圧巻!4万人もの赤毛の人が集まるオランダのフェスティバル「赤毛デー」(+きつね)追記:2018年8月、11月
9月は赤毛(あかげ)の季節です。
何ですと?いったいどんな関係があるのかとみなさん、いぶかしく思うにちがいありません。
「赤毛デー/ 赤毛の日」(英語:Redhead Days)というフェスティバルが、毎年9月はじめにオランダのブレダという町で開かれるのですが、オランダ語を習っていたころ、一度ならずこの話題が授業の教材(新聞記事、TVニュース)となっていました。おお、また赤毛の季節が来たか、と思ったものです。写真を見ておわかりのように、大規模かつ国際的なお祭りです。今年2017年は80か国から4万人(オランダ国営放送NOSの記事による↓)が参加し、9月1~4日まで開催されました。
今年2017年の写真'Iemand met rood haar is net een gebakje' | NOS
そして
写真:上下ともウィキペディアより。2007年、2008年。Roodharigendag - Wikipedia
人酔い?頭がクラクラします。
赤毛の人といえば日本では「赤毛のアン」が一番有名ではないでしょうか。私だったら女優のジュリアン・ムーアやニコール・キッドマン(下に写真)、またハリーポッターのお友達ロンなどを思い浮かべます。アニメの主人公を思いうかべる人もいるでしょう。
赤毛が珍しい髪の色であることは間違いないですね。上記NOS記事によると、遺伝子MC1R (Melanocortine 1 Receptor)の突然変異によって引き起こされるのだそうで、最も赤毛が多いのはスコットランド(13%)、次にアイルランド(11%)。ロシアなどにも多くおり、ヨーロッパとアメリカ合衆国を合わせると4~5%いるとみられています。全体で100人に一人は赤毛だそうです。
きっかけは…
オランダの赤毛フェスティバルの起こりは、実に他愛もないものでした。
2005年、画家のBart Rouwenhorst氏が、赤毛の女性たちをモデルに絵を描きたいと思って募集しました。すると150人も応募があったのです。絵を描くには多すぎる人数だが、皆で記念に集合写真を撮ったらおもしろいんじゃないか、と考えます。
写真:2005年の光景。ウィキペディアより。Bart Rouwenhorst - Wikipedia
この集いは2005年だけで終わりませんでした。先ほどの画家氏はオーガナイザーとなって翌年も「赤毛の人々の集い」を呼びかけ、様々な催しやキャンプなどを企画しました。そして参加者は年々増えていき、今年度は4万人に達したわけです。
プログラムも簡単にダウンロードできます。RedheadDays Breda | 1 -4 september 2017 Programma 2017しかしブレダで開催するのは今年が最後だそうで、次の開催地を探しているということです。(下に追記)
赤毛差別
イギリスには赤毛の人に対し、昔から根強い偏見があったようです。そしてイギリスほどではないが、アメリカやカナダでも偏見は残り、そのことは「赤毛のアン」を読むとわかります。
赤毛の人は皮膚が過敏でそばかすやシミができやすく、体質的に虚弱であると思われていました。そんな赤毛への偏見について、こちらのイギリス人Mairiさんが、英語の使い方も含めてまとめてくれています。
イギリスの社会問題に関するコラム:イギリスの「赤毛差別」について
下の写真に"Happy Ginger Day"とありますが、Ginger、これは差別用語で、赤毛の人に向かって絶対に使ってはいけない言葉だそうです。まあ、ここは自分たちのことを指しているので、青年も写真を撮っていることだし、かまわないでしょう。
写真:'Iemand met rood haar is net een gebakje' | NOS
赤毛といっても、イチゴのように鮮やかな色からワイン色、茶色がかった色まで様々なバリエーションがあり、わざわざ別の形容詞をつけるのにも驚きました。
AMY ADAMS
JASON MERRITT/GETTY IMAGES(ピンタレスト)
アプリコット(apricot)色
JASON MERRITT/GETTY IMAGES(ピンタレスト)
出典:The Top 10 Redheads in Hollywood | InStyle.com
シャーロック・ホームズ『赤毛組合』または『赤毛連盟』The Red-Headed League(1892年)
ホームズの『赤毛組合』(私が読んだときのタイトル)は中学のころ読んだのに細部までよく覚えている作品です。「赤毛の人」というのがおもしろくつよく印象に残ったからでしょう。みなさんもご存知だと思うので筋に触れますが、「うまい話には裏があるよ」というヤツですね。
