ベルギーの密かな愉しみ

しばらくの間 お休みします。

新年のご挨拶 &寒中水泳 &人間の鎖620km

遅ればせながら私も みなさんにならって

新年あけましておめでとうございます。

本年もよろしくお願いします。

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↑ 近所の「亀の子たわし」さんが巨大な新年たわしを飾っていた。

 

ご挨拶のついでにちょっとなにか書いておきます。

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ねんねこや

無期限休養に入った谷中(やなか)「ねんねこやhttp://nennekoya.com/さん。

私が写真を撮るまでの数分のあいだに、二組の外国人観光客が足を止め、ニッコリしながら通り過ぎていった。

正月の3日間、谷中や上野、浅草や秋葉原など観光スポットは大変な人込みで、アメ横は外国語しか聞こえてこないほどだった。

東京は快晴が続き、最高の自転車日和だ。空気がきれいで抜けるような青い空と冬の柔らかな陽光が嬉しい。さらに正月は車も少ないので毎日都内を駆けめぐっている。

長く滞日したヨーロッパの人が、「何が恋しいって東京の冬の青空さ」と言うのもよくわかる。あちらの冬はどんよりしてたいてい天気が悪くて鬱屈した気分になり、自殺も増えるという。

 

寒中水泳ってどう⁈

この季節になると毎年話題になるのが寒中水泳。私は寒がりなんでまったく信じられない。日本でも好きな人はいると思うが、海外の愛好者は大変多く、冷たい水は血行を促進して体によいという健康上の理由でみなさん海や川に飛び込んでいく。

新年恒例のオランダの寒中水泳行事。参加者は 約1万人くらいとか。

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1 januari 2019 dinsdag Unox Nieuwjaarsduik Scheveningen 12.00 uur

以前、ドイツ人と結婚した人が「義母が冬、ベランダで寝るのよ」といって写真を見せてくれたことがある。目と鼻だけ出して他はダウンや毛皮に包まれ、ベランダにマットレスを敷いて横になり笑っていた。外気は健康にいいからと、雨や雪の日でなければ冬はときどきそうやって外で寝るのだという。

友「写真でも見せないと日本では誰も信じてもらえないと思って…」

私は信じるよと言った。以前雑誌か何かで読んだことがあるのだ。健康オタクだった金正日も長寿を願い、その方法を試していたと。

みなさんのお近くにもそういう人いるのかしら。

 

反セクシズム あっぱれなインド女性たちの「人間の鎖」620キロ。

www.youtube.com

一昨日のルモンド紙、インド女性の記事には驚いた。インド南部のケララ州で「女性の壁」と名付けられたデモがあったという。報道によると、人間の鎖の長さは620km、参加者は500万人ということだ。

620キロの長さにも仰天だが、このデモが今世界中で起こっている反セクシズムの流れをくんでいるのもおもしろいと思う。インドでは女性の月経は穢れと見なす。月経年齢(10~50歳)の女性は伝統的にヒンズー教の聖地サバリマラ寺院に入ることを禁じられていた。

ところが昨年、最高裁が女性の参拝を認める判決をしたものだから、それに異議を唱える保守派ヒンズー教徒(活動家)と、女性たちとの対立が起きていた。女性たちは何度も参拝に訪れようとしたが、そのたびに活動家によって妨害された。そんなことから元旦にこの大規模デモという流れになった。

ケララ州政府は共産党が強く、最高裁の判決を尊重して女性の権利を守ろうとしている。2日には、参拝を試みた女性二人に警官の警護をつけた。しかしそうしたことが保守派の反発を煽っているようだ。今後も多難そうだが成り行きを見守りたい。

何もかもスケールが大きく、エネルギーが半端でないインド。これからはますますインドの時代だと私は思っている。

 

話題はここまで。

Twitterで拾ってきたおもしろいもの、可愛いものを見て和みましょう。

 

①蝶が好きなみなさんに贈る。

ワニの涙を飲みにくる蝶。塩分やミネラルを補給するらしい。

②妖怪おでん。

 ③可愛い!

 

 追記:

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東京新聞1月6日

「生きがい」がブーム 全自動忖度機&ソンタック咳止め 

国際語になった日本語シリーズ 4回目。

「生きがい」ikigai

日本語の単語なのに海外では思いがけない使われ方をしたり、独自の発展を遂げたりする言葉がある。今日はその中でもブームとなっている「生きがい」を取り上げてみたい。

https://www.journaldujapon.com/wp-content/uploads/2018/06/2018_NL_LeLivreDeLIkigai_PLAT1_RVB-1-195x300.jpg

「クリスマスに生きがいについての本を贈りましょう!」

あなたが外国の街を歩いていて、本屋のウィンドーでそんなキャッチコピーを見つけたら思わず立ち止まるだろう。私もそうだった。

おや、日本語?なんだって?

『生きがいについての本 幸福のジャパニーズメソッド』。

生きがいって自分が生きる意味とか喜びみたいなもの?それとも違うの?

https://www.journaldujapon.com/wp-content/uploads/2018/06/monprogrammeikigai-204x300.jpg

『生きがいプログラム』ー あなたの生きがいを見つけるための12週レッスン!

ダイエット12週間ならわかるけど、生きがいを見つけるガイドブック?

どうも私たち日本人が使う「生きがい」という意味以上の世界が展開しているようなのだ。それは生きがい哲学、生きがい学とも呼べる領域にまで深化していた。

そこでまず登場するのがこのベン図。生きがい関連の本には必ず巻頭についている図だ。過去ブログ『輸入した(い)ニッポン語~』でも紹介した。

 

http://www.forastateofhappiness.com/wp-content/uploads/2018/03/Ikigai.jpg

生きがいとは「好きなこと」「得意なこと」「人から求められていること」「お金になること」の4つが交わったところにあるという。

生きがいと幸福、どこが違うだろう。似ていて、重なる部分も多いと思うが、一番の違いは、生きがいは未来に向いているところ。今持っていなくてもいい。求めていけばいい。こうありたいという理想の生き方、自分が生きる意味を探し求めていくことが大切なのだと思う。

もちろん、自分の生きがいはこれだ、と即答できる人はよい。私はこの図を見ながらじっくり考えてみようと思う。生きがいや幸福観などは年齢によっても変わってくるだろう。

 

生きがい哲学のブーム

最初に「生きがい」という言葉に注目したのは、アメリカの研究者・作家であるダン・ベットナー氏だ。沖縄の人が健康で長寿な秘訣に「生きがい」があることに注目。これにより”ikigai”という言葉が2000年代以降広まった。

http://hotbuzzmag.com/wp-content/uploads/2016/03/Ikigai-repor.png

写真はブームの火付け役:スペイン人エクトル・ガルシア氏(2004年より東京在住。自称オタク、日本通)、フランセスク・ミラージェス氏(心理学およびスピリチュアルを専門とするジャーナリスト)Hot BuZz (mag) Presentación del libro “Ikigai: Los Secretos de Japón para una Vida Larga y Feliz”

二人は沖縄の「長寿の里」と呼ばれる大宜見村でフィールドワークをおこなった。村のご長寿100人に幸せの秘訣を聞き取り調査した。また村の暮らし、村人の交流の様子、働き方、食事なども分析し、本にまとめた。生きがいのある生活が健康な暮らしと長寿に結びついている。スペイン語で発行されると反響を呼び、フランス語やドイツ語、オランダ語などに次々と翻訳された。

Ikigai: The Japanese secret to a long and happy life

Ikigai: The Japanese secret to a long and happy life

 

 上は英語版、やや遅れて2017年発行。英語版により一気にブーム化し、関連本も出されるようになった。生きがいの本を読み、感銘を受けて沖縄県大宜見村へ観光に訪れる欧米人も少なからずいるという。

沖縄はブルーゾーン( blue zone)である。

ブルーゾーンというのは長寿者の多い地域で、当初研究者が地図に青いマーカーで塗ったことからそう呼ばれている。ウィキペディアによれば

・イタリア・サルディーニャ
・日本・沖縄
アメリカ合衆国カリフォルニア州・ロマリンダ
コスタリカ・ニコヤ半島
ギリシャイカリア島

の5カ所が挙がっている。2004年からダン・ベットナーが、ナショナルジオグラフィックと組んで調査を行い、成果をまとめた。その『ナショナルジオグラフィック』2005年11月号からちょっと沖縄の写真をお借りしてきた。

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https://www.bluezones.com/wp-content/uploads/2015/01/Nat_Geo_LongevityF.pdf

↑こちらで読めます。

↓また日経ビジネスオンラインの記事が良いので貼っておきます。

長生きの秘訣は 健康な食と孤独でないことだそう。

長寿地域「ブルーゾーン」に学ぶ健康の秘訣:日経ビジネスオンライン

生きがいについてはここまで。

 

昨日の「忖度」に関して楽しいコメントをいただいたので紹介する。(お名前は出しません)

その前に、昨日の記事でフランスのル・モンド紙に「忖度」”sontaku”という言葉が初めてお目見えしたと書いた。実はあの記者さん、最初は”sontoku”と打ち間違えたのだ。だから記事を読んだ日本人は「ああ、残念!」と心の中で呟いた。私は印刷したのでそのまま残っている。でもあとで誰かが教えたのだろう、ちゃんと”sontaku”に直っていた。

だけど”sontoku”損得でもおかしくないな。「官僚は損得で動く」。正しいじゃないか。…とあとで思った。

 

全自動忖度機

昨日の朝日新聞でも触れていた。

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爆笑デーブ・スペクター@dave_spectorツイート。

 去年の3月だが、今読んでも吹き出す。それどころか下に連なるツイも全部おかしい!

