Liège (オランダ語: Luik)
(以前はアクサンの位置が異なりLiégeと綴って「リエジュ」と短く発音していた)
写真:君主司教宮殿(ベルギー観光局)
シムノンかワッフルか
平均的な日本人で、リエージュと聞いて何か思い浮かぶ人がどのくらいいるだろうか。
探偵小説のファンだったら、メグレ警視シリーズで有名なジョルジュ・シムノンの出身地だと思い当たるかもしれないし、歴史が好きな人なら「リエージュの戦い」(第一次世界大戦西部戦線)を思い浮かべるかも。
サッカーの川島選手やワッフルのリエージュ風とか、あの有名な駅の建物を思い浮かべる人もいるかな(「世界でもっとも美しい駅トップ○○」に入る建築物、リエージュ=ギマン駅。(下の過去記事参照)。
リエージュは大学町だから日本からも留学生がいるし、日本語講座もある。有名なベルギー人陸上選手ナフィサトウ・ティアム(Nafissatou Thiam)さんもリエージュ大学で学んだ。詳しくはこちら→ビーナスの誕生! ナフィサトウ・ティアム(Nafissatou Thiam)
戦争遺跡 LOVE!
私だったら、戦争遺跡のエバン・エマール要塞がとても気になる。以前ここを訪ねた人から話を聞いて行ってみたいなと思っていた。でも車がないと無理みたい。それかツアーに入るか、元気があれば自転車で行くか…。
*詳しくはこちら→図解Fort Eben-Emael, Fort d'Ében-Émael エバン・エマール要塞『西方電撃戦』http://cenecio.hatenablog.com/entry/2017/09/25/153936
君主司教宮殿 Palais des Princes-Evêques
リエージュのおもての顔は宗教都市、リエージュ司教領の首都である。985年~1794年まで、というのだからびっくり。フランス革命軍が来るまで、ブルゴーニュ公国にさえ支配されたことがなかったのだ。
The Prince-Bishopric of Liège around 1350.ウィキペディア
君主司教宮殿は
皇子司教の住んでいたところ。現在の建物は16世紀ルネサンス様式のもので、南側のみ18世紀の再建。回廊の柱頭には奇妙な彫刻が施されているが、これはエラスムスの「痴愚神礼讃」に想を得たものといわれる。現在は州政府庁舎、裁判所としても利用されている。http://www.belgium-travel.jp/wallonia/liege.html
942年からここにあるというペロンの噴水。リエージュのシンボル的存在。
裏の顔
リエージュは、フランス語圏ワロン地方(ベルギーの南半分)の最大の都市で、重工業の担い手であり、兵器産業でも有名である。近郊に、拳銃・ライフルなどの武器製造で有名なFNハースタルがある。http://www.fnherstal.com/
ヨーロッパ各国の兵器輸出のランキングが毎年発表されるが、ベルギーは軍事用銃器部門ではつねにトップか上位を占めるという記事を読んだ。スウェーデンもそうだが、私たちが漠然と抱いているイメージと現実は大違いだ。兵器輸出は、EU諸国の輸出のなんと三分の一以上を占めるらしい。
今回の目的は
遊びにきたのではなかった。リエージュ再訪は、ワロン民族博物館 Musée de la Vie walloneを見るため。
2007-08年は改修で閉館していた。下調べはやはり、土地の博物館や資料館・図書館に直接あたるのが基本だ。
ここには、ワロン文化圏(ベルギーの南半分のフランス語地域)の生活や歴史を知るために必要なもの、日用品から炭坑関連の道具まで、ありとあらゆるものが展示されている。
建物はこんな風。
入口
13世紀のフランシスコ修道院の建物内に上手に展示スペースを設けている。
写真の腕が悪すぎて、美しい中庭と回廊、屋根の美しさがわかってもらえない。自分が腹立たしいが、記念に載せておく。
見るべきものがたくさんある。 あり過ぎる。2時間で切り上げたが、それでは足りないほど。また次回来るかもしれないな。
さあ、このあとは”USE-IT リエージュ版”のいうことを聞いて、いくつか行ってみよう。以前予告したこちら。
USE-IT リエージュ版 地元の若者たちが作った若者向けのガイド地図。
おお、これがUSE-ITご推奨のワッフル屋さん!
Une gaufrette saperlipopette (Rue des Mineurs 7 4000 Liège)
USE-IT:「列をみてひるむなよ。昔ながらのハンドメイドのチョーおいしいワッフルが食べられるから。」
いや、ひるむでしょう。できれば並びたくないのでまたあとで来よう。
Une gaufrette saperlipopette par DVS ANTHON - Dailymotion
やはりご推奨のパン屋さんです。
ウィンドーの絵が可愛い。お花の籐のポットも心にくい。
この時点で、リエージュに来て3時間が経過。
ランチ予定の店をめざして歩く。
第2次大戦でなくなった警察官の碑。右、下から二人目”MAIGRET ARNOLD”という名前が興味深い。シムノンの「メグレ警視」を思い出す。本当にある名前なんですね。
おしゃれな帽子屋さんに見惚れながら。
わーい、(*´▽`*)川だ!
