ベルギーの密かな愉しみ

しばらくの間 お休みします。

2016-01-01から1年間の記事一覧

文化侵略からオタク文化の受容まで -1-日本アニメ・追記:Japan Expo2017小林七郎・須田 正己ほか

前回の記事に関して寄せられた質問への答えと、私の雑感、いわゆる「隔世の感がある」この40年について述べてみたい。大体の内容は 1.鉄腕アトムはどうなの? 2.スポーツもの 3.文化侵略ー日本アニメが9割独占 4.「ドロテ・クラブ」幕引き ( 追記…

フランスで視聴率100%だった日本アニメ・永井豪 追記:2017マジンガーZ&嶋星光壱 +2019年

視聴率100%? フランスにおける日本アニメと漫画事情について、あくまでも当時住んでいた範囲内のことがらに限られてはいるが、思い出を記事にしたことがあった。 cenecio.hatenablog.com cenecio.hatenablog.comそのときマミーさんが 「そういえば、フ…

スティングはホントいい奴 &りゅうせい君(今井竜惺)のベルギーデビュー 追記2020年

今日はテレビ番組から。 おやおやスティングさま LeSoir紙 - 私がいつも読んでいるベルギーのフランス語新聞である。 これを読んでいるとベルギーのニュースのほか、フランスの話題がしょっちゅう出てくるので一挙両得。先日、スティングがフランスのTVの…

お別れトゥーツ(Toots Thielemans)とベラ・チャスラフスカ(Věra Čáslavská) 

トゥーツ・シールマンス Toots Thielemans(1922~ 2016 ) ベルギーのジャズマンが8月22日に亡くなった。人間国宝とも伝説とも言われ、世界中の人に愛され、オバマ大統領も弔意を表した、ジャズ・ハーモニカ奏者。94歳だった。先日、国葬級の葬儀がしめやかに…

金子みすゞアメリカデビューと 水着問題・クロアゲハ

〔前回よりニュースの続き〕 こだまでしょうか、いいえ、だれでも。 待ちに待った金子みすゞ詩の英語翻訳と短い生涯を紹介する本が、美しい挿絵入りでアメリカの出版社から出た。 金子みすゞを知らない人でも、2011年の震災後に繰り返し流れたこちらのCMはご…

ハッカーにご褒美 8月15日ってどんな日 幸福なオランダ人

月末はいつもおもしろいと思ったニュースをまとめるのだが、夏休みモードで遊んでいるうちに、もう九月になってしまった。大急ぎでまとめよう。今日はとりあえず三つ拾ってみた。 1.19歳のハッカー、飛行機はタダ Deze hacker van 19 vliegt gratis omda…

東京藝大・藝祭の神輿パレードと 指を売る店

残暑のころ、それとも晩夏というべきか。トンボが飛び交い、風も心地よくなるこの時期に、決まって訪ねるところがある。それは上野の東京芸術大学の学園祭である。 (音楽学部の入り口。みこしが見える。パレードの準備をしている朝10時ころ) 身内に出身者…

ビーナスの誕生! ナフィサトウ・ティアム(Nafissatou Thiam)

きのうまで無名だったのに、翌日にはスターになっていた、ということはままありますよね。ベルギー人のこの女性、陸上競技選手でリエージュ大学の学生がまさにそう。 美しいビーナスの誕生に立ち会う 私はベルギー応援ブログを書いているので(2016年は…

ポケモンキャラの名前を子どもにつける親たち ・記念切手

小学校に入学したら、クラスメートはポケモンのキャラクターばかりだったらどう? http://www.lesoir.be/1285683/article/soirmag/actu-soirmag/2016-08-08/pokemon-go-bebes-au-nom-pokemon-augmentent ロゼリア きれいな名前だ。自分ではすごく気に入って…

オランダからの手紙(戦争-3-) 

大切な一通の手紙(写真左)。 2年前の9月にオランダ、ハーグ(便箋右上にDen Haagと見える)から届いた手紙。その前の月、終戦記念日のころに私がオランダの出版社宛てに送った手紙に対する返事で、イギリスの田園風景の絵葉書も同封されていた。 くださった…

