ブログを始めて3年が過ぎた。
前々回エントリ育児は男性の権利、育児は人間の仕事。ジェンダーやセクシズムについて考える-4-(コメントにお答えして)の続きになる。
当ブログは、ベルギー滞在中の連絡用に始めたから、当初は半年くらいでやめようと思っていた。だが、中断をはさみながらまだ続いている。
似た時期に始めたさぴこさん さぴこ (id:sapic) は先日1000回を達成したそうだ。すなわち毎日欠かさず更新してらしたから。私から見たらもう超人というほかない。
私も3年が過ぎたのでおもしろかったことを幾つか書いてみよう。
1.所ジョージさんの番組から500ポイントもらった。
コメントやブックマークだけでなく、はてなさんを通じてEメールをもらう、そんなこともあるんですね。みなさんはもう経験済みなことかもしれないが。TBS「所さんお届けモノです!」のスタッフさんから、東京藝祭の写真を使わせてほしいと連絡があった。もちろんOK。お礼にと、はてなポイント500点を頂いたので早速スターに交換し、みなさんのブログ記事に付けて楽しんだ。TBSさんありがとう!
2.『この世界の片隅に』に続編があるかも…を教えてくれた人。
片渕監督の『この世界の片隅に』はもう多くのかたがご覧になったと思う。私がこの映画に興味を持ったのは、『この世界の片隅に』原作漫画の仏語翻訳が売られているのを見て、ああ、こんなよさそうな作品があるのに私はなんも知らないな、せめてこの漫画は読もう、と思ったことだ。
映画は封切り後すぐに行った。池袋の大きなホールに40~50人程度という入りにショックを受け、応援団になるぞ~と勝手に決意し、簡単な紹介記事を書いた。タンポポの綿毛の飛んだところ『この世界の片隅に』熱烈応援中 追記:アヌシー国際アニメ映画祭でも受賞 -
片渕監督がすぐにツイートしてくれ、数カ月あとでもう一度ツイートしてくださった。エントリの中で、 片渕監督への不満をひとつ述べた。こうのさんの原作では大きな比重を占める遊郭のりん、すずの唯一の友人と言ってよい。また複雑な感情も抱いている。そんな重要な登場人物なのに、映画にはほとんど出てこないのだ。
すると LLさんという方からこんなコメントをいただいた。
片渕監督の考えを簡潔にまとめてくださっている。「完全版」あるいは「続編」のことも匂わせている。温かく、示唆に富むコメントだ。
そしてその後、LLさんのおっしゃった通りになるのだから驚いた。こちら『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』は2019年中には公開されるという。昨年暮れの予定が延びているとのこと。
新しい場面を付け加え、「さらにいくつもの人生」そして「すずたちの心の奥底で揺れ動く複雑な想い」が描かれるという。楽しみだ。
3.過去12カ月で最も読まれた記事(*Googleアナリティクスの分析による)
去年は9月までブログはサボっていた。ずっと書いてないと重い腰はなかなか上がらないものだ。みなさんだってきっとそうだと思う。
やる気になったきっかけは9月8日の東京藝祭。毎年これについて、写真と共になにかしら書いているし、おすすめ記事に取り上げられたり、東京藝大のサイトにも載せてくださったこともあるので「じゃあ、今年も書こうか」という気になった。
さて、無料のサイトGoogleアナリティクスで、過去12カ月によく読まれた記事を調べてみた。
一番多かったのは、やはりクイーン映画大ヒットを反映して
1位 22774。Queenフレディ・マーキュリーの日本愛やボディガード氏の話など フレディ-2-追記:クイーン阪神淡路被災地へメッセージ
5位 9969。映画『ボヘミアン・ラプソディ』観た日は祝祭日。フレディ-1-
そして
2位 10972.小平奈緒選手 オランダ語インタビュー(平昌五輪)
私は小平奈緒さんのファン^^ 実は元は、別ブログ(倉庫のようなもの)に書いた、読者を想定していないメモ書きである。だが最初の1~2時間で数百のアクセスがあったため、メモを記事化した。その後こちらに移した。
3位 10430高輪ゲートウェイはイヤだ &グッチのダサ可愛セーターが衝撃。
4位 10295マリアンヌの壊れた顔も象徴 &北海道の女子高生がフランスで主役だった話 黄色ベスト-1- -
6位 8713リツドアン 堂安 律選手のことを中心に-1- 追記:10月18日(酒井宏樹&南野拓実選手)
7位は次で。
ロボット
4.かつての少年たち 巨大ロボットへの半端ない愛
過去12カ月ランキングの7位は8359PV。2016年9月に書いたフランスで視聴率100%だった日本アニメ・永井豪 追記:2017マジンガーZ&嶋星光壱
この記事はこれまでに合計4万くらいのPVがある。前回もちらと触れたが、漫画やアニメに興味のない私が、マミーさんの何気ないコメントに刺激され、一生懸命調べてマミーさんに報告するつもりで書いた記事である。永井豪原作の『UFOロボ グレンダイザー』が、欧州とアラブ諸国で絶大な人気を誇るという内容だ。2016~17年はすごいアクセスがあった。検索で入ってくる人のほか、まとめのサイト、どなたかのブログを通しても来る。「リンクさせてもらったが不都合なら言ってくれ」的なコメントも頂いたことがある。別にリンクフリーなので断らなくて大丈夫。
巨大ロボなんてま~ったく興味がなかった。自分がラップを歌っていたりスケボーをやったりする姿が想像できないと同じくらい、関係ない世界だと思っていた。
しかしあの記事を書いて以来、そして大きな反響を見てからは、いつも心の隅っこに置いて情報を拾ってきた。男性のみなさんが寄せる巨大ロボへの熱い想い。少年時代の憧憬?心のふるさとのようなもの?
