ベルギーの密かな愉しみ

しばらくの間 お休みします。

羽生結弦選手オランダ語記事「ユヅル・ハニューは半神になった」(平昌五輪) 追記:2019年3月 IOC理事会後の記者会見

記事タイトル:フィギュアスケート選手ユヅル・ハニューはこの週末 日本で半神になった」オランダ日刊紙フォルクスクラン2月18日付けのスポーツ欄。

羽生結弦選手の優勝と二連覇について、興奮気味に温かくしかも大きく取り上げています。なにせ新聞名の下にこの大きな写真ですし、タイトルが大袈裟なのでちょっとびっくりしますね。中にもう一枚写真があります。イェルン・フィッサー(Jeroen Visser )記者の記事。

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Kunstschaatser Yuzuru Hanyu is na dit weekend een halfgod in Japan - Sport - Voor nieuws, achtergronden en columns

ユヅル・ハニューは、オリンピック二連覇を成し遂げて今やほとんど神の地位にあるといえるだろう。この図抜けた才能の持ち主、仙台出身の23歳の日本人は、アメリカ人ディック・バトンが1948年と1952年に打ち立てた偉業に並んだ初の男子フィギュアスケーターとなった。

江陵(カンヌン)の競技場でハニューは、フリーでいくつか小さなミスはしかもしれないが、それ以外の卓越した申し分のない演技でじゅうぶんにカバーすることができた。それに前日の金曜に、ショートで111.68点をたたき出し、これは自身の持つ世界記録に数ポイント足りないだけだった。こうしてフリーには貯金をもって臨んだ。合計点で317.85点にまで達し、他の選手たちをすべて脇役にしてしまった。

リンクの外では控えめなのに、氷上では表現力に富み、力強い演技をする。そんな対照的な側面を併せ持つハニューだが、ソチの金メダル後はもう神話の世界の存在であるかのようだった。多くのファンが国内であろうと海外であろうと、ハニューが出場する大会のチケットを買うのに奔走する。そればかりか競技リンクに一番ノリしようと入り口のドアの前で眠る人たちも現れた。

 

連覇の望みが危機に

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(金メダルのあと喜びをかみしめる)

いつもリンク脇にいるハニューのマスコット、ウィニー・ザ・プーも、ファンたちが大量に買い込んでいた。そしてこの土曜もいつもと変わらず、演技のあと黄色の熊の雨が氷上に降り注いだ。それに続く90分の間、ハニュークン (原文:Hanyu-kun)というハッシュタグツイッター上で110万回使われたのである。

ハニューの偉業はケガからの復帰後だけに一層センセーショナルなものになる。11月のNHK杯(*記者はここを「モスクワ」としていた)公式練習で、ジャンプの着地の失敗により足首を損傷してしまい、以来数カ月も氷に乗れなかった。このケガのあと百人ものジャーナリストが記者会見に詰めかけて、足首の状態を聞きたがった。オリンピック出場の展望は危機に瀕していた。

「足が痛む日が長く続いて、もう二度と滑れないんじゃないかと思ったこともあります」ハニューは土曜日こう話した。「でも滑れないからこそ、戦略を練る時間が充分にありました」

金曜には足首はどうやら大丈夫そうだと見受けられた。172cmのこの日本人選手はショートプログラムで、灰の中から不死鳥のごとく蘇り、堂々たる点数をたたき出してみせた。このときハニューの金メダルを疑う者はいなかっただろう。更に喜ばしいことに、同胞のウノが銀メダルに輝いた。

 

取り戻した自信

ソチ五輪での優勝は、日本人男子スケーターにとって初の金メダルであるが、多くの日本人にとって優勝は励ましの意味もあっただろう。2011年3月11日の大震災では16000人の命が失われ、福島原発の事故もあった。そのとき仙台のスケートリンクで練習していたハニューは、建物の屋根が落ちる前に外に飛び出さねばならなかった。その後は一時的に横浜に移ってスケートを続け、60ものアイスショーに出て、仙台のリンクを立て直すための資金を集めたのだ。再びアイスリンクが使えるようになったのは4か月後のことである。

ソチの金メダルは日本の「復活」のためのもの、平昌の金メダルは日本が「取り戻した自信」を祝うものではないだろうか。2年後には東京オリンピックがある。日本は、現代的で自信を取り戻した自国の姿を世界に見せるだろう。歴史に名を刻まれるほどの最高のスケート選手を生んだ、ということがさらなる多くの成功に繋がる予兆となるだろう。

(訳終わり)

 

フィッサー記者はこんなかた。

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Jeroen Visser (@jeroenlvisser) | Twitter

 

ツイートが熱くておもしろい。参考までに例です。

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葛西選手の大ファンです。2026年まで楽しめますね。

 オランダはスピードスケート王国ですが、フィギュアの方は近年はさっぱり。でも数年前に子どもたちの指導を組織的に始めたようですから、いずれいい選手が出てくるかもしれません。

有名な選手ではディアンネ・デ・レーブ(Dianne de Leeuw、1955年生まれ)という人がいます。1975年世界フィギュア選手権で優勝。1976年のインスブルック・オリンピックで銀メダルを取りました。現在コーチをしています。

羽生選手関連でオランダといえは、すぐにデン・ハーグ(Den Haag)を思い出しますね。羽生選手が世界ジュニア 選手権(2009-2010シーズン)で優勝しました。映像は今でもyoutubeで見られます。

その後オランダのフィギュア中継では、司会者やコメンテーターたちが嬉しそうにデン・ハーグで見たジュニアの羽生を振り返るのが印象的。成長を楽しみに見つめている…まるでお父さんですね。なかでも、フィギュアの審判の資格も持ち、国際的に活躍しているプリンス(Jeroen Prins)氏の解説が素晴らしいです。

 

追記:勝手にメモ。

3月13日 Olympic Channelさんのツイート

3月21日 TrinityNYCさんのツイート

2018年10月27日ふじつぼさんお借りしています。

 2019年3月

www.jiji.com

3/29(金) 0:46配信 時事通信
 【ローザンヌ(スイス)時事】国際オリンピック委員会IOC)が運営するインターネット向け動画配信サービス「五輪チャンネル」の担当責任者は28日、最も人気のあるコンテンツとして、フィギュアスケート男子で2014年ソチ、18年平昌五輪で連覇を果たした羽生結弦ANA)を挙げた。IOC理事会後の記者会見で、「彼は最大のスター。日本に限らず、世界中のどこでも同じだ」と述べた。

 IOCは16年に五輪チャンネルの運営を開始。日本は米国に次いで世界で2番目に利用度が高く、フィギュアスケートは突出した人気があるという。