千石船の里&小木は猫の町 佐渡-2-

佐渡の続きです。

ギアさんの質問の答えにもなるよう心掛けつつ、宿根木散策をまとめます。

 

遅ればせながら地図を。

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二列の山脈、それに挟まれるように平野(米の産地。朱鷺の生息地)がある。

私は直江津から小木港に船で入って、小木港のすぐ西にある小さな集落、宿根木(しゅくねぎ)を訪ねたのだった。

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千石船の里 宿根木

宿根木は、廻船業者や船大工の家々が密集し、驚くほどよく保存されていた。タイムスリップしたような不思議な空間。

ギアさんの質問に関連して。小佐渡山脈から流れる川は数多いが、宿根木には称光寺川という清流が海へと注いでいる。

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川の上の方では野菜や皿を洗っていた。(前回の写真参照。河口の写真を撮っていないのが残念きわまりない…)

 

木羽(コバ)葺きで石を置く伝統的な屋根

さてこの集落で大きく変わったものがあるとすれば、それは屋根。昭和30年代に瓦屋根へと移行していった。

 それ以前は、というと

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写真中央の民家のような屋根だった。木羽(コバ)葺きの屋根で石を乗せている。

木羽葺きとは?

柿(こけら)葺きともいい,長さ30cm前後,厚さ3mm前後のサワラやスギの手割り板を竹釘を使って細かく葺くもので、板葺きの中では最も高級で品が良い。中世以降、社寺建築や書院、客殿に用いられ、代表的な例として桂離宮の書院があげられる。…(世界大百科事典 第2版より引用)

 

日本海からの強風でも石が落ちないわけーそれは石に穴をあけ、屋根の木羽に渡した桟から出る釘に刺してとめるからだという。

「石に穴を空けるって大変じゃないですか?」

「大変だけど上手なもんですよ。女の仕事です。男は海に出て留守だから、屋根ふきは女たちが力を合わせてやるんです。2~3年に一度ふきかえていましたね」

 

別の写真で屋根を見よう。今度は違う方向を写した。

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木羽屋根民家がまだまだ残っている。妙に懐かしく心に沁みる風景だ。

この屋根が見られた幸せをかみしめたい。

 

そして

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ここに積んであるのが木羽。手前にも見える。

これは港の近くの木羽置き場である。(全然関係ないけど屋根の上や手前に生えているツユクサ、群生してきれいだった)

 

井戸

ギアさんのコメントにもあったが、井戸は各戸で掘られていた。しかし人口が増え、高台へ居住地が広がると、共同井戸が設けられた。

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高台に上る道はけっこう険しい。

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登りきると、海と家並みが一望できる。(さきほどの写真)

 

日本初、千石船(せんごくぶね)を実物復元

小木港は、北前船が立ち寄る港として栄えたことはすでに述べた。天然の良港で、入り江(=澗・ま)が二つある。下の写真、突き出た城山公園の左が内の澗(ま)、右が外の澗(ま)。

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じゃらんカメラさんから写真をお借りしている。

http://blogs.yahoo.co.jp/kmy22jp/38881844.html

外のに250艘、内のに150艘の収容でき、天候・風向きによる使い分けもできたという。

 

宿根木は船大工の村でもあった。金銀を積んでいく北前船の修理に、高い技術を誇っていたのだ。近くに復元した船、白山丸の実物大があるというので見学にいく。

 

佐渡国小木民俗博物館

大正9年に建てられた木造校舎をそのまま利用しており、建物自体の価値も高い。宮本 常一(みやもと つねいち)の勧めにしたがって、昭和47年(1972年)に開館したという。国の重要有形民俗文化財を数多く展示している。

ここに隣接して平成10年に千石船展示館がオープンした。

 

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ちょっとのぞいただけでも、びっくりするほど巨大!千石船というのは、木造の巨大帆船をさし、米 1000石を積めることから、江戸時代に大型荷船の呼称(おおざっぱにひとくくり)として使われていたそうだ。

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「白山丸」の名前の由来は、宿根木の神社「白山神社」からとか。1858年に新造された「幸栄丸」の設計図をもとに忠実に復元された千石船ということだ。

ヒノキの「木」から「千石船」ができ上がるまでの全工程はビデオで見られる。皆、感嘆のため息を漏らしていた。

もちろん船の内部も見学できる。私の写真はよくないのでここには載せないけれども。

 