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みなさん、お腹は大丈夫ですか。私はよじれました。

ではお後がよろしいようで、今日は終わります。

 

みなさま、どうぞよいお年をお迎えください。

また来年お会いしましょう。

 

国際語になった日本語シリーズ:「忖度」と「ひきこもり」

年の瀬ですね。大掃除や買い物、お節づくりなど進んでますか?

はてなの皆さんの多くが、あちらこちらでご挨拶を交わしていますが、私はまだのんびりと今から何か書こうとしている(笑)。←あなた、掃除はすんだの?いえ、まだ半分。あしたやるからいいです。

今日は国際語になった日本語のシリーズを更新しようかなと思っています。

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2年前『外国で出会うニッポン』(*1下に過去記事)『 輸入した(い)ニッポン語』(*2)の中で今や国際語になって広く使われている日本語の単語をいくつか紹介した。積読」TSUNDOKU、「旨味」UMAMIなどは意外だったし、「過労死」は聞くのも辛いのにゲームまでできていて卒倒しそうだった。「カミカゼ」をテロリストの自爆以外に、数独の難しさの度合い(上級)に使っているのを見た時は唸った。孤独死は前回紹介済み。今日は「忖度」と「ひきこもり」を見てみよう。

 

忖度

去年2017年の流行語大賞である。ちょっと前は読み方も知らなかったのに、去年中には国民全員が「忖」という当用漢字にない漢字さえも間違えずに書けるまで進歩した。いや冗談を言っている場合か。美徳の言葉だったのに。美しい日本語だったのに。それなのに…(泣)。

今一度思い出そう。忖度は、相手がどう思っているか、どうしてもらいたいのかをおもんばかること。基本はおもいやりや優しさである。相手は年上の人、立場が上の人だ。日本語は省略や曖昧な表現が多いが、忖度は言語化されない状況を巧みに読み取って、相手の求めることを理解するという大変デリケートで聡明でないとできない技である。そう、本来は。「斟酌」(しんしゃく)という言葉もある。こっちは幸いまだ汚されていない。

本来の語義が失われた「忖度」、権力者におもねるといった意味合いの混じる「忖度」は、2018年に入ると海外紙にお目見えした。最初に見たのは英語紙で、そのあと仏ルモンド紙Au Japon, le premier ministre fragiliséに、3月の森友問題初期に登場。 « sontaku »のあと、説明的に言い換えを付けていた。とはいえこの言葉が国際語になることはないだろうし、ならなくてよい。そういえばドイツ語には忖度に相当する言葉がある、と朝日新聞で読んだのを思い出した。ちょうど1年くらい前で、同時期にTwitterでも日本語以外ではどう表現するかという議論で盛り上がっていた。

朝日新聞にはドイツの政治学者の談話が載っていた。

忖度に似た言葉に”Vorauseilender Gehorsam”(直訳:先回りした服従)というものがある。これはナチスの時代の思考形式、そしてなぜユダヤ人虐殺のようなことが起きてしまったのかを説明するときに用いられる。

皆まじめな良き市民だった。家では良き夫で息子で隣人であった。よく働くばかりか、すすんで先回りして従順であり、異議を唱えることはなかった。そうした態度が悲劇を生む土壌を作った。ヒトラーの部下なら、総統の命令を待たなくても意をくんで行動する。先んじることはライバルに勝つためにも重要だ。

「先回りした服従」はウィキペディアもある。→ Vorauseilender Gehorsam – Wikipedia

 

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ひきこもり

数年前からフランス語、英語の報道で文字では見ていたが、人が話しているのを聞いたのは2016年の仏ニースのテロ事件のときだ。犯人の近所に住む青年がインタビューに答えてこう言ったのだ。「あいつはひきこもりだったよ」。フランス人なので”h”は無音化し、(h)ikikomori,イキコモリと発音していた。部屋に閉じこもって出てこない、というのではなく「人を避け、殻にこもる」くらいの意味で使っていた。このとき初めて「ひきこもり」が普通名詞化しているのがわかった。

フランスでもアメリカでもこの現象が思春期の子どもたちに見られるとし、ますます注目を集めるようになった。ネット上にはいろいろなサイトもあるし、フランス語では下のような本↓(2冊とも”HIKIKOMORI”の文字が見える)も出版されている。

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先月11月にもフランス2(NHKBS)でひきこもりの問題を扱っていた。

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Témoignage : sortir me rend malade

(↑こちらで見られます)

15歳のときにひきこもりになり、母親と二人でひっそりと暮らす男性。サングラスとキャップ着用でインタビューに応じてくれた。母は最初のうち息子を怠け者だと思っていたが、本当は苦しんでいたのだと気づく。男性は今では隣人と二人きりなら話せるし、自分の体験を本にしてもらっている。

この男性は自分の気持ちをよく表現できるのでいいなと思った。ただ「ひきこもり」はフランスではまだタブーだという。

ビデオの終わりのほうに、日本人でひきこもり生活を体験した岩井 秀人氏が登場。(いわい ひでと、1974年6月25日 - 。劇作家、演出家、俳優)。自身の体験を語ってくれる。私はこの方を知らなかった。

16歳から20歳までひきこもり状態だったが、そのかん映画をたくさん見たり、ゲームをしたことで目覚めがあり、そのことが後の人生を構築するきっかけとなったと語る。

また、現在の日本では「そういう時期もあるよね」と以前ほどタブー視はされていないと話す。

言葉を二つ紹介しました。今日はここまで。

次回はいい意味の日本語を紹介しますね。では~!

 

🌸国際語になった日本語シリーズ 過去記事

*1

cenecio.hatenablog.com

*2

cenecio.hatenablog.com

 

国際語になった日本語シリーズ 続き

cenecio.hatenablog.com

イギリス孤独担当大臣・フランスの取り組み&路上死510人の名前を掲載仏紙 貧困と孤独-3-

「 貧困と孤独」のテーマ、今日は3回目。前回は→ 胸を打つ海外のホームレス支援 &排除アート 貧困と孤独-2- -  

Kodokushi(孤独死

 すっかり普通名詞化し、国際語になった「孤独死」ということば。実際の孤独死は、うちの近所でも人に看取られることもなく亡くなった方が何人もいらっしゃる。正確にいうとここ7年で5人である。だから他人事だと思ったことは一度もない。

イギリスが日本の孤独死孤立死)について高い関心を寄せていたのは、BBCなどのニュースを通して知っていた。日本には、電気・ガスなどが止められ、食べ物もお金もなくなり、アパートでひっそりと息を引き取る人がいる。そればかりか何日も何週間も人に気づかれずに。あんなお金持ちの国で!等々と驚きをもって報道されていた。

よく覚えている。5~6年前は"lonely deaths"とまだ英語で表現されていた。しかし2年位前から日本語の”Kodokushi”が使われだし、英語で使われるとアッと言う間に国際語の地位を占めることになる。既に定着した「過労死」「過労自殺」「ひきこもり」などのように。

 

孤独担当の大臣が誕生 世界初

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Tracey Crouch(写真:右がトレイシー・クラウチさん。孤独担当相に任命される。インタビューMeet Tracey Crouch, Britain's Minister for Loneliness | Timeのなかで孤独死という言葉を使っている:” In Japan, lonely deaths among the elderly have a name, Kodokushi.”)

当時、一年前だが、孤独担当相ができたとき、アンさんや関心の高いブロガーさんとこの話をしたことが思い出される。世界でも大注目だったと思う。

テリーザ・メイ首相のことばで 'the Sad Reality of Modern Life'「現代の生活における悲しい現実」すなわち" loneliness"「孤独」に真剣に対処すべきときが来たという。

AFPの報道によるとイギリス赤十字社の調査で

英国の人口6560万人のうち900万人以上が常に、もしくはしばしば、孤独を感じているという。孤独と疎外は「隠れた流行病」であり、引退から別離、死別など人生のさまざまな節目ですべての年齢層に影響を与えていると指摘している。http://www.afpbb.com/articles/-/3158930

孤独というと、精神面に目を向けられがちだが、多くの調査報告で明らかなように健康へのリスク、死亡リスクは高い。「タバコを1日15本吸うことに匹敵」「アルコール依存症であることに匹敵」…などの喩えがよく知られていると思うが、心臓病や高血圧、免疫機能障害や神経系障害といった病気との関連も注目されている。

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孤独礼讃派のわたし

孤独が「一人でいる時間」だとしたら私はそれは貴重なものだと思っている。せわしない現代の生活、人と仕事と義務との摩擦から逃れ、自由になる時間を持つことは絶対に必要だ。それが簡単には持てないだけに。

一人でいるときにしか起こりえない気づきや成熟というものがある。物事を多面的にじっくり考えてみたり、棚上げしていた問題に向き合ったり、自分自身を見つめなおしたりもできる。孤独な時間はすばらしい。贅沢なひとときとさえ言える。それは英語でいう"solitude"であって" loneliness"ではない。

子どもにだってsolitudeは必要だと思う。塾や習い事、学校や親が作った計画表に支配されない、豊かな孤独な時間は、子どもの内面生活を大きく育てる。

でも悲しいかな、現代の子どもたちは忙し過ぎるし、スマホや手軽な娯楽に惹きつけられ、自分の時間が持てないように見える。

 

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Kodokushi: Lonely Death Paperback – 25 Oct 2017

(写真: amazonより。 昨年出版された本)

 

孤独対策

孤独の定義https://www.campaigntoendloneliness.org/about-loneliness/はまず、あなたがどう感じているか、ここが問題になる。人と一緒に暮らしていても折り合いが悪く不満に感じていれば孤独だろう。離婚や別離、闘病や失職などでそれまでにあった人間関係から切り離されると、不安で孤独に感じる。そして誰にでもおこることであり、高齢者であれ若者であれ、あらゆる年代の人間に孤独は忍び寄る。孤独は心身に大きなストレスを与え、慢性化すると病気につながりかねない。

