中国のことを話そう -1-

凄まじい勢いで変わる中国

話したいことがいっぱいあります。1976年の北京空港や、「日本って中国じゃないの?」と一切の悪気なく言われた思い出やら…。

その前に、下の「妖怪」エントリを書いたとき、記事末に載せた中国の天津市滨海図書館に対する反響の大きかったこと!皆さんに「近未来!」「クラクラする」と言ってもらえて大満足(笑)。ご覧になっていない方、写真だけでもぜひどうぞ。↓

浸透し深化する日本のサブカルチャー-3- 妖怪を愛するフランス人&水木しげる - ベルギーの密かな愉しみ

この建築家はオランダ人3人組で、私は以前からオランダ国内の建築物を見ては感嘆し、注目していました。記事末に作品をひとつ載せておきます。

あの図書館は、現在の中国の勢いを象徴していると思うんですね。以前読んだはんなりマンゴーさまの記事がぱっと頭に浮かびました。4月に上海に出張でいらして数回に分けてレポートなさってました。(ほかにフランス・インドなどの記事も書いていますが、大変興味深いです)

 

ほら、この写真を思い出したわけです。(お写真、お借りしました)

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mangokyoto/20170418/20170418082548.jpg

hannarimango.hatenablog.com

hannarimango.hatenablog.com

マンゴーさんは中国人の同僚たちを観察し、ものの考え方や買い物の仕方などを活写します。現金をもたず、スマートフォンと指1本で、いつでもどこでも何でも買ってしまう中国人。「ステータスシンボルなものを買う」から「私が本当に欲しいものを買う」にシフトしていることや、「愛国心の追い風を受けたブランドも製品の技術刷新が遅れたら途端に勢いを失った」など…。

私が大いに納得したのは「文化大革命」のくだり。すなわち、文化大革命は古来の文化や伝統を消滅させたが、そのことで逆に、足枷でしかなかった因習や固定観念を廃し、過去にこだわることなく、未来志向で突き進むことができること。

若い人は祖父母の貧しい時代や辛苦などさらさら興味がなく、自分たちがこれからどうやって豊かになるか、その一点に集中できること。

そして「数千年の文化因習すら整理の対象と捉えるのは それはそれでスケールがでかい。」とおっしゃる。中国の特徴はまさにこのスケールの大きさでもあります。

 

私は1980年代後半、中国人に日本語を教えていたことがあり、上海人が多かったのですが、帰国すると家族写真を送ってくれたものです。地理的にはちょうどマンゴーさまのホテルの立つところ、その辺で撮ったスナップを何枚も見ました。水辺にたつ建物は高層でない煉瓦造りで、異国情緒たっぷりの、おしゃれでのどかな都市という感じでした。

ところが今、マンゴーさまが見せてくれる摩天楼群にその面影はほとんどない。別の街です。あれから想像を絶する勢いで成長し、変化し続けている。それは北京・上海のような大都市だけでなく、中小都市にも広がって、天津市の図書館はそのほんの一例なのです。

マンゴーさんは「上海なら海外駐在もありかな」とおっしゃっている。私は上海人はほかのどの都市の人とも違うという印象を持っていました。垢ぬけていて好奇心旺盛、順応性があり社交的。実によくしゃべります。だから言葉もすぐにうまくなります。

昔は中国人学生に日本人の保証人が一人つく決まりでした。うちが保証人になっていた女性は、日本語学校から東京大学大学院にすすみ、帰国後研究者になったし、優秀な人が多かったと思います。

また上海語(ザンヘーオー、と私の耳には聞こえる)話者は北京語・広東語話者に比べて、発音が近似するものが多いのか、日本語の発音が特段にきれいでした。

留学生は90年代初めまではまだ上海・北京から来ていましたが、その後優秀な中国人学生はもう日本には来ないで、奨学金を得て米英およびヨーロッパに留学するようになりました。

同様に90年代前半までは台湾からも多かったのです。ビジネススクールに勤めていたとき、台湾人のきれいな女の子たちが多く、華やかな雰囲気を醸し出していました。

彼女たちに「秘書コースにいるんだから、卒業後は日本企業で働きたいんでしょう?」と聞いてみると「いいえ、親にまず日本へ行ってこいと言われたんです。これはいわば花嫁修業のようなもの」と言う。日本語と幾つかの資格を取得して、台湾で就職してもいいし、結婚してもいい。2年間東京で暮らしておしゃれや美容にも磨きをかける、ということでした。私の記憶の中でも90年代はまだ明るい色の塗り絵です。

現在日本語学校に来ているアジアの人たちは、「アルバイトをしながら勉強できる」という制度を利用しているのです。あくまで一定時間内のアルバイトということになっています。実際は違いますが。これは日本特有のもので、他の国では考えられませんね。不法労働の温床になってしまいますから。

親が学費を出せない人には願ってもないチャンスです。それとは別に、親が日本語学校から大学卒業までの学費を持ち、裕福な親はワンルームマンションを買って与えるケースもあります。一人っ子ですから、親は何でもします。卒業後は日本語が活かせる仕事につきたいと思っているようです。でも中国人はだんだん減ってきており、ベトナムミャンマー人が増えている、と5~6年前に聞きました。最近のことはよく知りません。

今は閉塞感漂う日本。日本の大学には魅力がない、日本から特に学ぶものはない、と考えている外国人も多いようです。

反対に日本人の学生もあまり外に出ていかない。国費留学生試験に学生が集まらない、と大使館員や教授たちが嘆いていました。外国語がネックなのか、意欲がないのか。留学しても一単位もとれずに早々と諦めて帰国するケースも見られます。かたや中国人は猛勉強をして評価も高い。フランスの大学の経済学部修士過程に留学した人が「うちではいつも中国人留学生二人がトップだった。互いにライバル心燃やして勉強していた」と話していました。

 

日本を知らない 人たち、蛇を食べるかと聞く人たち

2007~08年、ブリュッセルに1年住んで、移民学校でオランダ語を習っていた話は前に書きました。移民難民といっても、自国では教育が高く、戦火や政治的な理由で逃げてきている人もけっこういたのですが、そういう人は世界の地理くらい知っているから問題ありません。でも若い世代で特にムスリムやアフリカ(マグレブ以外の)から来た人たちは「日本」を知らない。台湾と混同しているならまだいいのですが。

「あなたも蛇、食べるの?」と聞いてきた若い女性は難民ですらなく、モロッコ出身の親のもと、ブリュッセル生まれ育ちのれっきとしたベルギー人でした。

「食べないわよ、それは中国人でしょ。私、日本人だもん」

「日本って中国じゃないの?」

「は・・・」

すると横からコンゴ人のハンサムボーイが

「日本は中国とは別の国だよ」。

呆れた私は、SONYとかTOYOTAとか言ってみたものの「日本」のイメージはないようでした。そしてアニメもムスリムの女性は見ないので知りません。

それに当時は(おそらくヨーロッパ中で)SAMSUNG天下だったんです。なんと液晶テレビのことをSAMSUNG(普通名詞化!)と言うくらいだったし。

ベルギー人と結婚して、新居のため電化製品を買いにいった人の話を聞いたときは耳を疑いました。売り場で展示されているのはほとんどが韓国か中国製。ケータイは100%SAMSUNG

なぜなら日本製品は値段が高すぎて、出しておいても売れないから引っ込めているんだそう。ベルギー人はあらかじめ値段や性能を調べてピンポイントで買いに来るので、日本製品が売れることはほぼないんだそうです。確かに我が家(ブリュッセルの家具付きアパート)の備品も全て韓国製でした。

一方で、当時はまちなかで見かけるカメラは圧倒的に日本製でした。会う人会う人しつこくチェックして喜んでいた私。韓国製を提げている人には心の中でダメ出し(笑)。

  

 日本のプレゼンスの低さを教わる

先ほどのコンゴ青年は、母親が国連に勤めていたという人で、ブリュッセルには母親の再婚という形で移民としてやってきた。コンゴにいるときは仕事でアフリカを広く旅行したという人です。この人が私にいろんなことを教えてくれました。

中国人はアフリカに大勢でやってきて、道路を作ったり線路を敷いたり、住民にも仕事をくれたし、農業でも工場でもいろいろな設備を作って残してくれた。だからみんな感謝している。白人と違って上から目線じゃないところがいい。

韓国人はケータイを売る人たちで(笑)、皆きさくですぐ親しくなれる。

日本の企業が来ているのは知っていたけれど、日本人ってまちなかに出てこないのはどうしてだろう。だからいないも同然。(「きっと透明人間なのよ」と私の悲しいジョーク)

また日本企業に勤めるベルギー人が教えてくれたことー ブリュッセル駐在のビジネスマンは日本人サークルで固まっている。ゴルフしたりカラオケに行ったり、食事はすしレストランといったふうに、ベルギー人とほとんど交わることはないのだと。コンサートには一度行ったことがあるけど。せっかくベルギーにいるんだから人脈を広げたり日本ではできないことに挑戦すればいいのにね、お高くとまっているように見える、とのことでした。

ああ、耳が痛いなあと思って、ため息がもれました。

今振り返ると、この頃(2007年)もうとっくに日本は存在感を無くしていたんだなとわかります。取り残されていることに気がついていたんだろうか。リーマンショックのせいでも、東日本大震災のせいでもない。競争に負けたのでもなくて、自分から勝手に滑り落ちて劣化していったんですね。

いや、それとももっと前?1990年代か?それについてはまた次回、展開してみようと思います。

 

衰退するニッポン

こちらは大連に出張でいらしたSPYBOYさまの記事です。

トピックスは幾つかあるのですが、大連旅行記の方は前・後編と読んでもいいと思いました。どちらともすばらしい記事です。

d.hatena.ne.jp

d.hatena.ne.jp

TVのニュースを比較して日本のダメさを感じるところは、私も大きくうなづくところです。中国のテレビはトップニュースに国際情勢をやっているのに対し、日本は来る日も来る日も飽きもせず、相撲の傷害事件ばかりでした。

 

また働き方では

改めて思ったのは『あちらの人の方が日本人より一生懸命』、ということです。ボクが話を聞いた中国の人たちは仕事は極力 定時で上がって、そのあと勉強しています。大学にMBAを取りに行ったり日本語を勉強したりしている。日本人のようにダラダラ残業したり、ほぼ毎日飲みに行って会社の愚痴をこぼしたりなんてことはしない。もちろん全員じゃありませんが、中国でもベトナムでも、そのように向上心のある人はかなり多い。特に女性はそう。

・・・(略)
ボクが訪問した企業は中国人従業員の約3割が修士卒、6割が日本語を話せます。ついでに管理職は女性ばっかり(笑)。中国企業でも女性が幹部に登用されている例は多いと思います。

日本の衰退って日本人自身がもたらしていると思いました。日本の最大の脅威は北朝鮮でもなければ中国でもない、日本人です。男も女もパワフルで前向きな中国の人と比べると良くわかります。日本人は後ろ向き、内向き、現実を見ないで他人の足を引っ張るばかりです。やらないことの言い訳ばかりで、総理大臣や役人は内向きの嘘ばかりついてごまかそうとする。バカな国民は無関心で現実をみようとしない。少子化や産業構造の変化への乗り遅れを見て見ぬふりをする。

ぜひお読みください。

(読まないと損するよん!)

 

🌸今日の写真

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集合住宅「シロダム」(アムステルダム

海上に浮かぶ巨大客船のような集合住宅。建築家集団 MVRDVの代表的作品のひとつ。

MVRDV (@MVRDV) | Twitter

 

*珍しくコメント開いていますよ。

パール・ハーバー 1941 決意なき開戦

  • なぜ? 

