ざんざんと降り続けた夜中の雨、玄関前に小さな川を作り、夏の名残りを勢いよく洗い流していった。朝になってみると気温もぐっと下がり、すっかり秋の風情。そう、9月も半ばなのだ。
そして9.11だった。昨日は世界中で多くの人があの日のことを回顧した。そしてあの日を境に世界情勢も大きく変わっていったのだ。
今日はそのことではなく、ラーメンの続きを書いてしまおう。間をあけるとすっかり書く気が失せてしまうので。コメントも紹介します。
ラーメンの学校
前回は、アムステルダムにラーメン屋を三店舗持っているオランダ人映画監督と、パリに「築地」を再現した元パイロットのフランス人について、その情熱と飽くなき探求心と、ラーメンの驚くべきレベルの高さなどについて紹介した。
海外紙を読むとラーメン事情がさらにわかっておもしろい。あるときオランダ紙が書いていた。ラーメン熱はひと頃のピザ屋ブームを思わせる。雨後の筍ならぬ、椎茸のように( als shii-take's uit de grond)町なかにぼんぼん出現して空腹のオランダ人を誘惑する。軽食またはファストフード的な位置づけで、バーカウンターをメインにした小さな店舗は町に溶け込みやすい。
また、すしショップなど和食の店は、オランダでは経営が日本人ではなく、中国人がやっていることが多くて「ホンモノ」じゃないことも…。しかし昔と違って、な~んちゃってラーメンショップでは飲食業界を生き抜いていけない。評判の悪いすしショップが次々とつぶれていったように。ラーメンブームで儲かりそうだから、ちょっとやってみようかなと軽い気持ちで始めるわけにはいかないか、というとそうでもないらしい。
すし職人養成講座があるように、ラーメンにも日本各地にラーメン学校(「ラ塾」jiraigen.や「食の道場」syoku-doujyou.)などがあり、外国人受講者にも人気だそうである。6日から2週間と、目的にあった様々なコースが設けられ、費用も最大で50万円弱(通訳料込み)。以前は宿泊施設を完備しているところもあったが、コロナ時代の現在は止めている。オンライン受講も可能とか。でもオンラインで匂いや熱さやスープの色など伝わるんだろうか。それに味見はどうするんだろう…という余計なお世話はやめておいて。
ラーメン・キングダムの衝撃
そんなラーメンブームのなか、アムステルダム中央駅すぐ近くに、昨年日本人男性四人がオープンしたラーメン・キングダムが話題になっている。
ミシュランと並ぶグルメガイドブック ゴ・エ・ミヨGault et Millau に紹介された。それも開店1年もたたずに。
上の写真はスパイシーなタイプ。ベーシックなのはChicken(鶏系)Vegetable(葉系)Pork(豚系)と三種類あり、いずれも€13,80(=1730円)。
オランダ史上最高のラーメンと噂の「Ramen-Kingdom」に行ってきた。
— Shunsuke Osawa (@dancingpandor) 2019年3月5日
細麺だったから、せん八のラーメンが好きな人はハマりそう。#ラーメン #ramen #オランダ #オランダ生活 pic.twitter.com/SUz6UbCCjr
(トリップアドバイザー↑の写真も参考にしてください)
いただいたコメントでsugarless_ice さま「そして気になるのは15ユーロ、アムステルダムの外食としては標準的な価格なのか…」とあり、ごもっともです。一杯2000円弱のラーメンは日本から見たら高いけれど、ヨーロッパで昼のランチ(店内で温かいものを食す)なら普通の値段だと思う。
以前知り合いのフランス人が「最近はね、ランチはパリのいろんなラーメン屋を試して歩いてる。ラーメンはあんなに手間暇かけて高い技術も必要で、しかも滋養もあって食後幸せな気分になれるのに、あの程度の値段ってボクは安いと思うよ」と言っていたのが印象に残っている。去年書いて多くのコメントを頂いた記事安すぎる外食と最低賃金を心配される日本参考になるかもしれません。
あとgiovannnaさまから教えていただいたこちら:「久しぶりに錦糸町の麺魚に行きたいなぁ。(名物は、鯛だしと桜で薫製されたチャーシューです)」。行きたい、すぐにでも行きたい。そっちに用事を作って麺魚さん訪ねてみますね。
