ベルギーの密かな愉しみ

しばらくの間 お休みします。

フランス

コロナ時代を健気に生きる &雨合羽の行方 &銀河元老院みたいな映画館 ほか

末期症状の支離滅裂列島 さきほど爽風上々 (id:sohujojo)さんもこの話題だったが、結局今年のお盆は動けないだろう。移動を控える人は多いようだ。 五月の連休もダメだったし、その前のいわゆる春休みだってどっこも行けなかった。ご実家が心配な人は大勢い…

仏実写シティハンター『ニッキー・ラルソンとキューピッドの香水』。(カンボジア予告編おもしろいよ)

溢れるシティハンター愛とオマージュと 「少年時代の夢がかなったよ!」フィリップ・ラショー(脚本・主演・監督)が原作者北条司氏からOKをもらいSNSで喜びを爆発させていたのはちょうど2年前。私はこれを記事にした。 cenecio.hatenablog.com しかしまさか…

ノートルダム大聖堂の火災と「復元」の問題

ノートルダムの隣で生まれたけど、なんか質問ある? と長男。産んだのは私ですけど、なんか質問ある?(笑)あまり答えられないと思うけど。 いやいや笑っている場合ではない。火災はショックだった。あれから毎日ニュースを追っている。 まずは短く病院のこ…

高橋留美子さんグランプリ受賞㊗&松本大洋氏のポスターが人気!追記:バットモービルも到着

今朝はこのニュースに大喜び! 高橋留美子さんが、アングレーム国際漫画祭でグランプリにノミネートされていたのだが、見事グランプリを受賞した。この漫画祭は欧州最大のもので今日24日から27日まで開催される。2015年の大友克洋氏に次いで最高の賞に輝いた…

黄色ベスト運動も終盤?マクロン任期第二幕も目が離せない。黄色ベスト-2-追記:是枝裕和監督

怒りの集積所、黄色ベスト運動は…。 *前の記事:マリアンヌの壊れた顔も象徴 &北海道の女子高生がフランスで主役だった話 黄色ベスト-1- -続き。 毎日黄色ばかり見ていてさすがに飽きた(笑)。 ところで皆さんも安全ベスト(反射ベスト)をお持ちだろうか…

マリアンヌの壊れた顔も象徴 &北海道の女子高生がフランスで主役だった話 黄色ベスト-1-追記:2019年3月

マリアンヌ(Marianne)破壊の衝撃 フランス共和国の象徴マリアンヌ。顔を襲撃される。これも危機に瀕したフランスの象徴→追記:2019年3月 https://www.bbc.com/japanese/46422570 フランスのデモがとんでもないことになっている。11月17日に始まった燃料税…

フランス人の作るドラゴン納豆 & カマルグの合鴨農法 -3-  

食・グルメの第三回。 きのこ→すし→なっとう…しりとりにもならず、どんな韻も踏んでいないのが残念ではあるが。今日は「フランス人と納豆」である。皆さん驚かれるかもしれないが、私は納豆はフランス人にイケると前々から思っていた。だってあんな臭いチー…

フランスSushi Shop 進化する寿司とその無尽蔵なアイディア -2-  

フランスの寿司がすごい。 と言ったら何を今さらと思うかもしれない。ずっと前から人気なんだって聞いてますけど、というのが平均的な反応だと思う。10年くらい、いやもうちょっと前だったら「な~んちゃって寿司店」が雨後の竹の子のように増えてきて、衛生…

パリでもブリュッセルでも 街の真ん中でシイタケ作り-1-追記:2019年

今日はシイタケの話です。 シイタケは英語でもフランス語でも”shiitake”、フランス語は別の言い方もあるが「シイタケ」でも普通に通じ、今やシイタケはヨーロッパで思いのほか浸透している。 シイタケに入る前にキノコの思い出をちょっと書いてみよう。 フラ…

フランスで実写化「シティハンター」『ニッキー・ラルソンとキューピッドの香水』追記:予告編と反応 

”Nicky Larson et le parfum de Cupidon”『冴羽獠とキューピッドの香水』 フランス人が主演・脚本・監督のフランス版シティハンターを映画化するらしい、その話は去年書きました。もうあれから10カ月もたってしまい、しかも先月末に映画の撮影も終了したと…