これを常態化させないためにイギリスは対策に本腰を入れている。孤独テーマの会議(*)に世界中の識者を集め議論を交わしたり、積極的なキャンペーン(**)、様々な魅力あるプログラムを打ち出してきた。プログラムの基本は人とつながること、体を動かしたり物を作ったり、仲間と協働したりすること。学び、趣味、スポーツ、ボランティアなどだ。そうやって楽しい時間を持ち、人と共有することで次第に改善されるという。

当たり前のこと?健康だったらね。内にこもっていると目が外に向かない。自分から踏み出せない人にはちょっとした助けが必要なのである。

(*)The 4th Annual Campaign to End Loneliness Conference - Evenium.net

(**)  https://www.campaigntoendloneliness.org/

イギリス凄いなと思っていたら、朝日新聞にはこんな記事が載っていた。

「孤独」が増えた背景には、公的サービスの大胆な削減があるのだという。保守党政権が予算を減らしたせいで

・貧困地域の就学前児童と家族支援のセンター500カ所以上が閉鎖

家庭内暴力被害者の避難施設の五分の一が閉鎖

こうした施設は孤独の軽減に寄与していたはずで、ガーディアン紙は孤独担当相の設置は「偽善」だと見ている。

いろいろな見方があるものだが、日本ではホームレス問題と同様、自己責任と言われるのではないだろうか。また若いと福祉の網からこぼれてしまう場合もある。それは下の記事を読んで愕然としたことである。

30代でも起こる「孤独死」壮絶すぎるその現場 | 最新の週刊東洋経済 | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準

抜粋して引用。

日本少額短期保険協会が発表した「第3回孤独死現状レポート」によると、2015年4月~18年2月までの孤独死者のうち、50代以下が約4割を占める。

孤独死の7割以上を占めるのが、こういったセルフネグレクト(自己放任)だ。生活や健康状態が悪化しているにもかかわらず、改善する意欲や周囲を頼る気力がなくなってしまう状態のことを指す。部屋をゴミ屋敷にしたり、必要な食事を取らなかったり、体調不良でも医療を拒んだりして、自身の健康状態を悪化させる。

「緩やかな自殺」との別称もあり、近年は大きな社会問題となっている。セルフネグレクトは誰にでも起こりうる。ビジネスパーソンも仕事に追われ、忙しさのあまりに、気づけば家がゴミ屋敷化したり、食生活がなおざりになっていたりするケースが多い。

猛暑で死亡の背景に孤独

フランスではずっと早くから孤独、高齢者の孤立の問題に取り組んできた。簡潔にまとまった記事があるので貼っておこう。

日本も見習うべきフランスの高齢者の孤立対策「モナリザ」とは? 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

私たちは、猛暑の夏亡くなる人は暑さのせいだと考える。しかしフランス人はこれを孤独・孤立が原因だと捉える。そのきっかけは2003年の欧州を襲った猛暑で、フランスでは1万5千人が亡くなった。恐ろしい数字だ。その8割が75歳以上だったという。急いで高齢者の孤立を支援する必要がある、ということで全国組織「高齢者の社会的孤立と闘う国民連帯」(頭文字を取ってMONALIZA)ができ、指針をまとめた「モナリザ憲章」を定め、現在700以上の組織が活動しているという。

黄色ベスト運動でもそうだが、フランスでは市民が運動を起こしたり、率先して組織を立ち上げたりが実に早い。政府に提言もし、政策にも影響を与える。

 

路上死510人の名前を掲載

前回書きそびれたことを一点加えておこう。今年4月にtwitterのタイムラインで回ってきたツイート。

フランスのラ・クロワ紙が、2017年に路上で亡くなった人510人全員の名前を、4ページにわたり新聞に掲載したというもの。

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https://twitter.com/CyrilPetit/status/981427450587635713/photo/1

みな名前も人生もあった隣人なのだ。その生きた証をせめて紙面にとどめようとしている。亡くなった人の平均年齢は50歳。男性467人女性43人だった。

みなさんの地域はどうだろうか。東京には労働者の街山谷(さんや*追記)という地域がある。日雇い労働者向けの簡易宿泊所が立ち並ぶところで、ちょっと前に行ってみたら外国人用のゲストハウスに変わっている建物もあり、バックパッカーで賑わっていた。

ここで毎夏お盆のころ、路上で亡くなったホームレスや仲間たちを追悼する式が開かれている。祭壇を作り、遺影を並べて、僧侶がお経をよむ。炊き出しをしている団体が約30年間に亡くなった人の名簿を貼る。楽器の演奏や屋台も出て普通の夏祭りと少しも変わらないそうだ。

今日は終わります。

 

🌸明日はクリスマスイブ。

オバマサンタさんが話題です。子どもの病院を訪ねたそうです。

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https://www.demorgen.be/fotografie/obama-speelt-kerstman-voor-zieke-kinderen-f4024d11/

 

*追記:マンゴーさんが山谷についての記事を書いていますので貼りますね。

hannarimango.hatenablog.com

 

🌸東京新聞朝刊12月23日

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 追記:2019年2月23日

最近ホームレスを見かけることが少ない理由ー見えにくい住居不安定者の実態ー(藤田孝典) - 個人 - Yahoo!ニュース

 引用

彼らはどこに行ってしまったのだろうか。

厚生労働省(2018)によれば、確認されたホームレス数は、4,977人(男性4,607人、女性177人、不明193人)であり、前年度と比べて557人(▲10.1%)減少している。

この数については計測の仕方など不十分ではないか、と疑問が上がっているものの、年々減少傾向にある。

路上で見かける人々は公式な統計でも実感としても減っているらしい。

・・・

ホームレスの自立の支援等に関する特別措置法によれば、ホームレスとは「都市公園、河川、道路、駅舎その他の施設を故なく起居の場所とし、日常生活を営んでいる者」を指している。・・・

要するに、屋内にいる者はホームレスではないと法的に位置付けられている。・・・

昨年発表された東京都(2018)調査によれば、東京都内だけで約4000人のネットカフェ難民がいることが報告されている。東京都内だけでこの数字である。・・・

 

 追記:4月

toyokeizai.net

f:id:cenecio:20190224133829j:plain 2019年東京①

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2019年1月 東京② 隅田川沿い

 追記;青木さん 2010年の記事

胸を打つ海外のホームレス支援 &排除アート 貧困と孤独-2-追記

前の記事イグルーをホームレスに!そしてホームレスは靴と足のケアが大事。貧困と孤独-1- -の続き。カテゴリー「貧困と孤独」を新しく作りました。

寒くなると毎年気になるのは、近所のノラ猫たちと顔見知りのホームレスの人々のこと。でもそう思うのは私だけじゃないんだな。前回頂いたコメントからもわかりました。

この季節になるとホームレスの事は特に気になりますよね。他人事ではないです。

夜は延々と歩き続け、昼間に眠るホームレスの人も居ると何かで読んだ気がします。寒さのためでもあり、夜に寝ていると暴行される危険回避のためでもあり…。

この時期になると Podiatryを学んでる学生たちが靴や靴下の寄付を集めてホームレス支援のチャリティなどに持っていきます。

ヨーロッパでの路上生活者に対する支援の輪は凄いと思います。こんな事を知ると日本人って本当に優しいのだろうか?と自問自答します 

 (抜粋ですみません。お名前は出しませんでしたが、ありがとうございました)

冬になると声掛けをしたり温かい飲み物を届けたりするブログ主さんも何人もいらっしゃる。他の人と情報と経験を分かち合えるのはいい。というのも、路上生活者でシェルター行きを望まない人はかなりいるからだ。人の世話にはなりたくない、過去を知られたくない。それぞれの事情を汲むべきだが、雪や霙の夜は、あの人は温かくしているだろうかととても気になる。

上のコメントにある「暴行」に至ってはもうかれこれ20年前くらいからだろうか、多発した時期もあった。道頓堀に投げ込まれて亡くなった男性もいた、「世の中の役に立っていないから死んでも仕方がない」と供述した少年たちの野宿者殺人未遂など、非情な事件が社会を震撼させた。しかし現在でも襲撃は絶えないそうだ。実態調査によれば特に夏に多く発生し、加害者は若者と10代の子どもたちで、殴ったり蹴ったり花火を押し付けたり…と深刻だという。

別の意味でショックだったのは、今年初めTVニュースで見たのだが、大阪の街の夜回りにイギリス人青年が参加していたことだ。欧米の人たちはフットワークが軽いから「あ、自分も手伝います」という感じなのだと思う。まあそれにしても、私などが外国に住んでいるとき「時間あるからイベント手伝いますよ」というのとはちょっとわけが違う。

今でも最も強く心に残るのは、釜ヶ崎(あいりん地区)のこども夜まわりという活動のことだ。2年前に見たドキュメンタリ映画『さとにきたらええねん』釜ヶ崎 こどもの里 - ベルギーの密かな愉しみのなかで、「さと」の子どもたち(中学生)が、ホームレスの人々に声をかけ、温かい飲み物やおにぎり、時には無料の医療券を配っていた。あの光景が忘れられない。

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Grand froid : quand les citoyens se mobilisent

海外の試みもおもしろい。そしてとても温かい。行政に頼らず、個人や小さなグループ単位の活発な支援活動がある。少し紹介してみたい。

上の写真はイグルー(前回記事見てください。発泡スチロールの個人用シェルターのこと)に食べ物などを届ける活動。 家で温かい食事を作って持っていく。

下の写真は「誰の物でもありません。必要な人、どうぞお使いください」という札をつけ、温かい衣類などを街頭に置く活動。すてきなアイディアだけど、雨にうたれたらもったいないなと私は思ってしまう。(*追記