ある質屋の主人(燃えるような赤毛)は、雇ったばかりの店員から「赤毛を募集している」という話を聞きつける。アメリカの大金持ちが作った団体で、今欠員募集をしていて、組合事務所で簡単な仕事をするだけで驚くような週給をもらえるというのだ。面接に合格し、仕事を始めて数週間。ある日給与をもらいに行くと事務所がなくなっている。
ホームズは質屋の地下から銀行までトンネルが掘られていることを突き止め、犯行を未然に防ぐ。犯人は赤毛組合の管理人と質屋に新しく雇い入れた店員だった。トンネルを掘るのは時間がかかるから、質屋店主を店から遠ざけておくために架空の団体「赤毛組合」を用意したのである。
その後こうしたトリックは「赤毛トリック」と呼ばれるようになったとか…。
最後に美しい赤毛の母娘
ジュリアン・ムーア(Julianne Moore 1960年)とお嬢さん。
Celebrity Moms on How Their Beauty Routines Have Changed | InStyle.com
みなさんの知っている赤毛の人、教えてくださいね。
終わります。
追記:1.たまうきさまから教えてもらいました。
スウェーデンのいじめ撲滅CMです。
赤毛でいじめられている少年がいました。それをみて心痛めていた人たちは…。
ぜひご覧ください。とっても短いですよ(^^)/
2.赤毛を追う人
Alexandra Bochkarevaというロシア人のカメラマン。ご自身も赤毛で、サンクトペテルブルクで、家族はもちろん、赤毛とそばかすの人々の写真を撮っています。
追記:2018年11月
ロシアっておもしろい国!
キツネを肩に載せて地下鉄を待ってるのに、周りのみんなが平然としてるって、ロシアってすっごくいい国じゃないか。
— セキ ヤスヒサ⛅ (@Campaign_Otaku) November 17, 2018
pic.twitter.com/kKgJjnxZtN
🌸追記:2018年版
2018年はフランス・ブルターニュに集合!”Red Loveフェスティバル”という名前になりました。ちなみに金髪や茶色の髪の人も来ていいそうです。
Twitterで見つけましたが、可愛いですね。
Festival "Red love": des centaines de têtes rousses se sont rassemblées aujourd'hui à Châteaugiron, en Bretagne, pour "afficher fièrement [leur] couleur" https://t.co/uDbWhPMaxk #AFP pic.twitter.com/4jW7PxLgCG
— Agence France-Presse (@afpfr) August 25, 2018
↑エド・シーランが赤毛クラブの会長になるという愉快なビデオ。
Ce week-end, à Châteaugiron en Bretagne, a eu lieu pour la première fois en France un festival mettant les roux à l’honneur. Son objectif : lutter contre les discriminations 🎥 @aureliamoussly #AFP pic.twitter.com/dJiDkNsNlM
— Agence France-Presse (@afpfr) August 27, 2018
引用【8月26日 AFP】赤茶色にとび色、ストロベリーブロンドも──フランス北西部ブルターニュ(Brittany)地方シャトージロン(Chateaugiron)で25日、あらゆる赤毛の人たちが集まるフェスティバル「レッドラブ(Red Love)」が初開催され、1200人近くが来場した。
「自分と同じような人々」と過ごすために来場したというシモンさん(32)は、「私は生まれた時から赤毛で、これからもそのままでいるつもり。私も周りのみんなと同じように美しいから」と語る一方、「幼い頃は『ニンジン頭』みたいなあだ名で呼ばれてからかわれた。太っている子と同じように」と打ち明けた。
オランダのイベント「赤毛の日(Roodharigendag)」で知り合った友人3人と来場したリアムさんは、「15歳になるまで赤毛が嫌だった」と告白した。赤くて長い顎ひげを蓄えたリアムさんは「今は(赤毛の)子どもを見かけたら励ましている。彼らに自分と同じような孤立感を味わってほしくないから」と前向きに語った。
レッドラブではコンサートのほか、ウエディングドレスを着た赤毛の人18人によるブライダルファッションショーなどの催しが行われた。
主催者のパスカル・サクル(Pascal Sacleux)さんは、「いつの日かみんなが自分の理不尽さや愚かさに気付き、赤毛をだしにしたジョークが過去のものとなること」に期待を寄せた。(c)AFP /Wafaa ESSALHI
場所:シャトージロン(ブルターニュ地方)