なぜ日本は真珠湾を攻撃したのか(”Why did you attack us at Pearl Harbor?”)とニューヨークの高校でクラスメートから質問を受けた女子生徒は、東京から編入したばかりで英語も拙く、とっさのことで返答ができなかった。いや、日本語でも難しかっただろうと述懐する。

彼女はのちに真摯に歴史研究に励み、アメリカ人向けに、真珠湾までの8カ月を日本側から説明しようと1冊の本を執筆する。

堀田江理さんである。

f:id:cenecio:20171206140248p:plainEri Hotta | Penguin Random House Canada

堀田 江理(ほった・えり)  東京出身。

1994年、米プリンストン大学歴史学部卒業。2000年に英オックスフォード大学より国際関係修士号(M.Phil.)、2003年に同博士号(D.Phil.)を取得。

4年間オックスフォード大学で教鞭をとった後、政策研究大学院大学イスラエル国ヘブライ大学などで研究、執筆活動を継続。

このほか著書に、アジア主義思想と近代日本の対外政策決定過程に迫るPan-Asianism and Japan's War 1941-1945がある。

人文書院の著者紹介より)

2013年に英語版が出るとニューヨークタイムズ紙などで称賛され、2016年に自身で邦訳した『1941 決意なき開戦: 現代日本の起源 』が出版された。 

 英語版が刊行されてすぐ、作家のフィリップ・ロスから手紙がきたという。「真珠湾攻撃のとき8歳だった。80歳でこの本を読み、やっと開戦の経緯を理解できた」と書かれていたそうである。

昨年、第28回アジア・太平洋賞特別賞を受賞した。

日本版・英語版はこちら。

1941 決意なき開戦: 現代日本の起源

1941 決意なき開戦: 現代日本の起源

 
Japan 1941: Countdown to Infamy

Japan 1941: Countdown to Infamy

 

 私も知りたかったことである。なぜ勝ち目がないとわかっていながら、「清水の舞台から飛び降りる」気持ちで、こんな愚かな戦争を始めてしまったのか…その代償のなんと大きいことか。なのに、開戦の責任の所在もわからないとは。さらに70年以上を経ても何も学んでいないように見えるのはなぜなんだろう。

 

パール・ハーバー」はアメリカ人にとって、象徴的・愛国的シンボルであり、卑怯な「だまし討ち」をする日本に対して、正義の戦争で力を見せつけ、さらにヨーロッパ戦線への参入のきっかけにもなった歴史の岐路でもある。

ルーズベルトは演説のなかで、"a date which will live in infamy"(「不名誉に汚された日」堀田訳。または「屈辱の日」「恥辱の日」)と呼んでいる。

話が逸れて申し訳ないが、「 パール・ハーバー」は「カミカゼ」同様フランス語でも使われているのは興味深い。2009年に、小学館集英社がフランスのマンガ出版社を買収してフランス市場に上陸し、自分らの子会社を作ったとき、そのやり方を非難する人が「マンガ界のパールハーバーだ!」と言ったのを思い出す。

その特別な地を昨年、パールハーバー75周年に安倍首相が訪問した。その前にオバマ大統領が広島を訪問して、戦争の始まりと終わりの象徴的な場所を日米のトップが訪ね合うという、画期的な年でもあった。

 

11月くらいから私が去年書いた記事にアクセスが多い。こちら。 

cenecio.hatenablog.com

学校の授業の関連で調べているんだろうか。そうだったらぜひとも堀田さんのをお読みなさいと薦めたい。

堀田さんは何年もかけて日本とアメリカの膨大な一次資料、二次資料にあたり、開戦までの道筋を丹念に調べあげているが、そこに永井荷風など文化人の反応や日記、『昭和天皇独白録』の証言なども織り交ぜて、複層的な厚みを持たせ、カウントダウンまでを描き出している。

また兵士の手記で大変印象的なものに、ネットでしか読めない潮津吉次郎氏の『日中戦争・第2次大戦従軍記』日中戦争・第2次大戦従軍記がある。84歳で亡くなったとき、家族がその「自分史」を発見し、長女が公開を決意したという。堀田さんはこの貴重な一兵士の率直な証言を何度も引用している。

 

  • 避けられた戦争

捨て鉢の戦争を始めたわけ、それは日本の軍部が暴走したのでも、ルーズベルトチャーチルの陰謀でも、対日石油禁輸で自暴自棄になったのでもなかった。一部の真実はあるにしても、日本は独裁国家ではないので、政策決定の様々な会議や御前会議を通して合法的に決定されたのである。

そしてまさにここが問題なのだ。政府(指導者らの意見の違い)や軍(中でも陸海軍の対立)や皇居…といったあちこちの組織にまたがり、腹の探り合いの複雑でややこしいプロセスがまずある。さらにアメリカ(ルーズベルト、駐米大使ら戦争回避にに奔走する人たち、最後にハル・ノート)との交渉が絡むわけである。

戦争を回避するチャンスは幾度もあった。それらをことごとく逃した。例えばドイツがソ連に侵攻したときは枢軸から抜けるチャンスだったのに。それどころかインドシナへ進駐してしまった。そうして「あたかも円錐形の漏斗の狭いほうの先に、自ら進んで入っていって、ひっかかり、後戻りできないような状況」を作り出していったのだ。

ほとんどの指導者は、帰属組織への忠誠心や個人的な事情から、表立った衝突を避ける傾向にあったことは間違いない。遠回りの発言をすることが、常習的に行われていた。特に軍関係の指導者の多くは、当然のことながら、まわりから弱腰と思われるのを何としてでも避けたいと願っていた。そのため、心の内にいかなる疑問を抱いていたとしても戦争回避を訴えることはしなかった。だから同じ人間が、時、場所、場合によって、開戦派にも避戦派にもなり得るのだった。…(p23)

総力戦研究所というのは初めて知ったことだ。これはイギリスの国防大学( Imperial Defence College) をモデルにして作られた研究機関で、平均年齢33歳、各省で10年専門的なキャリアを摘んだ、しかもトップのみを集めた超エリート集団だという。

彼らは様々なデータを検討し、外交的、戦略的場面を慎重に研究した結果、ゆるぎない結論にたどり着いた。すなわちアメリカと戦争をすれば「必ず」負けるという結論。「戦争の勃発当初に、日本が優位に立つことは考えられるが、その場合は長期戦に持ち込まれ、資源は細り、やがて底をつくだろう」

しかし東條陸相は、こう言い放った。日露戦争でもわが国は勝てるとは思わなかったが勝った。戦というものは計画通りにいかないものだ。君たちのは机上の空論だ。

そんな東條だが、実際は開戦前になんとか戦争を回避しようとしていたこともわかっている。

本書を読んで私が思うのは、近衛文麿はもっとも責められるべき指導者のひとりであるということ。リーダーシップのなさ、八方美人という点で。やんごとない血筋で国民に人気があったが、戦争に突き進む3年もの間、首相として無能で責任は重い。

(近衛は)政策が決められる議論の場で、自分の意見をはっきりと述べず、自身の手を汚すことを極端に嫌い、事なかれ主義に走り、対立を避け続けた成れの果てが、外交交渉と開戦準備の期限付きの同時進行だった。

最後には、日米首脳会談で何もかもがうまく行くという幻想にすがりつきながら、自覚なしに崖っぷちに国を誘導してきたが、ハッと正気に戻ると、その進行を止める大仕事を任されるのはまっぴらごめんとばかりに、すり抜けて逃げることになった。(p277)

 

https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/4/47/Nomura_and_Kurusu_27_November_1941.jpg

写真:ホワイトハウスルーズベルト大統領との会談を終えて記者団と会見する来栖・野村(左の人)両大使(1941年11月27日

来栖三郎 (外交官) - Wikipedia 野村吉三郎 - Wikipedia

真珠湾攻撃の日までアメリカとの交渉に孤軍奮闘し、戦争回避しようとした二人だったが、実はこの写真の前日11月26日が和戦の岐路だったことを、二人は1942年になって初めて知り、軍や政府から騙されていたことを理解する。

 

  •  一億総懺悔(ざんげ)すれば誰も悪くない?

戦争に負けると、東久邇宮稔彦王(ひがしくにのみや ・なるひこおう)が首相に任命され、戦争は政府の失策だけでなく、国民にも責任があるという演説を行うのである。国民全体が反省し、懺悔しなくてはならない。ということは、ほぼ「誰も悪くなかった」と主張するに等しいと著者は言う。そうやって開戦決定責任は、一億の国民によって、薄められたのだと。

 

最後に、今日の私のエントリはここだけ読んでもらったらいいと思っている。私たち日本人がパールハーバーを思い出す意味は、この堀田さんのあとがきのこの部分にあるのではないか。引用してみよう。

1941年開戦前夜における政策決定にまつわる諸問題は、我々にとって他人事ではなく、敗戦を経ても克服することのできなかった、この国が継承し続ける負の遺産だとも言えるだろう。そのことは、ごく最近では、福島原発事故や新国立競技場建設問題までに至る道のり、及びその事後処理における一連の経緯が、明確にしている。より多くの人々に影響を及ぼす決断を下す立場の指導層で、当事者意識や責任意識が著しく欠如する様相は、あまりにも、75年以上前のそれと酷似している。

 しかし忘れてはならないのは、現代に生きる日本人には、信条にしろ表現にしろ、比べ物にならないほどの自由が許されている点だ。…(略)

「一億総懺悔」ならぬ「一億総活躍」といった標語に踊らされず、その突き詰めたところに潜む危険性、ならびに可能性を十分に理解した上でのみ、様々な、時には大きく対立する意見やイニシアチブがオープンに検討、尊重され、より多くの人々が活躍できる社会が訪れるのではないだろうか。

 

パール・ハーバー1941決意なき開戦 終わります。

 

 

 写真:ルーズベルト大統領。

タイム誌が選ぶこの年(1941年)の顔でした。

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  Franklin Delano Roosevelt outside of his home in Hyde Park, NY in the mid 1930s. FPG/Archive Photos/Getty Images

 

追記:12月9日

美しくも力強いことばで、季節や自分の思いを、鮮やかに切り取るURURUNDOさまです。こちら。

ururundo.hatenablog.com

浸透し深化する日本のサブカルチャー-3- 妖怪を愛するフランス人&水木しげる

みなさん、こんにちは。

これまで扱ってきたヨーロッパにおける日本のアニメ・漫画関連から、今日はちょっと趣向をかえてみようと思います。

こちらです。

ナニコレ?と思うポスターですね。パリの街かどで見かけたらビックリするでしょう。

https://pbs.twimg.com/media/DPPsaUyVwAAZSy4.jpg:large

Fushigi ! - Théâtre de Nesle - petite salle | BilletReduc.com

これはパリで上演中の、ネスレ劇場の芝居(Théâtre de Nesle, Paris)で、タイトルが”FUSHIGI!”です。ご覧のように宮崎駿作品からインスピレーションを得ており、オマージュでもあるんです。

歩く城や自分の名前を忘れた川、少女とモンスターなど…いろいろなものが登場します。日本人だったら皆うなずいてにっこりするんじゃないでしょうか。

フランスの演劇人は宮崎アニメのキャラクターたちを自分の中に取り込んでから、オリジナルな夢幻の世界で表出し、しかも毎回アドリブで演じているようです。刺激的ですね。パリにいたら行ってみたかったのに…。

 

妖怪探し

そう、トトロや千と千尋もののけ姫など、日本は精霊や妖怪の国でもあります。

日本人は子どものころから妖怪やオバケの話に慣れ親しんで育ちます。水木しげるの影響は計り知れないし、私の子ども時代は『妖怪人間ベム』も人気でした。現代だって『妖怪ウォッチ』などがあります。

もし同じようなフランス人がいたらやはり驚きますよね。

こちらのフランス人コンビが出版した本がおもしろいんです。(*急いでお断りします。「本」でも「漫画」でもなくヨーロッパの正統的なBD(ベーデーと読む)を踏襲しています)

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(写真下が本体で、上が掛かっていたカバー。前頁カラー刷り。帯の写真も下の方に載せています。)

 

『鬼火 フランス人ふたり組の日本妖怪紀行』 

カバーの折り返しにはこのように書かれています。

日本の精霊たち、狐やタヌキ、その他の妖怪たちは、田舎の道ばたや神社の影に隠れ、道に迷った旅人をいたずらしてやろうと待ちかまえている。

新潟の日本海の近くに住むことになったセシルとオリヴィエは、

そんな妖怪たちをフィルムに焼きつけるという、ちょっと変わった中古カメラを買う。

2人は妖怪たちの姿を写真に撮ろうと追いかけるうちに、この世とあの世を行き来するもうひとつの日本の姿を描いていく。

鬼火  フランス人ふたり組の日本妖怪紀行

鬼火 フランス人ふたり組の日本妖怪紀行

 

 セシルの方は2010年に新潟大学に留学したので、日本語は堪能。留学先に地味な地方都市を選んでいるところにまず好感を持つんですが、セシルいわく、水田やひなびた神社、森、路傍のお地蔵さん、昔の生活様式などが好きなんだそうです。

その留学生活の滞在中に親しく付き合った新潟の人たちや店などが実名で登場します。しかし本書で下敷きになっているのは2014年秋の来日のエピソードだそうで、フランスに戻ると本にまとめ、出版。するとこれが口コミで国内外に広まり、好評を博し、ついに日本へ。新潟大学でフランス語を教えている女性が翻訳した。そういういきさつです。

セシルのパートナー、オリヴィエも絵を描き、二人でAtelier Sentô(アトリエ銭湯

ATELIER SENTOという制作ユニットを結成しています。

またこの本を出したフランスの出版社の名前もおかしくて思わず吹きました。 "Éditions Issekinicho"(一石二鳥出版)Éditions Issekinicho - Beaux livres sur le Japon 

楽しそうでいいですね。

 

これが表紙にかかっていた帯です。帯の表

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帯の裏側

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さて初めに絵を見た時「おや、巴水じゃん」と思いました。朝日新聞が毎月届けてくれる額絵シリーズ「川瀬巴水~こころの風景~」をいつも見ているので、すぐに連想してしまいました。柔らかい郷愁を誘うようなタッチの絵です。

ほらね、と本を開いてお見せしたいところですが、著作権(本日よんばばさまの記事!)に引っかかるようなので控えます。ただ話を進める都合上、このページだけ写真を撮らせてもらいます。

この「妖怪カメラ」!