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Contre le froid et la neige, les Cergyssois accrochent des vêtements chauds dans la rue pour ceux dans le besoin

他にリヨン(フランス)では「一晩お泊めします」という活動も。自宅に空き部屋のある市民があらかじめ登録しておく仕組みらしい。これは日本では考えられないなと思う。またちょっと話が逸れるが、これの別バージョンで、移民してきたばかりの人、特に若者、身寄りのない未成年を家庭に受け入れる活動もある。言語習得がスピードアップし、社会に溶け込むための細かいお手伝いができるという。

 こちらはホームレス専用の自動販売機(イギリス・ノッティンガム

http://afpbb.ismcdn.jp/mwimgs/0/2/810x540/img_0249e7de7ccdf12c43091e26ec62347d174218.jpg

ホームレス専用自販機、英慈善団体が設置 無料で必需品提供 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News

日常生活で必要とするものが入っていて、ホームレスの人には取り出すための専用のキーが与えられている。たとえば水や栄養補助食品、靴下、生理用品、歯磨きセットなど。新鮮な果物やチョコレートやサンドイッチなどは、食料廃棄の削減を目指すスーパーやフードバンクなどが提供しているということだ。

一日の利用は三回まで。上限を設けたのは、自販機への依存を防ぐため。自販機はあくまでもホームレス支援策を補完するものだからである。

 

共感、体験、そして改善策を考える。

フランスは他の面でも先進国だと思う点がいくつかある。まず寒空の下で路上生活を体験してみる議員さんたちの試み。本当に一晩過ごしてみるのだ。きついだろうなあ。

(日本でも議員のみなさん、一泊の避難所生活はいかがですか?改善点が山のように出てきますよ)

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Des élus dorment dans la rue: au grand froid les grands coups de com'? - L'Express

またホームレスの数の調査でもパリ市民の本気度がわかる。以前、国土省副大臣が「ホームレスは50人くらい」などとボケたことを言い、マクロン大統領の党「共和国前進」に所属する議員が「彼らは自ら路上生活を選択しているのだ」などと問題発言をしたことがあった。パリに住んでいたらそんな数で収まらないことは私でもわかる。何か政治的意図があるのでは、と批判が集中した。そこからがフランス人は早い。

ハッシュタグ「連帯の夜」(#NuitdelaSolidarité )のもとに集い、ボランティア1700人と職員300人が350のグループに分かれ、夜のパリを3時間歩いて調査したのである。

下はパリ市長アンヌ・イダルゴさんのツイートで、各区のホームレス人口が記載されている。

のちに 緊急収容施設に入っている672人を合わせて、3624人と発表された。

地図にあるパリの広さは、東京でいうと世田谷区くらいの大きさだと言われている。郊外を含めずにこの人数。

東京23区と大阪ではそれぞれ1千数百人という調査がある。行政のほかに市民団体ARCHなど幾つかのグループがボランティアを募って行っている。(東京新聞にも「夜の調査員募集しています」の記事が載る)

夜見えにくい河川敷では昼間に調査、あとは夜間に市街地を回って数えるそうだ。しかし、日本のホームレスの生活スタイルは多様で複雑。ホームレスは働いている人が多い。このことは来日した外国人が一様に驚くことでもある。

都市部では昼間は廃品・空き缶回収などをしたり、ツテで小さな仕事をこなして、夜テントや段ボールの家に戻る人たちがいる。図書館や公共施設で過ごす人もいるし、いわゆる「ネットカフェ難民」も多いため、正確な数の把握は難しいそうだ。路上で定住する人が減ったからといってホームレス人口が減ったわけではないのである。

 

排除アート

都市部に住んでいればお気づきの方も多いと思うが、路上で生活させないために行政はいろいろな手をうってくる。たとえばよく見かけるベンチ。横になれないように一人分ずつの仕切り(ひじ掛け)がついている。あるいはお尻が全部乗らない半分の幅、しかも傾いていたりする。また座ったり寝転んだりができないように、地面にたくさんの鋲が打ち込まれた広場など。

「社会的困窮者の追い出し」を目的とするデザインは多種多様で、東京では至る所に見られる。一般に排除アート排除アート - Wikipediaと呼んでいる。(これに対し「アート」などと付けるのは止めてくれ、という声もあがっている)。英語では「敵対的建築」(Hostile architecture)というらしい。ところで素朴な疑問だが、北海道や沖縄にはこうしたものがあるんだろうか。

下の写真2点はウィキペディアから借りてきた海外の例。

https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/0/0b/Boulons_anti-sdf_sur_un_perron_%28Marseille%2C_France%29.jpg/800px-Boulons_anti-sdf_sur_un_perron_%28Marseille%2C_France%29.jpg

https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/e/e3/Two_Park_Benches.JPG/800px-Two_Park_Benches.JPG

新宿にあるオブジェ。

 

https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/5/5d/%E6%96%B0%E5%AE%BF%E6%8E%92%E9%99%A4%E3%82%A2%E3%83%BC%E3%83%88_2007_%281808421202%29.jpg/800px-%E6%96%B0%E5%AE%BF%E6%8E%92%E9%99%A4%E3%82%A2%E3%83%BC%E3%83%88_2007_%281808421202%29.jpg

東京五輪に向けて、駅や通路、公園、河川敷などに定住できないようにますます厳しくなるのかな。大阪万博もあるし。上野公園や代々木公園にテントを張っている人たちはどこに行くんだろう。以前段ボールハウスの入り口に造花を一輪さしているのを見て、心が和んだことがあった。

さてもう長くなったのでまた次回。まだまだ続きますよ。

 

*追記

12月22日今朝見つけたツイート。

 

https://bloximages.newyork1.vip.townnews.com/standard.net/content/tncms/assets/v3/editorial/5/d3/5d33f480-2824-57ac-89f2-195cba667473/5c1c1b7d443fc.image.jpg?resize=1200%2C800

追記:12月26日 くつしたプレゼントの会

www.kanaloco.jp

 全文引用

クリスマスイブの24日夜、路上生活を余儀なくされている人たちに靴下を贈る活動が横浜市中区の寿地区を拠点に行われた。貧困からホームレス状態に陥り、寒さや飢えなどから亡くなる人も毎年相次ぐ。繁華街が最も輝き彩られる聖夜、野宿者を取り巻く現実を知り社会が抱える問題に向き合おうと、女性美術家が立ち上がった。

 「くつしたプレゼントの会」を企画したのは、横浜でアート活動を続ける竹本真紀さん(42)。寿地区での支援活動に長年参加しており、凍(い)てつく路上で野宿している人から「厚手の靴下が欲しい」との声を受け、2015年にプロジェクトをスタートさせた。

 「支援という形ではなく、親しい友人に贈るようにプレゼントしよう」。会員制交流サイト(SNS)でそう告知したところ、3回目となった今年は30人余りから真っさらの靴下約80足やお菓子、カイロなどが寄せられた。

 竹本さんの呼び掛けで集まった市民ら約10人は24日午後8時20分ごろ、大きな袋を抱えて寿地区を出発。関内駅横浜スタジアムの周辺、みなとみらい(MM)線馬車道駅のコンコースなどを巡った。

参加した女性の一人は、クリスマスケーキやフライドチキンを求めるカップルたちが列を成すイセザキ・モール近くの地下通路に、段ボールの「家」がずらっと並ぶ光景に息をのんだ。

 男女30人ほどが暮らしていた。路上生活者は寒さだけでなく、華やかな街の雑踏や人々からの好奇の視線からも逃れようとしている現実を知った。

 プレゼントには竹本さんが制作した赤ずきん姿のキャラクター「コトブキンちゃん」が登場する漫画や、寿地区で年末年始に行われる炊き出しなどの支援活動「寿越冬闘争」を紹介するチラシも入れた。70人ほどに配り、寝ている人には枕元にそっと置いた。

 横浜スタジアムは、2020年の東京五輪で野球・ソフトボールの競技会場となる。観客席の増設工事が続いており「いつ強制排除されるのか不安」との声も上がっているという。

 竹本さんは「ホームレスの人たちは行き場がなく、年々高齢化が進んでいるのが実情。このプロジェクトを通して身近な路上で暮らす人たちに思いを寄せる人たちが大勢いることが伝わってほしい」と訴えている。

 

追記:2019年4月

toyokeizai.net

追記:2019年9月

 

イグルーをホームレスに!そしてホームレスは靴と足のケアが大事。貧困と孤独-1-

イグルーを贈ろう。

皆さんはイグルーと聞いてすぐわかるんだろうか。私がイグルーという言葉を知ったのはけっこう遅い。大人になってからだ。ああ、あれはそういう名前だったの。氷や雪の塊をドーム形に積み上げた、北極圏に生きる人たちの家の名は。(*1

ところがうちの子どもたちとなると、小さいときから知っていた。ピングーのおかげだ。朝の登校前にTVでやっていたスイスのクレイアニメピングー - Wikipediaで、大人が見てもおもしろくて私も毎朝楽しみにしていた。

下の写真は、ピングーたちが自分たち専用のイグルーを作っているところで、あとで中で遊ぶのだが、

https://vignette.wikia.nocookie.net/pingu/images/7/76/BuildingIgloosPromotionalPhoto.jpg/revision/latest/scale-to-width-down/640?cb=20170915191930

ピングー一家も狭いながらも一軒家イグルーに住んでいる。内装もとっても素敵!

