パリの休日 感傷編

今でも朝起きてパソコンをつけるときはドキドキする。また何か事件が起こっているんじゃないかと。

ベルギーの人たちの傷は癒えないばかりか、経済的な落ち込みが深刻になっていて、さぞ暗い気持ちで過ごしているのだろうな。それとも原発テロなど心配してもはじまらないから、気持ちを切り替えているだろうか。

 

パリでは丸々二日ばかり暇があり、かつて5年くらい住んだのだから知り合いもいるのだが、連絡はあえて取らなかった。静かな感傷旅行をして過ごすことにしたのだ。

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雨続きで、肌寒い二日間。石畳は濡れると非常に美しい。

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パリ北駅のまん前に宿を取った。(ホテルのバルコニーからみた北駅)

インターネットでホテルを選ぶと、半分はハズレだったりするが、ここは古い映画にでも出てきそうないい雰囲気で、しかも改装されて清潔でアタリだった。宿の経営者一家ともかなり親しくなった。まずチョー有能で、気持ちのあったかい肝っ玉かあさんがすべてを仕切る。そしておばあちゃんと小学生男子と可愛い幼稚園児、お手伝いの女性がひとり。掃除人も別にいたかな。一階はカフェだった。

帰るときは「また来てね」とおばあちゃんに念押しされてしまった。 

ノートルダム寺院

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パリのシンボルのひとつ。降りしきる雨にもかかわらず、春休み(日本もそうだが、こちらは復活祭の休み)なので、教会の周りを半周くらいにわたって観光客が列を作っていた。〔3月30日〕

出発の日〔4月1日〕の昼頃はうそのように晴れ上がり、横から一枚。

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川べりに二重桜が咲くので、絶好の花見&デートコースになっている。この角度からの桜&ノートルダム寺院の写真はよく見る。

 また雨の写真にもどるけれど

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雨でもカッパを羽織って、遊覧船の上に出る観光客が見える。

中国人のツアーや韓国人の若者のグループが目立った。またノートルダム寺院近くの橋では、韓国のTVドラマ(?)が撮影をしていた。フランスのブックフェアでは、今年は「韓国年」なんだって。だから書店にも韓国の作家コーナーが設けてあった。

 

長男が生まれた病院

オテル・デュー(Hôtel-Dieu de Paris )正面入り口。「神の館」という意味。

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地図では、セーヌ河の中州、シテ島にある。 すぐ右下の緑色がノートルダム寺院

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地図で見てもびっくりするくらい大きいでしょ。

古さも半端じゃない。651年にパリ司教によって建てられた施療院だった。旅の病人や貧者、障害のある人の治療にあたっていたらしい。現在の建物は19世紀のものだ。 

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(上記写真:病院のサイトから)

僧院を思わせる重厚さと静けさに満ちて、パリの真ん中にいるとはとても思えない。

 

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右半分の、河に面した建物が産婦人科棟。私の部屋は3階にあった。

アラブ人のスカーフ姿の女性と二人部屋だった。彼女は3番目のお子さんを出産した。隣の部屋もアラブ人女性だった。反対側の隣はシングルマザーっぽい若い人で、退院するとき赤ちゃんを籠に入れて、ガムを噛みながら一人で帰っていった。今でもその様子をまざまざと思い出す。

これまでの記述からわかるとおり、知り合いのフランス人も日本人もアメリカ人も、こうした市民病院で出産しない。ホテル並みの設備とグルメとスタッフが揃い、美しい景色に囲まれた私営の産院のひとつに入るのだ。3か所ほど、出産のお祝いに訪ねて行ったことがあって、どこも豪華で仰天した。しかも出産は全額タダである。私の場合はわけがあって、話すととても長くなるので…。

 

退院するときの出口はここ。日本と違って3日で退院が許される。入院費がかかるのでほっとした。

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ただ退院したのは私だけ。子供はちょっと問題があってそのまま入院し、私はその後1週間メトロで病院に通ったのである。

このころの思い出はスティングと結びついている。

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The Police - Every Breath You Take

当時フランスでは定期的に育児・マタニティー雑誌を読んでいたのだが、あるとき赤ちゃんを抱く男の写真に惹きつけられた。それがスティングだった。

彼の息子がうちの子より1~2か月ほど前に生まれ、出産に立ち会ったときの写真である。大きな心境の変化を語るインタビューもよかった。「ポリス」という名前は知っていてもとんと興味がなかったのに、急に親近感がわいてきて音楽を聴くようになる…。

rue Saint-Honore サントノーレ通り

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チュイルリー庭園やコンコルド広場近くに住んでいたことがある。ブランド品や高級ブティックの並ぶファッション通りで、それは今も同じだった。あちこち工事中で、おまけに車が両側に駐車し、喧騒も相変わらずだった。

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あの濃い緑のドアの向こうだが、暗証番号がなければ入ることはできない。中庭を抜け、奥の一棟だ。だれか建物に入る人が来るのを待って、丁寧に訳を話し、ちょっと中に入れて、などと頼むのは結構得意技なのだが、なんせ雨で寒くて、じっとしているのは無理だった。

チュイルリー庭園駅から帰るとしよう。

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復活祭の休みだからか、観覧車が設置されていた。雨だから客はいない。

今回地下鉄ではびっくりすることがいろいろあった。スリに気を付けろという日本語のアナウンスのほかに、プラットホームの左側を見て!

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ホームドア。

東京では慣れっこになっていたが、こうしてパリでみると不思議な感じ。

 また明日に続きます。