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 お話は新潟県猿和田(さるわだ)という小さな集落から始まります。古道具屋の店主が中古のポラロイドカメラを勧めるのですが、「坊さんが磨いたレンズが付いてるんだ。バケモンが撮れる」そう言って、フィルム付き1万円で売ろうとします。セシルはおもしろいと思ってそれを買いとります。フィルムといっても撮れるのは8枚きりです。

その後、内野の鳥居参道でキツネを撮ったり、魔法の森で妖怪を探したり、遠くに不思議な灯篭祭りを見たりしながら、住民たちと触れ合って旅は進んでいきます。

こんな辛辣なくだりも。土地の男性が言います。

原発ってのは青白い光を出すそうだね。鬼火とかね、こういう狐火はお化けが出る前ぶれだよ…不吉な明かりでね。すれ違った人の魂を吸い込むんだ…昔からいる怪物にかえて、新しい怪物を作り出したんだな、われわれは。

その後、不気味な弥彦神社や、豪商の館で有名な旧齋藤家別邸なども訪ね、土地の人からいろいろな話を聞かせてもらいました。旅の終わりには新潟県を離れ、恐山まで足を伸ばすのです。

特に筋があるわけではありませんが、私たち日本人が慣れで見過ごしてしまいがちなものが丁寧に描かれてハッとします。また子どものころ怖かった思い出が蘇ってきます。ああ、闇が怖かった。きっと妖怪もお化けもあちこちにいたんだろうけど、見ないようにしていたなあ。河童は会ってみたかったけれど、雪女はごめんだな…。

 

さて、二人は妖怪の写真を撮れたのでしょうか。興味のあるかたはご自身でどうぞ確かめてください。

ちなみに8枚撮りのうち7枚は確かにセシルが撮ったものですが、8枚目は「その場所には見覚えがない」とセシルが言う、場所・日付とも不明の写真でした。そこでお話は終わっています。

ですが、その8枚目、私には一目でどこだかわかりました。横チンさま、たまうきさまもわかります。私たちがしょっちゅうフラフラしているところです(笑)。

 

セシルとオリヴィエ

https://www.babelio.com/users/AVT_Atelier-Sento_3255.jpg

Atelier Sento - Babelio

 

水木しげるのこと 明日は命日

先ほどのカメラで水木しげるの妖怪写真館を連想する人もいらっしゃるのでしょうね。

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ちなみにAMAZONでは:水木しげるの妖怪写真館 NPCネオジオポケットSNK

出品者からお求めいただけます。中古品の出品:¥ 12,220より

妖怪ウォッチ」の元祖ともいうべき優れものゲームだそうです。私はアトリエ銭湯さんに教えてもらって初めて知ったのですが、皆さんはご存知でしたか。

 

水木しげるはフランスでも人気で20冊以上は翻訳されています。Shigeru Mizuki : tous les livres | fnac

ちょうど私たちがベルギーに住んでいた2007年に、フランスで栄誉ある賞を受賞したのです。のんのんばあとオレ(Non Non Bâ)が第34回アングレーム国際マンガフェスティバル で最優秀コミック賞に輝きました。日本人がこの賞をもらうのは初めてのことでした。

それでベルギーやフランスの書店には水木しげるコーナーが設けられ、人々が興味深そうに立ち読みしていたのを覚えています。

2年前に亡くなった時は、フランスの新聞各紙が訃報を載せていました。下はリベラシオン紙です。明日11月30日は命日です。

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              〔妖怪関係はここまで〕

 

🌸今日の写真

中国の図書館!

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https://www.boredpanda.com/tianjin-binhai-library-china-mvrdv/

天津市海図書館

文字通り息をのむ(Take Your Breath Away)し、クラクラめまいがするような近未来型図書館です。天津市浜海新区に建てられた5階建て、34000㎡の建物で、蔵書数120万冊。中国の勢いを感じますね。

設計はMVRDVMVRDV - HOMEオランダの建築家3人のグループで、新作が出るたびに話題になります。上記サイト内に写真多数。

https://static.boredpanda.com/blog/wp-content/uploads/2017/11/tianjin-binhai-library-china-mvrdv-5a095f15bc0b1__880.jpg

終わります。

 

🌸浸透する~シリーズ①②

cenecio.hatenablog.com

cenecio.hatenablog.com

まだ続きます。

浸透する日本アニメ-2- 懐古派から若い世代のファンまで (マジンガーZ / セーラームーンほか) 

お天気でよかったな

こちら東京ではよいお天気が続きます。

お天気でよかったなと書いたのは、昨日銀座では戸外でこの世界の片隅にが上映されたからなんです。企画したのは#ねぶくろシネマ hashtag on Twitter寝袋シネマさん。大都会のど真ん中で戸外の映画上映というのは凄いですね。その東銀座の空き地にはいずれホテルが建つのだそうです。

車の行きかう音や人の話し声も聞こえる銀座の一角、そして11月の寒空の下、そんな特別な場所で映画を見た人たち、子どもたちにとってかけがえのない思い出になるでしょう。

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「この世界の片隅に」を銀座で野外上映、入場無料 - 映画ナタリー

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昔は、特に田舎などでは野外で映画を見た時代がありました。

私もフランスでなら野外上映を見たことがあります。もっとも印象に残っているのは、1984年パリのポンピドゥーセンター前広場で、黒澤明『乱』を見たことです。あの熱気、今でも思い出します。

 

㊗1周年『この世界の片隅に』ロングランで上映中

その映画『この世界の片隅に』ですが、思えば遠くまで来たものです。数多い受賞と絶賛のなかで1周年を迎えられるとは、監督はじめ映画スタッフと原作者こうのさんにとって、また多くのファンにとってどんなにか感慨深いことでしょう。

私は最初に漫画を読んでおり、映画は封切り4日目に池袋へ見にいきました。お客さんは50人くらいだったでしょうか。娘に聞いてみると「ううん、40人くらいだった」というので、よし宣伝しなくちゃと思って記事を書きました。1年前の11月24日です。↓

http://cenecio.hatenablog.com/entry/2016/11/24/162504

片渕監督がご自身のTwitterで紹介してくださり、以来1万近いアクセスがありました。また映画関係者(?)の方からブログにコメントまで頂きました。

 

現在フランスでも上映中です。映画.comさんhttp://eiga.com/news/20171104/5/

によると

大掛かりな披露試写をもうけて、鳴り物入りで公開した「君の名は。」とは明らかに規模も異なり、こちらがフランス全土で約120スクリーンの展開で、1カ月で25万人を超える動員を集めたのに引き換え、「この世界~」は68館で、1カ月を超えた現状で動員約4万人。

それでもこの規模で2時間5分のアニメ作品としては大健闘…

ということです。大手新聞の批評を読んでも大変高い評価です。こうした映画は口コミでじわじわと広がっていくのだと思います。

 

翻訳されたこうの 史代さんの作品。

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KANA出版(ブリュッセルに本社があるフランス語の出版社)から、今のところ6冊出ています。

 

劇場版『マジンガーZ INFINITY』(Mazinger Z Infinity)

フランスでは、日本での公開より2か月も早く上映となりました。

下は、私のブログではもうお馴染みの Fallaix氏のツイートです。ポスターを日仏並べてみています。

https://pbs.twimg.com/media/DPKjQb_X4AEqRBX.jpg:large

   f:id:cenecio:20171125104300p:plain

「グッズがもらえるのは どこそこの映画館の初回のみですよ」(11月21日)と親切に教えてくれています。

私はマジンガーZなどロボットアニメは見たことがないんですが、フランスとイタリアに「UFOロボ グレンダイザー」の熱狂的なファンがいるのは昔からよく知っています。ちょっと頭おかしいんじゃないの、と思うほど入れあげていました。(→過去記事参照フランスで視聴率100%だった日本アニメ・永井豪 追記:2017マジンガーZ&嶋星光壱 - ベルギーの密かな愉しみ)

先日『YOUは何しに日本へ?』(テレビ東京)という番組を見ていたら、イタリア人でマジンガーZ大好きな男性が出ていました。この人はなんでも特殊撮影を使った映画などを作る会社にお勤めとかで、視覚効果分野の専門家といっていいのかな、語らせれば滔々と熱き思いを語ります。そして日本へ来た目的はマジンガーZのフィギュアを購入することであり、中野の店でやっと手に入れると、子どもにもどったようなピカピカの笑顔で喜びを表していました。

 

かつてTVのロボットアニメに夢中だったフランスの少年たちは今はもう50代です。あの頃を懐かしみつつ、新作を見に行くのだろうなと思っていましたが、実際は子連れも多く、また若い世代のファンも増えているようです。

映画封切り前から、つまり10月の「ローマ国際映画祭」の招待作品に選ばれたあたりから大変な話題になっており、私は永井豪さんがどれほど人気があるかを改めて知らされました。興味のあるかたこちら、詳しいです。↓

『劇場版 マジンガーZ /INFINITY』ローマ国際映画祭でワールドプレミア | 映画情報どっとこむ

 

また今日はわっと (id:watto) さまがロボットアニメに関連した楽しい記事をかいてらっしゃいます。こちら↓ ぜひ!

www.watto.nagoya

 

男には頼らない女子戦隊

女性が懐古するアニメはたくさんあるんですが、やはりドロテクラブ世代(Club Doについては過去記事参照)ではセーラームーンでしょう。現在30代の人たちが中心だと思います。働いているから今ならグッズやコンサートのチケットも買える…

https://i1.wp.com/pop-station.fr/wp-content/uploads/2017/09/1504595033840_image.jpg?w=1600&ssl=1

f:id:cenecio:20171126162121p:plainパリ地下鉄通路

というわけで、昨日の「セーラームーンシンフォニー・コンサート(sailormoonSymphony)が盛り上がったらしいので、ちょっと書いておきます。

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石田 燿子(いしだ ようこ)が来て、セーラームーンオリジナル曲を2曲歌ってくれるよ」とFallaix氏はつぶやいています。

2つの曲とはムーンライト伝説(ごめんね素直じゃなくて♪)と乙女のポリシー/好きと言って」です。

フランスでは日本のいわゆる原曲は使わず、子どもむけに作った、幾分幼稚な感じの歌を、当時人気の歌手に歌わせていたのです。


Sailor Moon : le générique de Bernard Minet (Clip officiel)

