ベルギーの密かな愉しみ

しばらくの間 お休みします。

編み物少年のステキなお話 &”ヒュッゲ”とか”コーシェリ”はオランダ語にもあるコンセプト 

11歳のジョナー君 編み物は趣味なだけじゃなく…

数日前に読んだ記事に感動して、忘れないうちに書いておこうと思う。ウィスコンシン州在住のジョナー君は、5歳の時から編み物をしているが、お母さんから習ったわけではない。youtubeで独習した。そして現在、自身のインスタグラムで、編んだものを売っている。そのお金で新しい毛糸を買うほか、ある程度貯まると定期的に、エチオピアの孤児院に寄付している。なぜなら彼もエチオピアからアメリカへ養子としてやってきたのだ。

f:id:cenecio:20190208154908p:plain

www.npr.org

記事によると、彼のインスタグラムには46,000 人のフォロワーがいるそうだ。お母さんは編み物はできないが、インスタグラムのチェックなどを手伝っている。すでに2500件以上のオーダーがあり、多すぎるため受付をストップしているという。

学校から帰って、大好きなお母さんのそばで編み物をするのがほっとする幸せなひとときなんだという。(ジョナー君は私がこれまでに特集している「編み物男子」の仲間入りです^^編み物男子③

 

凄い人はたくさん見てきたけれど。

編み物関係はけっこう興味を持ってアンテナ張ってきたのだが、リーサさん(Liisa Hietanen)には度肝を抜かれる。こちら、作品の一例。

https://pbs.twimg.com/media/DyLbYV5XgAAD5Gu.jpg

Liisa Hietanen

作品と本物、見分けがつかないほど!驚くばかりの技量である。

フィンランドの編み物アーティストで、数年前から「市井の人々」シリーズ制作に取り組んでいる。

https://static1.squarespace.com/static/5b07ed4b3e2d09d4bc357af2/5b07fb3788251b74685620b8/5b07fbc52b6a2856b33df512/1527249871241/anna1.jpg?format=1000w

https://liisahietanen.squarespace.com/#/anna/

↑サイトにもっと沢山の、いろいろな種類の作品があります。

http://www.atelierdemma.com/wp-content/uploads/2018/03/12.-foto-maglia2.jpg

 

はやっている言葉”ヒュッゲ”(デンマーク語)

先日とにほ (id:toniho)さんとも意見交換した。1月も終わり… - ちょっと曲がった家 初めて聞くというかた、ヒュッゲでググってみて。山ほど記事が出ている。世界一幸福な国デンマーク人に学ぼう、ヒュッゲな暮らしをしよう…。日本語にも他の外国語にも一語では置き換わらない言葉「ヒュッゲ」。

とにほさんにとってのヒュッゲは、外出先から暖かい家に帰ってこたつでのんびりすること。これはもっとも手っ取り早く幸福感を感じる手段ではないかと書いている。

気持ちのよい空間やほっこりするひととき・・・。さっきのジョナー君がお母さんの横で、学校であったことをおしゃべりしながら編み物をするのってまさにヒュッゲ。

日本だったら、縁側で日向ぼっこしたり、ネコと一緒に昼寝もいいな。冬は家族で鍋を囲むとか、夏は井戸でキンキンに冷やしたスイカを家族で食べる。(あれ、ちょっと井戸は古いか)。つまり日々の暮らしの風情、味わいを愛でることだ。

ヒュッゲ、ヒュッゲリ(ヒュッゲの形容詞)についてはここ2年で多くの本も出て、「生きがい」ブームにも似ている。こんまりブーム(近藤麻理恵)ほどではないけど。

courrier.jp

するとこんな記事を見つけた。ヒュッゲに対応する単語、同じコンセプトを表す言葉ははノルウェーにもあるという。それはコーシェリ(Koselig)というらしい。記事を読むと納得するだけでなく、理解も深めることができた。つまりこのコンセプトには懐かしさ、ぬくもりも含まれているのだ。下の引用部分を読んでいただきたい。

 引用

f:id:cenecio:20190208170946p:plain

 思わず膝をたたいたものだ。機械で編んだみたいな上手すぎるのはヒュッゲ・コーシェリではないのか。手作りの温かみが大事ということ。

ヨーロッパの人たちは、ちょっと虫食いで穴があいた手編みのセーターも大切に着ている。ちょっと首回りが伸びていても全然気にしていない。古い絨毯と同じで、アンティークと呼ぶにふさわしいセーターやカーディガンの魅力ってたしかにあるなと思った。

 

オランダ語にもありますよ!

何が言いたいってオランダ語にも全く同じコンセプトの単語があるんだからね。Gezelligという。とにほさん:『言ったモン勝ち』なとこありますね(;^ω^)

はい、おっしゃる通り。だけどこちらハフポスの記事「英語に置き換えられない七つの感情」7 Emotions That Can't Be Explained in English | HuffPost Lifeの中で 5番めオランダ語 Gezelligが挙がっている。2016年3月の記事である。興味のある人、中を覗いてみてください。なかなかにおもしろい。

3番目のSchadenfreude ドイツ語で「人の不幸を喜ぶ感情」。一語で言える便利な言葉。ネット用語「メシウマ」はだいたい同じか。

7番目のAge-otori 上げ劣り、むしろ日本人のほうが知らなくて驚くんじゃないだろうか。過去記事で扱った。輸入した(い)ニッポン語「過労死」「積読」 - 

 

ヒュッゲでコーシェリな手編みは宝物!

長男が生まれた時、スウェーデンの友人が編んでくれたもの。いかにも北欧ってデザインですごく気にいっている。6カ月用だということで、長男に着せて写真を送った。他の友だちもいろいろ編んでくれた。帽子やマフラーなどだ。心のこもったこれ以上ない贈り物だ。

f:id:cenecio:20190208174549j:plain

 

こちらは母が編んでくれた2歳児用の冬のコート

f:id:cenecio:20190208174640j:plain

アフガン編み。 レディ・ジョーンズ (id:lady-jhones) さんやマミーさん、もちろん編み物好きなかたはご存知だと思うけれど、かぎ編みと棒編みを合わせたような編み方で、編地に厚みができるため、ちょっと重い。

息子にこれを着せて道を歩いていると、声を掛けられることが多かった。やはり編み物が好きな人はすぐにわかるのだ。

「ちょっと見せてもらっていいですか」

「アフガンですね。ご自分で編んだんですか」

「ダブルでおしゃれですねえ」

もう皆さん興味深そうに、ひっくり返したりして見る。

逆に私もよく、手編みのものを着ている人に「すみません」と声をかけて、会話が弾むことがある。楽しいひとときである。

 

今日はここまでです。

私が編んだ下手なやつもいつかお見せしますね。ではまた~!