マイケル・ジャクソンの”Beat It”が頭から離れなかったこの2か月。
もらったビーツで料理を作ってきたが(前の2記事参照)、そろそろ別れを告げる時が来たようだ。ピンクなパスタとかピンクなパンとか、そんなものは作らない。「これからの季節、ピンク色の水炊きなども好いかな」(ni-runi-runi-ruさまのコメント)ダメです。作りませんから。おだててもムダです。
とはいえ、前回予告した普通に辛いカレー、これは作った。前のスパイスに今回はコショウやトウガラシを入れ、牛乳をココナッツミルクに変えた。具としてはエビ、枝豆、アスパラガス、ジャガイモ。ナンも手作りした。
家族に食べさせるまえにちょっと試食。辛いけどまろやか、やはりビーツの甘みがあるな。「ビーツは色だけでなく味の特徴も出すだろうから良いと思う。(isourounomitu さまのコメント)おっしゃる通りでビーツは甘いのである。一見カブに似ているが近縁種ではなくアカザ科。ニンジンやスイートコーンよりも糖分を多く含み、最も甘い野菜の一つだそう(ウィキペディアによる)。
ビーツは「食べる輸血」という異名があり栄養満点だし、朝ビーツの汁を牛乳に入れて飲む人もいるそうだ。が、酢漬けのビーツを一度食べて土臭いと思い、苦手意識を持つ人も多いらしい。私の意見では生は苦手でもボルシチのようなシチューならどなたも抵抗なく食べられると思う。
ビーツの話を書いてから周りの人がいろいろなことを教えてくれる。中国上海では戦前からボルシチ(罗宋汤)は家庭料理だったとか。ビーツの中国名は甜菜根。こちら中国人女性のレシピ、写真入りで手順が簡潔でよい↓。
https://www.xiachufang.com/recipe/100419029/
たとえば東京では、 焼き小龍包が有名な「上海大王生煎」さん(葛飾区西新小岩)にはロシアンスープという名でメニューに載っているとか。
またjerichさまがすごいことを教えてくださった。
業務スーパーに「ボルシチの素」売っていますが、私はボルシチとして食べたことはなく加熱せずにパンに挟んで食べちゃってます(塩分多め)。ボルシチの素とオートミールは健康的な非加熱備蓄食料になると思っています 2019/12/10
ボルシチの素?どんなものだろう。これは見てみたい。好奇心にかられて早速近くの業務スーパーへ自転車を飛ばした。業務スーパーは外国の不思議なものや、どうやって食べるかよくわからないものがたくさん売っていて、見るだけで刺激的だ。「ボルシチの素」ってつまり四角い平らな箱に入っているレトルトカレーのようなもの?
かと思ったら瓶詰だった。リトアニア産で中には野菜がゴロゴロ入っていて驚くほど良心的。倍の水で温めろと書いてある。別の鍋(圧力鍋など)で煮込み用の肉何でもいいので柔らかく調理し、合体させたらボルシチができあがってしまう。ただトマトの味が少し強いかも。jerichさま、いつもありがとうございます!
ピンクな世界から足を洗う前に珊瑚作り
もうひとつ最後に挑戦したのは珊瑚チュイルである。ビーツが珊瑚の色となるレースみたいな飾りのこと。(「ビーツ チュイル」と並べてググってみてください。たくさん出ます)
写真:オードブルとして ポテトサラダ(下の段がビーツ)に珊瑚の羽飾り。
作り方・分量はこちらを参考にした。皿のアクセントに〈シンプルレースチュイル〉|樋口直哉(TravelingFoodLab.)|note
ビーツのしぼり汁と水、小麦粉、サラダ油が材料のすべて。よく混ぜたらおたまでフライパンに流し込む。直径10センチくらい。
何枚も作って冷ましておく。作り方は簡単なのに料理が華やかになるのでおすすめ。色がつかない白いのもステキ。(ビーツ終わり)
黄金の丸鶏ローストの季節がやってきた
さて鶏の丸裸を見たくない人、ベジタリアン&ヴィ―ガンの人はここからは読まない方がいいですね。チキンの話。(チキン=卑怯の意味ではないよ)
皆さんのお宅ではどうだろうか。うちは年に何度も丸鶏を焼く。といっても一回で食べきれる大きさ、すなわち1キロ前後の、かなり小さいサイズだからね。以前2.5キロのを通販で注文してしまい、うまく焼けずえらい目にあった。自宅のオーブンのサイズを考慮に入れなかったから(汗)。
1キロ前後の鶏は700~1000円未満で買えるのでお得だと思う。(ブランド鶏はもっと高いが)。食べ残した部分は翌日、小さくほぐしてマヨネーズなどであえてサンドイッチの具やグラタンやサラダにも使える。
話題にしたいのは焼き方で、今年初めてブライン(brine)法を試してみた。今まで、つまり70年代から丸鶏は皮全体に塩とオリーブオイル、またはバターなどを塗ってお腹にハーブ類(そのときあるもの)を詰め、180~200度で焼いていた。シンプルなのが一番おいしいと思っていたし、方法を変えようとは全く思わなかった。日本に帰ってからは、鶏のお腹にもち米や栗などの詰め物をしたり、皮と身の間にマリネード液を塗ったり、そうしたバリエーションはあったが、ブライン、すなわち丸鶏を塩水に24時間漬け込んでから低温で焼くという方法はやってみる気がなかったのである。
驚くほどみずみずしい、しっとりしたチキンが焼きあがるというのだ。アメリカやイギリスではこの方法で七面鳥や鶏を焼く人が多いという。
レシピはいろんな人が少しずつ違うことを言っているが、肝要なのは塩水につける。そのあと低温で焼く。これだけ。
やってみたのだ。1リットルの水に60グラムの塩。ボールに入れて冷蔵庫で24時間。(写真上右)
翌日、取り出して水分をふき取る。オリーブオイル適量を塗り、腹にローズマリー、ニンニクなどを詰め、糸で縛って焼く。(もちろん縛らなくてもいい)
ここで問題になるのが温度だ。低温って何度?イギリス人シェフは90度といい、日本人のどなたかは130度という。鶏の大きさやオーブンにもよるだろう。私は120度で2時間焼き、そのあと210度に上げて様子を見ながらこんがり色がつくまで20分くらい焼いた。
写真左下はいっぺん取り出して様子をみたところ。その右は焼き上がり。途中2~3回、天板のシートに落ちた油を刷毛で取り、鶏全体に塗っている。こんがりといい色に焼けた。
試食。
どう?しっとりしていた?前のやり方よりいいと思った?
皆さんはこう聞いてくるだろう。私は今回は失敗したと思う。塩辛い。1リットルに塩60グラムは多すぎる。あるいは24時間じゃなくもっと時間を短くしなければ。
温度はもしかしたらもっと低温の方がよいのかも。次回は100度でやってみようかなと思っている。そのときはまた報告するね~。
ではまた!