これはこれで私もすっかり覚えて気にいっているし、フランス人は懐メロとして全員で合唱します。しかし当時でも、絶対オリジナル曲がいいと思うファンはちゃんと入手していたようです。

コンサートですが、今朝Twitterを見たら、すごくよかったという人と、「効果音が入ってなくて残念」という意見に割れていました。またコンサートを録音していた違反者もいたらしい(笑)。

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(写真:クリスマスに向けてDVDが出ます)

 

私がフランスの翻訳版で感心するのは、現在は知らないんですが、造本が丁寧で印刷が美しいことです。日本よりはるかに勝ります。

セーラームーン第一話、表紙をめくったところ。

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見開きにもカラーの絵を入れています。BD(フランス・ベルギーのマンガ)ほどではないですが、表紙も厚くて、本は大切に読むものだということを教えてくれます。

さてセーラームーンの人気の秘密は、絵が可愛いことや変身ポーズ・決め台詞がカッコいいこと、コミカルだが社会問題も扱いつつ、ストーリーもよくできている…などありますが、なんといってもヒロインが自立しているというところではないでしょうか。それまでの戦隊ものは女子は脇役でお飾り程度。セーラームーンでは逆に出てくる男性のほうが花を添える感じで、あくまでセーラー戦士たちは互いに助け合いながら自分たちで敵を倒します。

以前フィギュアスケート関連の有名ブロガー(北米の人)さんの記事を気にいって読んでいましたが、その人がクリスマス休みにぜひしたいこと、というのを幾つか挙げていたんです。その中に「暖炉の前に座ってセーラームーン全巻を一気読みすること」というのがありました。普段のまじめな分析記事とマンガとのギャップに驚きました。

でもセーラームーンと一緒だった、楽しくて幸せな少女時代にもういっぺん戻ってみたかったんでしょうね。

 

 今日はここまで。また続きを書きます。

 

今日の写真

 最後にいつも私たちを大笑いさせてくれるチャンスパパ (id:chancepapa) 

さまのために。

氷点下トレーニングニャ!20161208 - チャンスとティアラ+ココテン

猫のてんちゃんはハイボールをなめるんです。大変!不良少女になっちゃう!

前にお約束したベルギーのビールをなめる猫の写真、貼っておきますね。

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猫の絵柄が付いていますが、もちろん人間が飲むのです。

でもこの子はビールが好きなんですって。カフェのオーナーさんが目を離すとすぐにぺろぺろやり出すらしい。

私のビールだぞ!

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舌が届かなくて残念でした。

 

終わります。

 

🌸 浸透するシリーズ -2-

cenecio.hatenablog.com

 

個人メモ

pop-station.fr

https://i2.wp.com/pop-station.fr/wp-content/uploads/2017/09/1504853300151_image.jpg?w=760&ssl=1

www.youtube.com

いよいよEU軍創設? 非英語圏で最も英語ができる国民は…

新しい防衛協力体制

北やトランプに目を奪われているうち、ヨーロッパでは次々と新しい動きが…。

下のドイツ語記事によると、先日ブリュッセルで開かれた外相理事会で

PESCO(permanent structured cooperation) 「常設軍事協力枠組み」

という、EU加盟国で有志連合軍のようなものを作ることが決まった。あくまで意欲のある加盟国だけなので「EU軍」というわけではない。(しかもEU以外の国の参加も認めるらしい)。

 

www.tagesschau.de

そのPESCO創設に向けた文書には23か国が署名したという。イギリスはEUを離脱しており、デンマークなどは署名していない。

参加国は共同で軍事プロジェクトを遂行する。どの国も軍事支出の拡大は避けられないし、他の様々な要件も満たす必要がある。

その代わりに戦闘機など一国でそろえるのが難しい軍事装備や、パイロットの訓練、基地の管理・整備、そのほか軍事研究開発など協力して行えるので、効率的かつ費用も節約できる。たとえば戦闘機をドイツとフランスが50機ずつ買うとしたら、他の国々はそれよりもっと少ない。

では、NATO(北大西洋条約機構)はどうなるの?とすぐに思ったが、あれはアメリカ・カナダと欧州諸国の軍事同盟であり、アメリカ主導の組織なのである。やはりアメリカ抜きの新体制をドイツ・フランスが中心となって作りたかったのではないか。

冷戦が終わってもロシアの脅威は増すばかり。3月の過去記事でも触れたが、ロシアの軍事大国化に備えて、スウェーデンが徴兵制を復活させた。女性も対象である。

話は逸れるがノルウェーはその点では先進で、男女平等徴兵である。40年位前から女性も軍隊に志願している。すでに女性のジェット戦闘機パイロットや潜水艦艦長が誕生しているとか。

これでロシアと隣り合う国すべてに徴兵制があることになった。

そういえばたしかマクロンさんも以前、徴兵制度復活の可能性について言及していたっけ。もちろん義務化ではないと思うが。

 

壁とミサイル

2014年ロシアが併合したクリミア半島、まず位置を確認する(赤い印)。

Zeit紙の記事によると、ロシアはウクライナとの国境に壁となるフェンスの建設を開始した。約50kmにわたる境界線となり、2018年前半までに完成の予定だという。

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www.zeit.de
あくまでクリミア半島の住民や観光客の安全を確保する目的だという。

 

次にロシアのミサイル配備を見てみる。

英Daily Mail Online紙から地図をお借りした。赤い丸は

超長距離地対空ミサイルシステム S-400、SA-21 グラウラーというのだそう。

http://i.dailymail.co.uk/i/pix/2017/03/02/22/3DE4C5AD00000578-0-image-a-3_1488494354474.jpg

Sweden reintroduces conscription amid conflict fears | Daily Mail Online

↓SA-21 グラウラー、クリックすれば見られます。

http://i.dailymail.co.uk/i/pix/2017/03/02/23/3DE4C89900000578-4274026-The_Growler_pictured_is_one_of_the_most_advanced_air_defence_mis-a-4_1488496545533.jpg

ついでに記事内の写真に写っていたドイツ国防相フォン・デア・ライエンさんについても。

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ちょっと長いお名前、ウルズラ・ゲルトルート・フォン・デア・ライエン(Ursula Gertrud von der Leyen 1958年生まれ)。ブリュッセル生まれ。夫の姓(van der Leyen) からするとオランダ系のようだ。

この人がまたスーパーウーマンなのである。医師で7人の子どもの母親。夫も医師。父は政治家でニーダーザクセン州首相を務めた人だとか。

才色兼備を絵に描いたような人物である(日本の誰かとは違うわあ…ため息)。

メルケル政権下で、家庭相、労働社会相と来て、現在国防相。(写真:ピンタレスト画像)

https://i.pinimg.com/564x/7f/dc/3a/7fdc3a1a86d17bffad09dbfa0cd90677.jpg

https://www.pinterest.de/pin/471822498444473145/

 

ドイツの不安

そのメルケルさんだが、連立に失敗したようだ。

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www.bbc.com

「再選挙」なんて言って、選挙はそんなに簡単にはできないでしょ。何よりも今選挙したら、「ドイツのための選択肢」(AfD、極右)がさらに躍進するはめになるのでは?

9月、ドイツ総選挙の結果を見て不安視する人は多かったと思うが、案の定、連立交渉は難攻した。メルケル首相のCDU・CSU緑の党自由民主党(FDP)の間ですでに4週間も進められていた交渉であるが、19日夜遅くFDPが離脱して周囲をがっかりさせた。

メルケル首相は「少数政権で首相を担当するつもりはない」と語ったそうだ。

ともあれ、再選挙を実施する権限はシュタインマイヤー大統領にあるということで、最後まで説得を続けるのだろう。

 

 

英語能力指数(EF EPI)試験で オランダ人がトップ 

これは成人対象の英語能力の話である。オランダや北欧の国々はつねに優秀だし、5位のシンガポールも、日常的に英語を使うとはいえ、すごいと思う。かたや日本は37位、去年は35位、その前は30位だった。これからもっと下がるのかもしれない。

毎年話題にあがるのでうんざり、と思われるかもしれないが、ゆゆしいと思うのは職業社会で中心となる年代30~40代の英語力が低いことだ。

www.efjapan.co.jp

↑ 中を見るのが面倒だと思われるので切り取ってきた。

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2020年東京オリンピックが控えている。普通オリンピック開催国では、外国語学習熱が高まり、海外の人とのコミュニケーションをうまくとりたいという機運が高まる、と一般に言われているのだが、日本はどうだろうか。少なくとも私の周りではそんな気配を感じない。皆さんの周囲ではいかが?

日本はとっくに大学教育から第二外国語を「排除」してしまった。初めに理系の学部から第二外国語のドイツ語やフランス語(最低でも2年は習ったはず)が必修でなくなった。ロシア語、スペイン語、中国語なども同様に。

ということは当然教師もいらない。英語以外の外国語入試も受験生が激減して、多くの大学・学部で廃止になっている。

英語さえできればいいじゃないか。ビジネスも学問も英語でじゅうぶんだ。…ともう10年くらい前から言っていたのに、その英語も習熟度が低いというのはどういうことだろう。

私は大学時代は複数外国語とラテン語を学んだが、周りの人もそうだったし、当たり前だと思っていた。

フランスに住んでいたとき、カトリックの女子校(日本でいうと小学~高校まで)で選択科目の日本語の授業を持っていたのだが、そこでは母国語フランス語のほか、外国語を3つとることが定められていた。

たいていの生徒はまず英語を選ぶ。そのあと、スペイン語・イタリア語のような近い言語を選ばず、日本語や中国語、ロシア語のような難しいことばに挑戦する生徒がたくさんおり、今振り返ってみれば、あれは日本語ブームの始まりだったなと思う。頭の柔らかいうちにいろいろな外国語に触れるのはすばらしいし、財産になる。

その後聞いた話によると、あの学校からは毎年数名は大学の日本語科に進学し、日本留学、日本関係で就職と、実に頼もしい架け橋となってくれている。

 

オランダと北欧の国々では小学校から英語を習う。文法は重要視せず、コミュニケーション重視。その後の進学は、成績や親・教師の勧めで異なるのだが、英語学の専門家になるわけではないので、小学校で習ったレベルの英語でも運用能力は驚くほど高い。

知り合いのオランダ人やベルギー人が言うには、「日本のアニメのおかげ」だとか。つまり日本アニメはオランダ語吹き替えは存在しないので、英語字幕のDVDやテレビを見るのだという。

「内容が知りたくて必死で英語を勉強したよ」

「ついでに日本語のセリフも覚えちゃった」

もちろん、ゲルマン語系と英語は非常に近い言語ということもある。

 

最後にもう一回嘆きますが、日本は英語教育、どうしたらいいんでしょうねえ。

みなさん、ご意見ありますか。

ではまた次回!

 

参考:

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編み物の季節ですね!

https://i.pinimg.com/564x/a4/bf/0c/a4bf0cd9c4893687dbb8de17fc101919.jpg

 参考:過去記事

cenecio.hatenablog.com

cenecio.hatenablog.com

海外でも待ち望む『はいからさんが通る』

大正浪漫へのノスタルジー?

 

http://idata.over-blog.com/4/03/80/88/Images-pour-articles/a0024528_9355079.jpg

(↑ 東京メトロ「SFメトロカード」です。めちゃくちゃ可愛い 紅緒(べにお)ちゃん)

 

花子とアン』(NHK2014年)のヒット以来、じわじわと来てる~!

