ベルギーの密かな愉しみ

しばらくの間 お休みします。

クスクス笑わないで!冬のあったかい料理クスクス。

*昨日の続き。

冬の定番料理

我が家で冬の料理といえば、クスクス(couscous)とグラーシュ。今日はクスクスについて簡単に紹介したい。

北アフリカ料理、マグレブ料理、と言われたりするが、フランスでは大変にポピュラーで、ビストロや学生食堂でも普通に食べられる。クスクス専門レストランは庶民の味方、安くておかわりもできて言うことなし。それにレストランの人は、たいていはモロッコアルジェリアルーツだが、きさくで親切でお喋りも楽しいのだ。だからパリ時代は冬には週1回は行っていた。

たしかミッテラン氏は大統領の任期を終えて「これから何をしますか」と聞かれたとき、「友人たちとクスクス屋へ」と答えていたっけ。

クスクスは料理名でもあるし、下の写真、スムール (semoule)もクスクスと呼ぶ。スムールはパスタのようなもの、硬質小麦を細かい粒々にしたものだ。フランス人のスムール消費はヨーロッパでは断トツ一位で、二位のイタリアの18倍だとか。スムールを使ったタブーレ(taboulé)というサラダはフランス中どこでも食べられるし、どこのスーパーにも売っている。今は日本のデパ地下でも売られ、インターナショナルな軽食またはオードブルになっている。

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↑年末に半額で売られていて、すぐさま二箱購入したスムール。

クスクスの命は肉と野菜たっぷりのスープだ。基本トマトベースでも、使う肉(牛・羊・鶏など)によって味も全然違うし、スパイスの選択で風味もかなり変わってきて、その店の、または家庭の個性を出すことができる。この冬は3度作ったが、最初の回のをメモっておこう。これがもっともシンプルで材料が少ない。(レシピと言うほどのものではないけどね"(-""-)")

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ゆる~いレシピ

材料は以下の通り。

・肉:牛すね肉 約400g(3人分として)

・野菜:パプリカ、なす、人参、玉ねぎ、カブ(ナス以外、家庭菜園のもの)

・スパイス類:ニンニク、ショウガ、唐辛子、ローリエ、クミンパウダー、ナツメグ、シナモン、八角、塩、胡椒、固形コンソメアリサ(*下に解説)

・トマトの水煮缶(トマトピューレもあればなお良い)

・水適量。

煮込み料理なので、肉に塩・胡椒を強めにし、フライパンでよく焼き付けてから深鍋へ移した方がよい。最初に肉だけじっくり煮込む。野菜はそれぞれ炒める。このとき軽く塩をするのを忘れないで。野菜の順番も大事かな。火の通りやすいナスなどは後のほうに入れる。

なべ底が焦げ付かないように時々注意してかき混ぜる。スープが減ってきたなと思ったら水を足す。スープにスムールを入れ、混ぜて食べるから、スープの分量はある程度多くないと困る。肉が柔らかくなればできあがり。八角ローリエの葉っぱは途中で取り出しておこう。

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スムールをもどす。

本格的にふっくら戻すには専用の蒸し器を使うとよい。まあ、それはないのでスムールの箱の裏に書いてあるやり方でもどす。分量の熱湯と塩をスムールに注ぎ、蓋をして蒸らす。フライパンにバターを溶かし、スムールを投入してよく混ぜる。バターをオリーブオイルに替えればあっさりしたスムールになる。

 

羊を求めて麻布十番まで。

その後、年末に息子が帰省するので羊のクスクスを作ろうと思い、麻布十番まで買い出しに行った。地下鉄で一本なので便利。Nissin World Delicatessen 日進ワールドデリカテッセン

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羊の骨付きの煮込み用はちゃんとラムとマトンがある。もっと大きくカットしたのもあったが、うちは大きな鍋がないので。

そしてご覧のとおりすごく安い。本当に肉なら何でもある。対面で様々な要望に応じてくれる肉屋のコーナーはいつも人気だ。近隣の大使館の人や外国人が多い。

クスクス・スパイスが売っていることに気づき、試してみることにした。それからひよこ豆。前回すっかり忘れていて今回はちゃんと購入。

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もうひとつ「アレ、買ってくるの忘れないで!」と夫に言われたのがアリサ(写真左上のチューブに入ったもの)。アリサ、ハリサ、ハリッサともいう。

北アフリカでは必ずクスクス料理に添えられる。唐辛子、ニンニク、コリアンダー、クミン、パプリカ、オリーブオイルなどを混ぜて作る。クスクス屋さんは店独自のものを出している。

食べるとき、クスクスのスープをスプーンにすくって、そこにアリサを溶かす。好みの辛さに調節する。

自分でも作ってみたい人へ。こちら→ 何にでも合う魔法の調味料「ハリッサ」の作り方【プロ直伝レシピ】

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この写真は4年前のもので、近所のフレンチレストランのクスクス。最初メニューを見て「クスクス?一人前って本当にあるの?」と思った。夫が試しに注文した。あつあつの鉄鍋に入ってきて、私もスープを一口いただいた。本当にクスクスだった。スムールはふんわりとはいかなかったらしいが。肉は2種類だったか3種類だったかで、ともかく超良心的なメニューで驚いた。今この店は形態が変わってしまい、すごく残念。

「クスクスは山でよく食べるんだよ」と息子が教えてくれた。山男なのだ。

「山 ・めし ・クスクスで画像検索かけてみて。たくさん出るよ。この映画『MERU/メルー』のなかで、固めたスムールを食べるシーンがあるんだ」。ほお、勉強になった。

私のクスクスの課題はトマトスープかな。生のトマトを使って試したい。それはぜひ今年の夏やってみようと思っている。

以上、クスクスでした。

ではまた~!