光も音もない世界で生きる人たち&ドイツのカーニバルで手話通訳 日本の選挙にも!レゴブロックの突起で点字を学ぶ

UDミニシアター チュプキ

みなさんからいただいたコメントは、アイディアや情報の宝庫。しかも深い。あれもこれも取り上げ、お返事したいと思うのですが、今日はよんばば (id:yonnbaba)さまです。

yonnbaba もう20年近く前、音訳奉仕でデジタル化に取り組んだ。視覚障碍者には音、聴覚障碍者には画面で読みやすい文字、いずれ本はこうしたマルチメディア付きの発売が常識になると聞いたが、まだ実現に至っていない。 

音訳のボランティア、なさっていたんですね。私は一気に70年代フランスの「お母さん」を思い出しました。当時まだカトリック信者の多かったフランスは、教会付属のボランティア活動が活発で、点字・手話のほか音訳も盛んでした。友人のお母さんは文学の素養があり、声もきれいだったからぴったりの仕事。小説はベストセラーではなく古典、ゾラとかモーパッサンなどを、また科学・時事問題の記事を音読し、カセットテープ(ソニー製)にせっせと録音していました。のめり込んでいると言えるほどの情熱で取り組んでいました。

よんばばさまやこのお母さんのような人たちが、障がいのある人たちの生活をより豊かにする支えとなっているんですね。

「視覚障碍者には音、聴覚障碍者には画面で読みやすい文字」の書籍、今の技術だったら簡単に作れて、インターネットで配信できそうに思うんですが。個人が購入というより配信ないしは貸し出し。どうなんでしょうか。

私は障がいのある方たちと映画を楽しんでいます。チュプキhttp://chupki.jpn.org/という25席のUD(=ユニバーサルデザイン)のミニシアターで(もう何度も紹介していますが)、クラウドファンディングなどを利用して1800万円以上の募金を集め、2016年に開館しました。JR田端駅から10分くらい。

おもしろいのは前の回が終わり、人々が出てきてこちらに向かって歩いてくる光景です。手話で映画の感想を楽し気に述べあっている。声は全然聞こえないのに興奮の渦のような賑やかさが見えるのです。

目の不自由な人もイヤホーンの音声で楽しめるようになっている。もちろん耳が不自由な人のために字幕がついていて、この字幕は私にも役立つことがよくある。つまり方言や地方のアクセント、または老人の言葉が一度で聞き取れなかったりするときです。

前にこのラインナップを紹介しました。

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戦車をめぐるアレコレ ガルパンからギュンター・グラスまで-2- (Chupki) - 

戦車競技の漫画『ガルパン』(右下)だって、目の見えない人も十分楽しめます。声優陣が素晴らしく、数多い登場人物のひとりひとりをうまく描き分けているし、ストーリーもおもしろいし、それに戦車が通るたびこの小さな映画館も揺れるので臨場感があります(笑)。若い男性たち、すごく楽しんでいたようでした。世間話にも流行にもついていけますね。おもしろいものを皆で楽しむ。障がいなんか関係ありません。

 

もうろう(盲聾)を生きる人たちの世界

https://eiga.k-img.com/images/movie/87355/photo/50cc04626da3946e/320.jpg?1500872249

映画『もうろうをいきる』公式サイト

この映画館で見た思い出の作品のひとつ『もうろうをいきる』(2017年)。あの痛ましいやまゆり園事件のあとだったからよけいに…。

監督は西原孝至さん(『わたしの自由について SEALDs 2015』ほか)、うちの子どもくらいの若い監督さんです。

私はそれまで光も音もない世界を想像してみたこともなく、周囲にもそんな人はいなかった。ヘレン・ケラーは伝記を読んで知っていたけれど、それは特別な才能の持ち主、しかも裕福な家庭の出身で、サリヴァン先生という類まれな教育者と出会えたラッキーな人という認識でした。

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8歳頃のヘレン・ケラーとアン・サリヴァンWikipedia

「もうろう」とひとことで言っても盲と聾の障がいの重さに差があり、したがってコミュニケーションの取り方も違ってくる。日本各地に訪ねた8人(8組)もそれぞれに違い、個性豊かでとてもよかった。また支援する家族・ボランティアの活動にも焦点を当てていた。特に何か起こるわけでなく、予定調和など一切なく、淡々と日常を追っていく。