https://i.pinimg.com/originals/c3/a2/51/c3a251c33c26d52c4b3a5e0472eec04f.jpg

さてここからはフランスの話だが、前の冬、寒波のフランスではホームレスの人々にイグルーhttps://www.iglou.fr/を提供しようという活動をしていた。ピングーたちのと違って氷製ではなく、発泡スチロールでできている。軽くて組み立ても簡単。

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https://positivr.fr/abri-isotherme-sdf-invention-iglou/

https://positivr.fr/wp-content/uploads/2018/02/abri-isotherme-sdf-invention-iglou-une-696x364.jpg

あなたが寄付をすると、必要としている人に届けてくれるのだ。そして冬が去ったら回収する。

寝るところがない?それならシェルターなどの施設に行けばいいだろうと思うかもしれない。だがホームレスの人たちにもいろいろな言い分があるのだ。顔を見せないようにしてインタビューに答えた人たちの話を聞いていると、もっともだなと思う。

まずシェルター内では喧嘩や盗難が絶えない。精神的な疾患が疑われる人、夜中に大声を上げたり暴れ出す人、病気なのか咳が止まない人など。ほかにはアルコール中毒麻薬中毒の人たちもおり、不穏な雰囲気である。さらに不法移民も混じり、言葉の通じない外国人も少なからずいるのだとか。

路上生活を始めたばかりの者にとっては非常にハードルの高い場所だという。食事ももらえて暖かいところではあるが、もう二度と行かない、外の方がましだと話していた。

イグルーを発案した人は凄いなあ。プライバシーを守れるし、個人主義のフランス人(ヨーロッパ人)にぴったりだと思う。↓こちらが開発者のジョフロワ・ド・レイナル氏。イグルーの内部は外気温プラス15度まで上がるんだって。バツグンの断熱効果だ。

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もちろん路上生活を抜け出して次の一歩へ進むことが大切なのだが、ともあれまず冬を生きのびてから。

 

誰でもあっという間に路上生活者に。年越し派遣村の衝撃

そのことを理解したのは10年前だ。それ以前はまったく考えてもみなかった。日比谷公園に「年越し派遣村」ができたときのこと。セーフティーネットもなく滑り台のように転げ落ち、路上生活者になってしまう可能性は誰にでもあるということ。また自己責任だなどと切り捨てられていく。そんな世情について多くを学び、また大きなショックも受けた。いったん路上に出たら仕事を探すのは容易でない。何よりも精神的にも体力的にもまいってしまう。あの頃は湯浅さんたちの活動に目が釘付けだった。(*2

あれから日本も少しは進展があった。ビッグイシューの活動、とりわけ空家を住まいにする取り組みや、路上生活脱出ガイド(東京、大阪、ほか各都市)路上脱出・生活SOSガイド | ビッグイシュー基金も必要な情報が細かく分かりやすく示され、すばらしいと思う。実際路上で生活をする人も減っていると聞く。しかし現在は貧困問題が深刻さ、複雑さを増し、失業などとも合わせ、広い視野で見ていかなくてはならない段階にきたと思う。

ホームレスの問題に戻るが、こちらの女性を見ていただきたい。

https://pbs.twimg.com/media/DC2R4h4XUAA_6uJ.jpg

フィンランドの元大統領ハロネンさん。私が以前(*下の記事)、ハリセンボンの近藤春菜さんにそっくりと書いたら、皆さん同意してくださったが(笑)、その元大統領がホームレス!…なんてわけなくて、これは救世軍のキャンペーン(2017年)なのだ。誰でも運が悪ければ、失業や病気などで電気・ガスも止められ、ホームレスになってしまうかもしれない、という広告に一役買ったハロネンさんである。

cenecio.hatenablog.com

フィンランドはホームレスの問題に長く取り組んできた先進国だ。ハウジングファーストハウジングファースト - Wikipediaという試み、つまりまず「安定した住まいを。住まいは権利」という理念のもとに支援してきた。ここでは長くなるので触れないが、日本でも関連本が出版されている。

*追記:フィンランド クリスマスチャリティディナー

yle.fi

 

ホームレスの人にとって、靴と足は最も大切な問題。

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Les pieds, talon d'Achille des sans-abris - L'Express

フランスのメディアから学ぶことは多いのだが、今日はあとひとつだけ支援の取り組みを紹介したい。 それは私が考えてもみなかった視点だ。

歩くことは生きのびること。ホームレスの生活はとにかく歩く。長く歩くので靴がすぐに傷む。そればかりでなく、足に合わない靴を履いていることが多いため足に問題を抱える人が多い。へたすると手術や切断も余儀なくされることも。

ここで立ち上がったのが専門医たちだ。フランス語でPodologue(足専門医)という。ホームレスの人が自分からすすんで「足が痛むんです」とやってくることはほとんどないので、医師は研修生たちを連れてみずから町に出ていく。この仕組みを考え出したのは赤十字だそうである。出張足診断とでもいうかしら。(フランス語:Maraude podologue)。フランスは凄い。とにかく脱帽!

今日はここまで。また次回続けます。

 

終わる前にちょっと素敵な話を。
日本と違って海外では、ホームレスの人が犬を連れているケースをよく見かける。ベルギーでは圧倒的に大型犬だったが、よくしつけられていて吠えることもなかった。

これはブラジルの話。あるときホームレスの男性が入院した。すると飼い主のことを気遣ってか、4匹の犬が病院の入り口に現れた。そのあと座り込み、ずっとおとなしく待っている。

https://static.boredpanda.com/blog/wp-content/uploads/2018/12/homeless-man-hospital-waiting-dogs-chris-mamprim-3-5c1213b551008__700.jpg

Image credits: Cris Mamprim

Homeless Man Goes To The Hospital, Staff Soon Realize That He’s Not Alone | Bored Panda

飼い主の男性が回復に向かうと、 看護師さんらスタッフは犬たちを中に入れてやった。そうして4匹でご主人を迎え、一緒に退院していったという。

チャンスパパ (id:chancepapa)さんはじめ、犬好きなはてなの皆さんにもうひとつ。

こちら、壺をひっくりかえしてなんともいえない表情のワンちゃん。

https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/5/50/Ptolemaic_roundel_from_a_mosaic_floor_decorated_with_a_dog_and_a_gilded_askos%2C_from_Alexandria%2C_Egypt%2C_c._200-150_BC.jpg/800px-Ptolemaic_roundel_from_a_mosaic_floor_decorated_with_a_dog_and_a_gilded_askos%2C_from_Alexandria%2C_Egypt%2C_c._200-150_BC.jpg

これがなんと紀元前200~150年、エジプトのモザイク画だというからビックリ。微塵も古さを感じさせない、生き生きした犬の表情!黄金の壺は葡萄酒を入れるものらしい。中にワインが入っていたのかしらね。あ、ヤバいって思ってる?

(出典はウィキペディアAncient Greek art - Wikipedia)

 

ではまた。

註 *1

 *2

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追記:12月17日

イェリク (id:jerich)さまのコメントで知りました。

イグルー 犬舎」というものがあるそうです。

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そうだったんですね。犬好きな人はみんな知っていたり?イェリクさま、教えてくださり、ありがとうございました。

黄色ベスト運動も終盤?マクロン任期第二幕も目が離せない。黄色ベスト-2-追記:是枝裕和監督

怒りの集積所、黄色ベスト運動は…。

前の記事:マリアンヌの壊れた顔も象徴 &北海道の女子高生がフランスで主役だった話 黄色ベスト-1- -続き。

毎日黄色ばかり見ていてさすがに飽きた(笑)。

ところで皆さんも安全ベスト(反射ベスト)をお持ちだろうか。私は町内会の夜回り当番の時「はい、これ着て!暗い夜道、目立つようにね」と手渡されるので、おとなしく着用している。

思い起こせば、ベルギーにいるときはよく見かけていた。例えば子どもたちの自転車での登下校。

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https://www.hln.be/

この写真はネットからちょっと借りてきただけだが、確かベルギーでは子どもが夜道を自転車で走るとき着用が義務だったな。あとでオランダ人に聞いてみたら「いや、オランダでは別に義務じゃないよ」と言っていた。あんなカッコ悪いもの着たくない、とも。それでも自家用車の中に何枚か携行しているそうだ。それは義務化されている。

ベルギーの子どもたちは早くから慣れているから抵抗がないんだろうか。カッコいいデザインやキャラクターをくっつけたら人気が出るのでは?ヘルメットにはものすごい種類の形やデザインがあるのだから。自転車王国だもの。

さて、黄色ベストさんたちは一応成功を収めたのではないだろうか。

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大統領の演説を聞く人々

大統領はあのデモは正当なデモ、正当な要求だったと認めた。無節操な暴力行為は非難したが、自分の責任も認め、次のようなことを約束している。最低賃金は1カ月あたり100ユーロ(およそ13000円)引き上げるほか、残業代を非課税にする。年末の特別手当などを出す。2000ユーロ以下の年金は非課税にするなど。(←全部じゃなかったかも)

(参考:フランス2 大統領演説のビデオEmmanuel Macron)

フランス2ではいろいろな立場の人にインタビューしていた。最初にこの運動を始めた黄色ベストのひとりが、自分はこれで一旦降りると言った。しかし報道によれば半数以上の人たちがまだデモを続けると言っており、12月15日もデモが呼びかけられている。燃料税引き上げに抗議して始まったデモは、これまでため込んだ不満が一気に爆発し、今や反政府デモ、マクロン政権の改革にNOを突き付ける運動に変わっている。

 ところで「2000ユーロ以下の年金は非課税にする」の話だが、ニュースの中でインタビューに応えていた男性もこれより少し低い額だった。2000ユーロは26万くらいだ。日本でこの額もらえる人はどのくらいいるだろうか。日本ではそこに課税されてうんと減る。いや、そもそも年金もらえるんだろうか。 

