前回記事「嫁」についてつらつらと考えた正月休み。 - ベルギーの密かな愉しみには15名の方からコメントをいただきました。本当にありがとうございました。これからもジェンダーやセクシズム(女性差別)などについて考えてみたいと思っています。(不定期かもしれません)
どうやったら変わる?日本社会
みなさんのコメントから「田舎はそんなものだ」という認識が多いことがわかり、改めて驚いた。それでも平成も終わろうとする今、私たちはSNSを使えば必要な情報も素早く手に入るし、意見交換やアドバイスなども簡単にできる。みすみす不幸を耐え忍ぶことはないのだ。周りに助けを求めればいいんだもの。
(*お断り。抜粋して引用させていただきました)
id:URURUNDO さま
「嫁は道具だ、子供を産め等と未だに思っている夫や夫の家族なら、そんなの蹴飛ばして離婚するか、もしくは自分で改革するか、勇気と気甲斐性を持って欲しい。」
id:SPYBOY さま
「女性の方も『低能な男はお断り』という気概(笑)がなければ 中々世の中は変わらないのではないか…略…そんな気風がまだまだ色濃く残っているとしたら、日本なんか、人類全体のためにさっさと滅びてしまった方がよいですね。ま、家事をやらないバカ男たちのせいで、現実にそうなりかけてる…」(太字は私)
大きくうなづいた。女性も昔と比べ高い教育を受けている。世界のスタンダードから、日本がどれほど遅れているかだって知っている。女性たちにはもう少し賢く強く生きてほしいと思うが、やはり肝心なのはこれ、SPYBOYさまがおっしゃるように、男性側の意識も変わらないとダメなのだ。もしこの「家事をやらないバカ男たち」が、家事や育児に積極的に参加するようになったら、日本社会はもの凄い勢いで変わると思う。実際、1970年代から旅行や留学、長期滞在などで見てきたヨーロッパは凄まじいほどの変化を遂げた。
日本だって変わってきている、というかもしれない。しかし朝日新聞に定期連載のコーナーを持つ、スウェーデン人女性のオーサさんは言う。
「日本は自分の国と比べて50年、いや70年くらい遅れている」。
これは男女共同参画などうたっても、旧態依然として女性差別(蔑視)が残り、女性の社会進出が進まず、育児や家事、介護などに男性の協力がほとんど得られないこと、給与格差や職場での地位が低い、または制限があることなどについて言っている。
イタリアのはなし
昔学生だった頃、イタリア南部のお宅にひと夏お邪魔していたことがある。ステイ先のご夫妻は、イタリア人の夫が大使館文化部勤務、夫人はベルギー人でフランス語教師だった。ご夫妻とともに何度か親戚宅に招かれ、そのたびに大人数で囲む食卓にはおいしい料理が並んだ。
しかし気になって仕方がなかったこと、それは家庭の主婦が終始立っていて会話にも参加しないことだった。女中ではないにもかかわらず、だ。もくもくと給仕をし、皿をさげていた。私は不思議に思い、小さな声で「ねえ、どうしてあの人座らないの?」と聞いてみると「しっ、この地方はそういう習慣なんだからいいのよ。そっち見ないでね」とやんわり言われてしまった。
そして一気に2012年に飛んでイタリア・ピサの空港。男性トイレにも赤ちゃんのオムツ替えのスペースがある。
#Impressed Baby verschoontafel bij vrouwen én mannen #Pisa #Airport pic.twitter.com/y6pc8PMA
— Catherine Bijdevaate (@catherinebdv) April 14, 2012
これはオランダ人の女性が写真におさめツイートしたものだ。
育児パパに優しい社会
そうそう、オムツ台といえば思い出すことがある。2007年にベルギーの移民学校で1年オランダ語を習っていたことは以前書いた。外国語学習は言語を通してその国の社会を学ぶことだが、カルチャーショックは少なからず受けた。
例えば初級後期レベルのテキスト(”Taal Totaal”, 2001年発行)の8課は「父親の育児参加」がテーマだった。オランダ政府が「男性のみなさん、もっと育児参加を!」というキャンペーンをうった。それに対し市民が意見や要望を電話などで述べるという設定である。(*実際にあったキャンペーンです)
ある父親:
「息子の世話はいつも進んで協力してます。だけどね、ぼくに言わせると、社会は育児する父親に優しくないですよ。だって、男性用トイレにオムツ台ないでしょ。会社の託児室だって母親向けに作られているし。赤ちゃん用グッズのCMなんか、お母さんしか出てこないじゃないですか。育児書も母親向けに書かれているのが大半で、たま~にとってつけたように父親のことに触れるだけだし…。ぼくは疎外感を感じているんです。」
この基本にあるのは、父親も母親と同じ権利を!という考えだ。
(Cookies op bd.nl | bd.nl写真:オランダ/ ティルブルフ )
2019年元旦から ニューヨークでもオムツ替え台を設置。
男性トイレにオムツ替え台の設置が義務化 ニューヨーク州で2019年から、公共トイレを対象に | ハフポスト
公共の男性用トイレにオムツ替え台が義務付けられた。つまり映画館やレストランや店などに、少なくとも台をひとつ設置する。そこは男女とも利用できる。
ニューヨーク州のクオモ知事は、2018年4月にこのように言っている。
「すべてのニューヨーカーにとって必要とされるケアを提供できるようにする」
「 すべての」が意味するところは、さきほど上に書いた「父親も母親と同じ権利を!」からさらに発展して、男性同士のカップルへの配慮も含んでいる。子育てする男性カップルの当然の権利である。彼らはこれまでオムツを取り換えるとき、台がないため膝の上で悪戦苦闘していたのだ。
賑やかなアメリカ議会 新会期の始まり
子どもや赤ちゃんでにぎわう議場、史上最も多様な米議会開幕 写真11枚 国際ニュース:AFPBB News
微笑ましい写真がいっぱい!
1月3日に開会したアメリカ議会。民主党・共和党の議員たちが集まり、就任宣誓をした。434人の議員のうちの多くが子どもや孫を連れてきたので、まるで保育園のようだ。日本では考えられない光景である。
米首都ワシントンの連邦議会議事堂の下院議場で、議事進行用の小づちで遊ぶ男の子(2019年1月3日撮影)。(c)Brendan Smialowski / AFP
今日はここまで。また続けますね。
コメント欄は一旦閉じさせていただきます。
ではまた~!
🌸楽しい雪だるま