ベルギーの密かな愉しみ

しばらくの間 お休みします。

ヨーロッパ・アメリカ大陸

戦車をめぐるアレコレ ガルパンからギュンター・グラスまで-2- (Chupki)

前回記事:第一次大戦の終わりから100周年の続きです。 WWI tanks - Picture of Royal Museum of the Armed Forces and of Military History, Brussels - TripAdvisor (写真:第一次大戦の戦車コーナー。ベルギー王立軍事博物館 2016年3月) 前回の「化学兵…

ユヅル愛 「大人女子」は羽生選手を追ってフィンランドへ。-1-

羽生結弦選手、グランプリシリーズ・ヘルシンキ大会優勝おめでとうございます。改善の余地がまだまだたくさんあるところがすばらしい。プログラムをどこまで磨き上げていくのかとても楽しみ‼ Men's podium, a brilliant top three - photo by @eelinpaas pic…

パリでもブリュッセルでも 街の真ん中でシイタケ作り-1-追記:2019年

今日はシイタケの話です。 シイタケは英語でもフランス語でも”shiitake”、フランス語は別の言い方もあるが「シイタケ」でも普通に通じ、今やシイタケはヨーロッパで思いのほか浸透している。 シイタケに入る前にキノコの思い出をちょっと書いてみよう。 フラ…

中国の羨ましいところ -3-

中国について前回は、特に羨ましくもなんともないことを書いたが、今日は羨ましく思っていることを書いてみたい。 羨ましいなと思う点は三つある。①高い起業熱 ②再生エネルギーへのシフト ③男女共同参画社会、である。 ①国民の、特に若者の起業意識が高い。 …

パール・ハーバー 1941 決意なき開戦

なぜ日本は真珠湾を攻撃したのか(”Why did you attack us at Pearl Harbor?”)とニューヨークの高校でクラスメートから質問を受けた女子生徒は、東京から編入したばかりで英語も拙く、とっさのことで返答ができなかった。いや、日本語でも難しかっただろう…

アメリカ海軍の衛生兵だったヒトラーの甥 改名はしたけれど…-6-

だいぶ日があいてしまいましたが、核シェルターと防空壕 &ヒトラーはイギリス贔屓(びいき)か -5- - の続きです。 ヒトラーのイギリス贔屓は、母親の違う兄とその息子である甥がイギリスにいたことも関係あるのか否か? →・・・ないでしょう。 前々回載せ…

世界一美しい本を作る男 -2- アーティストが作りたいと思う本のコンセプトを完璧に実現したい

(前回の続きです) ゲルハルト・シュタイデル この男の存在自体が文明批評 シュタイデル社は1972年からゲッチンゲンのこの通りにある。シュタイデル氏の実家から50mくらいだそうだ。初めの一棟に次々と建物をつなげていったので、中はちょっと迷路になって…

世界一美しい本を作る男-1- ノーベル文学賞作家ギュンター・グラスの本も。

ゲルハルト・シュタイデル 天才たちに愛される完璧主義の男。(映画『世界一美しい本を作る男〜シュタイデルとの旅〜』予告編の最初に出てくる言葉) ドイツ・ゲッチンゲンにある小さな出版社シュタイデル。社を率いるのはゲルハルト・シュタイデル、まるで…

手作りの贅沢と最良をすべての人に ーヴァージニア・リー・バートンの『ちいさいおうち』展ー

竹中工務店ってすごいと思う。 先日、東陽町(東京メトロ東西線)からすぐのところにある竹中工務店本店に『ちいさいおうち』展を見にいってきた。 竹中工務店と絵本?どんな関係があるの、と思うでしょう。竹中工務店のギャラリーのサイトはこちら。Gallery…

「小惑星が地球に接近」でムーミン谷の彗星を思い出した。劇場版『ムーミン谷の彗星』追記:

『ムーミン谷の彗星』 フランスの大統領選が大混戦になりそう。朝早くおきたらBSをつけて”France 2”を見ることにしている。なんと右と左のポピュリスト対決になるかもしれず、反EUの悪夢が現実味を帯びてきているらしい。メランション氏(左派、社会主義者)…

子どもを社会全体で育てるフィンランド「ネウボラ」&子どもの名前あれこれ

子どもの名前 先日のマミーさんの記事マミーさん、キラキラネーム作りに加担させられそうになって消耗してるの巻。 - こたつ猫の森を読んで少し書きたいことが出てきました。マミーさん、ありがとうございます。 私も「名前」関係、けっこうオタクです。ご夫…

エンスラポイド作戦「ヒトラーの絞首人」を暗殺せよ&チェコ悲劇の村を訪れて(映画『ナチス第三の男』)追記

ヒトラー暗殺の試みが失敗に終わったことは皆さんもご存じだと思う。 ナチス時代で成功した暗殺はたったの一件で、それもナチス・ナンバー3(ヒトラー、ヒムラーにつぐという意味で)の男。その残忍さから親衛隊の部下からは「金髪の野獣」とあだ名され、「…