マクロン人気からマクロン任期第二幕

第二幕?大丈夫かな。支持率は20%を割ったらしい。私は 10月にコロン内相が辞任したとき、もう危ないんじゃないのと思った。コロンさんはマクロン政権に対し、謙虚さが足りないと批判していた人。大統領に何か言える最後の人だったかも。他にも閣僚は何人も辞めていった。

一番のショックは、国民の人気が高かったエコロジスト、ニコラ・ユロ環境相だ。この夏に「もう嘘をつきたくない」と言って辞めた。なんと大統領にも奥さんにも告げず、ラジオで辞意を表明、というのだからもうびっくりだ。→https://ovninavi.com/demission_hulot_ministreenvironnement_derugy/

フランスのことを心配してもしかたがないが、あと2~3点書いておこう。

日本でもデモや抗議集会には、弁護士さんやお医者さんがボランティアで来てくださる。ありがたいことだ。何かあったらすぐ相談できる。

黄色ベストのデモではこんな風だった。 

画像

pic.twitter.com/WnU06kHiw9

ボランティアの弁護士さんたちが黄色いベストを着て「憲兵隊とトラブルがあったらご相談ください」と言っている。

お医者さんは赤い十字のついた白ヘルメットをかぶっている。あの激しいデモの中ではきつい仕事だろう。 

https://medias.liberation.fr/photo/1178834-whatsapp-image-2018-12-08-at-180338.jpg?modified_at=1544291097&width=960

 Libération 

オランダ紙の撮った写真が気にいっている。

①楽しい黄色ベストファッション。

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 De Volkskrant

②連帯を表すために、窓から黄色いベストを提げるマルセイユの集合住宅。

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https://nos.nl/

 

オランダでは政治家もベスト着用でデモ行進

https://nos.nl/data/image/2018/12/09/518052/xxl.jpg

Nederlandse politici dragen gele hesjes warm hart toe | NOS

フランスと同じ12月8日にデモがあった。日本の新聞には「ベルギー・オランダに飛び火」と、まるで悪いことのように書かれているが、両方ともフランス国民に連帯の気持ちを表す行進だった。ブリュッセルでは一部暴れた人たちがいたようではある。しかし報道の偏りには注意が必要。日本では暴徒の映像ばかり流しているが、あの多くは壊し屋(Casseur)でこれまでも様々なデモに現れては破壊行動に走っていた。また便乗して窃盗・放火に加わるグループも黄色ベストではない。政府系BFMhttps://www.bfmtv.com/のTVカメラに向かって、偏向報道に抗議する黄色ベストたちもいたとメディアが伝えている。

オランダのデモ参加者はおよその数だが、首都アムステルダムで200人。ロッテルダムマーストリヒトでそれぞれ200人、ハーグで100人。写真でわかるように平和的なデモだ。逮捕者は三人でその理由は花火を打ち上げたからと、なんとものどかである。もちろんオランダ人だって社会に不満はある。格差や貧困、移民問題はヨーロッパ、世界中で共通の問題だ。しかしルッテ首相自らこう述べている。「私たちはみんな黄色いベストを着ているのだ」と。

政府、政治と国民の距離が大変近いのがオランダの特徴だ。皆で国の問題を考えようという風土と歴史がある。よく議論し、違う意見や価値観も尊重する。それは小学生のうちから学ぶのだ。また格差があるといっても、フランスや日本に比べたら貧富の差は非常に小さいと思う。政治に大きな不満はないだろう。国連の『世界幸福度ランキング2018』でも第6位。(①フィンランドノルウェーデンマークアイスランド⑤スイス。日本は50位にも入っていません)

むしろ世界中で一緒に考えなければならない環境問題や原発や動物保護などに関心が高いようだ。

 

オランダといえば猫ボート

50 jaar De Poezenboot

運河に浮かぶ、猫カフェならぬ猫専用の船が今年50周年ということで、大きく報道されていた。↓水面に船の窓からの灯りがうつって美しい。

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 だいたい50匹ほどが暮らしている。全部保護した猫だが、二つのグループ、定住猫と里親募集猫とに分かれる。

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ちょっと写真を2枚切り抜いてみた。左カスミちゃん、すごい貫禄だな。日本名がついているのはこのカスミだけ。10歳のペルシャ猫で、性格は見た目と違ってすごく優しいんだって。もう2回引き取られたけどそのたびにボートに戻ってくるので、以来ここで幸せに暮らしているのだそうだ。右ジスカちゃんは、うちの猫に似ているのでなんとなく載せた(笑)。猫で和んだところで今日は終わります。

🌸前の記事 

cenecio.hatenablog.com 

追記:12月13日

 追記:2019年1月 

"street medics"救護班

https://twitter.com/afpfr/status/1087111527889543171

 

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高輪ゲートウェイはイヤだ &グッチのダサ可愛セーターが衝撃。

12月8日、真珠湾攻撃の日だ。それについて書くわけではない。水道民営化とカッコ付きの「移民法」もろくに論議もせず未明に通ったようだ。まもなく夜が明けるフランスの本日8日のデモもかなり心配だ。あとでニュースを追うことになるだろう。今日はまたフィギュアスケートのグランプリファイナル・フリーがあるので、私としては落ち着かない。

そうしたこととは全然関係ない話題で行こう。

東京にお住まいでない皆さんには何の関心もないと思うが、今山手線の新しい駅名で大騒ぎしている。環状の山手線(*京浜東北線も同じところを通る)の田町~品川駅間に新しい駅ができるというので名前を公募していた。

1位は「高輪(たかなわ)」、2位は「芝浦」、3位は「芝浜」…と続く。私などはどれもいいじゃん、芝浜なんて落語にあるからおもしろいな、と思う。ところが選ばれたのはまさかの130位「高輪ゲートウェイ。公募なんて形だけだったんだろうか。しかもカタカナが付く名前は山手線の駅のなかで初めてだし、かなり浮いた感じ、しかもダサい。

駅名撤回の署名運動も始まったようで、「高輪門」あたりで折り合うのはどうか、などといろいろな意見が飛び交っている。(*1)

その中、くらげさんという方のツイートが話題で、うちは家族でそれを肴にワイワイと楽しんだ。山手メトロポリタンループラインというもの。

https://pbs.twimg.com/media/Dtkn21QU4AAsbaF?format=jpg&name=4096x4096

元々ある駅名にその地域の特徴を生かしたカタカナ語を付与している。

今見たら1000件以上の返信がある。何と言ってもかわいそうな駅「田端ナッシング」。なんか恨みでもあるのか。ナッシングどころかここは鉄道好きの聖地ですぞ。駅前にJR東日本の東京支社もあれば、尾久車両センターもあるし、駅前のホテルメッツにわざわざ宿泊して通過する新幹線たちを一日中眺めている人だっているのだ。

別のアイディアはこちら。

のすけさん:

他にもご指摘ありますが、田端(尾久)には古来より北日本、東日本方面への列車基地も御座いますので「ナッシング」よりは「レールウェイズベースメンツ」か「レールウェイズサンクチュアリ」が適切かと存じます。

Candy Apple Redさん:

田端JRビレッジ。何にもないのは主要なところはJRの施設なため。近隣の田端文士村にもかけてある。

‏いやあ、お二方ともすばらしい。

他にもツッコミを入れたい駅はあるのだが、ちょっと我慢して、最後に山手線の形状についてひとこと。丸い円ではない。焼き芋(さつまいも)を想像してみてほしい。ほかほかの焼き芋に一口かじりつく。すると食べたところは平らになるよね。山手線はそんな形をしている。平らになったところは池袋~田端駅。

山手線を横に貫く中央線というものがある。私の感じでは中央線の上半分(山手線の内側)は徒歩圏内である。自転車があればもっと早く移動できる。たしか村上春樹も小説のなかで、お茶の水から駒込あたりまで歩いていた。昔は皆よく歩いたものだ。

 

ダサ可愛!アグリー・セーター( Ugly Christmas Sweater)

この時期、クリスマスシーズンになると理解できないことのひとつに、海外のアグリー・クリスマス・セーター熱というものがある。フランスにはダサいセーター選手権まである(*2)。毎年いつも思っていた。高いお金出してこれ本当に買うの?と。買うらしい。それを着てパーティもするらしい。ダサければダサいほど高値がつくとか。12月12日は「アグリー・クリスマス・セーターの日」だとか・・・。

2018年バージョンの一例がこれ。

Ugly Christmas Sweaters | Funny Xmas Sweaters for Men and Women

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セーターの由来は、

手編みのプレゼントは欧米人にとって子供時代の恐怖体験の一つである。
欧米では、たいていの人間が「おばあちゃんからのクリスマスプレゼント」として、着るのが恥ずかしい悪趣味な手編みのセーターをもらった経験がある。

それはたいてい、雪だるまやトナカイ、クリスマスリースやクリスマスツリーをでかでかと、または大量に編みこんであり、クリスマスらしい赤や緑の派手な色をしていて・・・アグリー・クリスマス・セーター - Wikipedia

なんと19世紀から存在しているらしい。現代ではその悪趣味さ、過剰さを楽しむジョーク・グッズのようなものだという。しかしそこそこのお値段はするのに、おそらく1~2回しか着ないのに…もったいないなと思ってしまう。

編み物が好きな私としては考えさせられもする。以前編んで贈った編み込みのセーターは誰かの迷惑になっていないか。特にキャラクターものだ。フランス人の少年に贈ったハドック船長の編み込みはマズかったり?(ハドック船長はベルギーのBD作家エルジェの「タンタンシリーズ」に登場する)。あれは、これは、どうだったろう…ああ、キリがないので考えるのはやめる。

