンのテーマ」(藤田淑子

f:id:cenecio:20170428072127p:plain見つけたツイート

 そんなお気に入りだった「カルピスまんが劇場」の『ムーミン』も、ウィキペディアによれば、

東京ムービーのスタッフたちはヤンソンに「大変気に入りました」と、お墨付きをもらえるものと期待を寄せていたそうである。しかしヤンソンからは難色が示され「これは、私のムーミンではありません。」等と要望が立て続きに来た。大塚康生のキャラクターデザインが、丸みを帯びており日本では可愛らしいと受け取られたが、当のヤンソンにしてみれば、シャープさが無く太ったスタイルの別ものと思われた様である。

 

フィンランド

私も1980年代はじめ、バックパッカー時代に旅行した。下の地図の3か国、ひとまとめではあったが。

ここで国の形に注目。

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イタリアが長靴、というのは誰でも知っている。

「出身はイタリアのどちらですか」「小さい村なんだけど、ブーツのかかとの辺にあって…」などと説明されるとわかりやすい。

フィンランドには国土を擬人化したキャラクターがある。Suomi-neitoスオミネイトと呼ばれる。(英語でFinnish Maiden)

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(1906年に描かれたスオミネイト。作者不明。当時は現在の国境とは異なっていた。ウィキペディアより)

 

スオミネイトは絵のような民族衣装を着た乙女で、金髪をひるがえし、国旗を持っている。「フィンランドのどこの出身?」この質問に体の部位でもって答えるわけだ。

フィンランド人といえば、魚しか食べない印象がある。というのもフランスに留学生がけっこう来ていて、家に呼んだりしたのだが、肉類をまったく食べなかったから。パーティーなど集まりごとでは食べるものに困っていたのも思い出した。

 

日本のみなさんに「新しいスオミネイト」を描いてもらいたいー 2012年、駐日フィンランド大使館が公式ツイッター上でイラストを募集したことがあった。そのコンテストの結果や作品は、ニュースなどで話題になったから、皆さんもご存じかもしれない。

 

こちらが大賞作品。

f:id:cenecio:20160723162655p:plain大賞 @ba66ieさんの作品

 

入選作

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@piro10088001さんの作品                  @URAN1017さんの作品

入選はほかにもあります。下のサイトでどうぞ。

フィンランドのイラストコンテスト結果発表 - フィンランド大使館・東京 : 最新ニュース

 

駐日フィンランド大使館が2012年春にツイッター上で開催したスオミネイトイラストコンテストは、フィンランドと日本両国で注目を集めた。このコンテストに応募された作品はフィンランド本国でも二度、展示された。これを受けて美術を学ぶフィンランド人学生らが日本の国土擬人化キャラ「ヤパニネイト」を描いた。

日本の擬人化キャラはこちら。

イラストが結ぶフィンランドと日本の絆 - フィンランド大使館・東京 : 最新ニュース

 

つくづく思う。

フィンランド大使館の人たち、なんと頭が柔らかいのだろう。こんな楽しいイベントがさっとやれちゃうなんて!たとえば大国フランスなどにはとてもできないことだ。考えもつかないだろう。お仕着せの行事や講演会、シンポジウムもいいけれど、若い世代にもっとアピールするようなイベントを考えたらいいのに。双方で楽しめて、親善や交流につながるような。

今でもやっているかどうか調べていないのだが、フィンランド航空は成田や関空からヨーロッパに飛ぶ便に、ヘルシンキ一泊というプランをつけていたことがある。日本のムーミンファンたちにいっぺんフィンランドへ来てもらって、遊んで買い物をして、翌日(それとも翌々日だったか…)ヨーロッパの行きたい都市に飛べるというチケットで、しかも格安だった。白夜の夏などは観光が楽しめる時間はたっぷりとある。気に入ったらリピーターとしてまた訪れてくれるかもしれない、と。

そのプランでヨーロッパを旅行している、若い日本人女性に何度も出会ったことがある。あなたも是非、と勧められたものだ。

 

そして、直接なんの関係もないけれど、前の大統領は、ハリセンボン近藤春菜さんにそっくりだった。

ウィキペディアのお写真をどうぞ。

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楽しいムーミン一家

またムーミンにもどる。作者のトーベ・ヤンソンが、日本のアニメには満足していなかったらしいことは前に述べた。しかし1990年には再び『楽しいムーミン一家』(テレビ東京系列)が製作、放送されるのだ。お馴染みの大ヒット作品である。ヤンソンは話が来たとき渋っていたというのに、スタッフの名前を聞くなり、許可を出したという。なぜ?

