二つ折りの恋文
あ、蝶の話だなとすぐにわかってくれた人、ありがとう。去年も読んでくれた人ですね。二つ折りの恋文-1- ルナールの「博物誌」 -
「蝶 二つ折りの恋文が、花の番地を捜している」
千葉にお住いのmiyotyaさま 色々あった一日 - ほのぼの日記 もこの季節、蝶が気になって仕方ないご様子。全く同じでございます。幼虫を食べてしまうスズメや、サナギになる前の青虫に卵を産み付ける寄生蜂や寄生蝿など、手ごわい天敵がいて、手をこまねいて見ていることのできない私は、途中から家の中のケージに入れてしまいます。うちには柑橘系は4本ありますが、2本が外に、2本が2階のベランダに置いています。アゲハ20~30匹分ならこれでじゅうぶんです。昔はこの倍はあったし、山椒も育てていたのですが、枯らしてしまいました。
miyotyaさまがいつか書いてらした「今年は蝶の当たり年」。深くうなづきます。おかげさまで、うちではクロアゲハがすでに10匹以上かえりました。
コラージュ写真①
上の段、右はサナギの殻から「よいしょっ」と出るところ。朝5時ころです。前日にサナギが黒ずんでいたので翌日かえることがわかりました。
下の段、左はナミアゲハですが、これも越冬組を含めると10匹以上はかえりました。
コラージュ写真②
今年の我が家の大ニュースはアオスジアゲハ(上)がやってきたことです。食樹のクスノキはありませんが、花の蜜を吸いに来るのです。来年はぜひともクスノキを鉢で入手したいと画策中!(^^)!
それからツマグロヒョウモンもたくさんやってきました。スミレの葉を食べるのです。ビオラはいつも植えているのですが、今年は数を増やしました。写真中央、右側の赤い丸が幼虫です。まだ奥のほうに数匹います。写真下の段、左、ツマグロヒョウモン(メス)が羽を休めています。
ツマグロヒョウモンのサナギは銀色紋が特徴的で、太陽光にピカピカ光ってまるで宝石です。自分の写真はないので、蝶博士さんからちょっとお借りしてきました。
千葉県船橋市で撮影したそうですが、最近温暖化の影響で蝶の北上が話題になっています。今では東京では普通に見られる蝶です。
七月の園芸家
去年の7月にはベルギー映画を見に行った話を書きました。神様からメールで余命を知らされたら?(+Reddevils続報) - 余命がわかったら自分は何をするかについて、皆さまがいろいろなおもしろいコメントくださったのですが、ギア博士いちご一笑 (id:sinsintuusin)のコメが強く印象に残っています。
私はまずは野菜類に水やりでしょうか。
投げ遣りではなく、水やりです。水やりは私の日常です。すなわち、特別なことはせず、平然と日常のままその時を待つ。
このとき思わず膝を叩いたものです。自分の余命がわかったからといって世界はまわり続けるのだし、植物は生き続けるわけですから。さすがギアさまです。
そして豪雨に苦しめられている地域の方々には申し訳ないんですが、こちら東京は酷暑で地面はカラカラ。梅雨はどこへ?お願いだから少し降ってくださいよ。今朝はセミの声が聞こえましたが、明けたんでしょうか!?
水やりには苦しめられているんです。暑いからかって?いいえ、ホースに!
ほらこんな風にね。「七月の園芸家」から。
カレル・チャペック著『園芸家12カ月』中公文庫
愛読書です。チャペックについてはこちら→
園芸家に背中はいらない! チェコ好きの人はみんな持ってるダーシェンカ - - ベルギーの密かな愉しみ
小松太郎訳が気にいっています。
そう、夏は水やりが必須です。先日朝早く、病院に家族を連れて行き、看護師さんに「ちょっと水やりに帰ってもいいですか。すぐに戻りますから」などと断る羽目になりました。
それでもホースがあるだけありがたい。なぜなら2階と3階のベランダはホースが使えないので、水を持ち運ばなければならないんです。水やりを怠って、チェリーセージを枯らしそうになり、ルリマツリの元気をなくし、ニオイバンマツリは私に対し明らかに腹を立てているのがわかります。
コラージュ写真③自宅の春の花
コラージュ写真④ 今の花
カラーはもう終わりました。今朝見たら、ほおずきが色づいていました。今日のブログには桔梗を載せている人が何人もいましたね。
涼やかなヤマホロシ(右下)の蔓はなんとシマトネリコの枝に巻き付いているだけなので、なんとかしなくちゃと思っています。先日買い物から戻ったら、グロリオーサ(左下)の写真を撮っている人がいたので、邪魔をしないよう、近所をひと廻りしてきました。
去年からず~っと読んでいる山田ガーデンさんのブログ。このかたはチャペックときっといい友達になれると思っています。あふれる愛情やユーモアや夢を語るところが似ているんです。
最近、カマキリの赤ちゃんがたくさん庭にいることに気づきました。庭のどこかで孵化したのでしょう。
バラに薬剤を撒くときは、良く見てからにしよう。カマキリは結構好きな昆虫のひとつ。カッコいいもんね。
カマキリは私も好きなのですが
左側にドクダミが写っていますが、山田ガーデンでは他の植物と同居させています。あの白い花は結構いいもので、増えすぎないように抜き取りながら調整しています。
ここが大のお気に入りです。ドクダミの可憐な花は大好きです。私もせっかく飛んできてくれたんだから、と思って ナガミヒナゲシやタンポポやノボロギクなど一般に雑草と呼ばれるものを、親の仇みたいに抜くことはせず、少し残しておきます。ノボロギク(私の名前ですよ)は実は一回だけ生えてきたけれど、すぐ枯れてしまいました。
そして山田ガーデンさんのおかげで、この美しいくだりを思い出しました。
フランドルの四季暦 :マリ・ゲヴェルス,宮林 寛|河出書房新社
マリ・ゲヴェルスはベルギー・アントウェルペン近くの村の、ミュッセンブールという城館に住む文筆家・翻訳者でした。8月はそろそろ秋に向かって菜園を整える時期。まず雑草と呼ばれる草の大群と戦わねばならないと言います。野草はたくさんあって
(引用 p150)しかも、そのひとつひとつがなかなかに可憐で、興味深い特徴をそなえているだけでなく、妙に強情なところがかえって健気に見えるものですから、これを根こそぎにしなければならないかと思うと胸が痛みます。
出ていきなさい。小鳥のさえずりが聞こえてきそうなコハコベさん。あなたもね、花の紫が葉に色移りしたタマザキクサフジさん。そこをどきなさい、ヒメフウロさん。あなたはフウロソウの仲間だから蕾が長い火口の形をしているのですね。
さて、ノボロギクさん、あなたはどうしてあげましょう…。私の手はとんだ狼藉者かもしれないけれど、あなたなら何株か、見逃してあげてもいいと思っているのですよ。あなたは、襞をとった葉の襟飾りに首まで埋まって、霜が降りるまで花を咲かせ続ける頑張り屋さんですもの。・・・
興味のあるかたは図書館にありますので、ぜひお読みになってください。