最近私の度肝を抜いたセーターを紹介しよう。

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グッチ(Gucciビバ!バレーボール インターシャ セーター ¥ 140,400 (税込)

しかもメンズである。

http://cdn.buzz-plus.com/wp-content/uploads/2018/08/gucci-sweater.jpg

名前が「ビバ! バレーボール インターシャ セーター」。

井出智香恵さんの人気スポ根バレーボール漫画「ビバ! バレーボール 」から取ったらしい。この漫画は集英社の「りぼん」に1968年から連載された。私は全然知らないけれど、皆さんのなかにご存じのかたがいらっしゃるかも。

イタリアといえば、『アタッカーYOU! 』アタッカーYOU! - Wikipediaが大人気だったと聞いたことがある。

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↑フランス ↓イタリア

http://www.fumettologica.it/wp-content/uploads/2014/09/milashiro.jpg

日本の漫画やアニメはまずフランスに上陸し、そのあとイタリアにも広がっていくのが普通だ。この漫画は、田舎の少女だった葉月優がバレーボール選手として成長していく物語で、1984~1985年までテレビ東京系で放映。フランスではラ・サンク(La Cinq)という新しくできた局で放映されるや、フランスに一大バレーボールブームを巻き起こし、小学生女子のバレーボール人口が急に増えたという。

そしてイタリアではこの漫画のおかげで、バレーボールのプロリーグが創設されるきっかけになったというから、漫画&アニメは侮れない。

今日はここまでです。ではまた~!

*1 

*2 こちらフランス大使館さんのツイートが楽しい。

 追記:嬉しいことにオランダ紙は私と意見が一緒。醜いセーターでなく、美しいセーターを贈ろう、ですって!左のペンギンのセーターがいいなあ💛

https://pbs.twimg.com/card_img/1297368109771235328/r7mtw7p4?format=jpg&name=small

https://t.co/noWIBirncw

 

マリアンヌの壊れた顔も象徴 &北海道の女子高生がフランスで主役だった話 黄色ベスト-1-追記:2019年3月

マリアンヌ(Marianne)破壊の衝撃

フランス共和国の象徴マリアンヌ。顔を襲撃される。これも危機に瀕したフランスの象徴→追記:2019年3月

https://ichef.bbci.co.uk/news/660/cpsprodpb/EB08/production/_104586106_mediaitem104586103.jpg

https://www.bbc.com/japanese/46422570

フランスのデモがとんでもないことになっている。11月17日に始まった燃料税の引き上げに反対するデモ。特定の政党や労働組合が主導しないデモ、リーダーのいない珍しいデモである。黄色いベスト運動とも呼ばれており、右翼も左派も入り混じった集合体のその本音は、マクロン大統領に対する抗議、または辞任を要求するデモらしい。

国民の75%がデモに理解を示しているということだ。しかしその過激さは市街戦を思わせ、破壊された街の映像を見るとため息しか洩れない。

この週末は凱旋門が荒らされた。凱旋門は、シャンゼリゼ通り、シャルル・ド・ゴール広場にあって、夏はフランスがサッカーワールドカップで優勝したので、あそこには数万もの人々が集って大盛り上がりしたのだ。普通なら今の時期、シャンゼリゼ通りはクリスマスの飾りつけで眩いほどの豪華さのはずだが。

凱旋門は大理石でできているからそう簡単には壊されない。↓落成1836年の門のマリアンヌ(レリーフのこと。小さくてすみません)は、革命のさなかの市民たちを鼓舞している。

https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/8/8d/Paris_July_2011-30.jpg/800px-Paris_July_2011-30.jpg

エトワール凱旋門 - Wikipedia

しかし凱旋門内部のマリアンヌは顔をやられた。最初の写真のとおり。デモ隊は内部に押し入り、多くの物を破壊した。そのついでにマリアンヌのマケット(縮小模型)を襲ったのだ。なんという顔だ。凄みが増して、痛みに苦悶し、激怒し、叫び声をあげているかのようだ。

マリアンヌといえば、フランスの象徴、共和国の擬人化(の一つ)である。硬貨にも描かれ、数多くの名画のモチーフとなり、なかでもドラクロワの「民衆を導く自由の女神」は有名で、皆さんご存知だろう。

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Street-art et déco contemporaine pour l'interview de Macron sur TF1 - L'Express

ちなみにマクロン大統領になってから現代風のマリアンヌが執務室の壁を飾る。左のイラスト。シェパード・フェアリー作。

しかし今やこの傷ついたマリアンヌの顔こそが、今のフランスの象徴かも。

 追記:2019年5月 完全に修復できたようです。

 

週末の衝突をまとめた映像をtwitterから借りてきた。

黄色いベストたちとは関係ない人も混じっているのだろう。便乗して暴れたい壊し屋(Casseur)たち、デモともなれば毎回現れる得体の知れないアナーキスト集団(?)なども…。

マクロンさんは民意が見えない人だ。企業や金持ちの方ばかり見て、常にビジネス優先。ずいぶんと呑気だなという印象を当初から持っている。大統領選で「右派でも左派でもない」マクロン氏に投票した人の多くはルペン阻止だったというのに。当選後すぐに反マクロンデモが起きたことからもわかる。フランス国鉄のストも数カ月にわたった。さすがに今回はこたえたようだ。燃料税増税は先延ばしにするかな、どうだろう。

*追記:さっき入ったニュースによればフランス時間4日に増税の延期を発表とのこと。

フランス2のニュースを見ていると、今回の暴動とさえ呼べるデモは、これまでの積もり積もった国民の不満、憤懣がピークに達した感じを受ける。インタビューに応えた人が言う。ここまでやらないと政府には届かないんだ、どれだけ国民が怒っているか見てもらえないんだよと。マイクを向けられた人は皆熱く喋る。いや怒る。怒鳴る。もう限界なんだという切迫さが伝わってくる。

朝日新聞朝刊(12月2日)からひとつだけ引用すると

デモに参加した、パリ郊外に住む年金生活者のメレ・ダニエルさん(70)は「私の年金は、家賃が払えない48歳の娘の仕送りに消えていく。大統領は庶民の惨めな暮らしぶりがわかっていない」と憤った。

日本と被る。苦しい状況は。ただ日本人は怒らないし、デモもしない。

 

こちらは、右翼も左翼もごく普通の市民も一緒になって、国歌であり革命の歌である「ラ・マルセイエーズ」を歌っている映像。↓(フィガロ紙から)

 

おとといのフランス2Violences à Paris : quels regards portent l'Italie, l'Allemagne ou le Royaume-Uni ?では、イギリスにいる特派員が「黄色いベスト運動は、右派左派両方からの抗議という点が、Brexit(英国のEU離脱)に投票した人たちと相似形をなすのでは…」というようなことを言っていた。

ニュースの後はてなブログを開いたら、偶然ぴったしのタイミングでReikoさんが消えることのない光を求めて 『ヨーロッパ・コーリング』『いまモリッシーを聴くということ』(ブレイディみかこ) - 快適読書生活という記事を書いていた。ブレイディみかこさんといえば、Yahoo! ニュース個人ブログに記事が載るので私もタダで読んでいる。その記事をまとめ、『ヨーロッパ・コーリング』というタイトルで出ている本を紹介してくださったのだ。

「いまや、それは階級政治だ。ギリシャ危機はファイナンスや債務返済の問題ではない」(ケン・ローチ)の記事は当時読んでいる。国民投票の1年前、まだ2015年の記事なのに今読み返してもおもしろい。

当時、ギリシャに共感を寄せる様々な動きや反緊縮ムーヴメントがあって、EUのボスたちにとっては邪魔だったのだ。

(引用)

英国でEU離脱を訴えているのは移民制限を訴える右派のUKIPだが、緊縮や今回のギリシャ問題では英国の左派もかなりEUに反感を抱き、失望している。このまま右と左の両サイドから徐々に浸食されていけば、EU支持者はどのくらい残るのだろう。

ギリシャを世界の笑いものにして勝ち誇っているEUは、自分たちの足元に深くて暗い墓穴を掘っているかもしれない。

今まさに「深くて暗い墓穴を掘っているかもしれない」な。Reikoさんも同じ箇所を引用している。

他にもおもしろい記事がたくさんあるがキリがないので。たとえば『「勝てる左派」と「勝てない左派」』など大きくうなづくものだ。ネットで読めるので興味のある方はぜひどうぞ。私は熱烈に「勝てる左派」を待望する。

 

北海道の女子高生がフランスで主役だった話

Twitterを見ているとおもしろいことに遭遇する。フランスは今年春から夏にかけて3カ月以上も毎週鉄道のストライキをやっていた。というのは、赤字をなんとかしなくちゃいけないので、政府がありとあらゆる改革案を押し付けてきたから。民営化とか赤字路線を削るとか、また鉄道市場への他国の参入を認める、国鉄職員の優遇制度を一部廃止・・・とにかくものすごくたくさんの締め付けを。それに反発してストは長引いた。

あるフランス人が「日本では女子学生一人のために電車を走らせているよ」とツイートした。これがちょっとバズったのだ。

この話、みなさんご存じだろうか。私は当時ベルギーにいて大きな話題だった。だから記事にもした(2016年1月18日→)北海道の秘境駅・クマのぬいぐるみCM・見向きもされないジョニー・アリデー - ベルギーの密かな愉しみ

北海道の旧白滝駅を通る路線が廃線になる予定。その駅を利用する乗客はたった一人。それは高校生の原田華奈さんで通学に使っている。それなら彼女が卒業するまで待ちましょうということに決まった。実にいい話だ。ベルギーでは仏蘭語両方のTVと新聞で報道された。異例の取り扱いだと思う。

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 フランスでも報道があったので男性はこれを引用し、これこそ公共交通機関のサービスさ、とツイートした。

 19,521件のリツイート 22,309件のいいね179件の返信があった。

この反響に対し、ルモンド紙が手を上げ、この女子高生の特殊ケースについて詳しく解説した記事を掲載 (2018年3月19日)。ま、それでフランスのみなさんも納得したみたい。

www.lemonde.fr

 でもこの話いいですよね。私は泣いたもん。

 今日はここまで。またね~!