白山丸まつり

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下記サイトからお借りした写真。今年7月23日、24日の白山丸まつりで帆をはった船。

【宿根木】江戸時代の雄姿を再び…「白山丸」今年も帆揚げ! : 佐渡市地域おこし協力隊サイト

全長約22mの帆柱に、帆を広げると約155畳の広さになる。

〈データ:全長23.75m、最大幅7.24m、積石数512石積〉

 

宿根木の入り江

雨なのでたらい舟やボートに乗る客もおらず、閑散とした入り江。

残念でした。

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手前の石:船を繋ぐ石。地域の人は「シロボウズ」と呼ぶ。石橋や石鳥居と同じく瀬戸内海から運ばれてきた御影石だそうだ。安永5年(1776年)ころにたてられたらしい。享和2年(1802年)の地震により、海岸が1mあまり隆起したため、千石船も入らなくなった。現在も7本が残り、宿根木の港を静かに見守っているという。

 

小木は猫の町

宿根木と同じように小木の町について書こうと思ったら、記事2本分くらいになってしまうので今回は省略する。

町人文化の香りを楽しみながら通りを歩いていたら、あちこちに猫がいる。おやおや、港だから猫がいるのか。佐渡に釣りに来た人が、釣り上げたばかりの魚を猫に盗られた、といつか読んだブログでユーモラスに綴っていたっけ。

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どの猫も可愛いな!

ちょうど魚屋さんのご主人が出てきたので、聞いてみたら、小木は猫の町だよ、海だけじゃなく山にもたくさんいる、猫屋敷もあるんだよという。私の反応を見てすぐに、そこへ案内してあげようと言ってくれた。わーい、ラッキー!どこだか知らないけどついていこう。

港の近くの一軒家だった。おじさんは家の横をずんずん進んでいき、ほら、ここから覗いてみて、という。

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普通「猫屋敷」というと、家にペットの猫、あるいは保護した猫をたくさん飼っている人のお宅だと思うでしょ。勝手に覗いたりしちゃいけないんじゃないの。

ところがその家は猫のために新築した平屋一軒家で、内部は完全に猫専用の生活の場になっていた。野良猫が増えて、特に子猫を不憫に思った人が、自分のお金で家を建て、保護を始めたのだという。

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じゃ、ちょっとのぞかせてもらいましょう。

横の窓はいつも開いていて、格子がはめられている。猫たち、警戒している模様だ。ごめんね、びっくりさせて。

 

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家の後ろに回ってみると、網戸から興味しんしん顔でこちらを見ている。しばらくするとじゃれあって遊んだり、また外の様子をみたり。

保護した方がいらしたら、ぜひお話したかったのに。

 

オコゼ

備後あこう浪士 さまのブログを読んで以来、オコゼが頭から離れない。もちろん座布団としてのオコゼではなく、お刺身が食べたかったのであるが、食べそびれてしまった。

残念!また今度、ということで。

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http://sado-kamomesou.com/ryori.html

まあ、ほかのおいしい魚類、サザエやイカなどをいただいたので満足である。

 

スーパーで買ったものを二つ紹介する。

左:初めて見るかにみその豆腐。食べてみたらかにみその味が濃厚で、好き嫌いは分かれると思う。

右;トビウオのすりみ。袋の端を三角に切り、そこから1センチくらいずづ、しぼり出す。熱湯のなかで玉状になる。ふわふわすり身のお味噌汁ができる。

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トビウオのだし

一般に「あごだし」と呼ばれるもの。佐渡では使わない言葉だそう。

漁師の家では自家製、しかも炭火焼だという。一袋(10尾)買ったので、早速だしをとってそばつゆを作ってみた。ずっと入れたままでも臭みも出ず、すっきりと上品な味だ。丁寧に焼いてくれた漁師のおかみさんに感謝ですね。

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長らくおつきあいありがとうございました。

またふり出し(9月20日の記事の最初の写真)に戻って、

「三角家」

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吉永小百合さんのJR東日本のポスターで有名になった三角家さん。訪れたひとは、小百合さんの立っていた同じ場所で写真を撮りたがっていて、ほほえましかった。

 

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入場券も凝っていて、厚紙なので切り取って家を組み立てられるようになっている。