フェーヴ(ソラ豆)に当たると王様になれる!
1月6日はカトリックの祝日です。公現祭(エピファニー)といいまして、ガレット・デ・ロワという「王様のケーキ」(パイのほうが近いかな)を食べます。
切り分けられたケーキの中にそら豆(*フェーヴともいう)が入っていたら、その日はいちにち王様になれます。紙でできた金色の王冠をかぶってね。
Caroline fête les rois – 発行年:1993
著者: Pierre Probst 出版社:HACHETTE
カロリーヌの絵本シリーズについては以前、簡単に紹介しました。
お話を紹介します。絵も全部ではありません。
カロリーヌは大忙し。
バターに卵、小麦粉・・・えいやっと!
右にいるのはキッド(ライオンの子)で、
左のボビ(犬)がそら豆を手渡します。
「フェーヴを中に入れなくちゃ」
できあがったら、みんなでいただきます。
切り分けると早速、縮れ毛の子犬のユピーが
パクッとひとかじりしました。
「ぼく、そら豆をのみ込んじゃった!」
まあ大変。
飲み込んでしまったらお話になりませんね。
ぶち壊しです。
困ったな、もう小麦粉がないし。
そこでケーキ屋さんで買ってくることにしました。
それにはお金がいりますね。
みんな自分の貯金箱からお金を出し合いました。
白猫のプフとユピーは、大きなケーキを買ってきました。
そら豆が当たったのは誰でしょうか。
ぼくだよ、とキッドが得意げに言います。ほら、見て!
ところがプフも同時に言うのです。
ぼくも。ほら・・・歯のあいだにはさまってるんだ。
そんなことってあるでしょうか。ケーキに二つのそら豆なんて?
カロリーヌは歯医者に電話をかけます。
先生、緊急なんです。そら豆が歯に挟まっているんです。
歯医者さんがプフの口の中から取り出したもの
それはなんと ルビーでした。
ケーキ屋さんへ レッツゴー、です。
ケーキ屋さんの喜びようといったら!
指輪のルビーがはずれて、ケーキの生地に入ったのですね。
どこでなくしたんだろうと思っていたんだよ。
ケーキ万歳 王様万歳!
そうだ、お礼に大きなケーキを作ってあげよう。
今度は八匹がそれぞれ王冠をかぶり、みんなが王様です。
なんてすばらしい日でしょうか。
このルビーの話は長く語り継がれそうですね。
おしまい。(それにしても大きすぎるケーキです!)
🌸我が家のフェーヴのコレクションを紹介します。
贈り物を持った博士たち 2点。
昔は本物のソラ豆が入っていたそうで、陶製の人形が使われるようになったのは1870年からだと言われている。
こちらはブリュッセルの思い出ひな壇。
夫が楽しんで作っています。豪華なフェーヴパレードです。
右奥の二つ:ハリーポッターシリーズ。
正直いうと私はパイの中からこれが出てきたときにはガッカリ。伝統的な人物がよかったのに…。
最近は現代っ子向けに、映画やディズニーアニメのキャラが入っている。 これを私が割ってしまい、夫に怒られた思い出が💦💦
あとはすべて買ったもので、前列7点と小便小僧のジュリアン君の両側にある2点。
いずれも陶器でできていて、観光客や収集家向け。
モンスの思い出ひな壇。(モンスはベルギー・ワロン地方の町)
こちら8点は非常に貴重で高価な品々である。
上段、猿の横の死刑執行人がおもしろいでしょ。
ほかもすべて美しくおそろしく手がこんでいると思います。
追記 :メモ
*2012年に「カロリーヌの展覧会」があったようで、そのポスターと、訪問したことををブログに書いているフランス人のサイトです。
ポスター
追記:ドイツ メルケル首相と公現祭
王冠をかぶった子どもたちの取り囲まれています。
追記:モンスのサイト見つけました。
各3.5~4ユーロのようです。
Fèves des personnages du combat ou de la Procession - Mons Où Venir
追記:すてきなtwitter
夫の勤め先では毎年この季節にガレット・デ・ロワが供される。そして毎年夫がフェーヴを引き当てて持ち帰って来る。「おれはラッキーだから」と言っているが本当だろうか。前列右端のが今年うちのフェーヴ村に加わった。何を表してるのかちょっとわかりにくいね。 pic.twitter.com/X5f6ZWILUb
— 三國万里子 (@marikomikuni) January 12, 2019