去年わっと (id:watto) さんのエントリ巨大ロボットを操縦する方法あれこれまたは主人公に感情移入させる方法について - しいたげられたしいたけも楽しく読ませていただいた。みんな語りたいんだね。そんな共通の居場所があるってすばらしい。
そしてヨーロッパの、いまやおっさん年齢の人たちも同じ情熱を分け合っている。さきに挙げた永井豪の『UFOロボ グレンダイザー』がフランス人の心の友だとしたら、イタリア人は『鋼鉄ジーグ』鋼鉄ジーグ - Wikipedia、やはり永井豪のアニメ(1975年)だ。イタリアでは1979年にテレビ放映され、多くの少年たちがジークの洗礼を受け、虜になったという。
さらに、その鋼鉄ジーグ愛が嵩じて、映画を作ってしまったイタリア人もいる。実写版という意味ではない。イタリアとしては珍しいSFアクションものである。
”Lo chiamavano Jeeg Robot (2015)”
邦題:『皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ』(2017年公開)
(すみません。見てもいないのに図々しく語ります)
鋼鉄ジーグファンのガブリエーレ・マイネッティ監督が、原作アニメに捧げたオマージュのような映画。イタリアのアカデミー賞にあたるダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞など、7部門を受賞した。評価も高く興行的にも成功したという。
おもしろいことにイタリア版ポスターにも ”皆はこう呼んだ「鋼鉄ジーグ」”という日本語がそのまま書かれている。
映画は、荒廃したローマの街が舞台で、実際に劣悪な環境と言われる”Tor Bella Monaca”地区(よく旅行者に避けるよう注意勧告が出ている所)で撮影が行われた。泥棒だった孤独な男エンツォが偶然に超人的な力を得て、次第に正義に目覚めていくストーリーだが、鍵となるのが殺害された兄貴分の娘アレッシア。彼女はアニメ「鋼鉄ジーグ」の熱狂的ファンであり、パワーを得たエンツォを、アニメの主人公司馬 宙(しば ひろし)と同一視するようになる。・・・
マイネッティ監督はインタビューなどでこう話している。
日本のアニメを子供のころから見ていて、自分たちのものと感じていました。いま40歳の私たちの世代がスーパーヒーローとして思い浮かべるのは、バットマンやスパイダーマンではなく、マジンガーZ、グレンダイザー、ジーグでした・・・(略)
グレンダイザーやマジンガーZは、人間が操作しているが、ジーグはメカの頭に操縦席があり、ジーグにパーツを投げてくれる女性がいる。女性に助けられてジーグになる。女性の果たす役割が重要であり、彼女がいなければヒーローになれなかった。・・・(略)
「女性に助けられてジーグになる。女性の果たす役割が重要…」実にイタリアらしい。
また主人公を演じる俳優クラウディオ・サンタマリア自身もジーグが好きで、超合金の人形を持っていたと話している。http://eigamagazine.work/archives/5042949.html
去年の秋、twitterのタイムラインに流れてきた画像に驚いた。ローマの集合住宅の壁に描かれた「鋼鉄ジーグ」。卯月 美和(うづき みわ)の悲し気な顔が強い印象を与える。イタリア人の美和への深い愛。この絵の主役は美和だ。
ちょっと引いた、別の写真も見つけた。美和の目がどこまでも訴えかけてくる。
原作に忠実な色使いがいい。いったい誰が描いたんだろう。
調べてみるとフラヴィオ・ソロ(Flavio Solo)https://www.facebook.com/h4solo/というストリートアートを主にやる画家の作品で、ソロ氏はかなり有名な人なんだとか。↓
ほかにもyoutubeから拾ったが、こんな作品も↑。
ところでみなさん、不思議に思わないだろうか。ジーク人気、アニメオタクが多い、と言っても、どうして公共のものにアニメの絵が描かれているんだろう。許可などは?費用もかかるだろうに。
実はさきほどローマの危険な地域(Tor Bella Monaca地区)で映画を撮影…云々と書いたが、絵はこの地域の壁に描かれている。地域の再生やイメージの向上に役立てようと行政が考え、ストリートアートを推奨しているのだ。映画撮影がきっかけとなり、この地域が少しでも住みやすくなったらいいな。みんな、美和に見つめられに来ればいいのに。
今日は終わります。
またね~!
🌸参考
①鋼鉄ジーグ[opening】鋼鉄ジーグのうた & 鋼鉄ジーグ[ending] ひろしのテーマ 映像編集
②主題歌をイタリア語でカバーするバンド。
一見の価値あり!イタリア人が好きになる。