サミットが無事終わってホッとした。オバマ大統領の広島訪問（資料館見学、被爆者との面会、スピーチと慰霊碑献花など）も画期的な出来事だったから、仏語・蘭語新聞もかなり紙面をさいて詳細にレポートしていた。オランダの新聞の一つは、記事タイトルが「献花、しかし謝罪なし」だった。
Yahooのニュースに「空腹閲覧注意」とあり、各国の首相たちが食したランチとディナーのメニューが載っていた。全部紹介したいのだが、今日はテーマがエビなので伊勢海老のふた品だけにする。
ディナー
一品目は 上左：伊勢海老のクリームスープ カプチーノ仕立て
二品目は 上右：アワビのポワレ アオサ香るソース
伊勢海老のソテー ポルト酒ソース
伊勢海老のように高級ではないが、ベルギーでもエビは名物食材のひとつ。「灰色エビ」という名前で、茹でるときれいなピンク色になり、味が濃くてホントおいしい。
どうして灰色？と思うでしょ。生では灰色だから、オランダ語（grijze garnalen）でも、フランス語（crevette grise）でも、本当に灰色のエビというのだ。英語はちょっと違ってCrangon crangon、日本語では 「ヨーロッパエビジャコ 」というらしい。
（写真：ウィキペディア）
絶品コロッケ Le Plattesteenにて
ベルギーへ行ったら、まずは灰色エビのコロッケを頼もう。私も行ったら必ずその日のうちに食べる。チーズ入りのホワイトクリーム系のコロッケで、エビがぎっしり入っている。エビしか入っていない。（写真：Le Plattesteenというレストラン。Rue du Marché au Charbon 41, 1000 Bruxelles ）
オーストダンケルクのエビ漁
どんなところで漁をするかというと
道みたいなこんな浜辺で。こんなに狭いの？と思うが、干潮のときを利用するのだそう。しかしただの漁ではない。ここオーストダンケルク（Oostduinkerke）では、昔ながらの、馬を使った漁をする。馬と人間が力を合わせて網をひいてエビを取る。
© Dirk Van Hove, Gemeente Koksijde Paardenvissers_01 2009写真：ユネスコのサイトから。
Shrimp fishing on horseback in Oostduinkerke - intangible heritage - Culture Sector - UNESCO
馬の脚の太いこと！華奢な足では網は引けない。
馬の世話、網などの道具作り、何でも昔ながらのやり方を踏襲する。
地域の伝統文化を大切に守り続けていることが評価され、2013年に世界無形文化遺産に登録された。本当によかったね、と言いたい。このエビ漁で浜の漁師さんたちが、これからもずっと安定して生活ができることを祈る。
しかも馬も漁師さんたちもみんなカッコイイ。惚れ惚れする。
オーストダンケルクのエビ祭り
日本にもエビ祭り（さっきの志摩市や北海道など）があちこちにあると思うけど、オーストダンケルクのエビ祭りも有名だ。
ちょっとレトロな昔のポスターを見つけてきた。（どうしても古いものに惹かれる^^）
パレードがちょっと怖い。
これは昔の写真だけど、なんか敵怪人みたい。
（写真は下からお借りしている。
http://www.westhoekverbeeldt.be/afbeelding/2f6c0d9a-bbc6-11e3-95f2-8bb9dd554114）
パレードの様子。
Garnaalstoet - Oostduinkerke - 24/06/2001
http://archief.westhoek.be/ned/jewaserbij/2001/juni/garnaalstoet2406/welkom.htm
そしてみんなでいただく。
調理法
さきほどのコロッケと同じく人気なのは
トマトをくりぬき、エビをマヨネーズであえて詰め物をした前菜 。
スープ。サミットのスープに似ている。
美しいサラダ
料理の写真は下のサイトからお借りした。フランダースのテレビ局の料理のコーナー。美しい写真とレシピがいっぱいある。見るだけでも楽しい。
http://koken.vtm.be/ingredienten/grijze-garnalen
追記：5月31日
①「スター・トレック」ってみんなすぐわかるのかな。
船長スールー役のジョージ・タケイが寄稿している。タケイは俳優だけでなく、人権活動家としても有名だ。オバマ大統領の広島訪問に感謝しつつ、広島原爆当日の思い出を語る。
第二次大戦中、タケイは家族と日系人収容所（Tule Lake Segregation Center）に入れられていた。あるとき、日本に大型爆弾が落とされた、という噂が収容所中をかけめぐった。詳細を知りたくとも外部からの情報は遮断されている。のちにわかったことだが、広島にいたタケイの母の姉（あるいは妹）は5歳の子供とともに、運河で遺体となって見つかった。戦争の始まる前に、一時帰国していたのである。
原爆投下の成功で、連合国の人々はお祝いムードだった。戦争は終わるのだ。もうこれ以上の犠牲を払わなくてすむ。そしてタケイの家族たちにもはっきりとわかったのだ。これにより、自分たちも囚われの身を解かれることを。原爆という未曾有の犠牲を払って、手に入れた自らの自由。
オバマ大統領とハグした被爆者の森重昭さんとは、同い年79歳だといい、彼のこれまでの困難な道のりに思いをはせている。（出典：ガーディアン紙）
②いい写真だと思う。
（Ise, Japan）G7 leaders take part in a tree planting ceremony during a visit to Ise Jingu Shrine
Photograph: Chung Sung-Jun/Getty Image
③おもしろいアイディア
＜伊勢志摩サミット＞Ｇ７首脳が「スーパーヒーロー」に
毎日新聞 5月27日（金）11時11分
スーパーヒーローになったＧ７首脳の等身大パネル＝三重県伊勢市で２０１６年５月２６日午後４時５分、町田結子撮影