戦争の深き傷あと・両陛下のお志(戦争-2-)追記:2019年東京新聞記事

オランダのべアトリクス前女王は、2013年に生前退位され、今は近所の住民とお茶を飲んだりお喋りしたりの日々だという。私も天皇陛下に一日も早くのんびりしていただきたいと思っている。美智子さまとともに、軽井沢でテニスや読書、散歩や住民とお茶会など…

エリカ 奇跡のいのち・オランダ人被爆者・私は誰の子? -1-

今年はオリンピック年だし、戦争が終わって71年で、去年の「70周年」的な企画は、テレビでは少ないようだ。去年の夏、私がTVで見た戦争映画はというと、すぐ思い出せるだけで 「日本の一番長い日」(1967年) 「ビルマの竪琴」(1956年) 「黒い雨」(1989年…

秘密諜報員になりたい & 美人には気をつけて

将来の夢 小学生のころ、将来の夢はsecret agent、つまり秘密諜報員。当時は国際スパイと言っていた。私と同世代なら「ああ、そう呼んでいたな」と同意してくれるだろう。産業スパイに対して「国際」なのか、よく知らないけれども。 国際スパイごっこも流行…

クルマとネコ 7月30日って何の日?

あしたから車の対面通行を逆にしろと言われたら? その1.沖縄 右から左へ 復帰前の右側通行時代のコザ十字路(写真:ウィキペディア) (File:Koza Crossroads in 1950s.JPG) 沖縄が日本へ返還されたあと、様々なシステムを日本式に変えていくわけだが、…

血塗られた七月 -続き-

7月のニュースまとめ、昨日の続き。忘れないうちにメモ。 ①血塗られた七月 ②ブログのアクセス数ーシーボルト展 ③谷川俊太郎のあたらしい詩集 ④ポケモンGO狂想曲 教会襲撃・犠牲になった神父さま 南仏の美しいリゾート地の事件はショックだったが、二日前26日…

恐ろしい事件が続く・子どもたちへの日本語支援取り組み・フランス語になった「ひきこもり」-1-

暗い七月 月末はいつも、自分なりに気になったニュースをまとめている。しかし今日はパソコンに向かったまま、茫然としてしまう。なぜなら凶悪事件とテロ続きの日々なので、神経が疲弊しているからだ。 そして正直に言おう。悲しいかな、慣れ始めている。 ア…

ムーミンから アヒルまで *追記:2020年1月

ムーミンファンクラブ 私は先日マミーさんからいただいたコメントによって、ムーミンの「スイッチ」が入ってしまい、いま頭の中にはムーミントロールと、そこから派生する諸々のものが広がっている。いや「広がる」なんて生半可なものじゃない、膨れ上がり、…

芭蕉の蛙とムーミン &おさげはパパに編んでもらう &パプリカムース

こちら、言及したくてブックマークしていた記事www.tomotrp.com あうすどいちゅらんと(aus Deutschland)ブログから。tomotomotrpさん、ありがとうございました。 (記事より引用) 複数形 日本語って厳密にいうと複数形ってあまり使いませんよね。 鉛筆が1…

赤い亀『レッドタートル ある島の物語』・漫画アイ・図書の貸し出し有料 ほか

今日は気になっていることをいくつか。 1.映画 レッドタートル ある島の物語 2.天皇陛下のご意向 3.公立図書館 貸出有料に? 4.ルイ・ヴィトンの漫画アイ 5.水泳の応援 1.映画『レッドタートル ある島の物語』 以前ジブリが、海外作家のプロデュ…

フランスの子どもたちを日本アニメオタクにした番組 「ドロテ・クラブ」Club Dorothée -2-

昨日の続きです。 フランスにおける、日本のアニメ・漫画熱は半端ではない。昨日話題にした『Candy』で育った世代は親になり、小学生や中学生の子供がいるわけだが、この子たちがまたすごい。親からじかに学ぶからだ。二世代にわたる、日本のアニメ・漫画の…