何がって?もちろん大正時代ですよ。「袴女子」という言葉があるそうです。卒業式の袴はすっかりおなじみですが。

一見華やかそうで、自由な気風の文化事象がまず頭に浮かぶ大正時代ですが、実は激動の時代でもあり、そのまま突き進んで昭和の戦争時代につながるわけです。そんな時代の東京を舞台に繰り広げられるラブコメデイ『はいからさんが通る』ー 今日のテーマです。

いやラブコメというより、歴史的諸事件(米騒動、恐慌、ロシア革命シベリア出兵、思想統制など)や関東大震災が絡んでくるので、大河ラブドラマとでも呼びましょうか。といってもギャグ満載の、笑いに溢れた、ちょっぴりしんとして泣かせるメロドラマでもあります。

ところで「大正浪漫」の「浪漫」という当て字は夏目漱石によって付けられた(wiki)そうですね。

 

劇場版アニメ、行ってきました。

こちら見てください。11月11日の朝日新聞にはド~ンと一面広告です。

 

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*絵葉書は劇場でもらったものです。何が当たるかはわかりません。

 

はいからさんが通る』はまず「週刊少女フレンド」に連載(1975~77年)、一世を風靡した人気漫画となり、第1回講談社漫画賞少女漫画部門を受賞しました。78~79年にはテレビアニメ化され、その後実写映画、TVドラマもつくられるほどの人気ぶり。

今回、連載終了から40周年を記念して、物語の最後までが描かれる完結したアニメ(前編・後編)を、往年のファンはもちろんのこと、新しい世代にも楽しんでもらいたいということです。はいからさんが通るBlu-rayBox(初回仕様版)も発売され、宝塚歌劇はいからさんが通る」のミュージカルもありました。まさにはいからさんイヤーです。

                 ↓漫画新装版↓

http://go-dessert.jp/content/files/images/haikarasan/title.jpg

http://go-dessert.jp/haikarasan/

 

ストーリーはご存じのかたも多いと思うので公式サイトから簡単に紹介します。

主人公は花村 紅緒(べにお)。詳しくはサイトの方で。

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劇場版アニメーション『はいからさんが通る』公式サイト

 

紅緒は フランスではマリー イタリアではアンヌ

これまでに何度もお話したように、私は子ども時代、漫画やアニメを見て育ちませんでした。それでもチャンスを伺っては家の外で読ませてもらったり、親戚の家のTVでアニメを見たりもしました。見てよい番組『ひょっこりひょうたん島』などもありましたが、お稽古事などで非常に多忙だったため、時間が合わなくてほとんど見られませんでした。

以前Cさんが「漫画を読むとバカになると親に言われて、一切読ませてもらえなかった」という話を書いていらして、私はすぐにでも飛んでいってハイタッチしたい気分になったものです。私よりずっと若い世代なのに驚きです。今だったらスマホを禁止するようなもの?ともあれ友だちと話が合わないから子ども時代は大変です。

そして漫画を読む習慣がないと、大人になっても読まないものです。

それでもフランス時代、子どもと付き合ってアニメなどを見ているうちに、私にも全体像が見えてきました。それもフランスのメディア、つまり雑誌やTVガイド誌を通してなんです。こちらのほうがコンパクトによくわかります。

たとえば番組表に”Marc et Marie”(マルクとマリー)とある。なにこれ?日本っぽいなと思い、解説を読むと『はいからさんが通る』であることがわかりました。日本で名前は聞いたことはあっても見た事はない…(そういうものだらけなんですが💦)ここはちょっと腰を据えて学ぶべきでしょう。そう思って片っ端からアニメを見てみました。(といっても1~2回だけのも多い。そんなに時間はとれないので。)

その際、さきほどの解説やあらすじがどんなに役にたったかわかりません。

ドロテクラブフランスの子どもたちを日本アニメオタクにした番組 「ドロテ・クラブ」Club Dorothée -2- - ベルギーの密かな愉しみ)ありがとう、です。何もかもここで学びました。

ちなみにフランス語でも shôjo manga(少女漫画)とそのまま日本語を使います。

 

子ども向け番組ではもとの日本の名前を、発音しやすいように変えてしまいます。紅緒はフランスではマリー、イタリアではアンヌとなります。もちろん他の登場人物も全部違う名前です。主題歌もそれぞれの国で新たに作ることは以前書きました。

*興味のある方、フランスの主題歌↓↓

 

www.youtube.com

 

イタリアはフランスと並ぶ日本のサブカルチャー需要大国です。

たとえばこのウィキペディア、凄いでしょう。

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Una ragazza alla moda - Wikipedia

ウィキペディアイタリア語版の写真を載せているなんて。他の国ではないですよ。「ハイカラな女の子」というタイトルですね。


EUR 5,50 ↓5.5ユーロ

https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/81fHY2ovhCL.jpghttps://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/71Koiv7q1JL.jpg

主題歌レコード(イタリア語)

 

http://www.lemeleverdi.it/Discografia/Mademoiselle/Copertina.JPG

Le Mele Verdi - Mademoiselle Anne

また「はいから」ということばをどう翻訳するかにも苦心しているようで・・・

各国語一覧です。もっとあるrかもしれませんが。

f:id:cenecio:20171118122423p:plainSmart-san (TV) - Anime News Network

アラビア語にも訳されているのが驚きです。

 

*興味のある方、イタリアの主題歌↓↓

www.youtube.com

いかにもカンツォーネっぽくて大好きです。

 

しかもイタリア人は今回の劇場アニメ化に熱視線を送っています。「驚いた!こんな日が来るなんて思わなかった」と大喜びの様子です。また多くの人が記事を書いています。

ざっと見た中で、よかった記事はこちら。写真もよく選んでいるし、声優についても解説をつけています。下の写真は紅緒の声を担当した早見 沙織さん。この人はすばらしかった!

また伊集院忍の声を担当する宮野真守については、刹那・F・セイエイや松岡凛(『Free!』)の声の人だよ、と書いています。コアなファンですね。

tweens.screenweek.it

 

そう、そして今ならマミーさんのエントリにちょっと参加できるかな。

マミーさんは最後に『はいからさんが通る』を挙げてらっしゃいます。こちら↓

mamichansan.hatenablog.com

冬星(とうせい)…は~っ、いい名前です。本当にステキな名前が多いですね。

編集長、なかなか痺れる男ですけど、髪はもっと短い方が私はいいな。(←あんたには聞いてないって?失礼しました)

マミーさんの挙げてくれた他の作品もいずれ読んでみますね。(今からでも全然遅くないんだから。うん)

マミーさん、ありがとうございました。

 

原画展にも

原画展「『はいからさんが通る』展 ~大正▽乙女らいふ×大和和紀ワールド!~」

弥生美術館・竹久夢二美術館

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うちの近くにある弥生美術館です。

けっこう凄い企画展ですよ。漫画家・大和和紀のデビュー作から最新作まで、約50年の仕事をみせてくれるという…。もちろん超貴重な『はいからさんが通る』の原画の数々!みなさんため息を漏らしながら興奮気味に見ていました。

それに加えて当時、つまり大正から昭和初期の女学生や職業婦人文化を紹介する展示もあり、資料だけでなく実物の自転車、袴など、まるでタイムスリップしたような気分でした。

矢絣の着物に海老茶色の袴、編み上げ靴…私はこの組み合わせが大好きなんです。が、写真コーナーは違う柄でした。ちょっとがっかり。でも鬼島森吾さんのこと、気にいっているのでOKです(笑)。

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というわけで今日はここまで。

また次回!

フランドル地方の泥 サッカー日本代表も兵士もヒトラーも苦しめた…

今朝パソコンを開いたら、思わず苦笑!

ハリルジャパンのご一行がフランドル(フランダース地方)で早くも泥にはまっていたからです。下に記事を貼っておきましたが、選手たちを乗せたバスの運転手(フランス人)が道を間違え、右側のタイヤがぬかるみにはまってしまい、アクセルを踏んでも一向に動かない。それでスタッフや選手たちも降りて、後ろからバスを押すも、ついに脱出できなかったという。その後4台の大型ワゴン車に分乗してブリュージュ郊外の宿舎になんとかたどり着いたようです。

先日のブラジル戦は酷いものでしたが、ともあれ次のベルギー戦に向けてリール(フランス)で調整をし、夕方フランスから国境を超えてスタジアム近くの宿舎でリフレッシュしたいところでした。

www.hochi.co.jp

記事の最後の文が可笑しかったです。

W杯まで残り7か月。ピッチ上では、迷い道や泥沼にはまる失態は許されない。

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赤いピンが15日、ベルギーとの試合が行われるスタジアム。ブリュージュ旧市街からかなり離れている。☛ヤン・ブレイデルスタディオン - Wikipedia

ちょうど4年前、2013年も日本代表はベルギーと親善試合をしましたね。みなさん覚えていらっしゃいますか。世界ランキング5位のベルギーに3-2で勝ってしまったんです。もうビックリでした。

ベルギーはそれまで予選負けなしで突っ走ってきて、サポーターも含め、大盛り上がり。数日前の新聞に「相手が日本では物足りない」のようなことが書いてあったのも覚えています。

前日の試合の、オランダ✖日本が2-2で引き分けだったとき、「そんなランキングの低い日本にも勝てないのだから、オランダチームの病は相当に深刻だ」とあざ笑うような記事が載りました。

ところがベルギー戦、われらが日本代表の3点目が入ったとき、悲鳴や怒号が渦になってスタディアムを揺らしました。

監督(当時ウィルモッツ。日韓ワールドカップの時、選手として活躍した)は弁明しました。エデン・アザールをセンターで使ってみたかったのだ、親善試合はいろんなことを試す場じゃないのか?と。

ベルギー人はこのショックをどう受け止めていいかわからず、翌日からはしばらく反省会と分析が延々と続いたものです。

さて試合は15日です。「泥沼にはまる失態は許されません。」

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(ポピーの日。イギリスでは戦没兵士を追悼するため、ポピーを胸に付ける)

 

フランドル フラン泥(ドロ)

オヤジギャグで失礼しました。

次はフランドルの泥がどんなに恐ろしいか、お話します。

さきほどのフランス人運転手、もしリールで雇った人ならフランドル地方の人なわけで、”泥”の怖さは子どもの頃から身に染みて知っているはずです。

ダンケルク 兵士40万人の大撤退作戦・「ダンケルク・スピリット」と負け戦 -1- - ベルギーの密かな愉しみ

前にダンケルクの所で書きましたが、フランスとベルギーにまたがるこの地域一帯は沼沢地で、雨が降らなくてもぬかるんでいる土地。だから人々は庭仕事をするときなど、木靴が欠かせません。もちろん現在はほとんどの道が舗装されていて、快適なドライブが楽しめます。でも脇道に逸れたらやはりどろんこ道…。

 

泥で溺死 最も悲惨な戦場のひとつ パッシェンデール

https://static.independent.co.uk/s3fs-public/styles/story_large/public/thumbnails/image/2016/05/20/12/5701067_0.jpg

Passchendaele 100th anniversary: Why was this one of the most brutal battles of the First World War? | The Independent

写真は 死屍血河の戦いだったパッシェンデールという村です。ベルギーとフランスの国境近く(地図、黄色丸)にあり、この名前を聞くとヨーロッパの人はすぐに第一次大戦と結びつけるようです。

そのすぐ左Ypres(イーペル)は小都市ですが、悲惨な歴史、過去を共有しているためか広島市姉妹都市で友好な関係です。

ちなみにイーペルやダンケルクへはイギリスから修学旅行生が毎年来ます。

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第一次大戦100周年です。

2014年からヨーロッパのメディアは「100年前の今日は~の戦い」といった記事を日々載せているので、 想像力を膨らませて100年前にタイムスリップしてみることもできます。

おととい、ベルギーやイギリスのニュースはパッシェンデール一色でした。1917年11月11日から100年目、つまりパッシェンデールの戦い(=第三次イーペル会戦)が終わった日です。

ちょっとイギリスとベルギー(オランダ語)の新聞の表紙を見てみましょう。

両方とも戦没者墓地の写真です。まるで屋外博物館さながらです。

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https://passchendaele2017.org/en/evenementen/herdenkingsplechtigheid-100-jaar-slag-bij-passendale-op-tyne-cot-cemetery/

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Slag bij Passendale | VRT NWS

BBCによると、最近の調査でわかったことは、この戦いによる死者はこれまで報道されていたより遥かに多く、70万人にものぼるということです。激戦地の一つですが、ここの特徴は文字通り「泥沼」だったことでしょう。兵士も馬も戦車も泥の中に沈みます。その年の8月は大雨でした。砲撃で排水設備も壊されました。砲撃孔に水がたまって池ができる。そこにはまったら溺死してしまいます。なぜなら兵士は数十キロの装備を身につけていたからです。

f:id:cenecio:20171113134851p:plainウィキペディアに載っている有名な写真) 

 

泥の中を這いずり回って溺死・・・ああ、兵士たちの無念さはどれほどだったでしょうか。こんなバカバカしい死に方ってあるだろうか。戦争は不条理で無意味で、私の理解を超えています。

連合国軍の目的は何かというと、「パッシェンデールを制圧し、ドイツ軍戦線に突破口を開き、ベルギーの海岸線まで進出、Uボートの活動拠点を占拠する」(wiki)ことでした。しかし「戦略的に重要な地域ではなかった」と指摘する歴史家も多いということです。

しかも5カ月と膨大な人命の損失のもとに勝ち取ったかに見えたパッシェンデールも、のちに3日でドイツに奪われてしまうのですから。

泥はヒトラーにとってもトラウマでした。第一次大戦ヒトラーは、バイエルン王国義勇兵として北フランスやフランドル地方の戦いに参加。地域をよく知っていました。

のちに総統になってから「ドイツの戦車がフランドルの泥にはまりこむのは。我慢できない」とエヴァルト・フォン・クライストに言っていたと本で読みました。

泥にはよっぽど凝りていたんでしょう。クライストは電撃戦を成功させた司令官の一人ですね。

 

あと300年 毒ガス弾処理にかかる年月

この地域は戦争で初めて塩素ガスやマスタードガスなどが使われたところです。兵士だけでなく、一般市民も巻き込まれました。イペリット」と呼ばれるマスタードガスは、イーペルの地名から来ています。

いまだに1年間で約5000発の不発弾が見つかっていて、廃棄は長いみちのり。それだけでなく今も乾いた泥の中から遺骨が見つかるそうです。

先日、ベルギー沖で発見された第一次大戦Uボートについて書きましたが、第一次大戦が遠い出来事のように思えず、不思議な気がします。

 

最後に毒ガスマスクの写真をいろいろ。

http://www.wereldoorlog1418.nl/notendop/Duitse%20mitrailleurgroep%20voor%20Verdun.jpg

http://www.wereldoorlog1418.nl/gasoorlog/images/muildieren-gasmaskers.jpg

Gifgas - de chemische oorlogvoering in de Eerste Wereldoorlog

馬もラバも。写真にはありませんが他に犬はもちろん羊用もあります。

 

第一次大戦の毒ガス攻撃が悲惨だったので、第二次大戦の始まり、つまりポーランド侵攻と同時に、イギリスではいち早く国民に毒ガスマスクを配布しました。

以下写真はピンタレスト画像を借りているので出典を入れていません。

https://i.pinimg.com/564x/90/b6/37/90b637558d270cbbffb2273ccd8ab3e3.jpg

https://i.pinimg.com/564x/b8/56/8f/b8568f5f53d97291009b282b4ad615c1.jpg

https://i.pinimg.com/564x/44/53/6a/44536a83406489ad4dae1e4eae6863d0.jpg

https://i.pinimg.com/564x/fc/28/5b/fc285be38b7f1f952da6cbc9e9982ab7.jpg

https://i.pinimg.com/564x/21/1d/bc/211dbc022f10e3008a310b602be181d6.jpgディズニーがデザインした子供向けマスク。

 

悲しくもシュールです。

終わります。

 

個人メモ:99年前の新聞 大戦の終わり

https://www.les-crises.fr/wp-content/uploads/2016/11/armistice.jpg

www.youtube.com 

 

 

twitter.com

f:id:cenecio:20171123104138p:plain

British Army (@BritishArmy) | Twitter

f:id:cenecio:20171125080015p:plain

 

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浸透する日本のアニメ・マンガ 二世代で楽しめる魅力 -1-

フランスはじめヨーロッパの国々では、私には思いがけない大ヒットアニメ・漫画が生まれます。あくまでも個人的な感想なので、「私には」とお断りさせていただきます。

まずこちらの猫のチーのお話、皆さんもご存知でしょうか。

チーズスイートホーム』(こなみかなた作、講談社

JapanExpo2017(ジャパンエキスポ)でも大勢の親子連れが、Perfumeの歌「ねぇ」[MV] Perfume「ねぇ」 - YouTubeに合わせて踊っていました。朝日新聞もこれを取材しています。記事内にビデオもあり、その熱気がよく伝わってきます。

www.asahi.com

 

子猫のチーの話は、拾われた山田家の日常が舞台です。チーの眼を通した人間の生活や発見の数々、小さな冒険など、毎回テーマに工夫が凝らされ、猫を飼っている人なら「ああ、そうそう!あるある」とにっこりしてしまう情景が描かれます。

好奇心の塊のチーが表情豊かで愛くるしい。(↓写真はフランス語版)

https://i.pinimg.com/564x/83/5d/07/835d07976dea94cd4fd0454095f887af.jpg

ヨーロッパで大人気、というのは2011年の夏、オランダ人学生に教えられて知りました。

オランダのライデン大学といえば、優秀な日本学の研究者を多く輩出している伝統ある大学ですが、日本語科では2年生になると、日本理解を深めるため夏休みに日本に滞在させる制度があるのです。2011年は大地震があったからどうかな?と思っていたら、18名の学生たちが予定通りやってきました。

ある女子学生と電車のなかでお喋りしているうちにアニメの話になりました。自分は『テニスの王子様』ファンで、来日してから『テニスの王子様』のステージイベントに2回も行ったし、オランダでコスプレするときはいつも不二周助 (ふじしゅうすけ)をやっている。そうした話を熱っぽく語ったあとで、私に聞いてきたのです。

チーズスイートホーム』知っていますよね。うちは家族でファンです。

いや…知らない。いつもトホホな思いをする私です。「テレビは見ないんで…」

「マンガなんですよ、はじめは。そのあとTVアニメになって。うちも猫を飼ってて、仕草や顔つきがチーに似ているんです」。

ははは、漫画なんてもっと読まないし。そう思いつつも「うちに帰ったら見てみるわね。チーズね」

「違います。チーが名前です」

そうか、Chi's…。すぐに調べてみました。うちの子のほうがずっと可愛いわ、というのがチーを見た時の第一印象。ところがアニメを一回見たらこれが意外にもおもしろくて、なるほど、と人気のわけを納得しました。(アニメ『チーズスイートホーム』2008年~。2016年からは『こねこのチー』3DCGアニメを放映。現在終了)

いやあ、これに目をつけたフランス人はすごいな。どこの出版社だろうと思ったらグレナ社(Glénat)でした!さすがお目が高いグレナさん。バトルものとは違う、広い年代層にヒットする宝を探り当てましたね。

グレナ氏はBD(「ベーデー」と読む。フランスやベルギーのマンガ。全頁カラーで芸術性が高い)を出版していたが、自国での売れ行きが落ちてきた1980年代に、日本へ輸出したらどうかと考えた。日本へ売り込みにきたが、BDは売れず、逆に『AKIRA』(大友克洋)を発見して持ち帰った…というエピソードは有名です。

大友はこれがきっかけで、フランスのみならず広くヨーロッパに紹介され、熱狂的ファンを生み出しました。グレナ出版はその後『ドラゴンボール』などで大当たりして、社の経営も立て直すことができました。会社がどんなに大きくなってもグルノーブルの地から動くことなく、文化活動に精力を注いでいます。詳しくは過去記事に。

cenecio.hatenablog.com

  チーは今年のJapanExpoに公式ゲストとして招待され、サイン会まであったようです。肉球を押すだけなんですが。

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 f:id:cenecio:20171025122314p:plain

写真:グレナマンガ部門のTwitter。チーの漫画本の上に子猫が寝ている。

パリ、モンパルナスのFNAC書店にて。

 

朝日新聞によれば

フランスでの評判は特に高く、「名探偵コナン」「ドラゴンボール」などを抑えて2016年まで5年連続で子供向けマンガのセールス1位を記録している

f:id:cenecio:20171101093909p:plain

Quels sont les Kids Glénat les plus vendus ?

今年9月の売り上げをグレナ社のサイトでチェックすると、確かに1位でした。(「GFK調べ」というのは、ドイツのマーケティングリサーチ社)

ひとつの漫画が売れると言うことはそれに付随して、キャラクターグッズも売れるということです。フランスではこんな感じ。

http://img.over-blog-kiwi.com/2/07/86/73/20160702/ob_269eed_chiglenat.png

GLENAT LANCE UNE NOUVELLE SERIE DE PRODUITS DERIVES "CHI", une vie de chat ! - MANGA et ANIME vus par des passionnés

子どもに甘い親はついつい買ってしまうんでしょうね。

また朝日新聞によると、「フランスではチーのヒットの影響で、ほかにも猫を主人公にしたマンガが生まれているという」ことです。こねこのチー現象と呼ぼうかな。

 

🌸おまけ🌸

ネイルアートの世界も熱い。こちらフランス人のトリビュロン(Tribulons)さんの作品とサイト。

http://tribulons.fr/wp-content/uploads/2014/09/nail-art-chi-une-vie-de-chat-manga-cat-manucure-top-coat-ciate-white-on-white-china-glaze-water-decals-bornprettystore-neejolie-liner-2b-cosmetics-stormy-revlon-2.jpghttp://tribulons.fr/wp-content/uploads/2014/09/water-decals-bornprettystore-nee-jolie-goodies-chi-une-vie-de-chat-manga-japan-cat-cute-lovely-nail-art-manicure.jpg

Nail-art, chaton et mangas | TribulonsTribulons

 

 火垂るの墓(ほたるのはか)

みなさんご存じ、野坂昭如の短編小説であり、スタジオジブリのアニメ作品です。

アニメ『火垂るの墓』(1988年)はフランスやベルギーでは評価が高く、原作者の野坂昭如氏の小説作品も数タイトル翻訳されているしNosaka Akiyuki、去年ベルギー・ブリュッセルの本屋では猫についてのエッセイ『吾輩は猫が好き』もフランス語に訳されているのを見てちょっと驚きました。

(黄色矢印↓。"Nosaka aime les chats"  – EDITIONS PHILIPPE PICQUIER 2016)

f:id:cenecio:20171109114602j:plain

 しかも表紙装丁が野坂氏自身が描いたネコの絵で飾られていてすてきですね。

野坂氏が亡くなった時は新聞に訃報が載りました。やはりアニメ『火垂るの墓』の作者として。その成功がものを言っています。

ヨーロッパの人たちにとっては「戦争と死」のテーマの扱い方が新鮮に映ったのでしょう。救いのない悲劇的な結末も戦時としてウソがなく、よく練られた脚本と詩的な映像とが相まって魂を揺さぶる、といったレビューを読んだことがあります。また子どもと一緒に見たという映画評もベルギー人が寄せていました。ただしあの少年は「死んでいない」ことにしたそうです。

 

今回初めて、日本での公開時のポスターを見ましたが、キャッチコピーが胸に突き刺さりますね。

https://upload.wikimedia.org/wikipedia/en/a/a5/Grave_of_the_Fireflies_Japanese_poster.jpgGrave of the Fireflies - Wikipedia

 「4歳と14歳で、生きようと思った」

しかし、正直言って、私には辛すぎてアニメの二度目はないと思っています。野坂氏が亡くなった妹恵子(ご自身の妹)について語ることばを読んでからは特に、です。

(中略)ぼくはせめて、小説「火垂るの墓」にでてくる兄ほどに、妹をかわいがってやればよかったと、今になって、その無残な骨と皮の死にざまを、くやむ気持が強く、小説中の清太に、その想いを託したのだ。ぼくはあんなにやさしくはなかった。
— 野坂昭如「私の小説から 火垂るの墓」(朝日新聞 1969年2月27日号に掲載)

もうこれだけでも泣けてくる。サクマ式ドロップスなんてとてもじゃないけど見られない……

なんて思っていたら、『火垂るの墓』のスペシャル・エディション(リマスター版というのかな)が今月15日に発売されるのですって!

http://editioncollector.fr/wp-content/uploads/2017/09/Le-Tombeau-des-Lucioles-%C3%A9dition-collector-limit%C3%A9e-960x532.jpg

「小さなセツコが好きだった、あの有名な飴のデザインボックスに入っています」などと書いてある(写真は箱の表と裏)。

ブルーレイとdvd、高畑監督とのインタビューや野坂氏の自叙伝(?)などが収められているもよう。しめて39,99€。(ドロップスは入っていないようです)

Kazé : précisions sur la réédition du film Le Tombeau des Lucioles

 

驚くこと、書きたいことはまだたくさんあるのですが、また次回にでも。

最後にこちらを。マンガではありませんが。

http://leblogjeunesse.bayard-editions.com/wp-content/uploads/2017/07/les-soeurs-hiroshima1-197x300.jpgLes Soeurs Hiroshima | Blog Bayard Éditions

『広島の姉妹』恥ずかしながらフランスのサイトで知りました。

この世界の片隅に』という作品も、私はベルギーで翻訳されたフランス語版で初めて知りました。以前記事にも書いたんですが、

『この世界の片隅に』 記憶の器として生きる-1- - ベルギーの密かな愉しみ

こうの史代さんの、広島原爆後を描いた作品『夕凪の街 桜の国』(2004年)は、日本で出版されて2年後にはもうフランス語版が出ていました。それも私は日本にいるときには知らなかったんです。

フランスやベルギーではいろいろなジャンルのものを翻訳して出しますが、原爆に対して関心がとても高いと感じています。

『広島の姉妹』は 山本真理子さんの作品で、『広島の母たち』『広島の友』とで3部作。 岩崎書店フォア文庫に入っています。

http://www.iwasakishoten.co.jp/book/b190794.html

被爆したヒロシマの姉妹が街中で目にした地獄さながらの光景…。

原爆の悲惨さを訴える戦争民話。

岩崎書店の紹介による)

去年の朝日新聞に載った 山本真理子さんのインタビューを貼っておきます。

朝日新聞デジタル:「広島の姉妹」 - 広島 - 地域

 

今日はここまで。

 

🐈おまけ 可愛い猫画像を見ていってください。

よんばばさまがよく貼り付けていて、ついにやにやしてしまいます。

ピンタレスト画像)

https://i.pinimg.com/564x/fa/d2/ce/fad2ce6d5673ef8e418e2bf9df6d838e.jpg https://i.pinimg.com/564x/29/02/cd/2902cdc630329a663e079f94c70e56ff.jpg

https://i.pinimg.com/564x/ea/b5/46/eab546cea7d4fd8e72d8a9b911987747.jpg https://i.pinimg.com/564x/77/85/2d/77852da75f2e12f8a4bb0bccb13018b8.jpg

 

そしていつも拝見しているチャンスパパさまのブログ、皆さんもご存じでしょうが、てんちゃんがすっごく可愛いんです。

www.chancepapa.com

 

ブリュッセル猫カフェの猫で、ビールをなめるヤツが一匹いましたよ。ベルギービールがおいしいのはわかります。でもそのビール、わたしのだったんです。

それから池波正太郎さんの猫はウィスキーを飲みました。

 池波さん:「私には猫がいます。書斎で原稿を書いていて、夜遅くちょっとひと休みのとき、ウィスキーを一口。それを猫にも習慣づけましてね。はじめは逃げていたのに、この頃は原稿を書く手を休めるとそばに来て”ニャオー、忘れないでね”というように顔を見るんですよ」

出典:『種を蒔く日々』秋山ちえ子

終わります。

 

🌸ほかにこんな記事も書いています。

cenecio.hatenablog.com

cenecio.hatenablog.com

 

『シティーハンター』フランスで映画化決定・冴羽獠をやるのは誰?

フランス人の興奮ぶりに昔を思い出し…

「悲報!」

「ノン・メルシー!」

「この話、なかったことにしてもらえないだろうか」など様々な反応が寄せられました。今年7月、フランスでフランス人俳優による「シティーハンター」実写化(2019年公開予定)が決まったときのことです。

 

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↑ 映画化の話を切り出すと、いきなりバットマンから平手打ちを食らってしまったり・・・。

ツイッターに溢れた熱き反響に、私は笑いっぱなし。それは今でもまだ続いています。もちろん、祝福や歓喜のツイートもたくさんありましたよ。

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日本アニメ・漫画などサブカルチャー

生き字引的存在 ファレ(Olivier Fallaix)氏のTwitter。7月13日

 

カルト的アニメ 

シティーハンターCITY HUNTER)』みなさん、ご存じでしょうか。週刊少年ジャンプ集英社)で1985年に連載が始まった北条司の漫画で、ハードボイルドも加味されたアクションコメディです。

冴羽獠(さえばりょう)は女好きの凄腕スイーパーで、探偵やボディガードなどを引き受ける。相棒は槇村香(まきむらかおり)、亡くなった親友の妹という設定。

この話をテレビアニメ化(1987年~)したもの(仏タイトルは”Nicky Larson”ニッキー・ラルソン)が90年代のフランスでカルト的人気を誇っていたのです。当時の人気ぶりをうまく伝えられないのがもどかしい…。

日本からは想像もできないことの例として以前、永井豪の『UFOロボ グレンダイザー』(フランス名:GOLDORAK ゴルドラック)というロボットアニメがフランスで視聴率100%だった現象を取り上げました。

フランスで視聴率100%だった日本アニメ・永井豪 追記:仏アヌシー国際アニメーション映画祭で『マジンガーZ』上映&嶋星光壱 - ベルギーの密かな愉しみ

私は『マジンガーZ』なら名前を知っていましたが、 『グレンダイザー』なんて聞いたこともなかったです。

日本(東映)に買い付けに行ったフランス人が、『マジンガーZ』ではなく『グレンダイザー』のほうを選んだ理由は、こちらの方がダイナミックでフランス人に受けるだろうと直感したからだと言われています。そして1978~1979年に放映されてみごと大当たり。その後世界中に拡散しました。

シティーハンター』はドラゴンボールの人気とはまた違って、大人も子供も、男女ともにファンが多かった。え、子どもが見るの?とびっくりするでしょう。

アダルト向けの内容(殺しや裏社会、男女の愛など)のアニメ作品を、子ども番組枠(で放映するためにフランス側は「編集」を施しました。私もフランスで、そのあちこちカットしたバージョンを見ていましたが、たしかにこれなら親子で見ても問題ないかなと思ったことがあります。

ともあれ冴羽獠は子どもたちにとって憧れの的でした。小学生の女子などはおませさんだから、ニッキー・ラルソンのカッコよさに痺れ、おちゃらけたユーモアに大喝采、そして「彼が本当に好きなのは香だけなのよ」などと知った顔して言っていました。またはじめのうちはニッキー・ラルソンがフランス人だと信じていたのも笑えます。たしかにあんなスタイルの男性は日本にはいないけれど。

日本に行ったらまず新宿駅と新宿区区役所通りに行きたいな、と言っていた小さな子どもたちは、その後日本訪問は叶ったかな?

 

註*子ども番組というのは「ドロテ・クラブ」のこと。下の2記事にその盛衰が書かれていますので、お時間ある方はどうぞ。

cenecio.hatenablog.com

cenecio.hatenablog.com

 

手元のドロテ・クラブの雑誌ドロテマガジンを開いて、ちょっと番組表を見てみましょう。

1994年4月19日(火)~25日(月)。TF1局の黄色部分がドロテ・クラブの番組。4月19日火曜日朝9時のところ(9:00~11:30と長いのは学校が休暇中だから)に小さいけれど

CLUB DOROTHEE VACANCES NICKY LARSON(ニッキー・ラルソン)

とありますね。ついでに絵だけ見てみると『不思議の海のナディア』『セーラームーン』『小公女セーラ』などが見えます。20タイトルかそれ以上やっていたと思います。

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冴羽獠がニッキー・ラルソンなら他の登場人物もフランス名なのです。香はローラ(Laura)、海坊主はマンモス(Mammouth)という具合。子どもたちが名前を憶えやすいように、ですね。

主題歌も日本のは使わず、フランス語で新たに作り、人気の歌手に歌わせます。(この儲けは凄いですよ)。そして子どもたちが一緒に歌いやすいように工夫してあります。歌はこちらで聞けます。↓

Nicky Larson : le générique (Club Dorothée) - YouTube

大人になった フランス人はこれを懐メロとして合唱して盛り上がります。

しかしわれわれ日本人にとってやはりシティーハンターといえば、TM NETWORKの”Get Wildですよね。さまざまなバージョンがあるのでここに貼り付けるのはやめますが、youtube などで懐かしんでくださいね。

 

主役の冴羽獠をやるのは…

フィリップ・ラショー(Philippe Lacheau,1980年生まれ。以下フィリップ)という人で監督・脚本もやるということです。それをフィリップは自身のインスタグラムやツイッターなどで発表しました。

下左:フィリップの兄ピエールのTwitter。一緒に仕事をしている。

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上右:自身のtwitter。フィリップは1980年生まれだから、まさしく「ドロテ・クラブ」と共に成長した世代です。コレクションを見れば彼のシティーハンター愛がどれほどかわかろうというものです。

インスタグラムには「子どものころの夢が叶ったよ」と書き、喜びを爆発させていました。

 

フィリップってどんな人? 

https://upload.wikimedia.org/wikipedia/en/2/26/Babysitting_poster.jpgBabysitting (film) - Wikipedia

こんな人です。

2014年の初主演映画『ベビーシッティング』のポスター。

ウィキペディアなどによると、はじめはTVタレントやコメディアンとしてキャリアをスタートさせたそうですが、私はフランスのことは疎くなってタレント関係は知らないのです。

ところが、なんとはてなにいらっしゃったではありませんか。

こちら物語る亀さま id:monogatarukam。フィリップ主演の『世界の果てまでヒャッハー』(2015年)という、フランスで8週連続でベスト10入りを果たした大ヒット映画のレビューを書いていらっしゃいます。↓

blog.monogatarukame.net

物語る亀さま、大変参考になりました。ありがとうございました。

つまりこれは『ベビーシッティング2 』なんですね。

https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/M/MV5BNDQ3YTRiODMtYTE2MS00ZDg1LWIyNDYtNjM0MzM4Y2FhZjA2XkEyXkFqcGdeQXVyNDkzODA5MDY@._V1_SY1000_SX750_AL_.jpg

 

参考までにシネマトゥデイの紹介を貼っておきます。

f:id:cenecio:20171103110400p:plain

映画『世界の果てまでヒャッハー!』 - シネマトゥデイ

 

 フィリップと ダウンタウンガキの使いやあらへんで! 

 フィリップと愉快な仲間たち、とでもいうのでしょうか。お笑いのコントなどを一緒にやるメンバーがこちら。映画でも共演しています。(La Bande à Fifi )

日本テレビのバラエティー番組に「ダウンタウンガキの使いやあらへんで!」(ダウンタウン月亭方正、ココリコが出演)というのがあります。私は見たことがないんですが、このなかの“サイレント図書館”という企画が人気で、フランスにも「輸出」され、

Chut, Chut, Chut(silent library)という企画になりました。


http://external-images.premiere.fr/var/premiere/storage/images/tele/chut-chut-chut-/chut-chut-chut-silent-library-la-galerie-photos/chut-chut-chut/22338574-7-fre-FR/CHUT-CHUT-CHUT_portrait_w858.jpg?itok=ch14pP7f

フィリップたちが罰ゲームを楽しんでいる。

http://external-images.premiere.fr/var/premiere/storage/images/tele/chut-chut-chut-/chut-chut-chut-silent-library-la-galerie-photos/chut-chut-chut2/22338583-7-fre-FR/CHUT-CHUT-CHUT_portrait_w858.jpg?itok=1pxBG-d7

Chut, Chut, Chut (silent library) : la galerie photos | News | Premiere.fr

 

ダウンタウンの「サイレント図書館」ですが、おもしろいエピソードとして、あるときK-1のチャンピオン、アーネスト・ホーストがゲスト出演したら、その回がyoutubeで500万回を再生するほどの大きな反響を呼んだということです。それ以来、世界各国で真似をする番組が出てきたそうで、サイレント・ライブラリー・ムーブメントと名付けられているとのこと。

  

さてフィリップですが、金髪ですよね。

リョウちゃんになるには髪を染めるでしょうか。みなさん、どう思いますか。まあ、お楽しみということにしておきます。

 

ネット上では相変わらず大騒ぎ。

f:id:cenecio:20171026173228p:plain

エンジェル・ハート』で冴羽獠役だった上川隆也のほうがいい、とこのフランス人は言っています。たしかに上川さん、はまっていました。筋金入りのアニメオタクだと自分でも言っていましたしね。

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またおもしろいのは、ファンが自分の持ち物を見せたがることです。おかげで私たちも楽しめます。

われらがはてなにも先日、横チンさまがこのような投稿をしておりました。

冴羽獠の使用する銃です。

www.yokobentaro.com

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/y/yokobentaro/20170821/20170821140539.jpg

 「銃身の刻印部分には、アクリル絵の具のホワイトを流し込ん」だそうです(!)。

詳しくは横チンさまの記事でどうぞ。横チンさま、ありがとうございました。

 

まだまだ書きたいことがいっぱい。でも今日はいったん終わります。

http://idata.over-blog.com/0/44/51/24/manga/PerfectMook-28.jpg

City Hunter : Nicky Larson - Rêve&Réalité par : Elisabeth

シティーハンター』続く…ということで。

 

追記:ドロテクラブの雑誌 リョウちゃん&香が表紙を飾る。 

f:id:cenecio:20171119182839j:plain

いつもそこにある分裂の危機・ 仏TF1番組に YOSHIKIが出演、天気予報も。  

カタルーニャ劇場

と呼んでもいいのではないでしょうか?

スペイン・カタルーニャ自治州の独立をめぐる、ここ1か月あまりの激動のことです。BBCが「フランコ独裁政権以来40年ぶりの政治的危機」と呼んだこの独立問題を、私は毎朝、NHKBSのスペインTVE(国営放送)で追っていました。

 

まずはちょっとAFPの地図をどうぞ。

分離独立あるいは自治権の拡大を要求する地域は、EU内だけでもけっこうあるんですね。これまでも何度も話していますが、ベルギーのフランダース地方もそうです。

https://pbs.twimg.com/media/DMl2s0cX0AElbVv.jpg

 https://twitter.com/AFP/status/921401883499012096

 

北イタリアでも

イタリア在住のさま(正しいお名前はこちら:28-春 ventottoprimavera)が、一週間ほど前に行われたレファレンダム(州民投票)について、タイムリーなリポートを挙げてくださっています。

italia.hatenadiary.com

イタリアの裕福な地域、ミラノがある州(ヴェネト)とベネチアがある州(ロンバルディア)が、自治権の拡大を要求している。なぜならこの州二つでイタリアのGDPの三割を占めるのですが、自分たちの税金が南部の貧しい地域に回されることに、長く不満を抱いてきたというのです。

ミラノベネチアの位置を確認)

f:id:cenecio:20171025111921p:plain

予想通り、賛成票が圧倒的多数を占めたものの、投票結果は法的拘束力を持たないそうだし、両州はスペインのカタルーニャのような分離独立を望んでいるわけではないそうです。

下の写真は両州を率いる極右の「北部同盟」マッテオ・サルビーニ書記長(中央)。今後、予算配分の拡大などを政府と交渉していくわけですね。

https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/8/8e/Congresso_federale_straordinario_-_Torino%2C_15_dicembre_2013_57.JPG/1024px-Congresso_federale_straordinario_-_Torino%2C_15_dicembre_2013_57.JPG

写真:Matteo Salvini - Wikipedia

さんはイタリア人の同僚の話を交えて要点をまとめてくださり、大変興味深かったです。(文を切り刻んで申し訳ありません🙇)

シチリア(かの有名なマフィアのあるところ)へは、噂では公的支出額がロンバルディアの5倍も嵩んでいるとか。

・北部の人間は、今のままじゃ払ってる税金を享受した気がしないから、自治権拡大して自分達の使いたいように使えるお金がほしい。

・でも結局、北部にお金が行ったとしても、結局イタリア国家として「必要とされている支出」を賄える額は変わらない、その収入はどこから補填するのか。中央政府は当然税徴収を増やす…。結局、税がまた高くなって、豊かで真面目に納税する北部は、あれ、高くなった分払ってる税金を享受した気がしないぞ、となる…

・本当の問題は「必要とされている支出」を各州に不透明なものがないか、もっと切り込んでいくのが一番良い。

 独身の若い人などはすごく高い税金を払っているんだろうなあ。気持ちはわかります。自分たちの生活も大変なのになんで税収が南に流れていくの、と思うわけです。

そして政治家もそうした感情を巧みに利用するのです。

 

深い亀裂を残したカタルーニャ独立問題 

 今これを書いているこの時点でも状況は刻々と変化している。カタルーニャ州プッチダモン首相はいつのまにかブリュッセルに飛んでいて、亡命を申請かというのが今朝のトップニュースでした。弁護士はフラマン人で、人権問題や IRA関係を専門とするベカールト(Paul Bekaert )氏らしい。

Advocaat van Puigdemont heeft opmerkelijk cv | nieuws | De Morgen

カタルーニャ自治州住民投票は、日本でも盛んに報道されていたから皆さんもご存知だと思いますが、約9割が独立を支持したことになっています。もちろんスペイン中央政府やEUは認めません。治安部隊と住民の激突もあって事態は深刻化するなか、1000社を超える国内外の企業などがごっそり州から撤退していきました。観光業にも大打撃です。

 

こちら、スペイン語が話せる igelninaさまが流れをまとめてらっしゃいます。

kleinenina.hatenablog.com

 

バルセロナ

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フランコヒトラー1940年10月23日. / picture-alliance/Judaica-Samml/Newscom/Efe この二人を見るといつも吹き出してしまう)

 フランコ独裁(1939-1975)が終わり、そろそろ落ち着いたかなというころ、スペイン一周一か月の貧乏旅行をしたことがあります。フランスからスペイン西側に入り、諸都市や町をぐるりと回ってバルセロナにたどり着くと、「ここは本当にスペイン?」と驚いたことを思い出します。まるでパリに帰ったような錯覚に陥りました。

カタルーニャ州イスラムの影響がスペインの他地域と比べて極めて少ないからで、ローマ的なヨーロッパの一都市という感じがする。人々はあか抜けて明朗で、外国人も多く暮らしているので国際的な華やかさがありました。

スペインはもともと多民族国家です。バスク人ガリシア人と同じようにカタルーニャ人も自分たちは独自の文化や言語を持つと考えており、1930年代にはやっと自治州の地位を得たと思ったら、フランコによって厳しく抑圧された歴史があります。

 

独立派・反独立派 家族内でも意見は対立

https://ep02.epimg.net/ccaa/imagenes/2017/10/29/catalunya/1509272972_833244_1509301669_noticia_fotograma.jpg

DUI: Cientos de miles de personas marchan para respaldar el 155 | Cataluña | EL PAÍS

(こちらは反独立派のデモ)

そうしたアイデンティティの問題に加えて、まあどこも同じなんですが、経済的な問題があります。私は2007-08年はヨーロッパにいて、またいつかスペインに旅行しようと思っていたから、ニュースはよくチェックしていました。そのころスペインはバブルのまっ只中にあり、建設ラッシュや、海浜リゾートが次々と整備されていく様子をTVで見ました。

そしてリーマンショックでガクンと奈落の底に突き落とされる。この経済危機でカタルーニャ州は最も影響を受けた地域です。さらに追いかぶさるように緊縮政策もあって、市民は困窮し、格差が広がり、不満は中央政府に向けられる…。一見豊かそうに見えるカタルーニャ州ですが、現実は違うようです。

また今回の「独立」はボタンの掛け違いのような気もしています。カタルーニャは本当は自治権を拡大させたかっただけなのかもしれない。本当に独立したいと考える人の割合はどれほどだったんでしょうか。

しかし中央政府は理解する気もなく、要求を高圧的に一蹴したから感情的にこじれたのかも…。もっと話し合って折り合えるところを探すこともできただろうに。

「交渉」ー これがいかに大切か、そんなことを考えるのも、ベルギーでは(オランダも)しょっちゅう話し合って妥協できるところを探すからです。選挙が終わって組閣に1年以上かかることがあっても気にしません。多極共存型のデモクラシーというのだそうです。

カタルーニャとスペインはどこへ行くのか - Two for the Road いつもふたりで

から春さんのご意見、引用させていただきます(太字は私)

…既に住民多数賛成の自治憲章が2010年に違憲扱いされた事が、
当時までは2割程度だった独立志向を急激に拡大させた

やっぱりあのときが分かれ道だったんですね。

・我々は、国家に身体的な安全だけでなく、人権、個人的主権、全て守られていて…国家が税収で成り立っているから出来ることである。

・無いものを数えるだけでなく、当たり前にあるものも数える必要がある。

・一地方が独立国家となった時、果たしてそれらを継続して担うことが出来るのか。

全く同感です。

今後どうなっていくんでしょう。カタルーニャは今回失ったものが大きすぎます。

そしてブリュッセルに「逃げた」プッチダモン州首相は、国家反逆と騒擾罪に問われています。

 

LeSoir紙、ひとこま漫画

http://plus.lesoir.be/sites/default/files/dpistyles_v2/ena_16_9_extra_big/2017/10/30/node_121865/9404097/public/2017/10/30/B9713658619Z.1_20171030081204_000+G5QA2HKAA.1-0.jpg?itok=jy0sjEj2

http://plus.lesoir.be/121865/article/2017-10-30/le-kroll-du-jour-francken-et-puigdemont

難民収容施設は満員なのだが、事務次官テオ・フランケンがやってきて言った。

スーダン人を3人放り出せ。プッチダモンさんの部屋にする」

http://plus.lesoir.be/sites/default/files/dpistyles_v2/ena_16_9_extra_big/2017/10/31/node_122008/9442000/public/2017/10/31/B9713669918Z.1_20171031075845_000+G9IA2QJ24.1-0.jpg?itok=96SwAo6A

http://plus.lesoir.be/122008/article/2017-10-31/le-kroll-du-jour-puigdemont-bruxelles

 プッチダモン「あれ?みんなどこにいるの?テオはどこ?」

 スペインに帰らざるをえない プッチダモン氏。厳しいお咎めが待っています。

 

YOSHIKI 初めてのお天気おにいさん

フランスTF1.局 10月25日の番組にゲストとして登場。ついでに天気予報も英語でやっちゃったYOSHIKI。フランスの地名を発音するのが難しかったそうです。なぜフランスかといえば、

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X JAPANドキュメンタリー映画WE ARE X」(下のポスター)のヨーロッパ劇場公開に合わせて、13日間で10カ国11都市を回ったのです。マジですか⁉この過密さはないでしょう、と思っていたら案の定イギリスでダウンしてしまいました。

ドイツ→イタリア→オランダ→ノルウェーフィンランドスウェーデン→イギリス。

医師に安静を命じられ、やむなくアイスランドをキャンセル。24日にパリのプレミアムイベントには出席できましたが。

http://cdn2.natalie.mu/media/1709/0915/extra/news_xlarge_wearex_poster.jpg

 

フランス語がわかる人は番組(8分位)と天気予報をご覧になるといいのですが、YOSHIKIがかなりお疲れのようでちょっとかわいそうでした。司会者とのやりとりもスムーズに行かず、同時通訳にも問題がありそう。

www.tf1.fr

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上の写真、YOSHIKI登場のようす。よく見えませんが柱の辺です。

下の写真、隣に座っている人は作家のDantzig氏で、YOSHIKIより前にゲストとして迎えられ、最新作について話をしたのです。その本は「ジェスチャー」についてのもので、時に言葉より雄弁であると作家さんは例を挙げながら語りました。

司会者がこの話題を引きずり、次に登場したYOSHIKIにもいきなり日本でのジェスチャーについて質問をするのです。YOSHIKIはその意味がよくわからなくて聞き返します。最初からちぐはぐでした。天気予報もプロンプターを読むのだと思いますが、ちょっと緊張していましたね。

番組ではX JAPANの歴史をざっと振り返ります。私はファンではありませんが、映像を通してあの時代、1990年代の一時期を振り返り、個人的に感慨深いものがありました。

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 さて今日はここまでです。

 

🌸おまけ ヨシキティ

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