遺失物窓口に届けられた「どんぐり」のお話
気落ちするニュースばかりの劣化&衰退途上国ニッポン。だがときにはほっこりするような話を読んで救われた気持ちになる。今日は楽しい話題だけ。
みなさんも子どもの時、どんぐりやきれいな葉っぱや松ぼっくりなど拾ってポケットに詰めた思い出があるんじゃないだろうか。それはそれは大切な宝物で、家に帰って箱にいれたり机の引き出しにしまったりしたね。
ツイッターで檸檬さんという方がこんな話を書いている。(今年9月)
ショッピングモールになぜかどんぐりが落ちてた
— 檸檬 (@mrmehoso11) September 30, 2019
子供が落としたのかもと思い念のためサービスセンターに落とし物として預けようとしたらまさかのまさか、サービスセンターにお母さんと小さい女の子がこのどんぐりを探しに来ててビビった pic.twitter.com/h3auKIEcp9
ショッピングモールの床に落ちていたどんぐり。ああ、たぶん子どもが落としたんだなと思う人は多いだろうが、まさか拾って届けようとは考えないだろう。
檸檬さんがその「落し物」を手に窓口に行くと、小さな女の子とお母さんが来ていた。檸檬さんが「すみません、どんぐりが落ちてて…」と言うと女の子が「あ!私のどんぐり!」。
この話はまだ続きがあって、お母さんはツイッターをやる人で、たまたま檸檬さんの投稿を見つけ、お礼と写真を送ってきたという。そこには、娘さんが檸檬さんのことばかり話している、お嫁さんになりたいとはしゃいでいる、お礼の手紙を書きたいと言っている…などと綴られていたそうだ。詳しい投稿内容はツイートの方でご覧あれ。
実はこの話は外国人のツイートのタイムラインで知った。なになに、そんないい話が日本にあるの?と思い、ついでだからいいねが4万もついている、海外の人のコメを読んでやろうと思ったらめちゃめちゃ熱い世界だった。
・実に日本人らしい。日本でしか起こらない話かも。
・中トトロがどんぐり落とすのを思い出すね。メイが追いかけるよね。(同じ連想をする人が数人も)
・日本では落し物は返ってくる。「父が電車の中にカメラを忘れたら、宿にたどり着くより早くカメラのほうが届いていた」。
多くの人がこのような日本旅行時の落し物体験談をシェアしていて、ちょっとした特集号のようだった。一様に日本人の「親切さ」「優しさ」を称えている。その関連で「日本ではこんなのもあるんだよ」という例で、私は初耳だったのが「カメ専用トンネル」。みなさんはもうご存じかもしれない。
情報に追いつこうとすぐに調べてみた。JR西日本和歌山線、五位堂駅近くのポイントに設けられたカメ専用のトンネルである。カメがポイント部分に挟まることで事故が多発していたため、U字溝を埋め込んでカメを保護するアイディアだ。カメの事故死も電車の遅延も防いですばらしい。それにしても皆いろんなことをよく知っておられるなあ。
どんぐりの写真を貼ろうとして手持ちのがないので、はたと:URURUNDOさんを思いだした。今日は地面に落ちた桜の赤い葉っぱの写真を載せていた。前にどんぐりは何度か見た事がある。探してきた。貸してくださるようお願いもしてきた。とってもステキな詩がついている。こちら
どんぐりの中の虫を育てたい。
図書館ってありがたい。国立国会図書館が全国の図書館等と協同で構築している、調べ物のためのデータベースが便利。しかも質問がほっこり笑えるし、おもしろいものが多い。特に質問者が子どもの場合は。いいなあ、今の子は。私だったらしょっちゅう質問するだろうな。
さて今回の質問は
どんぐりの中にいる虫について。かわいいので飼ってみたい。(小学校1年生)どんぐりの中にいる虫について。かわいいので飼ってみたい。(小学校1年生) | レファレンス協同データベース
回答は
どんぐりの中にいる虫はチョッキリとゾウムシ。
樹種ごとに違ったシギゾウムシが卵を産む。コナラのどんぐりには「コナラシギゾウムシ」クヌギやアベマキには「クヌギシギゾウムシ」というように。
どんぐりが落ちるには少し早すぎる8月末から9月に、コナラの木の下に落ちた2~3枚の緑色の葉と若いどんぐりをつけた小枝にいるのは「ハイイロチョッキリ」
幼虫はどんぐりを食べて育つ。秋から晩秋に土にもぐってさなぎになるのでビンに土を入れて飼える。春から夏に成虫になって出てくる。
(*太字は私)
さらに回答に至るプロセスも公開しているし、参考資料一覧も載せていて勉強になる。
チョッキリという名前はおもしろい。葉や茎をチョッキリと切るからそう名付けられたんだって。なんとアバウトな!
(写真:チョッキリの国)
日本では65種類以上いるらしく、五つのグループに分かれている。写真上段左から
・ケシツブチョッキリ族
・ハマキチョッキリ族
・ホソチョッキリ族
写真下段左から
・チョッキリ族(まん中も)
・イクビチョッキリ族
詳しく知りたい人はこちらチョッキリの国へどうぞ。
本棚のなかの不思議な世界
これも海外の人から教えてもらった優れもの。そのあと作者の @monde55212068さんのことを調べてみたらもう口があんぐり。
https://twitter.com/monde55212068/status/1063647132047958018
路地裏bookshelf 文庫本サイズ
— monde (@monde55212068) November 17, 2018
を作りました。
両面を開くことはできませんが小さくて可愛らしいです。
電源スイッチを表面につけました。
制作2018年 材質 木#design #art #bookend #路地裏#文庫 pic.twitter.com/PlW3mtmLiv
a detailed shot of the back alley bookends. photo by twitter user @riku_ton
この精巧な造り!アイディアといい技術といい、凄すぎる。海外の友人も絶賛していた。「もし販売しているようなら値段を聞いて」と言われた。自分の 文庫版(Livre de poche)の棚に置きたいそうだが、売り物じゃない気がする。
中島京子さんの本の表紙になっていた。
ではみなさま、今日はここまで。
今年の我が家の花シリーズ 前回に続き、第二弾です。またね~!