施設に入っている人はおらず、自身の地域で人とつながりながら暮らしている。庭の物干しに上手に洗濯物を干す、家事全般をこなすなど…慣れと勘で多くのことができるものだと驚きながら見ていた。おばあちゃんが食事のときビールを飲んでぷはーっとするのにも笑った。手を貸してもらいながら生活を楽しむゆとり。ごく当たり前の暮らしがいい。

もうろう同士のご夫婦(下)が好きだ。美和さんの初印象を聞かれると「文章のきれいな人だ」。触手話で会話している。いつまでもラブラブな感じ。

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https://www.diversity-in-the-arts.jp/stories/4610

もちろん不安や過去に死にたいと思ったことを打ち明ける人もいた。その率直さがひしと伝わる。喜びも悲しみもありのままの姿を伝えようとしていた。

https://www.diversity-in-the-arts.jp/admin/wp-content/uploads/2017/09/IMG_9933-960x540.jpg

東京大学教授福島智さんも登場する。生後5か月で眼病をわずらい、9歳で失明し、18歳で耳が不自由になった福島さん。それでも18歳までの音/声の記憶があるため、普通に発話もでき、講義や講演などをしている。社会福祉法人全国盲ろう者協会理事である。

福島さんが言う。「生命維持そのものは、比較的なんとかできるんですよ。」そんななかで「どうやって盲ろう者の人生を意義あるものにしていくかが問題」だと。

福島さんのよく動く指は指点字という手段だった。母親の令子さんが1981年に考案し、1989年にストックホルム開催の「ヘレン・ケラー世界会議」で英語発表が行われたという。両手の人差し指・中指・薬指、計6本の指を点字の6つの点に見立て、指で点字を打つのだが、けっこう速い。速い伝達、意思疎通が可能なので会話にぴったりだが、二人でしかできないようだ。現在指点字盲ろう者の新たなコミュニケーション手段として使われている。

 

盲ろう者グループホーム 日本初

もうひとつ、よんばばさまはこんな記事も書いています。

yonnbaba.hatenablog.com

 大阪市天王寺区に開設のホーム、5階建てで10人入居できるそう。やはりお付き合いが大切。人と触れ合ってコミュニケーションをとって、楽しい時間を持ちたいんですね。

建物の至る所に点字シールが貼ってあったり、各自受信機を持っていて振動で知らせを受けたり、介助者も3交代制で24時間常駐するなどしているそうです。

 

障害者の参政権を保証してほしい。

www.tokyo-np.co.jp

これは考えさせられた記事です。

手話通訳を付ける義務はないので、対応する候補者は少ない。

今回の選挙、世田谷区では「世田谷区聴覚障害参政権保障委員会」が区長選と区議選の全陣営に手話通訳の配置を依頼した。委員長の本多さんは「最終日までに区議も含め全員のを聞き比べて政策を判断したい」と説明していた。

しかし、世田谷区の区長候補二人は一部の演説で手話通訳を配置したが、区議選(定数50に75人が出馬)では、数人にとどまったという。

視覚障害者の場合も、ビラの点訳への報酬が認められずにいる。

障害者の参政権が十分に保障されるには、各候補者の意識だけでなく、公選法の壁もまだ立ちはだかる。

・・・ ということです。

 

ツイッターで読むいい話

最後に、関連したおもしろいツイートを貼ってみます。

飛行機の中で、盲ろうの男性のために乗務員が「どなたか 触手話のできるかた、いらっしゃいませんか」と呼びかけた。するとカリフォルニア在住の10代の女性が手をあげ、男性の話し相手になったという。この女性は盲ろうではないが失読症で、サインランゲージを覚えたということだ。女性の母親のFBから広まったいい話。

 

ライブ  手話で実況

いいお嬢さん!

 

ケルンのカーニバルでも手話通訳

全くです。これは考えてもみなかった。

 

目が見えない人にサッカーの試合を見せる方法

国語教科書に点字

「小学校国語 四年 上巻」(光村図書)だそうです。 

 

犬好きのみなさんへ

可愛すぎる💛

 あと、最後に フォーラム福島ってすごいね。幾つか見ていますが、『主戦場』見なくちゃと思っています。

 

 しばらく投稿が連続します。

では今日はこれで。

追記: