視聴率100%?
フランスにおける日本アニメと漫画事情について、あくまでも当時住んでいた範囲内のことがらに限られてはいるが、思い出を記事にしたことがあった。
cenecio.hatenablog.comそのときマミーさんが
「そういえば、フランスでは視聴率100%の日本アニメの番組があったとか・・・私は全く知らないアニメで、びっくりされましたけど。」
とコメントを書いてくださったのに、私は「うん?何だろう」と思いつつ、愚かにもすぐに調べてみようとしなかった。というのも漫画やアニメにイマイチ関心がなかったからである。キャンディ・キャンディもAKIRAも知らなくて嗤われている私のことだ。
しばらく忘れていたのだが、偶然そのお化けアニメが何かわかった。永井豪原作『UFOロボ グレンダイザー』というロボットアニメだった。
みなさんはご存知だろうか。漫画とアニメーションがあり、フジTV系列で1975~1977年毎週日曜日に全74話が放映されたという。
チーズのおかげ
はあ、なんの関係が?と思うのもごもっとも・・・アンティーク&レア物サイトで見つけたカマンベールチーズの箱に、なんとUFOロボ グレンダイザーがいらしたのである!
フランスでの名前はGOLDORAK(ゴルドラック)。
Goldorak et ses produits dérivés - Le Grenier de la télé
Goldorak(ゴルドラック)の恐るべき視聴率
ウィキペディアによると、ゴルドラックは1978年7月3日から1979年1月18日まで「アンテンヌ2」で放送された。視聴率は平均75%、最高100%であった。ただしこれは時間帯による占有率であり、世代別の集計(子供のみ)であること、テレビ局がアンテンヌ2以外に、TF 1とFR 3しかなかったことなどの条件が重なった結果だという。
(パリ・マッチ誌1979年1月19日)
この大衆紙には、ゴルドラックの視聴率が100%を記録したこと、キャラクターグッズ(下に写真があります)が大ヒットしたことなどが紹介されている。人気過熱のあまり、日本では発売されなかった敵役の人形なども発売されたということだ。
イタリア、アメリカ、アラブ諸国でも放送され、大人気だったそうだ。イラクでは1982年夕方6時に放送されたが、路地から子供たちの姿が一斉に消えたというほどの人気を誇ったという。
泣いてくれる イラクの人たち
こちらの記事ronahi.hateblo.jpから少し引用させていただくと
いまでも、ちょっとしたお土産に、と、いつもいくつかグレンダイザー・グッズを持っておく。プレゼントすると涙を流して喜ぶ人もいて、伝説はいまも生きていると感じる。宗派や民族をめぐって争いの絶えないイラク。国民が唯一、ともに共感し一致できる話題は、サッカーかグレンダイザーしかない、という冗談まである。
グレンダイザー人気にあやかって
下の記事は、2012年にイラクでの国際見本市で、日本が集客のためグレンダイザーの空気人形を展示したというもの。
岸恵子さん、グッジョブ!
どういういきさつで「UFOロボ グレンダイザー」がフランスで放映されることになったか。キーマンはジャック・カネストリエ(Jacques Canestrier)というテレビ業界のプロデューサーであるが、ここで岸 惠子(きし けいこ、1932年- 女優・文筆家)が登場する。
岸さんは84歳の現在でも50歳くらいにしか見えず、若々しく美しい。写真は、普通にネットでたくさん見られるので、私はちょっと変わったものを載せておく。
ジャン・コクトーの芝居に出ていた岸恵子を、三島由紀夫が訪問したときのもの。(岸恵子のことは語り出すと長くなるのでいずれ…)
岸は1956年、日仏合作映画『忘れえぬ慕情』に出演し、それがきっかけで映画監督イヴ・シャンピと結婚した。(なんと川端康成が立会人!)
イヴ・シャンピはさきほどのジャック・カネストリエと仕事をしており、また仲間には、フランスアニメーションの草分けともいえるルネ・ボルグ(René Borg、日仏合作アニメ『イルカと少年』 など)がいた。
1969年、岸の発案で日本の東映を訪ね、それがきっかけで日本アニメを特権的にフランスに紹介することになった。
ちなみにフランスにおける日本アニメ三大カルトは、当時は「グレンダイザー」のほか、「キャンディ・キャンディ」「宇宙海賊キャプテンハーロック Capitaine Albator」*だそうである。
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* 追記:2017年4月28日
熱烈なるフランス人ファンのサイトSatch_62 (@Satch_62) | Twitter ↓こちらのかた。
嶋星光壱氏、ブリュッセルのブックフェアにて。2017年3月11日。
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もどります。
ビデオ発売
ジャック・カネストリエは考えた。「グレンダイザー」は再放送を重ね、人気は衰えない。1980年代はじめには、これをビデオカセットにして売り出したらどうかと考えた。当時フランスにはまだ40万台しかビデオカセットデッキがなかったころで、あのディズニーでさえもまだビデオ発売は始めてなかったというのに。
上がそのビデオ、現在オークションサイトなどで取引されている。下はフランスでの第一回放送。(ご覧にならなくてよろしい。私は忘備がわりに貼り付けている)
Goldorak épisode 1 de la saison 1 - vidéo Dailymotion
フランスの永井豪ファンサイトの表紙。切り取ってみた。熱い!
追記:2017年4月28日
永井 豪さん、6月にフランスへ。
アヌシー国際アニメ映画フェスティバル( 2017年 6月 13日 ~ 6月 17日)にてhttp://jp.france.fr/ja/events/124539 6月14日午後4時より『マジンガーZ』(3DCG版)が上映予定。
追記:6月18日
Guillermo del Toro (@RealGDT) | Twitter
追記:2017年11月21日Olivier Fallaix 氏Twitterより
@OlivierFallaix
いよいよ明日、フランスに Mazinger Z Infinity 上陸。
日本での公開より2か月も早く!
🌸記事にしました。
参考:
↓こちら様より勝手にお借りしています。ありがとうございます。
Le FORUM des Grands Z'enfants :: GOLDORAK à RAZAC
グレンダイザーは40cm。
ガラスのコップはフランスの辛子メーカーが、辛子を入れて売り出したもの。全13種類あるとコレクターさんが書いている。
我が家はこの辛子メーカーで、スターウォーズシリーズを持っていたのだが、割ってしまった😢
Goldorak et ses produits dérivés - Le Grenier de la télé
プレーヤーがなくて残念がっているフランス人。
個人メモ:http://japon.canalblog.com/archives/2015/06/22/32257280.html
追記:2019年2月 Olivier Fallaixさんからのツイート。永井氏が7月のジャパンエキスポに来仏。
巨大ロボ=le grorobo