インフォメーション
これまで、受付や案内所に勤務している人たちについて、深く考えたことは一度もなかった。まあ私だったら割り切って、相手の質問に簡潔に答えるだけだろう。次の人も待っていることだし、さっさと進めなくちゃと思い、効率を気にするだろうな。
ところがそうでないケースに遭遇すると、なんとも新鮮で、驚きもし、感動さえしてしまうのだ。アントウェルペン中央駅、あの豪華な駅の、豪華な階段を降りるとすぐ左にあるインフォメーション。
アントウェルペン中央駅
旅行者が最初に出会う観光案内所だ。窓口には笑顔の中年男性。普通なら町の地図をくれ、質問に答えてくれるだけである。ところがこの人は相手を自分の家に訪ねてきた客でもあるかのように迎え、相手の趣向をくみ取り、温かく細やかな態度で接する。対話が進むにつれ、手が後ろの棚のあちこちに伸び、適切なガイド冊子を取り出しては解説をつける。
その例をひとつ。無料Wifiで困っているというと、うなづいて「そうですよね。無料のは接続が不安定だったり、警告が来たりします。安心できてしかもくつろげる店を教えてあげましょう」
言うやいなや、This is Antwerpという冊子を取り出し、Free Wifiが使える店のリストを示した。全部で28か所もある。ほとんどがカフェやレストランやバーなどだが、普通これをもらってもどこへ行ったらいいか見当もつかないだろう。
「私の一押しがこちら。ぜひ行ってごらんなさい」行き方を説明してくれ、腕時計を見て、「今から歩いていくとちょうど開く時間です」
Coffeelabs
その熱く推奨される店に行ってみた。coffeelabsという、とっても広くてモダンなカフェだった。冬なので庭には出られないが、次回は夏にきて外でランチしたいなと思った。店内はテーブル席があちこちに散らばり、ソファーもいろんな形状のものがおいてある。飲み物ひとつで8時間いてもいいんだって!
エスプレッソがすごくおいしい。そして働いている若者がまたいい雰囲気なんだな。とても礼儀正しくシャキッとしていて、私の愚かな質問にも笑顔で、何回でも答えてくれた。(私は小さい字が読めないのだ)
ブリュッセルのホテルでは全然繋がらなかったから、ほっとして家族にメールを打った。写真: ↓ちょっと切り抜いてきた。
書店
アントウェルペンでも書店を回る。興味津々。
Demian Hendrik Conscienceplein 16/18, 2000 Antwerpen
びっくりなのが、ウィンドーの指のさし示す先の本、なんと三島由紀夫全集(クリーム色の4冊)と清少納言の枕草子(紫色)の翻訳本である。
カメラを引いてみる。
この店で買ったガイドブックがこれ↓。ベルエポックの建造物案内ガイドブックである。1988年とちょっと古いので10ユーロだった。写真がいっぱいで解説も詳しい。
予習してから回りたいけど、読むのに一日では無理だなあ。
クリスマスを待ち望む写真ギャラリー
今この写真を改めて見ると、鄙びた小さな町みたいに見える(笑)。いくぶん成金っぽく、バロックで金きらりんのアントウェルペン、というのが私の抱くイメージなんですが。ここはカテドラルの横の広場。お約束の馬小屋&聖家族とクリスマスツリー。
クリスマス市。
こんな多くの人がどこから繰り出してきたんだろ、と思うほどの人込み。
混雑はクリスマス市だけでなく、カフェも人でいっぱい。
これはほぼ全員が市民です。このあたり観光ツアー客がよくいるところなのに、テロ警戒中のため、ホテルはキャンセルが続いたので。そうした悲鳴を地元の新聞で読みました。
「フランダースの犬」のビールとグラス