ベルギーの密かな愉しみ

しばらくの間 お休みします。

お針子ニネット ネズミのお話-1- (「南国に対する北国の優越性について」 ポール・アザール)

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お針子ニネット(NINETTE COUTURIERE)

Heather S. Buchanan(ヘザー・シンクレア・ブキャナン)作、1985年の本。

子どもたちが大好きだった本であり、また我が家はハムスター教、いえ、ハムスター狂時代があったものだから、この手の本は思い出深いです。

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 ヘザー・シンクレア・ブキャナンはイギリス人で英語からの翻訳なんです。で、これを書こうと決めて調べてみたら なんと翻訳がありました。日本はなんでもあるんだな。

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チルダ・マウスのすてきなおうち

(評論社の児童図書館・絵本の部屋) 単行本 – 2005/5

 ニネットはおねえちゃんネズミ。両親と双子の弟と暮らしています。

場所はというと 老婦人の家の片隅、

ふたのとれた中国製のティーポットの中。

一家の集合写真を見てください。

 

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この本はどのページにも、四隅に可愛い服を着たネズミが描かれています。

私は右上のが好みです。

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ニネットは好奇心いっぱいで手先の器用な女の子。

老婦人の針仕事をじっと見ています。

今、計画していることがあるんです。

 

ネズミたちのおうちの中はこんなふう。

絵をみているだけで楽しいですね。

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興味がありましたら、ご自分で読んでいただくとして

あとはざっくりと。

ニネットは弟ふたりにチョッキを作ってあげたいのです。

それで勇気をだして老婦人のお裁縫籠へ冒険です。

勇敢で賢いニネット。

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糸を体に巻き付け、針を持っています。

一寸法師みたい。

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小さな弟が足で踏んでいるのは綿です。

ニネットはパッチワークですてきなチョッキを作ります。

あとはボタンをつけるだけ。

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ボタンを選びおえて戻ろうとしたら、

まあ、あのいたずらっ子たちがティーポットから出てきている!

大変!猫にも見つかった。

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なんとかふたりは逃げました。

でも二ネットは?

 

ポットのところに猫がいますよ。

こっちを見ているし。

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しかし猫はそのとき飾り皿を落としてしまい、その音を聞きつけた老婦人がやってきて、猫を庭へ出してくれたのでした。

ああ、よかった。

こわかったですね。

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最後はみんなで輪になって踊っています。

すてきなパッチワークの服を着て。

おしまい。

 

 

イギリスといえば

借りぐらしのアリエッティ」の原作になったメアリー・ノートンのシリーズもありますね。

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みなさん、不思議に思ったことはありませんか。童話や絵本や児童向けの文学は 圧倒的に北ヨーロッパとイギリスが優れているんです。

これについてポール・アザールはこのようなことを述べています。

「南国に対する北国の優越性について」の中で

北ヨーロッパの風土、厳しい自然や森や山々が、空想を広げるのに適しているからだ

https://www.kinokuniya.co.jp/images/goods/ar2/web/imgdata2/large/43140/4314000031.jpg出典はこちら

『本・子ども・大人』

アザール,ポール【著】〈Paul Hazard〉/矢崎 源九郎/横山 正矢【共訳】

第3章 南国に対する北国の優越性について(南国に少ない児童文学;イギリスの子守唄 ほか)

 次回、もうひとつのネズミのお話。