ベルギーの密かな愉しみ

しばらくの間 お休みします。

「生かしてやる」権力社会 &またしても「極右の」東京都知事

GOTOキャンペーン絶対反対

ねえ、反対署名始まったよ、と珍しく夫から言ってきた。そうそう、これはすぐやらなくちゃね。私は署名や寄付活動は普段からよくやるが、夫に言われたのは初めて。

デモ抗議だって一家を代表して(笑)行っているつもりなのだ。家族のみなも温かく送り出してくれる。朝日新聞の写真に写っていたときはちょっとあわてた。小さすぎて目の悪い母には見つからなくてよかった。

GOTOキャンペーンを「21世紀のインパール作戦」と誰かがうまいことを言っていた。いやいや冗談じゃない、全然遅くないから撤回してほしい。旅行どころか首都圏との往来は当分やめたほうがいい。今日はニューヨークで死者が初めてゼロ人になったらしい。クオモ知事は本当にすばらしいリーダーだ。最初からこの人の仕事ぶりはフォローしているが、PCR検査を何度でも無料で最寄りの拠点で受けられるシステムを整備してあるのだ。

東京は今は圧倒的に陽性は若い人だが、これが高齢者に回ったらどんな惨状になるか想像するだに恐ろしい。地方は別のやり方でいいと思うのに、中学生のお子さんの修学旅行が中止になり、嘆いているツイートを見た。なんと香川県から鳥取。例年の沖縄行きをより近い鳥取に変更したあとで!お気の毒でならない。それなのにGOTOキャンペーンって?矛盾の極み。

内田樹氏がForeign affairsからの論文を引用して

パンデミックを制御できるのは、

「有能な国家組織」

「国民の政府への信頼」

「卓越したリーダーシップ」

と書いているのをさっき見たが、改めて言うまでもないほど自明同感なことのわけで、それだけに余計気落ちする。自国政府にはどれ一つ望めず、われわれはいつまでもカカオ農民、今はカカオ難民かな、難民的なよるべない惨めさと底知れぬ不安を抱いて闇の中をさまよっている。

 

殺しはしないが 生かしてやる権力社会日本

私は前に、われわれ国民は政府によって人質にとられている気がすると書いた。悪性ウィルス・コロナの前は、悪政ではあっても、絨毯爆撃のような腐敗スキャンダルに日々まみれ、怒り狂ってはいても、自分の命が即脅かされているというふうな感覚はもたなかった。しかしコロナの今は違う。われわれの命はあの政府に握られているのだ。その肌感覚は正しかった。それをちゃんとした言葉でわかりやすく解説してくれているのがこちら。

未完のフーコーに向かって 石田英敬×東浩紀フーコーで読むコロナ危機――生権力と統治性をめぐって」イベントレポートhttps://genron-alpha.com/article20200623_0

今回のコロナ禍において、各国が人々を「生かす」ために強い統治(=生権力)を発動することは、フーコーが語った生権力の作動がそのまま政治に現れているのであり、フーコーの問題意識は現代社会において強いアクチュアリティを持っている…(略)

と石田氏。また「フーコーがいう生権力社会の典型例こそ日本だ」と言う。外出自粛要請だったにもかかわらず、日本人は自主的に要請に従ったこと、自粛警察が現れると監視が政府からの権力ではなく市民へと移り、「生かす」ための権力として働いたことなどに言及している。

東氏は、「ネットカフェ難民」を例に、日本において政府・公共機関が担うべきことが民間に移譲されていることなどに触れている。私もこれはいつも問題だと思っていた。民間やボランティアがやることじゃなく、政府や行政だろ! だけど緊急で時間がないし、支援なんか待ってられないから、皆で知恵を出し合いながらそれぞれの居場所で活動を進めているわけだ。政府はこんな風に間接的に「生かす」ための権力を行使している。

日本では公共と民間をめぐる権力形態が複雑で、フーコーのいう生権力社会が非常に見えにくい形で潜伏している…

これまで自分の中でまとまりのなかった事柄もその本質が見えてきた。麻生氏の、10万円欲しい人は手を挙げて発言など、「生かしてあげよう」と言っているのだ。また東京入国管理局に収容され一切の自由のない人たちのことも、考えるたび心が痛む問題だ。例を挙げたらキリがないので一旦ここは終わる。

 

わかってます またしても「極右の」東京都知事再選の件

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極右 ultranationalisteと書いているのは仏ルモンド紙。Le coronavirus au cœur de la réélection de la gouverneure de Tokyo, Yuriko Koike

驚くに当たらない、4年前もこの特派員は同じことを書いている。(→2016年の記事La conservatrice Yuriko Koike, première femme à diriger Tokyo)

やれやれだ、何一つ変わっていない東京である。「極右」だけでなく「安倍首相と同じく」というのが重要な形容詞的ワードで、その理由も日本会議所属であることや靖国関東大震災朝鮮人虐殺慰霊祭へ出席を拒否したこと、その他諸々を挙げている。

ニューヨークタイムズも”ultraconservative”という言葉を使って書いているらしいが、自分は読んでいないので。どなたかご存知でしたら教えてね。(*)

書きたいことは山ほどあるのですが、なかなか時間も取れずまた次回続けます。

 

追記*教えてもらいました。https://www.nytimes.com/2020/07/05/briefing

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有楽町ガード下シリーズ 前回の続き 4.

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 5.

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6.

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7.

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 東京駅&有楽町界隈は大好きなエリア。徒歩で行ける限界。

あと神田・お茶の水もね。

コロナが収まったら存分に歩く。