ベルギーの密かな愉しみ

しばらくの間 お休みします。

広場と民主主義 &銀座無印で長野のリンゴ

広場のない日本は民主主義が根付いていないのか。

今週は、10日(日曜)に#1110原発ゼロ国会前集会、11日(月曜)に#WithYou #MeToo フラワーデモhttps://www.flowerdemo.org/と続けて参加した。多くのスピーチのなかから今日は、原発ゼロのスピーチをひとつ紹介しようと思う。

環境デザインが専門である廣瀬俊介氏が「広場」について話してくださった。首都圏反原発連合さんのツイートをちょっとお借りする。

ここでいう広場とは、遡れば古代ギリシャにあったアゴラのような所。市民が自由に集まって歓談し、政治の話や商用の取引などもできる場所。こうした広場は今でも西洋の街なら中央に配され、市民のためのなくてはならない大切な空間となっている。

日本には西洋にあるような広場がない、都市計画においても広場を造らなかった。それは日本人に民主主義が根付いていないからではないか。そう言う人もいた。

廣瀬氏は、戦後復興期に広場を造った石川栄耀という人物に触れる。石川栄耀は新宿歌舞伎町の産みの親であるが、戦後都市計画の一環として、新宿コマ劇場に皆が集える広場を配したのだという。

東京には非常に広大な広場がひとつある。皇居前広場だ。天安門広場よりも大きいらしい。先日も天皇陛下の即位を祝って、アイドルグループ「嵐」が歌を歌っていた。

戦前・戦時中は神聖な空間だったこの広場は戦後、堀を挟んで向かいに建っていた第一生命館ビルにGHQが置かれると性格を変え、一般人に開かれた空間となる。戦後初のメーデーには50万もの人が集まり、あの広大な敷地を埋めた。その後禁止になるまでの4年間、様々な集会や運動の舞台となって「人民広場」と呼ばれたことも。

広場でなくても、安保闘争ベトナム戦争反対運動では大学キャンパスの他、駅なども集会の場となった。(新宿西口地下広場、懐かしい!)

しかし道路交通法とか警察の規制などがあり、閉鎖や禁止に追い込まれると、もはや政治的な集会を開くのに適した場所がなくなってしまった。

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↑国会前集会、人が徐々に集まっている。 ↓スピーチを聞く人たち。

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そこで廣瀬氏は哲学者・思想家のハンナ・アーレントの言葉を引く。彼女は『人間の条件』のなかでこのように言っている。

「活動と言論は、それに参加する人々の間に空間を作るのであり、その空間は、ほとんどいかなる時いかなる場所にもふさわしい場所を見つけることができる。」(ハンナ・アーレント『人間の条件』志水 速雄 訳)

この国会前にも、首都圏反原発連合の呼びかけで「共に行動し、共に語るというこの目的のために共生する人々」が集まり、一種の「広場」を作っている。またSEALDsそして未来のための公共の人たちが後に続いていること、それは民主主義を守る上で大きいと思う。3.11以降の成果はそれなりにあがっている。この広場を今後も守り、日本の政治や社会を良くしていきましょう。(ざっと廣瀬氏のお話をまとめた。)

また国会前の原発ゼの集会については、SPYBOYさまが毎週書いてくださっている。こちらぜひ↓

spyboy.hatenablog.com

 

東京駅行幸通りでフラワーデモ。

場所ということを考えると、フラワーデモの場所は興味深い。なぜなら皇居前広場の延長線、つまり皇居と東京駅を結ぶ道、行幸(ぎょうこう)通りで行われるからだ。フラワーデモは毎月11日に開かれている。(写真は皇居を背にしている。)

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フラワーデモはこじんまりと静かな集会であるが、人々の真剣な眼差し、集中や張り詰めた空気、共感の波がこちらにもビンビン伝わってくる。男性の姿が意外に多いのにお気づきだろうか。

 この日は27都市で27の「広場」が作られたわけである。

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(整備され、ライトアップされた東京駅前の広場。月がきれいな日だった)

 

無印良品銀座で長野のリンゴを買う。

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無印でリンゴを買って夕食のデザートにいただいた。美味!

とここまでは普通の話だが、これは長野のリンゴ農家を応援しようという無印独自の試みで、12月上旬までに約1トンを販売する予定だという。「風や雨によって枝にぶつかり傷やシミができた」リンゴらしいが、せいぜいこの程度。1個130円。

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今回は「サンふじ」という銘柄だった。おや、長野?リンゴ?もしかして…

わっとさんが長野へボランティアにいらしたのをはたと思い出した。見てみたらやはり「サンふじ」の差し入れをもらったと書いていた。「ツイッターにこの写真を流したら一部誤解があったが、一人で全部もらったわけではありません。一人一個です。」という断り書きにクスリと笑ってしまう。笑ってすみません。ボランティア、ありがとうございました。
ちなみにサンふじは「食べるリンゴジュースのような濃い味わい」というウリだが、全くその通りである。

わっとさんの記事はこちら。

www.watto.nagoya

 

 ではまた次回!