スタッフをウィキペディアで見てみよう。

アニメ:楽しいムーミン一家(第1期)


原作 トーベ・ヤンソン、ラルス・ヤンソン
監督 斎藤博
シリーズ構成 宮崎晃
キャラクターデザイン 名倉靖博
音楽 白鳥澄夫
アニメーション制作 テレスクリーン
製作 テレビ東京、テレスクリーン
放送局 テレビ東京系列
放送期間 1990年4月12日 - 1991年10月3日
話数 全78話

 

前年1989年に製作されたアニメがからんでいる。

f:id:cenecio:20160723182303p:plainウィキペディアから

 

『小さなアヒルの大きな愛の物語 あひるのクワック』

Chiisana Ahiru no Ōkina Ai no Monogatari: Ahiru no Kwak

原作 ヘルマン・ヴァン・ヴェーン
監督 斉藤博
脚本 宮崎晃
キャラクターデザイン ハロルド・ジッパーマン(de)、ハンス・バッハー、白梅進
製作 テレビ東京、テレスクリーン、ZDF(西ドイツ)、TF1(フランス)、VARA(オランダ)
放送局 テレビ東京
放送期間 1989年4月3日 - 1990年3月29日
話数 全52話
ルフレッド(林原めぐみ)、ハンク(緒方賢一)、ドルフ(千葉繁)、ウィニー小林優子

赤い字にした二人、監督 斉藤博と脚本 宮崎晃のおかげだ。ヤンソンは『小さなアヒルの大きな愛の物語 あひるのクワック』を見て気に入っており、斉藤博と宮崎晃コンビなら、と承諾したのである。

 

これは、もとはヘルマン・ファン・ヴェーン( Herman van Veen)によるオランダの舞台劇で、オランダ語の原題は Alfred J. Kwakという。ファン・ヴェーンの脚本をもとに1989年、日本、西ドイツ、フランス、オランダの4か国が共同で、子供向けアニメーションとして製作した。

f:id:cenecio:20160724133515p:plainHerman van Veen

吹き替えや字幕によりオランダ語、フランス語、ギリシャ語、英語、イタリア語、スペイン語ヘブライ語フィンランド語、セルビア語、ポーランド語、スウェーデン語、デンマーク語、アイスランド語に翻訳されている。

ヨーロッパでは大人気だったし、これを見て育った世代は今でも懐かしがる。youtubeのコメント欄も熱い。日本語の主題歌を歌う林原めぐみの声が可愛くていいね、などの書き込みも見られる。オランダ語のほうの主題歌は、作者ヘルマン・ファン・ヴェーン自身が歌っている。この人は挿入されるすべての歌を自ら作曲し、歌っている。今も、オーケストラとの共演やショーなどでオランダの人気者である。

なおアニメは、オランダ・ベルギーでは2009年からテレビで再放送されている。

f:id:cenecio:20160724130712p:plain実力派声優で歌手の林原めぐみさん

主題歌『約束だよ』

歌:林原めぐみ

www.youtube.com

ウィキペディアによると

林原めぐみは、この作品はとても思い出深い、印象深い作品であったことを自身のラジオ番組などにおいて折にふれ言及している。

 

日本での放送は視聴率が平均1%と大変低かった。番組中で主題歌CDのプレゼント告知が流れたことがあったが、その応募者の少なさは、1ヶ月以上にも渡って告知が継続し、アルフレッド役の林原めぐみの友人が応募したところ当選してしまったほどだったという。

 

およそ子供向けでないストーリー

「視聴率が平均1%」…日本では人気がなかったらしい。

主人公はアルフレッド・ヨードカス・クワックというアヒル。生まれてすぐに家族が車にひかれて死んでしまい、モグラに育てられる、といういきなりの悲劇的な宿命のほか、政治・歴史的な題材も多くて、ふつうの子供向けアニメ作品とは一線を画す。

たとえばヒトラーのようなファシズムの独裁者(ただの悪ガキから悪の親玉になるまでが描かれる)、部下の宣伝大臣ゲッペ(ナチスゲッベルスを思わせる)のような人物のほか、オランダ特有の「アパルトヘイト問題」(南アフリカ共和国における白人と非白人隔離政策のこと。Apartheidはオランダ語)も出てくる。

国王、市長、大統領、教授、泥棒など、ヨーロッパの社会にいる人間が動物に姿を借りて登場する。

肌の黒いアヒルの女性はウィニーという名前で、アルフレッドの女友だちである。

ルフレッドは仲間たちと協力して、難問に立ち向かい、悪と対決するのだが、これが全部で52話あるのだ。

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(わがやにあるフランス語版のB.D. 1987年発行)

 

こんなアニメを見て育つオランダやヨーロッパの子どもって…すごいとしか言いようがない。それであるときオランダ人に言ったのだ。

「アルフレッドのアニメを見て育つ子、親と食卓で意見を交わすような体験っていいなと思う。オランダの子どもが羨ましい」

するとこう言い返された。

「え、そうかな。ぼくはトトロを見て育つ日本の子どもが羨ましい。いや、ジブリのアニメ作品をぜ~んぶ母語で楽しめる日本人がみんな羨ましいよ。すごく贅沢なことなんだから。君はわかってない!」

 私はわかっていないのです。

 

(終わり)

 

 

きのうのポケモンGO

 

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夕食が終わったら フシギダネ が来ていた。

 

  

個人用メモ

オランダ語の主題歌

www.youtube.com

 

🌸ムーミン関連 その後も書きました。

cenecio.hatenablog.com