海外在住者は普通のラーメンが食べたい
もう冷やし中華食うぞ! pic.twitter.com/51Qh8m5ejI
— 𓇋𓍯𓋴𓎛𓇋𓃭𓍯𓎼 (@yoshilog) 2020年7月24日
ミャンマー人の男性がニューヨークで開いたラーメン店。創作でないオーソドックスな日本のラーメンを作っているという自負があり、在住日本人の熱い支持を受け、そのことを誇りに思うだけでなく受賞もしてしまうという凄い店主さん。ちょっと他で写真を見たらかっこよかった。11年間修業した店はJR田端駅のすぐそば(隣が寿司屋)。なので店名もTABATAという。姉妹店「日暮里」もあるという。
このツイ主の気持ちはよくわかる。特に年をとるとあまりこってりしたものは敬遠するようになる。暑い夏の日、ああ冷やし中華が食べたい、よしTABATAに行くぞ~食うぞ~となるわけだ。
ミャンマー人男性といえば、23年間修業して浅草に自分の寿司屋寿司令和 を開いた方がいる。NHKはじめ様々な番組で紹介されているが、私はジャーナリストの安田菜津紀さんのインタビューで知った。読み応えあり→ミャンマー出身のマウンさんが20年以上修行を積み浅草で寿司店を開くまで - 安田菜津紀|論座
重箱でいただくラーメン
そんな一蘭のタイムズスクエア店に衝撃の商品が登場。
— HAL🇺🇸🇯🇵 (@TVH_NEWYORK) 2019年11月15日
Ramen in a “JUBAKO“
・・・えっ? https://t.co/3RGuMeMmtW pic.twitter.com/qMW4VQJsKb
発展形が華やぐ
ヨーロッパでは、ラーメンもヴィ―ガン用メニューは必須である。すしはだいぶ前からメニューを充実させてきた。どの店にもベジタリアン、ヴィ―ガンの欄がある。
手毬寿司はおなじみだが、最近のすしドーナツ(SUSHI DONUTS)がパーティなどで大人気。巻くのは苦手という人でも型を使えば簡単だし、アイディア次第でたくさんのバリエーションができ、見た目も華やかで美しい。
生春巻きの世界も一層カラフルになっている。特にヴィ―ガン用やグルテンフリーを売りにしたものが出てくると、もはや具材は果物でも豆でもなんでもあり。
これらの写真は全部ピンタレストから引っ張ってきたので、興味のあるかた覗いてみてね。(食べ物の話ここまで)
ある日の散歩
これまでも何度か紹介したフランス人のJordyさん、いつも日本各地のすてきな写真をtwitterにあげてくれる。
だけどこれを見たときはちょっとショックだった。根津にある民家のドアだという。どこだかわからないのは私だけじゃなく、家族のだれも知らなかった。こんなに目立つのに知らないなんて!それに新しいお宅ではなさそうだ。
「根津」と限定しているのだから探してみればいい。ある意味簡単だ、つまり私が一度も通ったことのない道で、きっと細い道だろう。そんなわけで自転車に乗ってふらふら散歩に出かけた。地名では谷中も池之端も「根津」と呼んでいる。けっこう広い地域になるのかなあ。
喉が渇いてきたらちょうど良いところにクラフトビールのお店が(笑)!前から知っているし。ファラオを一杯いただいてまた散策へ。
奥まったところにあるのか?木々の枝や葉に埋もれているのか?
自転車をおして坂を上っていくと、あった!
ここだ。けっこうあっさりと見つかった。ちょっと一枚写真を撮らせてもらおう。
おもしろいなあ。この門扉は自作なんだろうね。どんな人が住んでいるんだろう。
そして
帰り道、思いがけずしんみりしてしまった。
ギャラリー猫町の前を通りかかったら白猫の彫像があって、去年うちの前に現われたノラの仔猫エリを思い出したからだ。スマホの写真アルバムで調べてみたら去年の同じ日9月3日だった。
最後に
URURUNDOさんの素敵なコメント:
Bellissimaさんのtwitter写真を見て。長田弘が言っていた。「猫のいる本屋はいい本屋だ」と。確かに本屋に限らず、煙草屋とか何かの店のウインドの向こう側で眠っている猫は、他の動物にはない知性^^;と安心感がある。2020/09/05
みなさん、いつもありがとうございます。
ではまた~❣