ポケモンGOから読書へGO news-2-

1.ブックハンター

 

ポケモンGO、流行りましたねえ。自分はやらないため、夏ころがピークであとは下火になっているんだろう、と思い込んでいました。ついに交通事故まで起きてしまい、痛ましさのあまり言葉もありません。

ベルギーやヨーロッパ諸国でも様々な問題が起きています。新聞で”Pokémon Go”とあると、たいてい問題や批判で、つまり「○○では禁止」ということに落ち着きます。

 

 日本では今のところ問題になっていないが、ベルギーでは盛んに人々が問題視し、怒りまで覚えること。

なんだと思いますか。

答えは侵入です。特に戦争の記念碑がある近辺で、このようなゲームをして遊ぶことは、冒涜ともいえることだから控えてほしい。とりわけ「大きな戦争」と呼ばれる第一次世界大戦(1914-18)の100周年であるから、悲惨な体験をしたベルギーでは行事が続き、国内外から大勢の人がやってくる。そうでない年も激戦地イーペルには、毎年イギリスから修学旅行生の一団がやってきますしね。

f:id:cenecio:20161117152527p:plain最初の本は教会のそばに。

 

今日の話題はそのことではなく、ポケモンGOから読書へいざなう、というベルギー発の活動です。

 

www.rtbf.be

上のFacebook写真で、地面に置いてある本、あれをアイテムとして探すのです。

このアイディアを思い付いた人は、ベルギー・ワロン地方(仏語圏)の女性、このかたグレゴワールさん。子供と一緒にポケGOを楽しんでいたある夏の日、ポケストップ(pokestop)に来たとき突如としてひらめいた。

”本を探すってどう?自分には必要なくなった本を町のいろんなところに置いて、それを探しに行く”

f:id:cenecio:20161117151750p:plainAveline Grégoire

 

この人は小学校の校長先生。このとき7月。9月までは夏休み。新学期前にはいつも頭の痛いことがひとつある。前年度使った本や必要がなくなった本が家にいっぱいあって、処分しなければいけないことだ。欲しい人がいたらあげるのにな、といつも思っていたという。

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そこでFacebookを立ち上げて、”Chasseurs de livres”(本を狩る人)の仲間集めを始めた。そしてあっという間に13000人も集まったのである。(その後どんどん増えて4万人以上とか)。

ルールは簡単。

上の写真のように、自分のいらない本をビニールでつつんでおく。中にメッセージも添える。iPhoneで写真を撮り、Facebookに投稿する。場所のヒントも書く。

 

f:id:cenecio:20161117151759p:plain白い紙はメッセージ

f:id:cenecio:20161117151805p:plain偶然見つけた男性

 

自分たちの住んでいる町だから写真を見てすぐ場所の見当がつくこともあるし、散歩中、偶然見つけることもある。いずれにしても思いがけないプレゼントをもらうようで楽しい。

読んでおもしろかったら、再び包んでどこかに置いてくる。そうして町のみんなで読書ができるわけだ。

 

今やこの運動はフランス、ギリシャなどにも広がっているそうです。

こちらフランスのFacebook。いろいろな写真が載っています。

https://fr-fr.facebook.com/groups/554284188095002/

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 こうした運動はいかにもヨーロッパらしい。人間の温もりや繋がりを大切にする伝統を改めて感じさせてくれます。

思えば前に、BookCrossing(ブッククロッシング)「世界中を図書館に!読み終わった大切な本に旅をさせてみませんか?」という運動もありました。

ともかく、ポケモンからここへ発想するところがすばらしいし、思い立ったら吉日、とばかり即行動に移すのもすごいな、と私は感心しきりでした。

 

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2.帰ってくるIS戦士

ベルギーの新聞では、テロ予備軍が住まうと思われる住宅の捜索は日常茶飯事。想像するに、事前に捕まえて事件にならないことも多くあるのだと思う。

現在大きな心配として、IS(イスラム国)が崩壊するとベルギー・オランダ出身のジハーディストが大挙して帰国することが言われている。オランダ国家テロ安全対策委員会(NCTV)のHPにその脅威が報告されている。

https://www.nctv.nl/actueel/nieuws/2016/Terugkerende-jihadisten-mogelijk-bedreiging-voor-veiligheid-Nederland.aspx

そしてヨーロッパの地でテロ攻撃をおこなう可能性が高いという。

さらにここ数年、移民難民排斥運動の活発化からもわかるように、ヨーロッパの国々では国内の世論も二分化しているようだ。もっとも寛容な国といわれたオランダでさえそうで、政治家のヘイト発言にぴりぴりする。

フランスのマリーヌ・ル・ペンは慎重に極右色を薄めてきて、支持を広げている。来年はフランスの選挙の年で、結果次第ではリスクが高まるのじゃないかと私は気が気でない。

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(ブリュッセル空港、テロの前。ベルギー人は皆日本語が上手です)

 

 

3.血液でテロリストがわかる

“Ontdekte stof in bloed terrorist kan doorbraak zijn” - Het Nieuwsblad

TATP(過酸化アセトン)という化学物質がある。これを使って爆発物を製造する、あるいは実行する者の血液に入りこむのだという。。TATPは、11月のパリの同時テロ事件で、自爆ベストの爆薬として使われたし、今年3月ブリュッセルテロ事件の容疑者の血液中にも高い濃度で含まれていたという。

TATPは簡単に作れて、殺傷力が強く、戦場で広く使われている。「悪魔の母」と呼ばれているそうだ。

血液検査でテロリストがわかるなら喜ばしいが、今のところ、どのくらいの期間、TATPが血液中にとどまるのか研究中だという。

 

TATPについてはこちらに詳しいです。

www.afpbb.com

 

 

4.留年してなんのメリットが?

最後の話題は、写真の可愛い子どもたちも「落第」するというオランダの記事です。

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ヨーロッパで羨ましいのは、ほとんどの国で教育はタダ。大学でさえ無料のところが多い。もちろん学科によって違ったり、登録にいくらか払ったりはするけれど。

羨ましくないのは小学校でも落第があること。これには本当にビックリする。なぜって小さい子どもは発育の差が大きいから、ちょっとぼんやりさんだと損をしてしまう。窓から空を眺めて「ああ、おいしそうな雲」なんて思っている子だと。日本ではみんな中学は必ず卒業できるから、この差は大きい。

さらに私が震え上がらせた記事はこれ。

Veel kleuters onder zittenblijvers basisschool: 'Eigenlijk weggegooid jaar' - RTL Nieuws

オランダでは、12歳までに一度以上留年したことがある子供2014-15年度の統計で15%いるという。このくらいいると、そんなに恥ずかしく思わないのかもしれない。

私だって一年くらいダブるかも。そう思うのも、小学校低学年(これは日本の幼稚園相当)では10人に一人が留年するというからだ。

ありえないでしょう。幼稚園で何を学ぶの、と思ってしまう。さすがにこのことは問題視され、教育省が「無意味な留年だ」とし、指導を工夫するように意見した。今年度の統計が出たらチェックしてみよう。

日本でもひとつの学年で、4月生まれと3月生まれの子供では大きな差があるし、子供は伸びるときはグンと伸びる。様々なきっかけや刺激で見違えるほどに変わるものだ。

 

いやはや、オランダでなくてよかったと安心したところで、今日は終わります。

 

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(ブリュッセル 壁絵 2016年3月)