ノルウェー人飛行士の造る日本酒・仏議員の「日本酒友の会」・駅弁売り場がパリの駅に・南部鉄器ファン -2-

(前回フランスの日本化がおもしろい!日本酒ブームの欧州&㊗『鬼火』銀賞受賞! -1- -の続き) ノルウェー人パイロット、欧州で最初に日本酒を作った男 北海道の人ならご存知でしょうか。chancepapaさまはこの日本酒ブーム、TVでご覧になったことがある…

フランスの日本化がおもしろい!日本酒ブームの欧州&㊗『鬼火』銀賞受賞! -1-

世界に浸透するWASHOKU そしてUMAMI フランスの若者や子どもたちを虜にする日本アニメ・漫画に対し、日本からの「文化侵略だ」と大人たちが憤っていた80年代、90年代。今から振り返るとちょっと信じがたく、隔世の感があるとはこのことです。 今やフランスは…

浸透し深化する日本のサブカルチャー-3- 妖怪を愛するフランス人の漫画『鬼火』&水木しげる追悼 追記:

みなさん、こんにちは。 これまで扱ってきたヨーロッパにおける日本のアニメ・漫画関連から、今日はちょっと趣向をかえてみようと思います。 こちらです。 ナニコレ?と思うポスターですね。パリの街かどで見かけたらビックリするでしょう。 Fushigi ! - Thé…

浸透する日本アニメ-2- 懐古派から若い世代のファンまで (マジンガーZ ・セーラームーンほか) 

お天気でよかったな こちら東京ではよいお天気が続きます。 お天気でよかったなと書いたのは、昨日銀座では戸外で『この世界の片隅に』が上映されたからなんです。企画したのは#ねぶくろシネマ hashtag on Twitter寝袋シネマさん。大都会のど真ん中で戸外の…

『シティーハンター』フランスで映画化決定・冴羽獠をやるのは? 2019年2月封切り

フランス人の興奮ぶりに昔を思い出し… 「悲報!」 「ノン・メルシー!」 「この話、なかったことにしてもらえないだろうか」 など様々な反応が寄せられました。今年7月、フランスでフランス人俳優による「シティーハンター」実写化(2019年公開予定)が決ま…

人生80年、戦争はごめん‼ 第一次大戦のUボート、ベルギー沖で発見 -3-

人生80年と言われます。 その間に戦争などなく、ミサイルも飛んで来ず、飛行機からの落下物に当たることもなく、まあまあ健康で暮らせて、ある日自宅でポックリ逝く…っていうのが理想です。はて、どうなるでしょうか。昨今の情勢はかなり不安ですが。 「80年…

ダンケルク 兵士40万人の大撤退作戦・「ダンケルク・スピリット」と負け戦 -1-

話題の『ダンケルク』( 映画『ダンケルク』オフィシャルサイト)私も見てまいりました。今日は周辺のことから語りたいと思います。 ダンケルクはベルギー国境に近いフランスの海岸の町です。そこに40万人ともいわれる英仏軍の兵士が追い詰められ、袋のネズ…

七月の園芸家 マラルメ・詩人の庭 -2-

七月の園芸家 『フランドルの四季暦』フランドルの四季暦 :マリ・ゲヴェルス,宮林 寛|河出書房新社 の中でマリ・ゲヴェルス(1883 -1975、写真)は七月という月を高らかに謳いあげるのですが、その中に青空について語るくだりがあります。私はそこを読んで以…

仏大統領選「エリゼ宮のロックスター」マクロン氏 

ナポレオン以来の・・・ PHOTOS. Macron président : les images d'une soirée historique - L'Obs 「ナポレオン以来」は、フランス大統領選が始まってから頻繁に聞かれた形容詞。つまりもし39歳のマクロン氏が大統領に選出されれば、それはナポレオン以来の…

漫画家谷口ジロー氏へのオマージュ パリ国際ブックフェア 

忘れてしまうので取り急ぎ。間もなく開催の、パリ国際ブックフェア(サロン・ド・リーブル)で、先日亡くなった谷口ジロー氏を追悼します。 谷口 ジロー(1947年8月14日 - 2017年2月11日)鳥取県出身。多臓器不全により死去。満69歳没 1か月前のあの日2月11…