🌸次の記事

cenecio.hatenablog.com 

🌸 参考:まとめ記事もあります。

たった一人の女子高生の卒業と同時に廃止になる駅が「なんか涙出てくる」と話題に - NAVER まとめ

追記:2019年3月

Queenとマレーネ・ディートリヒ&マルクス兄弟 フレディ-3- &トリビアなど

今日はいろいろな話題です。

映画『ボヘミアン・ラプソディ』は大ヒットらしい。一人で数回も見に行っては細部についてSNS上で意見交換している人たち。ハッシュタグ#もっとクイーンが好きになるトリビアにもQueen愛と興奮と熱狂が渦巻いている。第三次クイーンブームが来たんだなと実感している。また、この私のささやかなブログでも、前に書いたクイーンの記事2本に、合わせて1万以上のアクセスがあって、正直驚いている。

上記ハッシュタグや皆さんのブログから私も多くを教わった。貴重な豆知識の数々や私が思いもつかなかった視点・分析があって時間を忘れてしまう。ほどほどにしないと日付けが変わってしまうので要注意だ。

 

マレーネ・ディートリヒ

https://www.fashion.at/culture/marlene3-2003.jpg

https://www.fashion.at/culture/marlene3-2003.htm

イギリスの写真家ミック・ロック氏https://www.mickrock.com/がフレディにこのポーズをさせて写真を撮りたかったらしい。フレディ一人のモノクロ写真もあるし、勿論この「クイーン II」の有名なジャケットも。

https://pbs.twimg.com/media/DsH2g7EVYAANkmm.jpg

https://www.amazon.co.jp/Freddie-Mercury-Magic-Mark-Blake/dp/1495030113

ファンなら当然のごとく知っていたことかもしれない。でも私は映画の中で部屋の壁にディートリヒが貼ってあるのを見て「おや、もしかして?」とやっと気がついたのである。そうしたらハッシュタグの中の人が解説してくれていた。ありがたいことである。

すぐに夫に教えた。というのも夫と義父はマレーネの大ファンで、映画はほぼ見ているだろう。レコードも持っているし、何より1974年に中野サンプラザでコンサートがあったとき、二人で最前列で聴いている。同じ列には坂本九さん由紀さおりさんら日本のスターが席を埋めていたとか。ちなみにディートリヒは1970年大阪万博のときにもコンサートを開いている。

https://i.gzn.jp/img/2017/06/21/marlene-dietrich-legacy/007.jpg

ディートリヒの写真は↑こちらのほうが断然有名だと思う。しかし我が家で馴染んでいるのは、『間諜X27』(1931年 )のフランス版ポスターである。

f:id:cenecio:20181125162543j:plain1985年パリ

今アルバムからスキャンしてきた。1985年の長男と壁に貼られた『間諜X27』。なぜ映画のポスターが家にあるかというと、あまり大きな声では言えないが、ある日、雨風のせいで剥がれかかっているポスターを「このまま下に落ちてしまったら可哀そうだから」と夫が持ちかえったのである。昔はポスターは壁にじかに糊で貼ってあるだけだった。

こうしてうちの子どもたちはマレーネ・ディートリヒを見ながら、そしてもうひとりの大女優、リリアン・ギッシュリリアン・ギッシュ の美しいモノクロ写真を見ながら育ったのである。

 

マルクス・ブラザース(Marx Brothers)

みなさんご存じだろうか。若い人に聞いてみると、チャップリンは見たことがあってもマルクス兄弟は知らないらしい。

うちにはコレクションBOXがあり、昔ビデオカセットに録画したものを合わせるとほとんどの作品がある。

『オペラは踊る』(1935年)は20年くらい前にNHKで放映された。それを録画したのがあってつい最近娘と一緒に見たのは、クイーンとの縁を教わったからである。

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A Night at the Opera

 『オペラ座の夜』『華麗なるレース』がマルクス兄弟と密接な関係があるとは!

”A Night at the Opera” 名前が同じなのは知っていた。クイーンのほうは『オペラ座の夜』、マルクス兄弟のほうは邦題『オペラは踊る』。しかしクイーンのメンバーはアルバム制作中、気分転換に映画『オペラは踊る』を見たこと。またクイーンが1977年にロサンゼルスにいたとき、グルーチョ・マルクス(1890年 - 1977年グラウチョと書くことも)と会ったことは初めて知った。グルーチョは自宅にランチに呼んでくれたそうだ。

1977年というのが驚き!グルーチョが亡くなる年ではないか。(写真:youtube

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QUEEN Drummer ROGER TAYLOR - “We Sang “’39” For GROUCHO MARX” - Bravewords.com

www.youtube.com

(↑ロジャー・テイラーがいきさつを語っている。私は英語の聞き取りが苦手なのでいつも英字幕を表示する)

*クイーンネタはここまで。下におまけがあります。

 

そのほかの話題です。

1.107歳の自転車乗り

去年105歳のフランス人男性が現役の自転車選手、という記事を書いた。ウルトラ超高齢者のフランス人自転車乗り・オバマクッキー・鉄道の話 - ベルギーの密かな愉しみ

このマルシャンさんは翌年106歳で「引退」した。そして今年もお変わりなくとてもお元気で、先日107歳のお誕生日を迎えたそうだ。そんなことが大きなニュースになるっていいね。

1911年生まれのマルシャンさんは、1914年第一次世界大戦の始まりに、プロイセンの兵士がとんがった頭立のついたヘルメット「ピッケルハウベ」をかぶって、自分の町に入ってきたのを見たと話している。

2.風呂敷

https://pbs.twimg.com/media/DqsORo5WwAYvdYM.jpg

風呂敷がパリを席巻した。

ああそれ、テレビで見たわ~という方もいらっしゃるのでは?そう、今年は日仏友好160年ということで、70くらいの企画を立て、日本文化を広く紹介している。こちら公式twitterをどうぞ。ジャポニスム2018 (@japonismes2018_) | Twitter

あるとき、パリ市庁舎前にこのどでかい風呂敷が出現した。写真はパリ市長イダルゴさんのTwitterからお借りしている。

 おしゃれで究極のエコバッグである風呂敷。いろいろな人がデザインしたり

https://pbs.twimg.com/media/Dq3zkuBVAAE-t57.jpg

街なかの彫像に持たせてみたり

https://tabizine.jp/wp-content/uploads/2018/12/215015-03.jpg

バゲットを包んだり

https://pbs.twimg.com/media/Dq66ckmWkAAWDTO.jpg

 大盛況だったらしいですよ。

今日はここまで。

 

🌸メモ: 東京新聞朝刊11月28日

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🌸トリビア集その2

メモ みなさんのtwitterから

 

www.youtube.com

#スター千一夜 

石ノ森章太郎 

卒業後の進路欄 

先輩のハトさんありがとうございます。

ロジャーの女装  

 

Myomian ラプソディ Nyemama Myomami 🎶

 

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www.youtube.com

www.youtube.com

 

 お料理本まで?

http://www.freddiemercurysroyalrecipes.com/bundles/applicationapplication/images/books.png?1538378355

フレディ・マーキュリー という薔薇 

https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/51ZEK%2BxOTWL._SX425_.jpg

https://www.amazon.co.uk//dp/B0026MH3SC

 記事

gendai.ismedia.jp小栗 勘太郎
headlines.yahoo.co.jp

 引用

最後に、この音盤のタイトルについて。

 ある夜、録音の途中で意見の対立からどうにもならなくなり、最低の気分になっていました。片田舎のロックフィールド・スタジオゆえに、繁華街に繰り出すこともできません。が、プロデューサーのベイカーの別荘が近場にあったので、そこで休憩となりました。たまたま、居間のビデオ・デッキに入っていたのがマルクス兄弟の映画『オペラ座の夜』だったのです。険悪な雰囲気だったのがこの喜劇で一気に場が和んだといいます。それで、この音盤のタイトルが『オペラ座の夜』に決まったのです。この展開もクイーン的です。

 今週末は、ロック・ミュージックの進化を体現する音楽の絵巻『オペラ座の夜』を徹底的に聴き倒してみてくださいませ。

小栗 勘太郎 :音楽愛好家

www.youtube.com

 Queen Live Aid 1985 - BackStage

www.youtube.com

 エイズについてheadlines.yahoo.co.jp

 引用

エイズと芸術活動

 フレディ・マーキュリーの他にも構造主義から出でたポスト構造主義者として名高い哲学者ミシェル・フーコーポップアートの旗手だったキース・ヘリング、スタジオ写真の鬼才ロバート・メイプルソープなど多数の有名無名の芸術家がエイズで死亡している。彼らの多くは同性愛者か薬物常用者であったが、同時に高い知性で自分の病気の状態と予後を理解しており、エイズが晩年の芸術活動に何らかの影響を及ぼした可能性がある。どの人も現在だったら助けられるのにと思うことしきりである。

◯早川 智(はやかわ・さとし)医師

🌸ジャマイカのラプソディ Jamaican Rhapsody

www.nicovideo.jp

🌸子どもたちの学芸会仕立てというイギリスのCM!

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マーク・マーテル

🌸この一連のツイートがおもしろい(2019年2月3日)