ヒトラーが守りたかったユダヤ人 ナチス時代を振りかえる-2-

前回に続き、ナチスの時代を振り返っています。 コメントくださったみなさん、ありがとうございました。 物議をかもしたヤカン ヒトラーに似てるっていわれても… どうということのない「やかん」だが、以前アメリカではTwitterで「ヒトラーに似てるね」と拡…

福音と銃とメラニア夫人 アメリカ -3-

トロンプ帝国では大統領が、テロリストの尋問に「水責め」などの拷問を使うと公言していた。もう、なんて世界だ!われわれは映画のシーンを生きているのか。そしてこれがずっと続くのか?このところ、T大統領のおかげでディストピア小説や映画が話題に上り、…

「壁じゃなくて橋を!」 この世界のあちこちで -2-  

前回の続き。例によってメモ書きです。 cenecio.hatenablog.com 楽しいツイートがいっぱい! ヘアー・フォース・ワン アメリカの歴代大統領 みんなふざけまくってる ハッシュタグ ” #AlternativeFacts” ”#SpicerFacts”は大賑わい。 AlternativeFactsとはコ…

世界各地で女性大行進 「壁じゃなく橋を作ろう!」-1-  

*メモだけです。 世界各地で女性たちが大行進 今朝の朝日新聞(1月23日)によると、トランプ大統領に対する抗議デモは「世界約80か国の670か所で、約470万人が参加した」ということである。(主催団体による数字) Women's march Washington ワシントン女性…

差別的でない表現ーポリティカル・コレクトネス

ポリティカル・コレクトネス(political correctness) マミーさんがコメント欄で指摘してくれた「ポリティカル・コレクトネス」について。トランプ氏勝利・ヒラリー氏敗北の一因に、アメリカ社会の「ポリティカル・コレクトネス疲れ」もあるのでは・・・こ…

トランプ氏記者会見と オバマ大統領ありがとう

トランプ トロンプ トロンプール 楽しそうな音が並んでいるが、最初のトランプはもちろん次期大統領のT不動産屋である。以前「トランプ」と書こうとして「トロンプ」と打ち間違えたことがあって、その時はっとした。そしてにんまりした。 なぜならフランス語…

オバマ大統領のユーモアの8年 

オバマ大統領は最強のコメディアン ああ、もうじき「前大統領のオバマ氏」になってしまうのだ。まだ2年間は下のお嬢さんの就学の関係でワシントンにとどまるそうだが、まずは「お疲れさまでした。そしてありがとう!」と言いたい。 オバマ氏のジョークや機知…

真珠湾 行っておけばよかったな&オタクライフとくまモンのフランス出張

いろいろな話題です。 1.真珠湾 日本の新聞を読むより早く、ヨーロッパの新聞で安倍首相の真珠湾訪問を知りました。ベルギーのオランダ語新聞、一面で報じています。 「犠牲者を慰霊するのが目的」で「現職の首相として初」という、内容は日本で報じられて…

パール・ハーバーの授業 & 日系人収容所再び(+インタビュー)

真珠湾攻撃(1941年12月7日、日本は8日)から75周年。アメリカにとっては忘れてはならない日です。Pearl Harbor 75th Commemoration この時期になると、思い出すエッセイがひとつあります。猪口邦子さんの『パール・ハーバーの授業』。皆さんのなかに、もし…

スズメはスピッツを歌う &刺青やろうせきの話&カーフリー道路

デンマークづいてしまい…あれこれメモ。 先日アンデルセンのことを書いた。それはなぜかというと、映画『さとにきたらええやん』を見たあと、突然「アンデルセンとマリリンモンロー」の話が頭に浮かんできたからだ。アンデルセンとマリリン・モンローの違い …

米大統領選関連 ツィートや画像まとめ 

大統領選の結果を受けて大騒ぎの中、分析などは他のかたに任せて、おもしろ画像などをちょっと拾ってきました。 だいたい見ればわかりますね。品の良くないものは除外してありますので、ご安心を。 1. *ご存じない方のために、「ロケット団」は『ポケット…

ムーミンから アヒルまで *追記:2020年1月

ムーミンファンクラブ 私は先日マミーさんからいただいたコメントによって、ムーミンの「スイッチ」が入ってしまい、いま頭の中にはムーミントロールと、そこから派生する諸々のものが広がっている。いや「広がる」なんて生半可なものじゃない、膨れ上がり、…

園芸家に背中はいらない!・チェコ好きの人はみんな持ってるダーシェンカ (チャペックの世界)

きれいなお庭だなあ とよそのお宅を眺めていると、人がにゅっと急に立ち上がって、びっくりすることがある。しゃがんでいたんだね。そして腰をいたわる仕草をする。わかる、わかる。ちょっと微笑んでしまう光景だ。それで思い出した本を紹介する。 楽しい園…

『十二の月たち』出久根育・『森は生きている』(作者マルシャークの紹介 ほか)

有名な民話です。 といっても日本ではどうでしょう。どのくらい知られていますかね。人によるかもしれません。そのことはあとで説明します。ロシアやチェコ・スロバキア地方では広く知られる民話で、様々なバリエーションが存在します。ちょうどシンデレラや…