ブルラ劇場。
可愛い建物でしょう?初めて見たとき、これが劇場?お芝居見に行くのが楽しいな、と思ったが、実は市の劇場は後方にある建物だそうだ。これは建築家Pierre Bourlaの苗字をとって「ブルラ」と呼ばれている。ネオクラシック様式の900席の劇場。絨毯商人の建物があった場所に1827年建設開始。1829年にお披露目の予定だったのに、ベルギー革命(独立)のために遅れて1834年にオープンした。当時は「王立フランス語劇場」と呼んでいたという。
ゆったり建っているように見えるが、
このように繁華な町中にある。この辺はカルチェラタンと呼ばれているようだ。
裏には私の大関心事、有名なビアカフェがあるのだ。
De Duifkens Graanmarkt 5
マスコットの猫ダリダがいるというのが気になって一度入ってみたいのだが、閉まってたり地元民でギッシリだったり。敷居が高い…。
こんなお店も
シャネルのアントワープ店。このへん高級ブチックが多い。
Horta Grand Café
そしてこの劇場地区には重要な遺産がある。オルタが建て、残念にも1965年に取り壊されたブリュッセルのMaison du Peuple(人民の家)が、ここアントウェルペンの地で第二の生を受けたのである。市民の憩いの場であり、観光名所でもある。
住所:Hopland 2 2000 Antwerpen
Maison du Peupleというのは、アール・ヌーボーを建築に取り込んだ先駆的な建築家ヴィクトール・オルタ(Victor Horta1861 - 1947)の代表作のひとつで、当時のベルギー労働党のために作られた。ちょっと古い絵葉書を見てみよう。
この巨大な建築物の中に、労働者のために作られたありとあらゆる設備が入っている。
この絵葉書に見る鉄の骨格をそのまま使用して、オルタカフェは作られた。
枠組みはばらしたあと番号がふられ、長い間Tervurenというブリュッセル近郊の町に保管されていた。そしてビール醸造のPalmが、オルタの作品を十全に生かし、人々の集まる場を、とプロジェクト案を提出、2000年に完成を見た。
美しさにキョロキョロしてしまう。
一階と地下はカフェ・レストラン。二階の「アールヌーボー・ホール」は、会議、レセプション、結婚式、周年記念行事、展覧会、新年会、見本市、ファッションショーなど多目的に。
そしてこちらが市劇場、Stadsschouwburg Antwerpen
日曜市の日で、天気もいいので市民でいっぱいだ。
小さな店主さん、どう?売れてる?
片づけを始めた劇場広場と市劇場。
市場はもっとこじんまりしているほうがいいなと思う。
5年くらい住んだパリの朝市が好きだった。広い並木道の中央緑地に、週に二回、20店ほどテントが並ぶのである。顔見知りになると、いろいろ味見もさせてくれ、子連れだと必ずおまけもつけてくれて、お得で楽しいひとときを味わえた。自宅の庭で育てた白アスパラガスだけを売る、とっても可愛いおばあちゃんの姉妹など、今でも顔やしぐさが目に浮かび、懐かしい。
パリにはもう行かないだろう。80~90年代、平和でいい時期に住んだ。よほどの用がなければ行かないだろうが・・・うーん、誰かの結婚式に招待されるとか、そうしたらイソイソと飛んでいくかな。
ただやはりテロの不安はいつになっても頭から去らないだろう。