念願だったトングレン(トンゲレンともいう)!
ブリュッセルからリエージュ乗り換えで約1時間半。言語境界線に近いが、フランドル地方にある小さな町。小さくとも二つのことで有名だ。ローマ人が作った、ベルギーで最も古い町のひとつ、そしてベネルクス最大の骨董の町。
昼すぎには閉める店もあると聞いたので、早起きをして朝7時発の列車で行った。車内でチベット人男性に話しかけられ、おしゃべりした。目的地は同じ。しかし彼は買い物に行くのではなく、骨董の業者に、自分の国から持ってきた琥珀や珊瑚などの装飾品を売りにいく側だった。実際にネックレスや腕輪などを取り出してみせてくれ、さらにケータイ電話の写真もいろいろあるから見ろ、という。私たちがさっぱり興味を示さないので、がっかりだったかもしれない。
広場に郷土の英雄、アンビオリクス(Ambiorix)の銅像が立っている。(1866年建立)
この人は、紀元前1世紀のガリア人で、エブロネス族の二人の王様のひとり。ガリア戦争中に、ユリウス・カエサル率いるローマ軍と勇猛果敢に戦い、ローマ軍団一個半を撃破したとされる。市のシンボルもアンビオリクスなので、町中いろんなところにお目見えする。あとでまた出るからね。
この蚤の市は、値の張る骨董品から使い古した日用品やガラクタまで、何でもある。家具・インテリア関係がとても多い印象だ。冬が長く、雨がちのベルギーでは、自分の家をかなうかぎり居心地のよいものにしようと、手間をかけるのだろう。
私たちは雑貨に集中しながら、外をざっと見る。
剥製はドキッとする。
これは中世の城壁。ローマ時代のものはしばらく歩いていかないとたどり着かない。それに今日は雨とみぞれまじりのひどい天気なので、訪ねるのははじめからあきらめた。
真ん中のビールのジョッキ、いいな、あとで引き返した時に買おう、なんて思っていたらもうなかった。考えが甘い。こうして少しずつ学んでいく。
すべてのものが雨にうたれている。寒くてかなわないので、ワインを飲むことにした。
Rembrandt Veemarkt 11
みなさん、雨合羽で品物を見ている。日本人も6~7名は見かけた。(業者っぽい)
シャンデリアも目につくが、アンティーク的価値のあるものはもちろんショップの中にあり、外には出ていない。
↑アンティークショップ
ところが
これ、帰り路見たら、女性が買っているところだった。
↑自分でも気にいっている写真。
炭坑関連グッズも多い。炭鉱跡が四つ、世界遺産に登録されているくらい、ベルギーのワロン地方は石炭産業で有名だった。イタリアからたくさんの労働者が出稼ぎに炭鉱へとやってきて、また移住した人も多いので「おいしいパスタ料理はワロンで食べられる」と言われている。
ついでにいうと、ワロン地方の人たちは明るくて気さくだ。
クッキーの型。ここにあるのは新しいものだから、ほかのどこでも買える。私たちは小鳥が五羽並んだ、非常に古い型を購入した。あとネックレスも買った。
それから屋内へ。体育館みたいなガレージみたいな会場も熱気で溢れていた。ここにはカフェスペースもあり、ちょっと休める。雨の日はありがたい。
テーマ別で見やすかった。
私たちのお目当ては「日時計」(仏語:Cadran solaire,蘭語:zonnewijzer)。1900年代初めのイギリス製が3点あり、うち一つを購入。店主が説明しているところ。
ほかには目が閉じる古い人形を二体、ペーパーナイフなどを買って、今日はここまで。
外に出て歩いていると
運ばれてきた鹿にも驚くが、歩いている人はだれ?
おおっ、カフェにたむろしているよ。
戦術の確認中。
怖っ!腰から下げているのは、討ち取ったローマ人兵士の首のつもりなのか?
ディープな世界を垣間見てしまった。
さ、現代のブリュッセルにもどろう。
以上、トングレン遠征でした。