ムーズ川 La Meuse
かっこいい鳥
そして川のそばに
これがそう?Café Lequet Quai Sur - Meuse 17, 4000 Liège
おいしい肉団子&フリットが食べられるカフェ&庶民的なレストランというのだが
これがリエージュ風肉団子。私は1個を注文した。
素朴な味の肉団子は家庭料理。フリットもブリュッセルと比べると落ちる。団子は自分でほしい個数を注文するしくみ。ワッフルを食べたり、ビアカフェに行ったりすることを考えると、私の胃袋では1個でよい。
それにしても周りのお客さんたち(地元民)、みな例外なく団子2個でランチしていた。
*肉団子に関して追記があります。一番下。
🌸リエージュの素敵な小路あれこれ
①
②
きれいな建物は一つもないのだが、なんともたたずまいが魅力的な小路が多い。
③
めちゃくちゃ狭い。太めの人はカニ歩き?お腹がぶつかるかな。
④そしてこんな袋小路も。入り口にImpasse de la vignetteと書いてあった。
うっとり。入ってみたい誘惑をふりきって先に進む。
⑤
迫力の壁絵。
USE-ITお薦めの教会へ向かいます。
どうやら着いたらしい。え~!
おもちゃのようなレゴブロックのような聖バルテルミー教会 Eglise St-Barthélemy
なんと11~12世紀にかけて建てられたロマネスク様式の教会で、新しく見えるのは10年くらい前に改修工事をしたから。
(1740年の版画。ウィキペディアより)
お宝を拝見。
「ベルギー七大傑作」の一つと言われるお宝、指定文化財。
12世紀にレニエ・ド・ユイという人が制作した、真鍮製の洗礼盤。キリストがヨルダン川で、ヨハネから洗礼を受ける場面。ちなみにこの周りには観光客が10人くらい集まっていた。みなさんお行儀がよく、順番待ちで写真を撮る。
USE-ITご推奨のビアカフェにも行った。
Taverne Saint Paul
Rue St Paul 8, 4000 Liège
地元民で溢れていて、よそものの居心地はあんまりよくない。1800年代の美しい内装には感心したけど。
さあ、ワッフル屋の列に並ぼう!
シナモン味のワッフルを注文。ブリュッセル風とは違って、固めでほんのり甘く、とびっきりおいし~い!私はリエージュ風のファンである。
リエージュは大学があるから若者が多く、活気がある。町で一番賑やかなのは木曜日の夜だという。金曜には親元に帰るので、木曜は友達と飲んだり食べたり踊ったりして楽しむのだそうだ。
USE-ITをじゅうぶん活用して街を楽しむには、宿泊が必須だと思った。できれば2泊したいなあ。
最後に、おもしろいステンドグラスを見つけたので、こちらの教会も紹介しておこう。
リエージュの聖ドゥニ参事会教会 Collégiale Saint-Denis en Liège 。
左側に描かれた左の四人は、着物風のいでたちで、神父から祝福を受けている。とはいっても顔は西洋人だし、男性の被り物(帽子)も奇妙である。
このステンドグラスに関しては詳しい説明が一切なく、残念なのだが、これ自体は古いものではないようだ。いずれリエージュの人に聞いてみたいことのひとつ。
教会自体は大変古く、987年に建てられ、その後何度か修復されている。中にはお宝もいっぱいあって国の重要文化財とのこと。作家シムノンが洗礼を受けたところでもある。
お宝のひとつ。
木彫りの祭壇 壁。キリストの受難と聖ドニの一生が描かれている。Retable de la Passion et de la Vie de saint Denis de Paris(1530-1533)
盗難防止のため、カメラ作動中という記事。↓
Liège: la collégiale Saint-Denis protégée par des caméras de surveillance
個人的にはこの味わい深い石塀が好き。古そうだ。
まだ寒い3月…春を待つ樹木や植物。
彼女には春が来た?
リエージュの観光局の粋な宣伝ビデオ!
鎧の騎士がかわいい。普通はこうした観光キャンペーンビデオは、町の名所や住民を紹介し、解説をつけるくらいで終わる。
ブリュッセル、アントウェルペン共に見たことがあるがつまらなかった。こちらはロマンス仕立てでユーモアがあって、秀作だと思う。
🌸参考
★★おまけ リエージュのウィンドーから★★
①
②
③
こちらです。お持ち帰りもOK,値段も良いですね。
ある日の夫の食事