ひと・もの・ときをつなぐ魔法 ルリユール-3-

ルリユールは今日で3回目。 初めていらしたかたは、1と2を読んでからの方がわかりやすいと思います。 紙の発明→グーテンベルグの活版印刷→印刷出版業 とくるわけですが、フランスでは、ルイ14世が印刷と製本を完全な分業にしたため、製本術が独自かつ華麗…

『ルリユールおじさん』-パリの製本職人と少女のお話ールリユール-2-

絵本『ルリユールおじさん』 いせ ひでこ (著) 大型本: 56ページ 出版社: 理論社 (2006/09) 絆 ・LIENS 写真は上が原書。2006年発行、そして2007年にはフランス語版(下)が出た。絵本で日本→仏語訳が1年というスピードは異例と言ってよい。 もっと驚いたの…

工芸製本 めくるめくルリユールの世界-1- 

今日はヨーロッパの製本ルリユールの話です。 実はルリユールについては前にもちょっと触れている。なぜ和紙が出てくるのか、フレディ・マーキュリーが和紙とどんな関係があるのか・・・こちら↓ cenecio.hatenablog.com はてなの皆さんの中にも、出版・印刷…

70もある世界の壁・仏大統領選・カレーの惨状 追記:2018年1月スウェーデン、戦争の備え

朝起きると何かしら恐ろしいことが起こっている、というのがここ数年の印象。特に今年に入ってからは不安が倍増している。ミサイル撃ちまくる独裁国家や、化学兵器使用をめぐるシリアへの制裁に非協力的な中国・ロシア。 北朝鮮が弾道ミサイル4発発射 首相…

ピコ太郎ベルギーへ。ポケモンGOをおさえての受賞。(+フランス篇)(追記)

PPAPが ”Hype of the year”受賞! ピコ太郎さん、昨年のフランスのあと、ベルギーには寄らないの?と思っていたら、昨日2月4日土曜日、Ketnetというオランダ語TV局主催の「黄金のKの祭典」('Het Gala van de Gouden K's' 今年で4回目) に登場しました。こ…

上村一夫の世界に耽溺 仏アングレーム国際漫画祭 

「昭和の絵師」と呼ばれた男。上村一夫(1940 - 1986)神奈川県横須賀市生まれ。武蔵野美術大学デザイン科卒業。イラストレーター出身で、漫画の世界で大成功をおさめた恐らく唯一の人。女性像の追求と劇画風タッチの絵は、一度見たら絶対に忘れられないと思…

フランス語で 90は ”4 × 20 + 10” 

トランプ氏の暴言や、無知から来る妄言などを聞いていて、あれ、日本でも一時期よくこんな感じの発言を聞かされていたなあと思った。あの人だ、元東京都知事である。一挙に過去の怒りが蘇ってきた。石原慎太郎氏の度重なる暴妄言(ぼうもうげん。造語です)…

ウルトラ超高齢者のフランス人自転車乗り・オバマクッキー・鉄道の話  

高齢者の3段階 高齢者に三つの分類ができるかも、という報道記事。75歳で高齢者、65歳は「准高齢者」 学会提言 :日本経済新聞 現在、日本では65歳以上が「高齢者」であるが、65~74歳は脳の働きや歩く速度などいろいろな要素から見て、以前より健康であっ…

レジリエンスの基礎をつくるもの シリュルニク(+北欧旅行の写真)

前回記事の続きです。初めていらしたかた、前回記事の終わりの方をまずお読みください。精神科医シリュルニク氏が挙げたアルベール少年の話。 みなさま、コメントをありがとうございました。どれも正しいですね。 よんばばさまのコメント 人生のスタート地点…

文化侵略からオタク文化の受容-7(終)-交流する漫画家・BD作家たち 追記:2018年

浦沢直樹とフランス マンガを全く読まない人に浦沢直樹(1960年1月2日ー)をひとことでどう紹介するか。日本の漫画界においてトップランナーの一人、そして手塚治虫の跡を継ぐ者、といったところだろうか。華々しい漫画賞の受賞歴を持ち、手塚治虫文化賞大賞…