アニメソング Candy~Sailor Moon-1-

『キャンディ♥キャンディ』見たことありませんけど、それが何か? (フランスの広告。1995年) 『ベルサイユのばら』も『AKIRA』も読んだことがなく、日本でもヨーロッパでも肩身が狭いんですが、知っている漫画やアニメもあるんです。こちらマミーさんのブ…

ネロはルーベンスになれたか?「フランダースの犬」をめぐって

日本人の多くに浸透している物語「フランダースの犬」を取り上げる。しかし、この「国民的アニメ」を同時代にテレビで見ていないので、みなさんと熱い思いを分かち合うことはかなわないのだが、だからこそ客観的に見られるのではないかと思っている。 テレビ…

ちょい足しアート・ポケモンGO・アングレーム国際漫画祭

いつも美しいお花とすてきな小噺を紹介してくれる、リチャード・ギアさん。私は「おあにいさん」と呼んでいるが、ギアさんは笑いもギャグもお得意である。ダジャレの連発の不意打ちを食らい、ぶっ飛んだりもする。でも、笑うと心がパッと明るくなり、固くな…

オバマ氏は面接にも呼ばれないかもしれない  Islamophobia テロ関連-3-

オバマ氏は面接にも呼ばれないかもしれない センセーショナルなタイトルだが、正確には次の条件節を頭につけてほしい。 「もしもオバマ氏がフランスに住んでいて、就職活動中の25歳の青年だったら」 (地下鉄シテ駅2016年3月) 就活はまず履歴書を送ることか…

ISに勧誘される若者たち その母親になってみる -2-

テロの現場で役立つこと 「 爆発が起きたら、まあ、間に合えばの話だけど、目をつぶって耳を塞いで、口は開けろ。で、すぐしゃがんであたりを観察する。低い姿勢だぞ。大丈夫そうなら頑丈なものの後ろに、屋外だったら垣根とか茂みに逃げ込むんだ。」 3月22…

バングラデシュのテロで思うこと

統計や数字は上げられないが、テロの襲撃事件と死傷者数はここ数年でぐんと増えた、さらに増え続けていくような印象を持っている。また昨日と今日も、イラクとサウジアラビア3都市でテロが起きたようだ。毎日毎日TV・新聞などの報道で事件を知り、気持ちが…

神様からメールで余命を知らされたら?(映画)&J.C.&Reddevils続報 ほか

神様から余命宣告 ”DIEU EXISTE (神は存在する) IL HABITE A BRUXELLES” (ブリュッセルに住んでいる) という少女のナレーションで始まる映画『神様メール』を観てきた。ベルギー・フランス語映画というくくり。わざわざフランス語映画と言うのは、ベルギ…

ハンス・フィッシャー『長ぐつをはいたねこ』・ メルヘンビルダーってなに? 

わがやは Hans Fischer! シャルル・ペロー原作の童話「長ぐつをはいたねこ」には、いろいろな挿絵画家が絵を入れていますが、我が家はこれ。ハンス・フィッシャーのファンです。 右は絵本の扉のページをコピーしたものです。 軽妙なユーモアたっぷりの猫の…

もしぼくがシロクマだったらPolar Bear Cat &お風呂絵本

〈*絵本ブログ「子どもの領分」から移動〉 もとはイギリスの絵本でCopycatsシリーズの「シロクマ猫」。 1984年に出るとすぐに仏訳されました。当時フランスに住んでおり、翌年には長男が生まれたから、その子の初めての絵本となりました。 Nicola Bayleyの…

アニエス・ヴァルダの展覧会”Patatutopia”芋とぴあ・2017年のドキュメンタリ&楽しいビールの王冠アート

メモ アニエス・ヴァルダの展覧会に行ったのは2016年3月、テロのあと、帰国する前の日のことです。今ちょっとまとめておかないと忘れちゃうので。 アニエス・ヴァルダ(Agnès Varda, 1928年5月30日 - )はベルギーのブリュッセル出身。しかも私たちが1年住ん…